ワンオペ育児は専業主婦の甘え?|そう言われて辛いあなたへ伝えたい本当のこと
1. はじめに|「甘え」と言われて、傷ついていませんか?
「専業主婦なんだから、ワンオペ育児は当たり前でしょ?」
「仕事してないんだから、育児くらい一人でやって当然」
「それで大変とか言うのは、甘えじゃない?」
こんな言葉を投げかけられて、心が傷ついていませんか?朝から晩まで、いえ、夜中も子どもの世話をして、休む暇もなく家事に追われて。それでも「甘え」と言われてしまう。
大丈夫です。あなたは甘えていません。
この記事では、なぜ専業主婦のワンオペ育児が「甘え」と言われてしまうのか、そして本当はどれだけ大変なことなのかを、統計データや体験談を交えながらお伝えしていきます。
一人で抱え込まないでください。あなたの気持ちは、間違っていません。
2. ワンオペ育児とは?|基礎知識を整理しよう
2-1. ワンオペ育児の定義
「ワンオペ育児」という言葉、最近よく耳にしますよね。
ワンオペとは「ワンオペレーション(One Operation)」の略で、もともとは深夜のコンビニや飲食店で、従業員一人ですべての業務をこなさなければならない状況を指す言葉でした。これが育児にも当てはめられ、「ワンオペ育児」という言葉が生まれたんです。
ワンオペ育児とは、パートナーの協力が得られず、片方の親(多くの場合は母親)が一人で育児や家事のほぼすべてを担っている状態のことを指します。
この言葉は2017年の流行語大賞にもノミネートされ、現在では広く認識されるようになりました。
2-2. あなたはワンオペ育児?チェックリスト
自分がワンオペ育児をしているのか、よくわからないという方もいるかもしれません。以下のチェックリストで確認してみましょう。
【ワンオペ育児チェックリスト】
- ✓ パートナーが単身赴任、または長時間労働で家にいる時間が少ない
- ✓ パートナーが休日でも、育児や家事に参加してくれない
- ✓ 子どもの夜泣き対応は、いつも自分一人
- ✓ 何かあったときにサポートを頼める親族や知人が近くにいない
- ✓ 自分一人だけの時間を持つことができない
- ✓ 食事やトイレ、お風呂もゆっくりできない
- ✓ 「ママじゃなきゃダメ」と子どもに言われ、パートナーが育児を諦める
- ✓ 体調が悪くても、休むことができない
3つ以上当てはまる方は、ワンオペ育児の状態にある可能性が高いです。そして、これはあなた一人だけの問題ではありません。
2-3. 専業主婦のワンオペ育児の実態【統計データ】
実は、専業主婦のワンオペ育児は想像以上に多いんです。統計データを見てみましょう。
【0〜2歳の子どもを持つ母親の自由時間】
あるアンケート調査によると、専業主婦の約半数(48.8%)が「平日に自分のために使える時間は1日1時間未満」と回答しています。1時間未満というのは、実質ほとんど自分の時間がないということですよね。
【家事・育児のサポート状況】
配偶者以外に家事・育児のサポートがない家庭は全体で約50%。専業主婦に限定すると、この数字は59.2%まで上昇します。つまり、専業主婦の約6割が、パートナー以外に頼れる人がいない状況で育児をしているということです。
【ワンオペ育児の実感】
株式会社カラダノートが実施した調査では、実に94%のママが「ワンオペ育児をしている」と回答しました。これは専業主婦だけでなく、働くママも含めた数字ですが、ワンオペ育児がいかに広範囲に及んでいるかがわかります。
また、総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子を持つ夫婦の家事関連時間(育児を含む)は、妻が1日平均7時間28分に対し、夫はわずか1時間54分という結果が出ています。
この数字を見れば、「専業主婦が一人で育児をするのは当たり前」という考えがいかに一方的なものか、理解していただけるのではないでしょうか。
3. なぜ「専業主婦のワンオペ育児は甘え」と言われるのか
ここで一度、冷静に考えてみましょう。なぜ専業主婦のワンオペ育児は「甘え」だと言われてしまうのでしょうか?その背景には、いくつかの誤解や固定観念があります。
3-1. 「専業主婦=楽」という誤解
「専業主婦は三食昼寝つき」「家にいるだけでしょ?」——こんな風に思われていること、ありませんか?
