【月齢別】さつまいも製作を0歳児と楽しむ!保育士が教える10の簡単アイデアと発達効果
秋が深まってくると、保育園でも「そろそろ季節の製作活動を考えなきゃ」と思いますよね。特に0歳児クラスを担当していると、「さつまいもの製作って、まだ何もできない赤ちゃんでも楽しめるのかな?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
実は、0歳児だからこそ楽しめる、さつまいも製作のアイデアはたくさんあります。この記事では、月齢別の発達段階に合わせた製作方法から、安全管理のポイント、実際の保育現場での実践例まで、詳しくご紹介していきます。
明日からすぐに使える具体的なアイデアばかりなので、ぜひ最後まで読んで、秋の保育活動に役立ててくださいね。
1. 0歳児とさつまいも製作を始める前に知っておきたいこと
1-1. 0歳児の発達段階と製作活動の意義
0歳児の製作活動と聞いて、「まだ早いんじゃないか」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、0歳児にとっての「製作」は、私たち大人が考えるような「作品を完成させる」こととは少し違うんです。
0歳児の製作活動における最大の目的は、「五感を使った体験そのもの」にあります。さつまいもの色や形、感触を見たり触ったりすることで、赤ちゃんの脳は驚くほど活発に働いているんですよ。
厚生労働省が定める「保育所保育指針」でも、0歳児の保育内容として「感覚や手指を使う遊びを十分に楽しむ」ことが重視されています。つまり、さつまいも製作は、この指針にぴったり合った活動なんです。
0歳児の月齢別発達の目安
0歳児といっても、月齢によって発達段階は大きく異なります。製作活動を計画する前に、それぞれの時期の特徴を押さえておきましょう。
- 0~3ヶ月: 視覚・聴覚が急速に発達する時期。まだ手を自由に動かすのは難しい段階です
- 4~6ヶ月: 手で物を握れるようになり、口に持っていく動作が見られます
- 7~9ヶ月: お座りが安定し、両手を使って遊べるようになります
- 10~12ヶ月: つまむ動作ができるようになり、指先を使った細かい動きが可能になります
1-2. さつまいも製作が秋の保育活動に最適な理由
「なぜさつまいもなの?」と思われるかもしれませんね。実は、さつまいもには0歳児の製作に適した理由がいくつもあるんです。
【理由1】親しみやすい身近な食材
さつまいもは、離乳食でも登場する馴染みのある食材です。保護者の方も「あ、うちの子が食べてるやつだ!」と親近感を持ってくれます。実際、生後5~6ヶ月頃から離乳食に取り入れられることが多く、赤ちゃんにとっても身近な存在なんですよ。
【理由2】安全な色合いと形
さつまいもの紫や黄色、オレンジといった色は、派手すぎず優しい印象を与えます。また、細長い形状は赤ちゃんの手でも握りやすく、製作活動に適しています。
【理由3】季節感を伝えやすい
秋の代表的な食材として、季節の移り変わりを感じてもらうのに最適です。「秋にはこんな美味しいものがあるんだよ」と、自然や食への興味の芽を育てることができます。
1-3. 安全に楽しむための3つの基本ルール
0歳児の製作で何より大切なのが安全管理です。楽しい活動も、一歩間違えれば事故につながってしまいます。次の3つのルールは必ず守ってくださいね。
ルール1:誤飲の危険がないサイズ・素材を選ぶ
0歳児は何でも口に入れてしまいます。使用する材料は、直径39mm以上(トイレットペーパーの芯を通らないサイズ)を基本としましょう。これは、消費者庁が示す誤飲防止の目安サイズです。
ルール2:常に大人の目が届く環境を作る
製作中は、子ども一人ひとりに目が届くよう、保育士の配置人数に余裕を持ちましょう。理想は子ども2~3人に対して保育士1人の体制です。
ルール3:アレルギー対応可能な素材を使う
のりや絵の具には小麦などのアレルゲンが含まれている場合があります。事前に保護者に確認を取り、必要に応じて代替素材を用意しましょう。最近では、米粉を使ったのりなど、アレルギー対応商品も増えていますよ。
2. 【月齢別】0歳児向けさつまいも製作アイデア10選
2-1. 0~5ヶ月向け:感覚遊び中心の製作アイデア
この時期の赤ちゃんは、まだ自分で何かを「作る」ことは難しい段階です。でも、見たり触ったりする感覚遊びは十分に楽しめます。保育者が主体となって製作し、赤ちゃんに感覚体験をさせてあげるスタイルがおすすめです。
アイデア1:さつまいも色の感触マット
オレンジや紫の布やビニールに、綿や新聞紙を詰めて、さつまいもの感触を再現します。赤ちゃんを寝かせた状態で、優しく触れさせてあげましょう。「ふわふわしてるね」「これがさつまいもの色だよ」と声をかけながら行うと、言葉の発達にも良い影響があります。
準備するもの:
- オレンジ色や紫色の布(フェルトやガーゼなど)
- 中に詰める綿や新聞紙
- 安全なテープ(布テープなど)
アイデア2:足形アートでさつまいも
赤ちゃんの足に安全な絵の具をつけて、画用紙にペタン。足形がそのままさつまいもの形に見えるんです。「これは○○ちゃんの足だね。さつまいもみたいだね」と話しかけながら行いましょう。
この時期の赤ちゃんは、足の裏への刺激を意外と喜びます。くすぐったくて笑う子も多いですよ。成長記録としても残せるので、保護者の方にも喜ばれます。
アイデア3:さつまいもの吊るし飾りを見せる活動
厳密には製作というより鑑賞活動ですが、保育者が作ったさつまいもの吊るし飾りを、赤ちゃんの目線の高さにゆらゆらと動かして見せてあげます。視覚の発達を促す効果があり、赤ちゃんは動くものを目で追うことで、追視の練習になります。
2-2. 6~11ヶ月向け:手指を使う製作アイデア
この時期になると、お座りが安定し、両手を使って遊べるようになります。自分で「触る」「握る」といった動作を通じて、より主体的に製作を楽しめるようになりますよ。
