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1歳児の戸外遊びのねらいとは?発達段階別の遊び方と保育者のかかわり方を解説

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1歳児の戸外遊びのねらいとは?発達段階別の遊び方と保育者のかかわり方を解説

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はじめに|1歳児にとって戸外遊びが大切な理由

こういうとき、不安になりますよね。園の1歳児クラスで毎日戸外遊びを取り入れていても、「本当にこれでいいのか」「子どもたちに何が育まれているのか」と疑問に感じることはありませんか?

実は、1歳児の戸外遊びには、単なる「気分転換」以上の重要な役割があります。この時期の子どもたちは、屋外という新しい環境で、自分の身体をコントロールする喜びを感じたり、五感をフルに使ったりすることで、著しい発達を遂げます。

本記事では、保育所保育指針に基づいた1歳児の戸外遊びのねらいについて、保育実践の第一線で活躍する保育士の視点から、具体的な遊び方や保育者のかかわり方まで、包括的に解説します。月案作成に使える文例集も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


戸外遊びの定義と保育における位置づけ

戸外遊びとは

戸外遊びとは、保育園の園庭や公園などの屋外で行う遊びのことを指します。別名を「外遊び」と呼ぶこともあります。

室内の遊びと異なり、広大な空間、自然環境、季節変化など、五感を刺激する要素が豊富に存在するのが特徴です。子どもたちは走ったり跳ねたり、砂をいじったり、風を感じたり、虫や草花を観察したりすることで、室内では得られない貴重な体験を積み重ねます。

戸外遊びの具体例:

  • 散歩・探索活動
  • 砂遊び・泥遊び
  • ボール遊び
  • 公園の遊具遊び(ブランコ、滑り台、ジャングルジムなど)
  • 自然観察(虫、草花、季節の変化)
  • 季節ごとの活動(紅葉拾い、雪遊びなど)

保育所保育指針における戸外遊びのねらい

厚生労働省が定める「保育所保育指針」は、全国の保育園での保育活動の基準です。その中で、戸外遊びは「環境」という領域に位置づけられており、以下の3つのねらいが明記されています。

保育所保育指針における「環境」領域のねらい:

  1. 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心を持つ
    子どもが屋外の環境に主体的に関わることで、自然への興味・関心が芽生えます。
  2. 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しみ、考えるなどして、それを生活に取り入れようとする
    子ども自身が発見したことや考えたことを、日々の生活に活かすことの大切さが示されています。
  3. 身近な出来事を見たり、考えたりする中で、物や文字などに対する感覚を豊かにする
    五感を通じた体験が、感覚の発達と豊かさに直結することが示されています。

つまり、保育所保育指針では、戸外遊びが子どもの主体的な学びの場として重視されているのです。

参照:厚生労働省「保育所保育指針」


1歳児の発達段階を知ろう

1歳児の運動発達(12~24ヶ月の特徴)

1歳児の発達段階を理解することは、効果的な戸外遊びを計画する上で不可欠です。

この時期の子どもたちは、ちょうど「歩く」という大きな発達段階に入ります。12ヶ月前後でまず歩行が開始され、その後、走る、跳ぶなどへと発展していきます。しかし、個人差が大きく、つかまり立ちをしている子もいれば、元気よく走り回っている子もいるでしょう。

月齢 運動発達の特徴 戸外遊びへの影響
12~15ヶ月 つかまり立ち~独り歩きの時期。歩行が不安定で転びやすい。 保育者の手つなぎ散歩が中心。フラットな場所選びが重要。
15~18ヶ月 歩行が安定。走ることに興味が出始める。階段への興味も。 探索活動が活発に。砂遊びなど手先を使う遊びが楽しめる。
18~24ヶ月 走る、跳ぶ動きが可能に。登る動作への興味。手先も器用に。 遊具遊び(ブランコ、滑り台)が本格化。ボール遊びも可能。

1歳児の認知・社会性発達

1歳児は運動発達だけでなく、認知能力(ものを理解する力)や社会性(人間関係)も急速に発達します。

認知的発達: この時期の子どもたちは、「モノが消えても存在している」という「永続性」の概念を理解し始めます。また、保育者や親の指差しに注目し、「あ、あ」と共有できるようになります。