実際には、専業主婦の生活は想像以上に忙しいものです。特に未就園児がいる家庭では、朝起きてから夜寝るまで、いえ、夜中も授乳やおむつ替えで起こされることもあります。
家事や育児をしたことのない人からは理解されにくいのですが、自分の思い通りにならない子どもと向き合いながら家事をこなすのは、決して簡単なことではありません。
洗濯物を干している間に子どもが泣き、料理をしていたら「ママ見て!」と呼ばれ、掃除をしようとした瞬間におむつが汚れている——。こんな中断の連続で、一つの家事を完了させるだけでも一苦労なんです。
3-2. 「育児は母親の仕事」という固定観念
日本には長い間、「男は外で働き、女は家を守る」という役割分担の考え方が根強くありました。この価値観の中では、育児や家事は女性(母親)の仕事とされ、父親は仕事で稼いでいれば家事育児をしなくても良いという風潮がありました。
しかし、育児は本来、夫婦二人で行うものです。民法でも、親権者(通常は両親)は共同して子どもを養育する義務があるとされています。
「専業主婦なんだから育児は全部やって当然」という考え方は、時代遅れの固定観念に過ぎません。
3-3. 「昔の母親は黙ってやっていた」という時代錯誤
「私たちの母親の世代は、文句も言わずに育児をしていたのに」——こんな意見を聞いたことはありませんか?
確かに、昔はワンオペ育児という言葉自体がありませんでした。でも、それは「大変じゃなかったから」ではなく、「大変だと言えなかったから」なんです。
さらに、現代の育児環境は昔とは大きく異なります:
- 核家族化が進み、親族のサポートが得にくくなった
- 地域のつながりが希薄になり、近所で助け合うことが難しくなった
- 情報過多で「正しい育児」へのプレッシャーが強くなった
- SNSの普及で、他人と比較する機会が増えた
「昔はできていた」という比較は、現代の育児の複雑さを無視した暴論と言えるでしょう。
3-4. 共働き家庭からの「私たちの方が大変」という声
共働きで育児をしている方から、「仕事もして育児もしているのに、専業主婦は育児だけで大変とか甘えでは?」という意見が出ることもあります。
これは、どちらが大変かを競う話ではありません。共働きも専業主婦も、それぞれに異なる大変さがあるんです。
共働きの方は、仕事と育児の両立という大変さがあります。一方、専業主婦は社会との接点が少なくなり、孤独感や自己肯定感の低下に悩むことがあります。また、24時間子どもと一緒にいることで、精神的な休息が取れないという苦しさもあります。
大切なのは、お互いの大変さを認め合うことです。「どちらが大変か」という比較ではなく、「どちらも大変だよね」という共感が必要なのではないでしょうか。
3-5. 比較表:専業主婦vs共働きの1日のスケジュール
専業主婦と共働き、それぞれの1日がどのようなものか、比較してみましょう。
| 時間 | 専業主婦ママ(0歳児) | 共働きママ(0歳児・保育園) |
|---|---|---|
| 6:00 | 授乳・おむつ替えで起床 | 起床、自分と子どもの支度 |
| 7:00 | 朝食準備、パートナーの世話 | 朝食、保育園の準備 |
| 8:00 | 授乳、子どもの世話、洗濯 | 保育園送り、出勤 |
| 9:00-12:00 | 子どもと遊ぶ、寝かしつけ、掃除、買い物 | 仕事(大人との会話、達成感) |
| 12:00 | 昼食(子どもを見ながら急いで食べる) | 昼休憩(ゆっくり食べられる) |
| 13:00-17:00 | 授乳、おむつ替え、夕食準備、子どもと遊ぶ | 仕事、保育園お迎え |
| 18:00 | 夕食準備、授乳 | 帰宅後、急いで夕食準備 |
| 19:00 | 家族の夕食、片付け | 夕食、お風呂 |
| 20:00 | お風呂、寝かしつけ | 寝かしつけ、家事 |
| 21:00- | 寝かしつけ続き、夜泣き対応、家事の続き | 夜泣き対応、翌日の準備 |
| 深夜 | 授乳・夜泣き対応(複数回) | 夜泣き対応(翌日仕事があり辛い) |
この表を見ると、どちらも本当に大変だということがわかりますよね。専業主婦は24時間子どもと一緒で休息がなく、共働きママは時間に追われながら仕事と育児の両立に奮闘しています。
「どちらが大変か」ではなく、「どちらも大変で、どちらも頑張っている」——そう認め合うことが大切なんです。
4. 専業主婦のワンオペ育児は「甘え」ではない5つの理由
ここからは、専業主婦のワンオペ育児が決して「甘え」ではない理由を、具体的に説明していきます。
4-1. 理由①:育児には休憩時間がない(24時間365日)
会社員なら、休憩時間があります。お昼休みもあれば、就業時間が終われば退社できます。でも、育児には休憩時間もなければ、退社時間もありません。
専業主婦の育児は、24時間365日続きます。
夜中に子どもが泣けば起きなければなりませんし、体調が悪くても休むことはできません。「今日は育児お休み」なんて日は、一日たりともないのです。
ある専業主婦の方は、「5分でいいから、誰かに子どもを見ていてほしい」と切実に願ったと語っています。たった5分、トイレにゆっくり行ける時間があれば——。そんなささやかな願いすら叶わないのが、ワンオペ育児の現実なんです。
これを「甘え」と呼ぶことができるでしょうか?