アイデア4:新聞紙ぐしゃぐしゃさつまいも
新聞紙をぐしゃぐしゃに丸めて、オレンジ色の花紙や折り紙で包むだけの簡単製作です。「ぐしゃぐしゃするの、楽しいね!」と声をかけながら、一緒に新聞紙を丸める動作を楽しみましょう。
新聞紙を丸める音や感触は、赤ちゃんの聴覚・触覚を刺激します。また、握る動作は手指の発達にもつながります。ただし、新聞紙のインクが気になる場合は、白い紙を使っても大丈夫ですよ。
作り方の手順:
- 新聞紙1~2枚を赤ちゃんと一緒にぐしゃぐしゃに丸める
- 保育者がオレンジ色の花紙で包む(赤ちゃんが見ているところで)
- 上部を緑の折り紙やモールで留めて、さつまいもの「へた」を表現
- 完成!握ったり転がしたりして遊べます
アイデア5:シール貼りさつまいも
大きめのさつまいもの形を画用紙に描いておき、その上に丸シールを貼っていく活動です。この時期の赤ちゃんは「つまむ」動作が少しずつできるようになるので、指先を使う良い練習になります。
シールは直径2cm以上の大きめサイズを選びましょう。色も、オレンジや黄色、紫など、さつまいもをイメージした色を用意すると、色彩感覚も育ちますよ。
「ここに貼ってみようか」「上手にできたね!」と、できたことを一つひとつ認めてあげることで、赤ちゃんの自己肯定感も育っていきます。
アイデア6:スポンジスタンプのさつまいも模様
さつまいもの形に切ったスポンジに、安全な絵の具をつけてペタペタスタンプ。赤ちゃんの手を添えて、一緒にスタンプを押してあげましょう。
スポンジの柔らかい感触と、画用紙に色がつく様子を楽しめます。「わあ、さつまいもの形ができたね!」と驚きを共有することで、赤ちゃんの好奇心がさらに刺激されます。
アイデア7:紙袋さつまいも人形
小さめの紙袋にオレンジ色の折り紙や画用紙を貼り、新聞紙を詰めてさつまいもの形に。赤ちゃんが握ったり、振ったりして遊べるおもちゃになります。
中に鈴を入れれば音も鳴って、より楽しい遊びに。ただし、鈴は必ず紙袋の口を完全に閉じて、絶対に取り出せないように固定してくださいね。
アイデア8:ビニール袋でふわふわさつまいも
透明なビニール袋に、オレンジ色の花紙をちぎって入れます。赤ちゃんと一緒に花紙をちぎる動作を楽しんでから、袋に入れて膨らませます。
ふわふわと軽くて、握ってもカシャカシャ音がするので、赤ちゃんは夢中になりますよ。見た目もカラフルで、秋の装飾としても使えます。
アイデア9:手形ペタペタさつまいも畑
大きな模造紙に、オレンジ色の絵の具で手形をたくさん押していきます。手形一つひとつがさつまいもに見えて、まるでさつまいも畑のような作品に。
クラス全員の手形を集めて、「みんなのさつまいも畑」として壁面装飾にすると、保護者の方にも喜ばれます。「これは○○ちゃんのさつまいも」と自分の手形を見つける楽しみもあります。
アイデア10:綿棒でトントンお絵かきさつまいも
綿棒の先に絵の具をつけて、さつまいもの輪郭が描かれた画用紙に、トントンと色をつけていきます。筆よりも綿棒の方が握りやすく、0歳児でも扱いやすいんです。
「トントントン」とリズムをつけながら行うと、赤ちゃんも真似してリズム感が育ちます。音楽と組み合わせても楽しいですよ。
2-3. 月齢別製作難易度比較表
どの製作がどの月齢に適しているか、一目でわかる比較表を作りました。保育計画を立てる際の参考にしてくださいね。
| 製作アイデア | 対象月齢 | 難易度 | 所要時間 | 主な発達効果 |
|---|---|---|---|---|
| 感触マット | 0~5ヶ月 | ★☆☆☆☆ | 準備30分 | 触覚・視覚の発達 |
| 足形アート | 0~5ヶ月 | ★☆☆☆☆ | 5分/人 | 感覚刺激・成長記録 |
| 吊るし飾り鑑賞 | 0~5ヶ月 | ★☆☆☆☆ | 鑑賞10分 | 追視・視覚の発達 |
| 新聞紙ぐしゃぐしゃ | 6~11ヶ月 | ★★☆☆☆ | 10分/人 | 手指の発達・聴覚刺激 |
| シール貼り | 8~11ヶ月 | ★★☆☆☆ | 15分/人 | 巧緻性・集中力 |
| スポンジスタンプ | 6~11ヶ月 | ★★☆☆☆ | 10分/人 | 色彩感覚・創造性 |
| 紙袋人形 | 6~11ヶ月 | ★★★☆☆ | 20分/人 | 握力・遊びの広がり |
| ビニール袋ふわふわ | 7~11ヶ月 | ★★☆☆☆ | 15分/人 | 聴覚・触覚刺激 |
| 手形ペタペタ | 6~11ヶ月 | ★★☆☆☆ | 5分/人 | 感覚刺激・協同性 |
| 綿棒トントン | 9~11ヶ月 | ★★★☆☆ | 15分/人 | 手指の巧緻性・表現力 |
3. 保育士おすすめ!すぐできる簡単さつまいも製作5つ
「明日の保育で使いたい!」という方のために、特に人気が高く、準備も簡単な製作を5つピックアップしました。実際の保育現場で何度も実践されている、間違いないアイデアばかりです。
3-1. さつまいもスタンプ(手形・足形アート)
0歳児製作の定番中の定番が、この手形・足形アートです。「うちの子の手ってこんなに小さかったんだ」と、保護者の方が必ず感動してくれます。
準備するもの
- 画用紙(A4またはB4サイズ、白またはクリーム色)
- 水性絵の具(オレンジ、紫、黄色など)
- 絵の具を入れる平らな容器(スポンジを敷くと使いやすい)
- 濡れタオル(手足を拭くため)
- 新聞紙(汚れ防止用)
- 緑の画用紙やモール(さつまいもの葉を表現)
作り方の流れ
- 赤ちゃんの手のひら、または足の裏に絵の具を優しく塗ります
- 画用紙にペタンと押し付けて、手形・足形を取ります
- すぐに濡れタオルで優しく拭き取ります
- 手形・足形が乾いたら、上部に緑色で葉を描き足します
- 「○○ちゃんのさつまいも」と名前と日付を記入して完成!
