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おしりペンペンは育児にNG?影響と効果的なしつけ方法

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おしりペンペンは育児にNG?影響と効果的なしつけ方法

おしりペンペンは育児にNG?影響と効果的なしつけ方法

「また同じことを注意したのに聞いてくれない…」「つい手が出そうになってしまった…」

子育て中のあなたなら、こんな経験があるかもしれませんね。昔から日本では「おしりペンペン」という言葉があるように、軽く叩いてしつけることが当たり前のように行われてきました。でも、本当にそれは効果的なのでしょうか?

実は、2020年4月から日本でも体罰が法律で禁止されています。しかし、その認知度はまだ低く、多くの親御さんが「どうしつけたらいいの?」と悩んでいるのが現状です。

この記事では、おしりペンペンが子どもに与える影響から、体罰に頼らない効果的なしつけ方法まで、最新の研究データと専門家の意見をもとに詳しく解説していきます。

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第1章:おしりペンペンとは?基礎知識

1-1. おしりペンペンの定義と歴史

おしりペンペンとは、子どもが言うことを聞かなかったり、悪いことをした際に、手でおしりを軽く叩いて注意を促すしつけ方法のことです。

日本では戦前から「愛のムチ」として親世代に広く認識されており、多くの家庭で実践されてきました。「叩かれて育った」という経験を持つ方も少なくないでしょう。

昭和の時代には、学校でも教師が生徒を叩くことが珍しくありませんでした。「痛い思いをしないと覚えない」「厳しくしつけることが愛情」という考え方が、社会全体に根付いていたのです。

しかし、時代とともに子どもの権利に対する意識が高まり、体罰の是非について議論されるようになってきました。

1-2. 日本での認識と実態(データで見る現状)

では、現代の日本では体罰についてどのように考えられているのでしょうか?データを見てみましょう。

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが2017年に実施した大人2万人を対象とした意識調査によると、驚くべきことに「しつけのために体罰を容認する」と答えた人が約6割にのぼりました。

さらに、厚生労働省が2021年に実施した調査では、2020年4月から体罰が法律で禁止されたことを「知っている」と答えたのはわずか2割にとどまっています。

つまり、法律では禁止されているにもかかわらず、多くの親が「ときには叩くことも必要」と考えており、しかもそれが違法であることすら知らないという状況なのです。

1-3. 世代間での考え方の違い

体罰に対する考え方は、世代によって大きく異なります。

祖父母世代(60代以上)の多くは、「自分たちも叩かれて育った」「叩かれても親を恨んだりしなかった」という経験から、体罰を肯定的に捉える傾向があります。「今の親は甘すぎる」「もっと厳しくしつけないと」といった意見を持つ方も少なくありません。

一方、現在子育て中の親世代(20〜40代)は、体罰に対して揺れる気持ちを抱えています。「叩くのは良くないとわかっているけれど、他に方法がわからない」「つい感情的になってしまう」という悩みを持つ方が多いのです。

この世代間ギャップが、子育ての現場で摩擦を生むこともあります。実家に子どもを預けた際に、祖父母が「甘やかしすぎ」と叱ったり、逆に親が祖父母の厳しい対応に不安を感じたりするケースも見られます。

第2章:知っておきたい!体罰禁止法の全貌

2-1. 2020年4月施行の体罰禁止法とは

2018年3月、東京都目黒区で5歳の女の子が虐待死する痛ましい事件が起こりました。さらに翌2019年1月には千葉県野田市で10歳の女の子が虐待死する事件が発生。これらの事件を契機に、児童虐待防止を強化する動きが加速しました。

そして2019年6月、児童福祉法と児童虐待防止法が改正され、親権者等による体罰が法律で明確に禁止されることになりました。この改正法は2020年4月1日から施行されています。

改正法では「児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」と明記されました。これにより、日本は世界で59番目の体罰全面禁止国となったのです。

2-2. 何が体罰に該当するのか(具体例)

では、具体的に何が「体罰」に該当するのでしょうか?厚生労働省(現・こども家庭庁)が発表したガイドライン「体罰等によらない子育てのために〜みんなで育児を支える社会に〜」では、以下のような例が挙げられています。

子どもの行為 体罰に該当する親の対応
友達を叩いてケンカになった 頭を叩く、おしりを叩く
お店で大声を出して走り回った 頬をつねる、手や足を叩く
宿題をしなかった 正座をさせて説教する、夕飯を与えない
言うことを聞かない 長時間立たせる、外に閉め出す
注意しても同じことを繰り返す 物を投げつける、押し入れに閉じ込める

ガイドラインでは、「子どもに対して何らかの苦痛を引き起こしたり、不快感を意図的にもたらしたりする行為は、どんなに軽いものであっても体罰に該当する」と明記されています。

つまり、「軽く叩く程度なら大丈夫」という考え方は通用しないのです。

さらに、身体的な体罰だけでなく、「怒鳴りつける」「けなす」「辱める」といった心を傷つける暴言や行為についても、子どもの権利を侵害するとされています。

2-3. 法律違反になるとどうなる?罰則は?