4-2. 理由②:社会的孤立と精神的な負担
専業主婦は、社会との接点が少なくなりがちです。特に未就園児を育てている時期は、家の中で子どもと二人きりという時間が長くなります。
大人と会話する機会が減り、「社会から取り残されている」「自分は何の役にも立っていない」という気持ちになることもあります。これは社会的孤立と呼ばれる状態で、精神的な健康に大きな影響を与えます。
ある調査では、専業主婦の中には「一週間が育児だけで終わっていくのがむなしい」と感じ、一時期派遣で仕事をして子どもを保育園に預けたという方もいました。育児が辛いから働きに出る——これは現代のママの「あるある」なんです。
人間は社会的な生き物です。人とのつながりや、社会での役割を感じられないことは、想像以上に辛いものなのです。
4-3. 理由③:育児は夫婦の共同責任である
これは何度でも言いたいことです。育児は夫婦の共同責任です。
民法第820条には、「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う」と明記されています。つまり、法律的にも、親(父親と母親の両方)は子どもを育てる義務があるのです。
「専業主婦だから育児は全部やって当然」というのは、法的にも倫理的にも間違っています。
確かに、専業主婦は日中の育児を主に担うことが多いでしょう。でも、それは役割分担であって、パートナーが育児に全く関与しなくて良いという意味ではありません。
パートナーが帰宅したら、お風呂に入れる、寝かしつけをする、週末は積極的に育児に参加する——こういったことは、当然のことなのです。
4-4. 理由④:専業主婦=無職ではない
「専業主婦は働いていないから楽」——これも大きな誤解です。
専業主婦は、無職ではありません。家事労働、育児労働を担っているのです。もしこれらの仕事を外注したら、いくらかかると思いますか?
内閣府の試算によると、家事労働の経済的価値は年間約304万円にも上るとされています。ベビーシッターを雇えば1時間2,000円以上、家事代行サービスも同様です。それを毎日、休みなく行っているのが専業主婦なんです。
確かに、給料としてお金をもらっているわけではありません。でも、対価が支払われないからといって、その労働の価値がないわけではないのです。
4-5. 理由⑤:他国と比較して日本の母親負担は異常に高い
実は、日本のワンオペ育児問題は国際的に見ても深刻なんです。
ベネッセ教育総合研究所が2017年に実施した「幼児期の家庭教育国際調査」では、日本、中国、インドネシア、フィンランドの4カ国で比較調査が行われました。
その結果、日本の母親は他の3カ国と比較して、圧倒的に育児負担が大きいことが明らかになりました。父親の育児参加時間も、他国と比べて著しく少ないという結果が出ています。
特に北欧諸国では、育児は夫婦で平等に分担するのが当たり前とされており、父親の育休取得率も非常に高いです。日本の男性の育休取得率は少しずつ上がってきているものの、2022年時点で17.13%とまだまだ低い水準です。
つまり、日本の専業主婦が感じている「大変さ」は、国際的に見ても異常な状態なのです。これを「甘え」と切り捨てることは、社会構造の問題から目を背けることに他なりません。
5. 専業主婦のワンオペ育児|本当の大変さとは
5-1. 体験談:専業主婦ママたちのリアルな声
ここで、実際にワンオペ育児を経験した専業主婦の方々の声を紹介します。