成功のコツ
絵の具は少し水で薄めて、サラサラにしすぎないのがポイント。濃すぎると赤ちゃんの肌に負担がかかり、薄すぎると形がきれいに出ません。「マヨネーズくらいの固さ」を目安にしてください。
また、赤ちゃんの機嫌が良いタイミングを見計らって行いましょう。眠い時や空腹時は避けた方が、スムーズに進みます。
3-2. さつまいもの感触遊びマット
寝返りやずりばいを始めた赤ちゃんにぴったりの製作です。さつまいもの色や感触を再現したマットで、全身を使った感覚遊びができます。
準備するもの
- オレンジ色のフェルト生地(1m×50cmくらい)
- 綿または新聞紙(クッション材として)
- 安全な布用接着剤、または縫い糸
- 紫色の布(さつまいもの皮を表現)
- 緑色のフェルト(葉っぱ用)
作り方の流れ
- オレンジ色のフェルトをさつまいもの形(細長い楕円形)に2枚切ります
- 周りを縫い合わせ、途中まで縫ったら中に綿を詰めます
- 綿をしっかり詰めたら、最後まで縫い合わせます
- 紫色の布で「皮」の部分を表現し、一部に貼り付けます
- 緑のフェルトで葉っぱを作り、上部に取り付けます
遊び方のバリエーション
完成したマットは、赤ちゃんの下に敷いたり、触らせたりして遊びます。「ふわふわだね」「オレンジ色だね」と声をかけながら、感触を楽しませてあげましょう。
また、複数個作って並べれば、「さつまいも畑」の完成です。保育室の一角に置いておくと、季節感のある空間演出にもなりますよ。
3-3. 紙袋で作るさつまいも
この製作の良いところは、作った後も遊べるところです。握ったり、転がしたり、おままごとにも使えて、一石二鳥なんです。
準備するもの
- 小さめの紙袋(お菓子が入っているようなサイズ)
- オレンジ色の折り紙または画用紙
- 新聞紙(中に詰める用)
- 緑色の折り紙やモール
- のり、テープ
- (お好みで)鈴やビーズ(音を出したい場合)
作り方の流れ
- 紙袋の全体にオレンジ色の折り紙を貼ります(赤ちゃんと一緒に「ペタペタ」しても楽しい)
- 紙袋の中に丸めた新聞紙を詰めます
- お好みで鈴を入れます(取り出せないようしっかり固定)
- 袋の口をしっかり閉じて、テープで固定
- 上部に緑色の折り紙やモールでさつまいもの葉を表現
- 顔を描いても可愛いですよ!
安全上の注意点
袋の口は必ず頑丈に閉じてください。布テープを何重にも巻くなど、絶対に開かないようにすることが大切です。また、使用前に保育士がしっかり安全チェックをしましょう。
3-4. 新聞紙でふわふわさつまいも
新聞紙をぐしゃぐしゃにする音と感触は、赤ちゃんが大好きな感覚刺激です。製作過程そのものが楽しい遊びになります。
準備するもの
- 新聞紙(1人あたり2~3枚)
- オレンジ色の花紙または薄い布
- 緑色の折り紙やモール
- 輪ゴムまたはリボン
作り方の流れ
- 赤ちゃんと一緒に新聞紙をぐしゃぐしゃに丸めます(これが一番楽しい時間!)
- 丸めた新聞紙をさつまいもの形に整えます
- オレンジ色の花紙でふんわりと包みます
- 上部を輪ゴムやリボンで軽く留めます
- 緑色の折り紙を輪ゴムの部分に挟んで、葉っぱに見立てます
製作のポイント
新聞紙を丸める作業は、赤ちゃんにとって最高の手指運動です。「ぐしゃぐしゃ、楽しいね!」「○○ちゃん、上手に丸められるね」と、たくさん声をかけてあげましょう。
完成したさつまいもは軽くて柔らかいので、万が一投げても安全です。お部屋に複数個置いておくと、赤ちゃんが自由に触って遊べますよ。
3-5. シール貼りでさつまいもデコレーション
指先を使う練習として最適なのが、このシール貼り製作です。「できた!」という達成感も味わえて、赤ちゃんの自信につながります。
準備するもの
- 画用紙(A4サイズ)
- さつまいもの輪郭を描いた台紙
- 丸シール(直径2cm以上の大きめサイズ)
- オレンジ、黄色、紫、茶色など、さつまいもカラーのシール
作り方の流れ
- 画用紙にさつまいもの輪郭を大きく描きます(保育者が事前準備)
- 赤ちゃんの前にシールを数枚用意します(一度に全部出すと混乱します)
- 「ここに貼ってみようか」と声をかけながら、さつまいもの輪郭内にシールを貼ります
- 赤ちゃんが自由に貼れるよう見守ります(多少はみ出してもOK!)