社会性の発達: 保育者との信頼関係が深まり、親密な大人との関わりを求めるようになります。同年代の子どもに興味が出始めますが、まだ「一緒に遊ぶ」というより「同じ空間で遊ぶ」という状況が多いでしょう。

戸外遊びはこうした認知や社会性を育む絶好の機会です。新しい環境での発見、保育者との共感体験、他の子どもたちとの関わりなど、多面的な学習が同時に起こるのです。

1歳児が見知らぬ世界に出る時の不安と対応

ここで大切なポイントがあります。1歳児にとって、保育室の外に出ることは「大冒険」です。見知らぬ大きな音、予測不可能な環境、知らない人…。不安を感じるのは自然なことです。

この「不安」を軽減し、「安心」に変えることが、保育者の重要な役割です。保育者の温かい表情や声かけ、手つなぎなどを通じて、子どもは「自分は守られている」「ここは安全だ」と感じることができます。こうした信頼関係の構築こそが、戸外遊びの第一のねらいでもあるのです。


1歳児の戸外遊びにおける3つのねらい

ねらい①|自然に親しみ、五感を刺激する

1歳児にとって、戸外の自然環境は興奮の連続です。風の冷たさ、太陽の温かさ、草の香り、鳥の鳴き声…。保育室では味わえない感覚刺激がたくさんあります。

この五感への刺激は、脳の神経回路を活発に形成させます。特に、生まれて初めて体験する季節(生まれが春の子どもなら、初めて秋や冬を迎える時期)は、その記憶が深く脳に刻み込まれるのです。

具体的な五感刺激の例:

  • 視覚:色とりどりの花、季節による風景の変化
  • 聴覚:鳥や虫の声、風音、落ち葉を踏む音
  • 嗅覚:草の香り、花の匂い、土の匂い
  • 触覚:砂の温度、草や土の感触、風を感じる
  • 味覚:(安全な自然物に限定)木の実など

こうした多感覚への刺激が、子どもの脳発達を促進するのです。

ねらい②|歩く喜びと身体能力の向上

1歳児の発達段階において、「歩く」という動作は極めて大きな意味を持ちます。自分の足で立つ、バランスを取る、歩く─これらの行為は、単なる移動手段ではなく、子ども自身の「できた!」という達成感と喜びに直結しています。

戸外遊びでは、平坦な園庭だけでなく、多少の起伏や、草地、砂場など、様々な地面を経験させることが大切です。こうした環境での歩行は、足腰の筋力向上、バランス感覚の発達、そして脳の運動司令部(小脳)の発達につながります。

また、室内の限られた空間ではできない「自由に走り回る」という体験は、子どもにとって心身両面での開放感をもたらします。この開放感が、子どもの心理的な成長─自信や意欲の芽生え─に直結するのです。

ねらい③|保育者との信頼関係を通じた安心感

先ほど述べた通り、1歳児にとって保育室の外は「不安な世界」かもしれません。ここで最も重要なのが、保育者との信頼関係です。

「何か怖い」と感じた時に、すぐそばに信頼できる大人がいる。その大人が温かく見守ってくれている。こうした経験の繰り返しが、子どもの「安心感」を形成し、やがて「好奇心」へと転換していきます。

発達心理学の用語で「セキュアベース(安全基地)」と呼ばれるこの概念は、戸外遊びのねらいの最も深い部分を占めています。安心できる大人を基地として、子どもは少しずつ世界を探索できるようになるのです。


戸外遊びが1歳児にもたらす6つの効果

身体能力・運動能力の発達

戸外での歩行、走行、登り降りなどの全身運動は、以下の能力を著しく向上させます:

  • 粗大運動能力(大きな筋肉を使う能力): 脚力、腕力、体幹の安定性
  • 心肺機能: 運動による心臓と肺の発達
  • バランス感覚: 不安定な地面での体のコントロール
  • 反応速度: 障害物を避けるなどの瞬時の判断と動作