「体罰が法律で禁止されたということは、叩いたら罰則があるの?」と不安に思う方もいるかもしれませんね。

結論から言うと、現在の法律では、体罰をしたからといって直ちに刑事罰が科されるわけではありません。改正法の目的は、罰則で親を取り締まることではなく、社会全体で「体罰に頼らない子育て」を推進していくことにあります。

ただし、体罰が虐待に該当すると判断された場合は別です。児童相談所による介入や、場合によっては一時保護などの措置が取られる可能性があります。

また、学校や児童福祉施設の職員が体罰を行った場合は、懲戒処分の対象となります。

大切なのは、「罰則があるから叩かない」のではなく、「子どものために叩かない」という意識を持つことです。

2-4. 世界の体罰禁止の状況(日本は59番目)

世界に目を向けると、体罰禁止の流れはずっと前から進んでいました。

1979年、スウェーデンが世界で初めて家庭での体罰を法律で禁止しました。それから40年以上が経ち、現在では60カ国以上が体罰を全面的に禁止しています。

興味深いことに、スウェーデンでは1960年代には9割以上の親が体罰をしていたそうです。しかし、1970年代半ばに義理の父による虐待で子どもが殺される事件が発生し、国民に大きな衝撃を与えました。

この事件をきっかけに、メディアでも体罰について議論される機会が増え、世論の後押しもあって法改正が実現したのです。

法改正後、スウェーデン政府は全世帯に「あなたは子どもを叩かずに育てられますか」という16ページの冊子を配布したり、牛乳パックに法改正の情報を印刷したりするなど、大規模な啓発活動を行いました。

その結果、法改正から2年後の1981年には、全家庭の90%以上が体罰禁止について認識していたというデータがあります。さらに、「過去1年間に子どもを叩いた親の割合」は27.5%(1980年)から2.8%(2011年)に減少し、子どもの虐待死も15人(1970年)から4人(2010年)に減少しました。

この成功事例は、法律で禁止するだけでなく、社会全体で啓発活動を行うことの重要性を示しています。

第3章:おしりペンペンが子どもに与える影響

3-1. 短期的な効果と問題点

「でも、叩いたら一時的には言うことを聞くようになるのでは?」と思う方もいるでしょう。

確かに、おしりペンペンなどの体罰には短期的な効果があるように見えることがあります。子どもは痛みや恐怖を感じて、その場では行動を止めるかもしれません。

しかし、これは本当の意味での「理解」ではありません。子どもは「なぜその行動がいけないのか」を理解しているのではなく、「叩かれるのが怖いから」やめているだけなのです。

つまり、体罰による短期的な効果は、恐怖による服従にすぎず、本質的な問題解決にはつながりません。親の目が届かないところでは同じ行動を繰り返したり、より巧妙に隠すようになったりする可能性もあります。

3-2. 長期的な心理的影響(脳科学・児童心理学の視点)

近年の脳科学研究により、体罰が子どもの脳に与える影響が明らかになってきています。

アメリカのハーバード大学の研究では、体罰を受けた子どもの脳には、前頭前野(感情のコントロールや意思決定を司る部分)の発達に遅れが見られることが報告されています。

また、児童心理学の研究では、体罰を受けた子どもには以下のような影響が現れる可能性が指摘されています。

  • 攻撃性の学習:問題解決の手段として暴力を選択する傾向が高まる
  • 自尊心の低下:「自分はダメな子だ」という否定的な自己イメージを持つ
  • 不安や抑うつ:常に親の顔色を伺い、ビクビクした態度になる
  • 信頼関係の損失:親を信頼できなくなり、心を閉ざす
  • 感情表現の抑制:自分の気持ちを素直に表現できなくなる

これらの影響は、子どもの成長過程で様々な問題を引き起こす可能性があります。例えば、学校での対人関係がうまくいかなくなったり、将来的に自分の子どもにも同じように体罰を加えてしまう「暴力の連鎖」につながったりすることもあるのです。