- 全体が埋まったら完成です
発達段階に合わせた工夫
まだシールを剥がすのが難しい赤ちゃんには、保育士が少しだけ剥がしてあげると良いでしょう。「ここを持って、そうそう、上手!」と一緒に喜んであげることで、意欲が高まります。
逆に、器用な赤ちゃんには、小さめのシールに挑戦させても良いですね。ただし、誤飲には十分注意してください。
4. 材料準備から完成まで:詳しい作り方ガイド
4-1. 基本の材料リストと入手方法
さつまいも製作で使う基本的な材料は、100円ショップやホームセンターで手軽に揃えられます。以下に、おすすめの入手先と選び方をご紹介しますね。
画用紙・折り紙類
入手先:100円ショップ、文房具店、ネット通販
選び方:0歳児は口に入れる可能性があるため、できるだけ厚手で丈夫なものを選びましょう。色は、オレンジ、黄色、紫、茶色、緑があればさつまいも製作には十分です。
絵の具
入手先:100円ショップ、画材店、教材専門店
選び方:0歳児の肌に触れるものなので、「安全マーク(STマーク)」がついた製品を選ぶことをおすすめします。水で簡単に落とせるタイプが便利です。また、小麦アレルギーのお子さんがいる場合は、米粉ベースの絵の具もあります。
シール
入手先:100円ショップ、文房具店
選び方:必ず直径2cm以上の大きめサイズを選んでください。カラフルな丸シールが何色もセットになったものが便利です。
フェルト・布類
入手先:手芸店、100円ショップ
選び方:洗える素材を選ぶと衛生的です。フェルトは切りっぱなしでも端がほつれないので、0歳児用の製作に最適です。
新聞紙・花紙
入手先:家庭にある新聞紙、100円ショップ(花紙)
注意点:新聞紙のインクが気になる場合は、広告チラシや白い紙で代用できます。花紙は薄くて破れやすいですが、その柔らかさが赤ちゃんには安全です。
のり・接着剤
入手先:100円ショップ、文房具店
選び方:でんぷんのりや、米粉を使った安全なのりを選びましょう。「食べても安全」とまではいきませんが、万が一口に入っても比較的安心な素材です。
4-2. 手形・足形さつまいもの作り方(ステップ解説)
最も人気の高い「手形・足形さつまいも」について、初めての方でも失敗しない詳しい手順をご説明します。
事前準備(製作の前日までに)
- 保護者への連絡
「明日、絵の具を使った製作をします。汚れても良い服でお願いします」と、連絡帳やアプリで伝えましょう。 - アレルギーチェック
使用する絵の具の成分を保護者に確認。特に小麦アレルギーのお子さんがいる場合は、代替品を用意します。 - 材料の準備
画用紙、絵の具、容器、濡れタオル(多めに)、新聞紙、エプロン(保育士用・子ども用)、着替えを用意します。
当日の流れ(製作時)
ステップ1:環境設定(5分)
- 床に新聞紙を広く敷きます
- 絵の具を適量(少し水で薄める)容器に出します
- 濡れタオルをすぐ使えるよう近くに置きます
- 保育士はエプロンを着用します
ステップ2:子どもの準備(3分)
- 赤ちゃんを保育士の膝の上に座らせます(足形の場合は寝かせる)
- 「これから、○○ちゃんの手(足)でさつまいもを作るよ」と優しく声をかけます
- 絵の具を見せて、「オレンジ色だね。さつまいもの色だよ」と説明します
ステップ3:絵の具をつける(1分)
- 赤ちゃんの手のひら(または足の裏)全体に、筆で優しく絵の具を塗ります
- この時、くすぐったがって動く子もいますが、「気持ちいいね」と穏やかに声をかけましょう
- 指先までしっかり絵の具をつけるのがポイントです
ステップ4:手形・足形を取る(1分)
- 画用紙を床に置き、赤ちゃんの手(足)をペタンと押し付けます
- 「ペタン!すごいね!」と明るく声をかけます
- 2~3秒ほど押さえて、ゆっくり離します
- きれいに形が取れたら、すぐに次の工程へ
ステップ5:手を拭く(2分)
- 濡れタオルで優しく絵の具を拭き取ります
- 指の間、爪の周りも丁寧に拭きましょう
- 「きれいになったね」と声をかけながら行います
ステップ6:仕上げ(製作後、乾いてから)
- 手形・足形が完全に乾いたら、上部に緑色で「葉っぱ」を描きます
- 「○○ちゃんのさつまいも 2024年11月」など、名前と日付を記入
- ラミネート加工すると、より長持ちします
失敗しないためのコツ
- 絵の具の濃度が重要:薄すぎると色が薄く、濃すぎると乾きにくいです。「マヨネーズくらい」を目安に
- 一人ずつ丁寧に:複数人を同時進行すると、混乱します。一人ひとり落ち着いて行いましょう
- 機嫌の良い時間帯を選ぶ:午前中の活動時間がベストです
- 予備の画用紙を用意:失敗した時のために、必ず予備を準備しておきましょう
4-3. 製作時間の目安と保育スケジュールへの組み込み方
製作活動を保育スケジュールに無理なく組み込むために、時間配分の目安をご紹介します。
活動別の所要時間(1人あたり)
| 製作内容 | 準備時間 | 製作時間 | 片付け時間 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 手形・足形 | 10分 | 5分/人 | 10分 | 約40分(5人クラス想定) |
| シール貼り | 5分 | 10~15分/人 | 5分 | 約60分(5人クラス想定) |
| 新聞紙ぐしゃぐしゃ | 5分 | 10分/人 | 10分 | 約65分(5人クラス想定) |
| スタンプ遊び | 10分 | 10分/人 | 15分 | 約75分(5人クラス想定) |
おすすめの時間帯
- 午前9:30~10:30:朝のおやつ後で、お昼寝前の活動時間。機嫌も良く、集中しやすい時間帯です
- 午後2:00~3:00:お昼寝後、おやつ前の時間。午後の活動として取り入れる場合はこの時間が最適
避けたい時間帯
- お腹が空いている時間(ミルクや離乳食の前)
- 眠くなってくる時間(お昼寝の直前)
- お迎えの時間が近づいている時
保育スケジュールへの組み込み例
【10月下旬~11月の製作活動計画例】
第1週:さつまいもについての絵本読み聞かせ、実物を触って観察
第2週:手形・足形製作(月曜・火曜で分散実施)
第3週:シール貼り製作または新聞紙製作
第4週:完成した作品の展示、保護者へのお渡し準備