研究によると、毎日1時間程度の屋外活動を行う子どもと、室内のみの子どもでは、3~4歳時点での運動能力に大きな差が見られることが報告されています。

脳の発達(空間認識能力など)

戸外の広大な環境での活動は、脳の複数の領域を同時に刺激します。

  • 空間認識能力: 自分と周囲の物・人との関係性を理解する能力
  • 前頭葉の発達: 計画、判断、問題解決能力
  • 小脳の発達: バランス、協調運動の制御

これらの脳領域の発達は、後の学習や社会生活の基盤となるため、幼い時期の戸外活動が重要なのです。

五感の発達と感覚統合

「感覚統合」とは、複数の感覚情報を脳が統合して処理する能力のことです。戸外遊びは、この感覚統合を促進する最良の活動です。

例えば、砂遊びをしている時、子どもは同時に以下を経験します:

  • 砂の粒状の感触(触覚)
  • 砂の色(視覚)
  • 砂をこする音や風の音(聴覚)
  • 砂や土の匂い(嗅覚)
  • 砂が手にかかる温度感(温覚)

こうした複合的な感覚刺激が、脳内で高度な処理を行わせ、結果として子どもの感覚が研ぎ澄まされていくのです。

心身のストレス軽減

保育園での集団生活は、子どもにも少なからずストレスを与えます。自分の気持ちを表現できない、思い通りにならないことへの葛藤、新しい環境への適応…。

戸外での自由な活動は、このストレスの軽減に極めて有効です。広大な空間で自分のペースで遊ぶ、思う存分身体を動かす、自然環境に触れるといった体験が、自律神経のバランスを整え、リラックス効果をもたらすことが脳科学で明らかにされています。

季節感覚の発展

1歳児にとって、毎月、毎週異なる自然環境は、世界の奥深さを教えてくれます。

  • 春:新しい芽、花の香り
  • 夏:強い日差し、虫の声
  • 秋:紅葉、落ち葉の変化
  • 冬:冷たい風、雪の感触

こうした季節の移り変わりを身体全体で感じることで、子どもは「世界は変化している」「季節ごとに異なる美しさがある」といった感覚を発展させるのです。この感覚は、後の芸術的感受性や自然科学への関心の基盤となります。

コミュニケーション能力の芽生え

戸外環境は、子ども同士や、異なるクラスの子どもたちとの関わりの場でもあります。

同じ公園に出た時に他の子どもと顔が合う、保育者が「どうぞ」と砂遊びを促す、他のクラスの子どもの遊ぶ様子に興味を示すといったシーンの中で、子どもたちはコミュニケーションの初期段階を学びます。

1歳児ではまだ「一緒に遊ぶ」ほどの相互作用は少ないですが、他者の存在を認識し、関わりを持つ土台がこの時期に形成されるのです。


1歳児向けの具体的な戸外遊びと活動例

散歩(最も基本的な活動)

1歳児の戸外遊びで最も基本的であり、最も重要なのが「散歩」です。

散歩は単なる「移動」ではなく、子どもが主体的に環境を探索する活動です。子どもが立ち止まって何かを見つめた時、その発見に保育者が共感する。子どもが虫に興味を示した時、「あ、トンボだね」と言葉で代弁する。こうした瞬間瞬間が、学習の機会になるのです。

散歩のポイント:

  • 速度調整: 子どもが景色や発見を十分に感じられるよう、遅めのペースで。
  • 手つなぎ: 安心感を与えるとともに、安全も確保。
  • 共感: 子どもの発見に対して「いいね」「きれいだね」と反応。
  • 時間目安: 12~15ヶ月は15~20分、15~18ヶ月は20~30分、18ヶ月以降は30~45分程度。

砂遊び・砂いじり

砂場は、1歳児にとって魔法の世界です。砂の感触、砂をすくう動作、砂が手にかかる感覚…。多感覚への刺激が同時に起こります。

1歳児の砂遊びでは、遊具は不要です。砂を握る、砂をいじる、砂に埋もれさせた手を引き出す─こうした単純な動作の繰り返しが、手先の発達と感覚発達を促すのです。

砂遊びのポイント:

  • 清潔な砂場を選ぶ(動物の糞がないか確認)
  • 砂が目に入らないよう注意
  • 砂を口に入れないよう監視
  • 砂から出た後は、手足をしっかり洗う
  • 子どもの発見(「わあ、冷たい」など)に反応

ボール遊び(転がす・投げる)

15ヶ月を過ぎた子どもからは、簡単なボール遊びが楽しめるようになります。

最初は、保育者が転がしたボールを追いかけるという一方向的な活動ですが、18ヶ月以降になると、子ども自身がボールを転がそうとします。この「自分でやってみたい」という欲求が、運動能力の発達の原動力になるのです。

ボール遊びのポイント:

  • 柔らかい、安全なボールを選ぶ
  • 広くて安全な場所で実施
  • 転がったボールを追いかけることで走る動作を促進
  • 投げることの喜びを体験させる

自然物との関わり(木の実、草花、虫)

子どもが、木の実を拾う、草花を摘む、虫を観察するといった自然物への関わりは、探究心や科学的思考の芽生えです。

「え、汚い」と大人が思う泥や虫ですが、子どもにとってはどれも新しい発見の源です。保育者が「これはどんぐりだよ」「虫さんがいるね」と言葉で説明することで、子どもは世界についての知識を獲得していくのです。

自然観察のポイント:

  • 毒性のある虫や草は事前に確認し、避ける
  • 子どもの発見に大人も同じように興味を持つ
  • 「危ない」ではなく「きれいだね」という肯定的なアプローチ
  • 季節ごとの自然の変化を実感させる

簡単な遊具遊び(ブランコ、滑り台)

18ヶ月を過ぎた子どもから、本格的な遊具遊びが始まります。

ブランコは揺れる感覚を、滑り台は高いところからの下降感を、ジャングルジムは登る喜びをもたらします。これらの遊具遊びは、バランス感覚や恐怖心の克服、そして「できた!」という自信につながる重要な活動です。

遊具遊びのポイント:

  • 保育者による安全確保は必須
  • 子どもが自分のペースで挑戦できるよう見守る
  • 無理強いはしない
  • できたことをしっかり褒める

季節ごとの戸外遊び活動

春: 桜や新緑の観察、新芽を探す、暖かさを感じる散歩

夏: 水遊び、砂遊び、虫探し、日中の熱さを感じる(熱中症注意)

秋: 木の実拾い、紅葉観察、落ち葉踏み、涼しい空気を感じる

冬: 冷たさの体験、雪遊び(地域による)、裸足の時間を減らすなどの季節対応


1歳児の戸外遊びにおける月齢別のねらい

12~15ヶ月のねらい

この時期の子どもたちはまだ歩行が不安定です。つかまり立ちが中心の子も多いでしょう。

  • 外の空気や風、太陽の温かさなど、季節の変化を感じる
  • 保育者と手をつなぎ、散歩を楽しむ
  • 砂や土に触れ、様々な感触を経験する
  • 保育者との安心感の中で、新しい環境に慣れ親しむ
  • 木の実や草花など、自然物への興味の芽生え

15~18ヶ月のねらい

歩行が安定し始め、探索活動が活発になる時期です。

  • 自分で歩く喜びを十分に味わう
  • 指差しによる発見に、保育者が共感し、言葉で代弁する
  • 砂遊び、ボール遊びなど、手先を使う遊びに挑戦
  • 動物や虫など、生き物への興味・関心を育む
  • 季節の自然変化への気づきと関心

18~24ヶ月のねらい

走ったり跳んだりが可能になり、運動能力が急速に発達する時期です。

  • 走る、跳ぶ、登るなど、様々な身体表現を楽しむ
  • 遊具を使った遊びへの挑戦と「できた」体験
  • 同年代の子どもへの興味の高まり
  • 自然物への主体的な関わり(拾う、観察する)
  • 季節感覚の一層の発展