「新生児の頃なんて特にひどく、何に泣いているかわからず絶望感しかなかった。『早く大きくならんかな』ばかり思っていたひどい親だった。それでも、大事な子のためにがんばなくちゃ!という気力だけで、一人で何でもかんでも頑張ろうとしたのがつらさを加速させたように思う。」(30代・専業主婦)
「腕や肩、腰がガチガチ、ぎっくり腰になった時でさえ湿布を渡されて終わり。もっと遠慮せずに実親に頼れていたらよかった。迷惑をかけちゃいけないって思わず、素直に悩みを打ち明けられる人がいればよかった。」(30代・専業主婦)
「1人目を出産後は、3カ月くらい産後うつになっていたと思います。それでも手を借りられなかったから、必死に毎日の育児をしていたと思う……あまり当時の記憶がないです。」(30代・専業主婦)
「子どもと一対一で遊ぶのは、ルーチンだし、2時間が限界ですね。ガツガツ仕事をしていたので、もう一度仕事をしようと保育園を検討していたのですが、見学に行った園のずさんさが目についてしまって……。ここには預けられないと思ったら就業する気もなくなりました。」(30代・専業主婦)
これらの声から、専業主婦のワンオペ育児がいかに心身を追い詰めるものか、伝わってくるのではないでしょうか。
5-2. 精神的な負担(孤独感・自己肯定感の低下)
ワンオペ育児の精神的な負担は、想像以上に大きいものです。
孤独感
一日中、言葉が通じない赤ちゃんや幼児と二人きり。大人と会話する機会がほとんどない。パートナーが帰ってきても疲れていて話を聞いてもらえない。こんな状況では、孤独を感じるのは当然です。
人間は社会的なつながりを必要とする生き物です。孤独は、健康にも悪影響を及ぼすことが研究でわかっています。
自己肯定感の低下
育児には「完成」がありません。洗濯物を干しても、すぐにまた汚れた服が出ます。部屋を片付けても、子どもがすぐに散らかします。料理を作っても、「食べたくない」と言われることもあります。
頑張っても頑張っても、達成感が得にくい。誰にも褒められない。そんな毎日の中で、「自分は何をしているんだろう」「自分には価値がないんじゃないか」と感じてしまうママも少なくありません。
さらに、「専業主婦なのに、これくらいできないの?」という言葉を投げかけられると、自己肯定感はさらに下がってしまいます。
5-3. 肉体的な負担(睡眠不足・体調不良)
精神的な負担だけでなく、肉体的な負担も深刻です。
睡眠不足
夜中の授乳や夜泣き対応で、まとまった睡眠が取れないというママは多いです。睡眠不足は、判断力の低下、イライラ、免疫力の低下など、さまざまな悪影響をもたらします。
ある研究では、新生児の世話をする母親の睡眠時間は、平均5〜6時間程度とされています。しかも、それは細切れの睡眠です。これは、軽い睡眠障害と同等の状態なんです。
体調不良
抱っこのしすぎで腱鞘炎になる、腰痛や肩こりがひどくなる、授乳による乳腺炎——育児をしていると、さまざまな体調不良に悩まされます。
でも、ワンオペ育児では、自分が体調不良でも休むことができません。風邪を引いても、子どもの世話は待ってくれません。「病院に行く時間もない」というママも多いのです。
5-4. ワンオペ育児が引き起こすリスク(産後うつ・夫婦関係の悪化)
ワンオペ育児が続くと、深刻なリスクも生じます。
産後うつ
産後うつは、出産後のホルモンバランスの変化や、育児のストレスによって引き起こされる精神疾患です。厚生労働省の調査によると、産後うつは出産した女性の約10〜15%に起こるとされています。