このように、1ヶ月を通して段階的に進めると、子どもたちも無理なく活動を楽しめます。
5. 0歳児の製作で気をつけたい安全管理のポイント
5-1. 誤飲リスクのある材料チェックリスト
0歳児の製作で最も注意しなければならないのが誤飲事故です。以下のチェックリストを必ず確認してください。
【使用前チェックリスト】
✓ サイズチェック:すべての材料が直径39mm以上(トイレットペーパーの芯を通らないサイズ)か
✓ 取れやすい部品チェック:ボタン、ビーズ、鈴などが簡単に外れないか
✓ 破損チェック:割れたり欠けたりする素材ではないか
✓ 小さな破片チェック:ちぎれやすい紙や布ではないか
✓ 誤飲報告例チェック:過去に誤飲事故が報告されている製品ではないか(消費者庁の事故情報データバンクで確認可能)
特に注意が必要な材料
| 材料 | リスク | 対策 |
|---|---|---|
| 小さなシール | 剥がして口に入れる | 直径2cm以上のものを使用。使用中は常に見守る |
| ビーズ・鈴 | 外れて飲み込む | 完全に密閉できる容器に入れ、開かないよう固定 |
| ボタン | 取れて飲み込む | 0歳児の製作では使用しない |
| 綿 | ちぎって口に入れる | 布や袋に入れて取り出せないようにする |
| スパンコール | キラキラに惹かれて口に入れる | 0歳児には使用しない |
| モール | ちぎって飲み込む、目を突く | 短く切らない。使用後は必ず回収 |
5-2. アレルギー対応と素材選び
製作に使う材料にも、アレルギーの原因となる成分が含まれていることがあります。事前の確認が欠かせません。
主なアレルゲンと含まれる製作材料
小麦:のり、絵の具、粘土の一部
大豆:クレヨンの一部
卵:絵の具の一部、ポスターカラーの一部
ゴム(ラテックス):風船、一部の手袋
アレルギー対応素材の例
- 米粉ベースののり:小麦アレルギー対応
- 天然素材の絵の具:化学物質に敏感な子ども向け
- コーンスターチ粘土:小麦粘土の代替品
- ニトリル手袋:ラテックスアレルギー対応
アレルギー対応の手順
- 入園時に保護者からアレルギー情報を詳細に聞き取る
- 製作前に使用する材料の成分を保護者に確認
- アレルギーのある子には代替素材を用意
- 万が一の場合に備え、緊急連絡先を手元に置いておく
- 製作後、皮膚に異常がないか確認する
5-3. 製作中の見守り体制づくり
安全な製作活動のためには、適切な人員配置と役割分担が不可欠です。
理想的な保育士配置
0歳児クラス(定員9名の場合):
・製作担当:保育士1名(子ども2~3人を順番に対応)
・見守り担当:保育士2名(製作していない子どもたちの保育)
・計3名体制が理想
役割分担の例
製作担当の保育士:
- 材料の準備と片付け
- 子どもと一緒に製作を進める
- 手や足に絵の具がついた後の処理
- 完成作品の管理
見守り担当の保育士:
- 製作していない子どもたちの遊び相手
- 泣いている子への対応
- オムツ交換や授乳などの生活面のサポート
- 製作の順番が来た子を製作担当へ連れて行く
緊急時の対応マニュアル
【材料を飲み込んでしまった場合】
- 慌てず、まず子どもの口の中を確認
- 見える位置にあれば、指でかき出す
- 無理に吐かせない(気管に入る恐れがあるため)
- すぐに園長・主任に報告し、保護者に連絡
- 必要に応じて医療機関を受診
【絵の具が目に入ってしまった場合】
- こすらせないよう注意
- すぐに流水で15分以上洗い流す
- 保護者に連絡し、状況を説明
- 眼科を受診するよう勧める
6. さつまいも製作で育つ!0歳児の発達効果
6-1. 五感を刺激する感覚遊びの効果
さつまいも製作は、ただの「作品作り」ではありません。実は、0歳児の脳の発達に非常に重要な役割を果たしているんです。
五感それぞれへの刺激
視覚:オレンジや紫といった秋らしい色彩を見ることで、色の認識が発達します。また、保育士の手元を見て「これから何が起こるんだろう」と予測する力も育ちます。
触覚:新聞紙のガサガサ感、絵の具のひんやり感、花紙のふわふわ感など、さまざまな質感を体験することで、触覚の識別能力が高まります。これは将来的な巧緻性の発達にもつながります。
聴覚:新聞紙をくしゃくしゃにする音、保育士の声かけ、他の子どもたちの反応など、製作中にはさまざまな音が聞こえます。これらの音を聞き分ける力が育ちます。
嗅覚:絵の具やのりの匂い、新聞紙の匂いなど、普段あまり嗅がない匂いに触れることで、嗅覚の発達を促します。
味覚:さつまいも製作の前後に、実際のさつまいもを離乳食で提供すると、「これがさつまいもなんだ」という理解が深まります。
脳科学から見た感覚遊びの重要性
脳科学の研究によると、0歳児の脳は、五感から入る刺激によって急速に発達します。特に生後6ヶ月から1歳頃は、シナプス(脳の神経細胞同士のつながり)が爆発的に増える時期。この時期に多様な感覚刺激を与えることが、将来の学習能力や創造性の基盤を作ると言われています。
さつまいも製作のような感覚遊びは、まさにこの時期にぴったりの活動なんですね。
6-2. 手指の発達と巧緻性の向上
0歳児の手指の動きは、月齢とともに目覚ましく発達します。さつまいも製作は、その発達を自然に促す活動として最適です。
月齢別の手指の発達と製作活動
0~3ヶ月:
まだ手を自由に動かせませんが、保育士が手に触れたり、優しく手を開いたり閉じたりすることで、手の存在を認識し始めます。足形アートは、この時期でも楽しめる活動です。
4~6ヶ月:
物を握れるようになります。新聞紙を握らせたり、感触マットに触れさせたりすることで、「握る」動作が強化されます。
7~9ヶ月:
両手を使って物を持ち替えられるようになります。新聞紙をぐしゃぐしゃに丸める活動は、この時期の手指運動にぴったりです。
10~12ヶ月:
親指と人差し指で物をつまむ「ピンサー把握」ができるようになります。シール貼りは、この動作を練習する絶好の機会です。
巧緻性が将来に与える影響
手指の巧緻性(細かい動作を正確に行う能力)は、将来的に以下のような力につながります:
- 鉛筆やお箸を上手に使う力
- ボタンをかける、靴紐を結ぶなどの日常生活動作
- 楽器を演奏する技術
- 工作や絵画などの表現活動
0歳児の製作活動は、こうした将来の能力の土台を作っているんです。