保育者のかかわり方のポイント

発見に共感する・代弁する

これは、戸外遊びにおける最も重要な保育者の役割です。

子どもが「あ、あ」と指差して何かを見つけた時、大人はその発見に共感し、言葉で説明する。「あ、蟻さんがいるんだ」「きれいなお花だね」─こうした保育者の反応が、子どもの発見をより深い学習経験へと昇華させるのです。

この「共感と代弁」を通じて、子どもは語彙を獲得し、世界についての理解を深めていきます。同時に、「自分の発見が大人に認められた」という肯定的な体験が、子どもの自己肯定感を高めるのです。

子どもの主体性を引き出す声かけ

保育者の役割は、子どもに指示を与えることではなく、子どもが自分でやってみたくなるような環境を作ることです。

良い声かけの例:

  • 「あ、砂がきらきらしてるね」(発見への注目)
  • 「自分でやってみたい?」(主体性の確認)
  • 「そこ、どんな感じ?」(探究心の刺激)
  • 「あ、できた!」(達成感の確認)

避けるべき声かけ:

  • 「ちゃんとしなさい」(指示的)
  • 「そんなことしちゃだめ」(制限的で自己肯定感を低下させる)
  • 「早くしなさい」(子どものペースを無視)

安全な環境づくりと見守りのバランス

保育者は、安全を確保しつつも、子どもに過度に干渉しないというバランスが求められます。

「あぶない、あぶない」と子どもの行動を制限ばかりしていては、子どもは恐怖心を学ぶだけで、挑戦心や自信は育ちません。一方、完全に放任すれば、実際のケガが起こります。

理想的なバランス:

  • 事前に危険個所を確認し、危険を除去する(環境設定)
  • 子どもの行動を予測し、危険を未然に防ぐ(見守り)
  • 小さなケガは成長の機会として、過度に心配しない心持ち(大らかさ)
  • 本当に危険な行為には、はっきりと「だめ」と伝える(メリハリ)

戸外遊びを安全に行うための準備

事前準備チェックリスト

毎回の戸外遊び前に確認すること:

確認項目 詳細
人数配置 1歳児5~8名に対し、保育士1名を配置。複数保育士による目配りが必須。
天候確認 気温、降水確率、風速を確認。35℃以上の場合は戸外遊びを中止。
持ち物チェック 救急セット、ティッシュ、タオル、着替え、飲み物、虫よけ(季節による)
健康確認 各子どもの朝の様子、体温、下痢や嘔吐の有無を確認。
服装・靴確認 季節に合った脱ぎ着しやすい服、危なくない靴を確認。

場所選びのポイント

園庭を使う場合:

  • フラットな地面があるか
  • 危険物(釘、割れたもの)がないか
  • 遮光物があるか(真夏の日中は必須)

公園を使う場合:

  • 砂場の清潔さ(動物の糞がないか)
  • 遊具の安全性(腐食、破損がないか)
  • 交通量の多さ(近くに車道がないか)
  • 見守る大人の視野に入る範囲か
  • トイレが近いか

天候・気温への対応

季節・天候 対応策
春(15~25℃) 脱ぎ着しやすい上着を用意。朝夜の気温差に注意。
夏(28℃以上) こまめな水分補給、帽子着用、遮光ネット下での活動、時間短縮。35℃以上は中止。
秋(15~25℃) 朝夕の冷え込みに対応。虫刺され注意(蚊が活発)。
冬(5~15℃) 厚着は避け、脱ぎ着可能な衣服。手袋・帽子で末端冷却を防止。0℃以下は中止。
雨(小雨) レインコート着用で活動可。土地が水たまりになっていないか確認。

感染症・虫への対策

感染症対策:

  • 帰園後の手洗い・うがいを徹底
  • 夏場の水遊び後の着替え
  • 砂遊び後の入浴や足洗い
  • 感染症流行期の戸外遊びは距離確保や人数制限

虫への対策:

  • 毒性のある虫(スズメバチ、毛虫など)の事前確認と遭遇時の対応マニュアル作成
  • 虫除けスプレー(幼い子どもでも使用可能なタイプ)の準備
  • 草むら探索時の注意
  • 刺された場合の応急処置グッズ