ワンオペ育児で孤独を感じ、サポートが得られない状況は、産後うつのリスクを高めます。「頑張っているのに誰も認めてくれない」「自分は母親失格だ」という思いが強くなると、危険信号です。
産後うつは、早期の発見と治療が重要です。もし、以下のような症状が2週間以上続く場合は、医療機関や保健センターに相談してください:
- 気分が沈む、何をしても楽しくない
- 食欲がない、または過食してしまう
- 眠れない、または寝すぎてしまう
- 集中できない、決断できない
- 自分を責めてしまう
- 死にたいと思うことがある
夫婦関係の悪化
ワンオペ育児は、夫婦関係にも悪影響を及ぼします。
「なんで私ばっかり」「あなたは何もしてくれない」という不満が溜まり、夫婦喧嘩が増えます。コミュニケーションが減り、お互いに感謝の気持ちを持てなくなります。
実際、ワンオペ育児が原因で離婚を考える夫婦も少なくありません。弁護士ナビの記事でも、「ワンオペ育児は離婚に発展する可能性のある夫婦間の大きな問題」として取り上げられています。
夫婦関係の悪化は、子どもにも影響を与えます。両親が不仲だと、子どもは不安を感じ、健全な成長に悪影響が出る可能性があります。
6. ワンオペ育児を乗り越える7つの方法
ここまで、ワンオペ育児の大変さをお伝えしてきました。でも、「じゃあどうすればいいの?」と思いますよね。
ここからは、ワンオペ育児を少しでも楽にするための具体的な方法をご紹介します。
6-1. パートナーと話し合う(伝え方のコツ)
まず一番大切なのは、パートナーとしっかり話し合うことです。
「言わなくてもわかってほしい」と思う気持ちはわかります。でも、残念ながら、言わなければ伝わりません。特に男性は、具体的に言葉にしないと理解できないことが多いんです。
伝え方のコツ:
- 感情的にならず、冷静に:「なんで何もしてくれないの!」と怒ると、相手も防衛的になります。冷静に、事実を伝えましょう。
- 具体的に伝える:「手伝ってほしい」ではなく、「毎日18時のお風呂をお願いしたい」と具体的に。
- 「私メッセージ」で伝える:「あなたは何もしない」ではなく、「私は疲れていて、助けてほしい」と、自分の気持ちを伝える。
- 感謝も忘れずに:やってくれたことには、しっかり感謝を伝える。「ありがとう、助かった」の一言が大切。
後ほど、「7. パートナーに理解してもらうための具体的アプローチ」でさらに詳しく説明します。
6-2. 完璧を目指さない(手抜きのススメ)
「ちゃんとした母親にならなきゃ」「家事も育児も完璧にこなさなきゃ」——そう思っていませんか?
完璧を目指すのはやめましょう。手抜きは、悪いことじゃありません。
具体的な手抜きのアイデア:
- 食事:毎日手作りじゃなくてもOK。レトルトや冷凍食品を活用する。たまには外食やデリバリーも。
- 掃除:毎日ピカピカにしなくてもOK。「今日はリビングだけ」など、優先順位をつける。
- 洗濯:畳まずにハンガーのまま収納、靴下は揃えない——など、工夫次第で時短可能。
- 育児:絵本の読み聞かせができなかった日があってもOK。テレビやタブレットを見せる時間があってもOK。
「ちゃんとできなかった」ではなく、「今日もなんとか乗り切った」と自分を褒めてあげてください。
6-3. 一時保育・ファミリーサポートを活用する
「専業主婦なのに、保育サービスを使うなんて」と思っていませんか?そんなことはありません!