3-3. 身体的な影響とリスク

「軽く叩く程度なら身体的には問題ないでしょう」と思うかもしれません。しかし、そこには見えないリスクが潜んでいます。

まず、親が「軽く叩いたつもり」でも、子どもには予想以上の衝撃になることがあります。子どもの体は小さく、骨や内臓も発達途中です。大人が思っている以上に、ダメージを受けやすいのです。

さらに深刻なのは、体罰がエスカレートするリスクです。最初は軽く叩く程度だったものが、効果が薄れてくるにつれて、より強く、より頻繁に叩くようになってしまう。こうして体罰が虐待へと発展していくケースは決して珍しくありません。

実際、虐待で命を落とした子どもの多くが、最初は「しつけ」として軽く叩かれていたところから始まっていたと報告されています。

また、親が感情的になっている時に叩いてしまうと、力加減がコントロールできなくなる危険性もあります。「つい手が出てしまった」という瞬間的な行動が、取り返しのつかない結果を招くこともあるのです。

3-4. 親子関係への影響

体罰は、親子の信頼関係を根本から揺るがしてしまいます。

子どもにとって、親は世界で一番の味方であり、安全基地であるはずです。その親から叩かれるという経験は、子どもの心に深い傷を残します。

「愛しているから叩くんだよ」と言われても、子どもには理解できません。子どもが感じるのは、「自分は愛されていない」「悪い子だから叩かれるんだ」という否定的な感情です。

体罰を受けた子どもは、親の前で良い子を演じるようになります。本当の気持ちを隠し、親の顔色を伺いながら生活するのです。これでは、本当の意味での親子のコミュニケーションは成り立ちません。

思春期になると、幼少期に体罰を受けた経験が反抗や不信感として表面化することもあります。「あの時、自分は叩かれるほど悪いことをしたのか」と親への不信感が芽生え、親子関係が悪化してしまうケースも少なくありません。

3-5. 専門家が語る「体罰を受けた子どもの特徴的な行動」

保育士や児童心理の専門家によると、家庭で体罰を受けている子どもには、以下のような特徴的な行動が見られることがあるそうです。

  1. 過度に従順、または極端に反抗的
    親や教師の顔色を常に伺い、必要以上に良い子を演じるか、逆に攻撃的で反抗的な態度を取る両極端な傾向が見られます。
  2. 友達に対して攻撃的
    家庭で学んだ「問題解決の方法」として、友達を叩いたり暴力的な行動を取ったりすることがあります。
  3. 自己肯定感が低い
    「どうせ自分はダメだ」「自分は悪い子だ」という言葉をよく口にし、新しいことに挑戦する意欲が低い傾向があります。

もちろん、これらの行動が見られたからといって必ずしも体罰を受けているとは限りません。しかし、こうした特徴は体罰が子どもに与える影響の一端を示しているのです。

第4章:なぜ親は叩いてしまうのか?

4-1. 親自身が体罰を受けて育った影響

「自分も叩かれて育ったけど、今では親に感謝している」という方も多いでしょう。

確かに、体罰を受けても立派に成長した人はたくさんいます。しかし、それは体罰があったから成長したのではなく、体罰があったにもかかわらず成長できたと考えるべきです。

親自身が体罰を受けて育った場合、それが「普通のこと」として刷り込まれてしまいます。そのため、自分の子どもに対しても無意識に同じ方法を取ってしまうのです。

これは「世代間連鎖」と呼ばれる現象です。虐待を受けた人が親になった時、必ずしも虐待をするわけではありませんが、ストレスが高まった時などに、自分が受けた方法を無意識に繰り返してしまうリスクが高まることが知られています。

4-2. ストレスと感情コントロールの問題

現代の子育ては、想像以上にストレスフルです。

仕事と育児の両立、経済的な不安、孤立した育児環境、SNSでの「理想の親」像との比較…。様々なストレスが親にのしかかっています。

そんな状況で、子どもが何度も同じことを繰り返したり、言うことを聞かなかったりすると、感情的になってしまうのは自然なことです。「もう何度言ったらわかるの!」「いい加減にして!」という気持ちが爆発し、つい手が出てしまう。

多くの親が「叩きたくて叩いているわけじゃない」と感じています。感情のコントロールが効かなくなった瞬間に起こってしまうのです。

そして叩いた後には、激しい罪悪感が襲ってきます。「なんでこんなことをしてしまったんだろう」「自分はダメな親だ」と自分を責め、さらにストレスを溜め込んでしまう。この悪循環に苦しんでいる親御さんは少なくありません。