月案作成時に使える|1歳児戸外遊びのねらい文例集

保育士の皆様が月案や週案を作成する際、すぐに活用できるねらい文例を季節ごとにご紹介します。園の実情に合わせて、アレンジしてご使用ください。

春の戸外遊びのねらい文例

「園庭の草花や新緑に親しみながら、暖かい季節の訪れを感じ、散歩を楽しむ。保育者との手つなぎを通じて、屋外への安心感を深める。」

「春の風を感じたり、木の芽の変化に気づいたりしながら、季節の移り変わりへの興味を高める。砂遊びを通じて、指先の発達と五感刺激を促す。」

「保育者に見守られながら、自分で歩く喜びを味わい、自然への探究心を育む。季節の虫や小動物への関心の芽生え。」

夏の戸外遊びのねらい文例

「園庭での水遊びを通じて、水の心地よさを感じながら、暑い季節を楽しむ。保育者との関わりの中で、安全な環境での自由な動きを経験する。」

「砂場でのダイナミックな活動と、虫探しを通じて、自然への好奇心と身体能力の発達を促す。熱中症に留意しながら、活動時間を調整する。」

「夏の日差しや風など、季節特有の自然現象を五感で感じ、強い刺激への適応力を育む。」

秋の戸外遊びのねらい文例

「木の実や落ち葉を拾い集める活動を通じて、秋の自然への関心を深める。保育者が子どもの発見に共感することで、探究心と言語発達を促す。」

「季節の変化を五感で感じながら、身体を動かす心地よさを体験する。同年代の子どもたちとの関わりの場として、公園での活動を充実させる。」

「秋の涼しさを感じながら、散歩距離を徐々に延ばし、体力と持久力の向上を目指す。」

冬の戸外遊びのねらい文例

「冬の冷たさを感じながらも、体を動かす喜びを味わう。厚着による動きやすさの工夫を通じて、季節への適応と自己管理能力の基礎を育む。」

「雪遊びを通じて、新しい感覚刺激を経験し、冬特有の自然現象への興味を引き出す。(地域による)」

「寒冷刺激が心身の発達に与える好影響を踏まえ、適切な環境設定の下で、冬の戸外遊びを積極的に取り入れる。」


よくある悩みとQ&A

Q. 雨の日の戸外遊びはどうする?

A. 小雨程度であれば、適切な環境設定の下で実施する価値があります。子どもたちにとって、雨の音を聞く、水たまりを踏む、雨に濡れる感触など、晴れの日にはない体験ができます。

ただし、強い雨や雷の場合は、安全のため中止するべきです。その場合は、室内での代替活動(ごっこ遊び、リズム遊びなど)を用意しましょう。

Q. 嫌がる子どもにはどう対応する?

A. 「戸外遊びが好きでない」という子どもも少なくありません。無理強いは避け、まずは子どもの気持ちを受け入れましょう。

「何が怖いのかな」「どうしたのかな」と優しく聞き、その子のペースで環境に慣れさせることが大切です。はじめは園庭の端で、保育者と一緒に他の子どもたちを見守るだけでもいいでしょう。時間をかけて、少しずつ興味が広がることもあります。

Q. 一人で歩かない子どもへのアプローチ

A. 12~15ヶ月では、まだベビーカーや抱っこが必要な子どもも多いでしょう。焦らず、その子の発達段階を尊重することが大切です。

ただし、16ヶ月を過ぎて全く歩こうとしない場合は、医師や発達専門家に相談することをお勧めします。同時に、散歩の途中で下ろしてみる、段差を一緒に越える、など、歩く喜びを感じさせる工夫も効果的です。

Q. 危険な行動をする子どもへの対応

A. 石を投げる、他の子どもを押すなどの行為が見られる場合、その背景を考えることが重要です。「気をつけなさい」だけでは、子どもは学びません。

「石は投げると誰かが怪我するんだよ」と、分かりやすく、優しく説明する。同時に、その子が安全な形で自分のエネルギーを発散できる方法(思いきり走る、砂をダイナミックに掘るなど)を提供することが効果的です。