一時保育は、冠婚葬祭や通院だけでなく、「リフレッシュ」を理由に利用できます。数時間でも子どもを預けて、一人の時間を持つことは、あなたの心の健康のために必要なことです。
ファミリーサポートセンターは、地域の人が子育てをサポートしてくれる制度です。利用料も比較的安く、気軽に使えます。
自治体によっては、専業主婦でも利用できる子育て支援サービスがたくさんあります。お住まいの市区町村の子育て支援課に問い合わせてみてください。
6-4. ママ友や地域のコミュニティとつながる
孤独を感じているなら、ママ友や地域のコミュニティとつながることも大切です。
地域の子育て支援センターや、児童館に行ってみましょう。そこには、同じように育児をしているママたちがいます。「うちもそうだよ」「わかる!」と共感し合えるだけで、心が軽くなることもあります。
最近では、オンラインのママコミュニティも充実しています。SNSで「#ワンオペ育児」「#専業主婦ママ」などのハッシュタグで検索すると、同じ境遇のママたちと繋がれます。
ただし、SNSでは「キラキラママ」の投稿を見て落ち込むこともあります。そういう時は、無理に見ないことも大切です。
6-5. 自分の時間を確保する工夫
「自分の時間なんてない」——そう思っているかもしれません。でも、少しの工夫で、自分の時間を作ることはできます。
- 早起きする:子どもが起きる前の30分、自分の時間に。コーヒーを飲む、本を読む、ストレッチをする——何でもOK。
- パートナーに頼む:週に一度、数時間だけでも子どもを見てもらって外出する。
- 子どもの昼寝時間:家事をするのではなく、たまには自分のために使う。
- 在宅ワークを少しだけ:育児の合間にできる簡単な在宅ワークをして、気分転換+お小遣い稼ぎ。
自分の時間を持つことは、わがままではありません。心の健康を保つために必要なことです。
6-6. 家事の優先順位をつける
「あれもこれもやらなきゃ」と思うと、疲れてしまいます。家事に優先順位をつけましょう。
優先度:高
- 食事(栄養バランスより、とにかく食べられるものを)
- 最低限の掃除(危険がない程度に)
- 洗濯(着る服がある程度に)
優先度:中
- しっかりした掃除
- 洗濯物を畳む
- 手の込んだ料理
優先度:低
- 窓拭き
- 模様替え
- 完璧な整理整頓
優先度の低いものは、「できればいいな」程度に考えて、無理にやろうとしないことです。
6-7. SOSを出す勇気を持つ
最後に、これが一番大切かもしれません。SOSを出す勇気を持つことです。
「迷惑をかけたくない」「甘えだと思われたくない」——そう思って、一人で抱え込んでいませんか?
でも、SOSを出すことは、甘えではありません。自分と子どもを守るための、勇気ある行動です。
- パートナーに「限界だから助けて」と伝える
- 実家の親に「少し手伝ってほしい」と頼む
- 保健師さんや子育て相談窓口に相談する
- 心療内科を受診する(精神的に辛い場合)
誰かに助けを求めることで、状況が変わることもあります。一人で頑張りすぎないでください。
7. パートナーに理解してもらうための具体的アプローチ
ワンオペ育児を解消するには、やはりパートナーの協力が不可欠です。ここでは、パートナーに理解してもらい、育児に参加してもらうための具体的なアプローチをご紹介します。
7-1. 感情的にならない伝え方
不満が溜まっていると、つい感情的になってしまいますよね。でも、感情的になると、相手も防衛的になり、話し合いが喧嘩になってしまいます。
NG例:「あなたは何もしてくれない!私ばっかり!もう無理!」
OK例:「最近、一人で育児をしていて疲れているの。一緒に子育てをしてもらえると、すごく助かるんだけど。」
ポイントは、「あなた」ではなく「私」を主語にすることです。「あなたは〜しない」ではなく、「私は〜で困っている」と伝えると、相手を責めている印象が減ります。
また、話し合うタイミングも大切です。パートナーが疲れている時や、子どもが泣いている時は避けて、落ち着いて話せる時間を選びましょう。
7-2. 「してほしいこと」を具体的に伝える
「育児を手伝ってほしい」だけでは、相手は何をすればいいかわかりません。具体的に、何をしてほしいのかを伝えましょう。
曖昧な伝え方:「もっと育児に参加してほしい」
具体的な伝え方:「平日は難しいと思うから、週末の午前中だけ、子どもを公園に連れて行ってもらえると助かる」
具体的に伝えることで、相手も何をすればいいかわかり、行動しやすくなります。
具体的なお願いの例:
- 毎日18時に帰宅したら、子どもをお風呂に入れてほしい
- 土曜日の午前中は、子どもと二人で過ごしてほしい
- 夜中の授乳は私がするから、朝の着替えとおむつ替えをお願いしたい
- 週に一度、夕食の準備をしてほしい
最初から完璧を求めず、少しずつお願いしていくことも大切です。
7-3. 感謝の言葉を忘れずに
パートナーが育児や家事をしてくれたら、必ず感謝の言葉を伝えましょう。