6-3. 季節感を育む情操教育としての価値
さつまいも製作には、もう一つ大切な意味があります。それは「季節感を育む」こと。
季節感を育む意義
日本には四季があり、季節ごとに異なる食べ物や行事があります。こうした季節の移り変わりを感じる力は、豊かな感性や情緒を育む基盤となります。
0歳児は、まだ「秋」という概念を理解できませんが、「今の時期にはこんな色や形のものがあるんだよ」という体験を積み重ねることで、徐々に季節感が育っていきます。
さつまいも製作と季節感
さつまいもは秋の代表的な食材。製作活動を通じて以下のような気づきを促すことができます:
- 「秋になると、こんな色(オレンジ、紫)のものが増えるんだな」
- 「秋には美味しいさつまいもが食べられるんだな」
- 「季節によって、遊ぶ内容が変わるんだな」
こうした気づきは、将来的に自然への興味や、食への感謝の気持ちにつながっていきます。
家庭との連携で深まる季節感
製作活動の作品を持ち帰った際、保護者の方に「お家でもさつまいもを食べながら、『これ、保育園で作ったね』って話してみてください」とお願いすると、より学びが深まります。
製作→実際のさつまいもを食べる→また製作物を見る、というサイクルを作ることで、「さつまいも=秋」という季節感がしっかりと根付いていくんです。
7. 保育現場の実践例と保護者の声
7-1. 保育園での製作活動実施レポート
実際の保育現場では、さつまいも製作をどのように実施しているのでしょうか。ある認可保育園の0歳児クラスでの実践例をご紹介します。
【実践例】A保育園・ひよこ組(0歳児クラス)の秋の製作
実施時期:10月下旬~11月上旬
参加人数:0歳児9名(生後5ヶ月~11ヶ月)
担当保育士:3名
【1週目】導入:さつまいもに親しむ
まずは実物のさつまいもを用意し、子どもたちに見せたり触らせたりしました。「これがさつまいもだよ。秋のお野菜だよ」と繰り返し伝えることで、製作への導入としました。
絵本『やきいもするぞ』(作・絵:おくはら ゆめ)を読み聞かせ。赤ちゃんたちは、カラフルな絵に釘付けでした。
【2週目】製作①:手形・足形アート
月曜日に月齢の高い子(9~11ヶ月)5名、火曜日に月齢の低い子(5~8ヶ月)4名と、2日に分けて実施。
月齢の高い子たちは、絵の具の感触を楽しみながら手形を取ることができました。一方、月齢の低い子たちは足形の方がスムーズでした。
保育士の気づき:「月齢によって、適した方法が違うことを実感しました。無理に同じことをさせるのではなく、一人ひとりに合った方法を選ぶことが大切ですね」
【3週目】製作②:新聞紙ぐしゃぐしゃさつまいも
全員で一斉に実施。新聞紙をぐしゃぐしゃにする音と感触に、子どもたちは大喜び。特に、お座りが安定している月齢の高い子たちは、両手を使って夢中で丸めていました。
保育士の気づき:「製作過程そのものが楽しい遊びになる活動は、0歳児にとって本当に良いですね。『作品を完成させる』ことよりも、『過程を楽しむ』ことに重点を置くべきだと感じました」
【4週目】展示と保護者へのお渡し
保育室の壁面に、全員の作品を展示。お迎えの時間に、保護者の方々と一緒に作品を見ながら、製作の様子を伝えました。
手形・足形アートは、ラミネート加工をして持ち帰り用に。新聞紙さつまいもは、しばらく保育室で遊んだ後、持ち帰りとしました。
7-2. 保護者から好評だったアイデア3選
保護者の方々からいただいた感想の中で、特に好評だったアイデアをご紹介します。
第1位:手形・足形アート
保護者Aさん(8ヶ月の女の子のママ):
「手形を見て、『こんなに小さいんだ』って改めて感動しました。毎日見ていると気づかないけど、こうして記録に残ると、成長が実感できますね。家の玄関に飾っています」
保護者Bさん(11ヶ月の男の子のパパ):
「仕事で保育園の様子を直接見られないので、こういう作品を通じて子どもの成長を感じられるのが嬉しいです。妻と一緒に『大きくなったね』って話しています」
第2位:新聞紙ぐしゃぐしゃさつまいも
保護者Cさん(10ヶ月の女の子のママ):
「持ち帰った後も、家で娘が握ったり振ったりして遊んでいます。『これ、保育園で作ったんだよね』って話しかけると、嬉しそうにニコニコしています。単なる作品じゃなくて、遊べるのが良いですね」
第3位:壁面展示「みんなのさつまいも畑」
保護者Dさん(6ヶ月の男の子のママ):
「お迎えの時に、他の子の作品も一緒に見られるのが楽しいです。『○○ちゃんの作品、かわいいね』『うちの子もこんな風に大きくなるのかな』って、保護者同士で話すきっかけにもなっています」
7-3. 製作物の展示・持ち帰りアイデア
せっかく作った作品、保育室での展示方法や持ち帰り方にも工夫があると、より喜ばれます。
保育室での展示アイデア
アイデア1:さつまいも畑を再現
壁面に茶色い画用紙で「土」を作り、その上に子どもたちの作品を並べて「さつまいも畑」に見立てます。立体感が出て、秋の雰囲気たっぷりの壁面装飾になりますよ。
アイデア2:成長記録として時系列展示
月齢の低い時期の足形と、月齢が高くなってからの手形を並べて展示すると、成長が一目でわかります。「9月の○○ちゃん」「11月の○○ちゃん」と日付を入れると、より効果的です。
アイデア3:天井から吊るす
紙袋さつまいもやビニール袋さつまいもは、天井から吊るすと、ゆらゆら揺れて赤ちゃんたちも喜びます。ただし、引っ張って落ちないよう、しっかり固定してくださいね。
持ち帰り方法の工夫
ラミネート加工:
手形・足形アートは、ラミネート加工をすると、汚れたり折れたりせず、長期保存できます。100円ショップでも手貼りラミネートフィルムが購入できます。
メッセージカード付き:
作品と一緒に、製作時の様子を書いたメッセージカードを添えると、保護者の方がより想像しやすくなります。
例:「○○ちゃんは、新聞紙をぐしゃぐしゃにする音が大好きで、何度も繰り返し楽しんでいました。完成したさつまいもを握って、とても嬉しそうでしたよ!」
写真も一緒に:
製作中の写真を印刷して、作品と一緒に渡すと、さらに喜ばれます。最近は、保育ICTシステムで簡単に写真を共有できますが、印刷した写真は特別感がありますよね。
8. よくある失敗と解決策Q&A
8-1. 泣いてしまって製作が進まない時は?