実践者の声|保育士たちが見た成長事例

ケース1:歩行発達が遅れ気味だった1歳8ヶ月の男の子

「毎日、公園での散歩を続けていました。最初は保育者に抱っこされていることが多かったのですが、3ヶ月経つと、芝生の上で自分で少しずつ歩けるようになりました。周りの子どもたちが走り回る様子を見て、本人のモチベーションが高まったようです。6ヶ月目には、遊具にも挑戦し始め、『できた!』という達成感が、全体的な自信につながったと感じます。」

ケース2:初めは戸外が怖かった1歳4ヶ月の女の子

「大きな音が苦手で、戸外に出ると泣いてしまっていた子どもでした。焦らずに、園庭の隅で、そっと座らせて様子を見ることにしました。数週間で、他の子どもたちの遊ぶ様子に興味を示し始め、1ヶ月後には、砂場に近づいて砂に触れるようになりました。今では、散歩の時間が好きになり、毎日『お散歩いく』と言うほどです。」

ケース3:五感の発達と情緒の安定

「登園時に、いつも不機嫌で泣いている子どもがいました。しかし、毎日の戸外遊び(特に砂遊びと虫探し)を通じて、3ヶ月経つと、朝の態度が大きく変わりました。園庭での活動に夢中になり、帰園時もご機嫌で、親御さんからも『家での様子も落ち着いた』とのコメントをいただきました。身体を動かし、自然に触れることの大切さを改めて実感しました。」


専門家からのアドバイス(厚生労働省資料から)

厚生労働省が発行する「保育所保育指針」には、保育実践の基盤として、以下の重要な記述があります:

「子どもが主体的に身近な環境と関わることができるようにし、自然との関わりの中で、事象への興味や関心を広げるとともに、身近な現象を見たり、思考したり、体験したりすることで、子どもが豊かな感覚や思考力を育むことができるようにすること。」

つまり、戸外遊びは、子どもの「主体性」が最も引き出される活動であり、その主体性を尊重することが、保育者の最も重要な役割なのです。

また、同資料では「子どもの発達過程を十分に認識し、一人ひとりの発達段階に応じた環境設定と働きかけが重要」と述べられています。これは、月齢や個人差を尊重しながら、無理なく段階的に戸外遊びを進めることの重要性を示しています。


まとめ|1歳児との戸外遊びを通じて、子どもの可能性を広げよう

1歳児の戸外遊びは、単なる「体を動かすための時間」ではありません。これは、子どもが自分の身体を知り、世界を探索し、人間関係の第一歩を踏み出す、極めて重要な学習の場なのです。

本記事でお伝えした通り、戸外遊びには以下のような多様な効果があります:

  • 身体能力の発達: 走る、跳ぶ、登るなど、多様な運動経験
  • 脳の発達: 空間認識能力、判断力、問題解決能力の育成
  • 五感の刺激: 複合的な感覚入力による感覚統合
  • 心理的安定: ストレス軽減と情緒の安定
  • 社会性の基礎: 他者との関わりの初期段階

同時に、これらの効果を最大化するためには、保育者の質の高いかかわり方が不可欠です。子どもの発見に共感する、主体性を引き出す声かけ、安全と自由のバランス─こうした工夫一つ一つが、子どもの成長を大きく左右します。

もしかして、あなたは「毎日の戸外遊び、本当に必要なのか」と疑問に感じているかもしれません。しかし、1歳児たちの姿を見てください。園庭に出た瞬間の子どもたちの顔の輝きを。砂に触れた時の全身での喜びを。初めて遊具に登れた時の誇らしげな表情を。

これらの瞬間が、子どもたちの人生の土台を作っているのです。

本記事の内容を参考にしながら、お子さんたちそれぞれのペースを尊重し、安全で充実した戸外遊びの環境を作ってください。その先には、自信に満ちた、好奇心旺盛な子どもたちの成長が待っています。

あなたの工夫と愛情が、子どもたちの可能性を、ぐんぐん広げていくのです。

 

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