「やって当たり前」と思っていると、相手のモチベーションも下がります。たとえ上手にできなくても、「ありがとう」「助かった」と伝えることで、相手も「もっと頑張ろう」と思えます。
特に、育児に慣れていないパートナーは、失敗することもあります。「何やってるの!」と怒るのではなく、「次はこうしてみて」と優しく教えてあげてください。
夫婦は、お互いに支え合うパートナーです。感謝の気持ちを忘れずに、一緒に子育てを楽しんでいけたらいいですね。
8. 困ったときの相談先一覧
一人で抱え込まず、困ったときは専門家や支援機関に相談しましょう。ここでは、利用できる相談先をご紹介します。
8-1. 地域の子育て支援センター
市区町村には、子育て支援センターや児童館があります。ここでは、保育士や子育て支援員が常駐しており、育児の悩みを相談できます。
サービス内容:
- 育児相談(無料)
- 親子で遊べるスペースの提供
- 育児講座やイベントの開催
- ママ友作りの場
予約不要で気軽に立ち寄れる施設も多いので、まずは一度訪れてみてください。
探し方:お住まいの市区町村の公式サイトで「子育て支援センター」「児童館」と検索
8-2. オンラインカウンセリング
「外出するのも大変」「誰かに会うのが億劫」という方には、オンラインカウンセリングもおすすめです。
最近では、育児専門のオンラインカウンセリングサービスも増えています。自宅にいながら、専門家に相談できるので、気軽に利用できます。
主なサービス:
- cotree(コトリー):臨床心理士などの専門家によるオンラインカウンセリング
- ここくる:子育て専門のオンラインカウンセリング
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」:無料の電話相談窓口情報
8-3. ママ向けSNSコミュニティ
同じ境遇のママたちと繋がれるSNSコミュニティもあります。
- X(旧Twitter):#ワンオペ育児 #専業主婦ママ などのハッシュタグで検索
- Instagram:育児アカウントがたくさん。共感できる投稿を見つけよう
- ママリ:Q&Aサイト。匿名で悩みを相談できる
- コノビー:育児マンガやコラムが読めるサイト
ただし、SNSで他のママと比較して落ち込むこともあります。自分のペースで、心地よく利用することが大切です。
その他の相談先:
- 保健センター:保健師に育児相談(無料)
- 子育て世代包括支援センター:妊娠期から子育て期までワンストップで相談できる
- 児童相談所:深刻な悩みがある場合は、全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」に電話
- 心療内科・精神科:産後うつなど、精神的に辛い場合は専門医に相談
一人で悩まず、まずは誰かに話してみることから始めましょう。
9. まとめ|あなたは一人じゃない、そして甘えてなんかいない
長い記事を最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
この記事を通じて、一番お伝えしたかったこと。それは、専業主婦のワンオペ育児は、決して「甘え」ではないということです。
24時間365日、休みなく続く育児。大人との会話もなく、社会から孤立したように感じる孤独感。誰にも褒められず、認められない日々。体調が悪くても休めない辛さ。
これらは、すべて現実であり、あなたが感じている「大変さ」は、間違っていません。
もし、周りから「甘え」と言われたとしても、気にしないでください。その人たちは、あなたの24時間を知りません。あなたがどれだけ頑張っているか、知らないのです。
あなたは、十分頑張っています。
完璧な母親なんていません。家事が完璧にできなくても、たまには手抜きをしても、それでいいんです。大切なのは、あなた自身が笑顔でいられることです。ママが笑顔でいることが、子どもにとって一番の幸せなのですから。
一人で抱え込まないでください。パートナーに、親に、友人に、支援機関に——誰でもいいので、SOSを出してください。助けを求めることは、弱さではなく、強さです。
そして、同じようにワンオペ育児で悩んでいるママたちが、たくさんいることを忘れないでください。あなたは、一人じゃありません。
この記事が、少しでもあなたの心を軽くできたなら嬉しいです。
明日も、あなたらしく、無理せずに。そして、たまには自分を甘やかしてあげてくださいね。
あなたと、あなたの大切な家族に、幸せが訪れますように。
【参考】
- 総務省「令和3年社会生活基本調査」
- 株式会社カラダノート「ワンオペ育児に関するアンケート調査」(2023年)
- ベネッセ教育総合研究所「幼児期の家庭教育国際調査」(2017年)
- 内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」
- 厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」
- 国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」