Q:製作を始めようとすると、泣いてしまう子がいます。どうすれば良いでしょうか?
A:無理に進めないことが一番大切です。0歳児にとって、慣れない活動は不安なもの。以下の方法を試してみてください。
解決策1:まずは見学から
他の子が楽しんでいる様子を見せてあげましょう。「○○ちゃんも見てみる?」と優しく声をかけて、無理強いせずに雰囲気に慣れてもらいます。
解決策2:保育士が一緒に楽しむ
「先生と一緒にやってみようか」と、膝の上に座らせて、保育士の手に子どもの手を重ねて製作してみましょう。安心感が生まれます。
解決策3:時間を変える
お腹が空いていたり眠かったりすると、機嫌が悪くなります。別の日や別の時間帯に改めてチャレンジしてみてください。
解決策4:活動を分割する
一度に全部やろうとせず、「今日は触るだけ」「明日は手形を取ってみよう」と、段階を分けて進めても良いですね。
保育士の体験談:「最初は泣いていた子も、他の子が楽しそうにしているのを見て、徐々に興味を持ち始めました。2日目には、自分から手を伸ばしてきましたよ。焦らず、その子のペースに合わせることが大切ですね」
8-2. 材料を口に入れてしまう場合の対処法
Q:シールや新聞紙をすぐに口に入れてしまいます。どう対応すれば良いですか?
A:0歳児が何でも口に入れるのは、発達の過程として自然なことです。完全に防ぐことはできないので、安全管理を徹底しましょう。
対策1:大きなサイズの材料を使う
前述の通り、直径39mm以上のサイズを基本としましょう。口に入れても喉に詰まらないサイズです。
対策2:食べても安全な素材を選ぶ
小麦粉粘土や米粉のり、野菜由来の絵の具など、万が一口に入っても比較的安全な素材を選びましょう。ただし、「食べても良い」わけではないので、常に見守りは必要です。
対策3:一度に渡す量を少なくする
シールなら2~3枚ずつ、新聞紙なら小さく切ったものを1枚ずつ渡すようにします。たくさんあると、口に入れる量も増えてしまいます。
対策4:マンツーマンで見守る
特に口に入れやすい子には、保育士が付きっきりで見守り、口に持っていこうとしたら「それはお口じゃないよ、ここに貼ろうね」と優しく声をかけて手を導きます。
対策5:活動時間を短くする
長時間になると集中力が切れて、口に入れやすくなります。5分程度の短い時間で切り上げ、また別の機会に続きをするのも一つの方法です。
8-3. 個人差が大きい時の配慮ポイント
Q:同じ0歳児クラスでも、月齢差が大きく、同じ製作を全員が楽しめません。どうすれば良いでしょうか?
A:0歳児クラスは、月齢差が最も大きい年齢です。全員が同じことをする必要はありません。以下の配慮をしてみてください。
配慮1:月齢別に活動を分ける
前述の通り、月齢の低い子には足形アート、月齢の高い子には手形アートやシール貼りなど、発達段階に応じた活動を用意しましょう。
配慮2:同じテーマで難易度を変える
「さつまいも」というテーマは同じでも、月齢の低い子は「見る・触る」活動、月齢の高い子は「作る」活動と、難易度を変えることができます。
配慮3:保育士の関わり方を変える
月齢の低い子には、保育士が主体となって製作し、子どもは見たり触ったりする。月齢の高い子には、子ども自身にできるだけやらせて、保育士はサポートに回る、という関わり方の違いをつけます。
配慮4:「できた」の基準を変える
月齢の低い子なら「足形が取れた=できた」、月齢の高い子なら「自分でシールを貼れた=できた」と、一人ひとりの「できた」を認めてあげましょう。
配慮5:保護者への説明
個別対応をした場合は、保護者に「○○ちゃんの今の発達段階に合わせて、こういう活動をしました」と説明すると、理解してもらえます。
保育士の体験談:「最初は『みんな同じことをしなきゃ』と思い込んでいましたが、一人ひとりに合わせた活動をすることで、全員が製作を楽しめるようになりました。保護者の方からも『うちの子に合わせてくれてありがとうございます』と感謝されました」
9. さつまいも製作をもっと楽しむ応用アイデア
9-1. 他の秋野菜と組み合わせた展示方法
さつまいもだけでなく、他の秋野菜も一緒に製作して展示すると、より季節感が出て、保育室が秋色に染まります。
おすすめの秋野菜製作
かぼちゃ:
オレンジ色の絵の具で手形を取り、緑色で「へた」を描けば、かぼちゃの完成。ハロウィンの時期にもぴったりです。
栗:
茶色の折り紙を丸めて、上部にチクチクした「いが」を表現。小さくて可愛らしい作品になります。
きのこ:
赤や茶色の丸シールをきのこの「かさ」の部分に貼り付けて、カラフルなきのこに。
ぶどう:
紫色の丸シールをたくさん貼って、ぶどうの房を表現。0歳児でも簡単にできます。
「秋の収穫祭」壁面装飾
これらの作品を一つの壁面にまとめて展示すると、「秋の収穫祭」のような華やかな装飾になります。背景に畑や森を描いて、その中に子どもたちの作品を配置すると、まるで絵本の中のような世界観が生まれますよ。
9-2. 製作物を使った秋の装飾アイデア
製作した作品を、保育室のさまざまな場所に飾って、秋の雰囲気を演出しましょう。
装飾アイデア1:窓辺のさつまいもカーテン
紙袋さつまいもやビニール袋さつまいもを、窓辺に吊るして「カーテン」のようにします。日が当たると、オレンジ色が映えて、とても綺麗ですよ。
装飾アイデア2:玄関のウェルカムボード
保育園の玄関に、「秋のさつまいも」をテーマにしたウェルカムボードを設置。子どもたちの作品を中央に配置して、周りを秋の葉っぱなどで飾ると、保護者の方も楽しんでくれます。
装飾アイデア3:給食室前の展示
給食室の前に、さつまいも製作の作品と、「今日の給食にさつまいもが入っています」というお知らせを一緒に展示。製作と食育をつなげることができます。
装飾アイデア4:階段の壁面
階段の壁に、子どもたちの手形・足形さつまいもを一段ごとに飾ります。毎日通る場所だからこそ、季節感を感じてもらえます。
9-3. 保護者参加型の製作イベント企画
保護者の方も一緒に参加できる製作イベントを企画すると、親子のコミュニケーションが深まり、保育園への理解も深まります。
イベント例1:親子さつまいもスタンプ会
開催時期:10月の土曜日午前中
所要時間:1時間程度
内容:親子で一緒に手形・足形アートを楽しむイベント
普段、仕事で保育園の活動に参加できない保護者の方も、土曜日なら参加しやすいですよね。親子で一緒に手形を取り合う姿は、とても微笑ましいものです。
準備するもの:
- 大きめの画用紙(A3サイズ推奨)
- 絵の具各種
- 濡れタオル、エプロン
- カメラ(記念撮影用)
イベント例2:さつまいも掘り&製作会
開催時期:10月中旬~下旬
場所:近隣の農園(事前に連携が必要)
内容:午前中にさつまいも掘り体験、午後に製作活動
実際にさつまいもを掘る体験をした後に製作をすると、より実感を持って活動できます。0歳児には難しいかもしれませんが、保護者の方が掘る様子を見るだけでも良い経験になります。
イベント例3:さつまいも製作&試食会
開催時期:11月上旬
内容:午前中に製作、お昼に給食でさつまいも料理を試食
製作した後、実際にさつまいもを食べることで、「作る」と「食べる」がつながります。栄養士さんに協力してもらって、簡単なさつまいもレシピも紹介してもらえると、家庭での食育にもつながりますね。
保護者参加イベントのメリット
- 保育園での子どもの様子を直接見られる
- 他の保護者との交流の機会になる
- 保育士と保護者のコミュニケーションが深まる
- 家庭でも同じような活動をするきっかけになる
- 子どもにとって、保護者が保育園に来てくれる特別な時間になる
10. まとめ:0歳児とのさつまいも製作で大切にしたいこと
ここまで、0歳児向けのさつまいも製作について、具体的なアイデアから安全管理、発達効果まで、詳しくお伝えしてきました。最後に、0歳児との製作活動で最も大切にしたいポイントをまとめます。
「完成」よりも「過程」を楽しむ
0歳児の製作で何より大切なのは、「きれいな作品を完成させること」ではありません。新聞紙をぐしゃぐしゃにする音を聞いたり、絵の具の感触を楽しんだり、そうした「過程」こそが、赤ちゃんの発達を促す大切な時間なんです。
「思ったような形にならなかった」「色がはみ出してしまった」、そんなことは全く気にしなくて大丈夫。赤ちゃんが楽しんでいる様子、集中している表情、それ自体が何よりの成果です。
一人ひとりのペースを大切に
0歳児クラスでは、月齢差によって「できること」が大きく異なります。「みんな同じことをしなきゃ」と焦る必要はありません。
生後5ヶ月の赤ちゃんと11ヶ月の赤ちゃんでは、できることがまったく違って当たり前。それぞれの発達段階に合わせた活動を提供することで、全員が「できた!」という達成感を味わえます。
安全第一で、でも過保護にならずに
誤飲やアレルギーなど、安全面での配慮は絶対に欠かせません。でも、「危ないから何もさせない」というのは違います。
適切な材料選びと見守り体制を整えた上で、赤ちゃんに「触る」「握る」「貼る」といった体験をさせてあげましょう。そうした経験の積み重ねが、子どもの成長につながっていきます。
保護者と喜びを共有する
製作活動は、保護者とのコミュニケーションツールでもあります。作品を渡す時、製作中の写真を見せる時、「こんなことができるようになったんですよ」「こんな表情で楽しんでいましたよ」と伝えることで、保護者の方も我が子の成長を実感できます。
保育園と家庭が、子どもの成長を一緒に喜び合える関係を作っていきたいですね。
季節を感じる心を育む
さつまいも製作は、単なる工作ではなく、「秋」という季節を五感で感じる活動です。オレンジや紫の色、さつまいもの形、そして実際に食べる美味しさ。こうした体験を通じて、季節の移り変わりを感じる豊かな感性が育っていきます。
日本の四季の美しさを、小さな頃から感じる機会を作ってあげられるのは、素敵なことだと思いませんか。
最後に
0歳児との製作活動は、正直に言うと準備も大変ですし、思った通りに進まないことも多いです。でも、赤ちゃんが初めて新聞紙に触れた時の驚いた顔、絵の具の感触を楽しんでいる笑顔、完成した作品を握りしめている姿…そうした瞬間は、何にも代えがたい宝物です。
この記事が、あなたの保育実践に少しでもお役に立てたら嬉しいです。さつまいも製作を通じて、子どもたちと素敵な秋の思い出を作ってくださいね。
きっと、数年後に「あの時の手形、こんなに小さかったんだね」と保護者の方と一緒に笑い合える日が来るはずです。
今日から、楽しいさつまいも製作を始めてみましょう。応援しています!