4-3. 「他に方法がない」という思い込み

「何度言葉で説明してもわかってくれない」「他にどうしたらいいのかわからない」

こんな風に感じている親御さんは多いのではないでしょうか。

実は、多くの親が「体罰以外の効果的なしつけ方法」を知らないだけなのです。特に、言葉がまだ十分に通じない乳幼児期や、自我が芽生えて反抗的になる時期には、どう対応したらいいのか途方に暮れてしまうこともあるでしょう。

日本では、親になるための教育や準備がほとんどありません。妊娠・出産についての知識は学べても、具体的な「しつけの方法」を学ぶ機会は限られています。

そのため、自分が親から受けたしつけ方法や、断片的に得た情報を頼りに、手探りで子育てをしているのが現状です。「他に方法がわからないから叩いてしまう」のは、親の責任というよりも、社会全体のサポート不足とも言えるのです。

4-4. 社会的プレッシャーと孤立感

現代の親は、様々な社会的プレッシャーにさらされています。

「しつけがなっていない」と他人から思われることへの恐怖。スーパーで子どもが騒いだ時の周囲の冷たい視線。公園で子どもが友達とトラブルを起こした時の気まずさ。

こうした状況で、「きちんとしつけなければ」というプレッシャーが高まり、その結果として体罰に頼ってしまうことがあります。

さらに、核家族化や地域コミュニティの希薄化により、子育ての悩みを相談できる相手がいない「孤立した育児」が増えています。

一人で抱え込んでしまうと、ストレスは限界まで溜まります。「誰も助けてくれない」「自分一人でなんとかしなければ」という思いが、感情の爆発を引き起こしやすくしているのです。

大切なのは、「完璧な親」を目指すのではなく、「助けを求められる親」になることです。

第5章:体罰に頼らない効果的なしつけ方法

5-1. ポジティブ・ディシプリン(肯定的しつけ)とは

「体罰がダメなら、どうやってしつければいいの?」という疑問に答えるのが、「ポジティブ・ディシプリン」という考え方です。

ポジティブ・ディシプリンとは、体罰や暴言を使わず、子どもの尊厳を守りながら、社会的なルールやマナーを教えていく方法です。「肯定的しつけ」とも呼ばれます。

この方法の基本理念は以下の3つです。

  1. 子どもの権利を尊重する:子どもも一人の人間として尊重され、尊厳を守られる権利がある
  2. 長期的な視点を持つ:短期的な服従ではなく、長期的な成長を目指す
  3. 親子の信頼関係を基盤とする:恐怖ではなく、愛情と信頼に基づく関係を築く

ポジティブ・ディシプリンでは、「叱らない」のではなく、「適切に叱る」ことが重視されます。子どもの行動を注意する必要がある時は、感情的にならず、冷静に、子どもが理解できる方法で伝えることが大切です。

5-2. 年齢別の具体的対応法

0〜2歳:言葉が通じない時期の対応

この時期の子どもは、まだ言葉で説明してもほとんど理解できません。だからこそ、体罰に頼りたくなる気持ちもわかります。しかし、この時期だからこそ、体罰以外の方法が効果的なのです。

効果的な対応法:

  • 環境を整える:危険なものは手の届かないところに置く。触ってほしくないものは視界から消す。「ダメ」と言わなくていい環境を作ることが最も効果的です。
  • 気をそらす:望ましくない行動をしている時は、別の興味を引くものを見せて注意をそらします。「あ、あそこに猫ちゃんいるよ!」など。
  • 物理的に止める:危険な行為の場合は、優しく抱き上げて違う場所に移動させます。この時、怒った顔ではなく、穏やかな表情で。
  • 繰り返し教える:この年齢では、一度ではわかりません。何度も何度も、根気強く同じことを教えていく必要があります。

3〜5歳:イヤイヤ期・自我の芽生え期

「魔の2歳児」「悪魔の3歳児」などと言われるこの時期は、多くの親が頭を悩ませます。自我が芽生え、「イヤ!」「自分で!」の連続。親のストレスも最高潮に達する時期です。

効果的な対応法:

  • 選択肢を与える:「赤い服と青い服、どっちがいい?」など、限定した選択肢を与えることで、子どもの自主性を尊重しつつ、親がコントロールできます。
  • 感情を言葉にする:「○○したかったんだよね。でもできなくて悲しいね」と、子どもの気持ちを代弁してあげます。自分の感情を理解してもらえると、子どもは落ち着きます。
  • 予告をする:「あと5分で帰るよ」「おもちゃで遊ぶのは、この針が6のところに来るまでね」など、見通しを持たせることで、急な変化への抵抗を減らせます。
  • タイムアウト法:興奮している時は、安全な場所で一人になる時間を与えます(詳しくは後述)。

6〜12歳:小学生への対応

小学生になると、論理的な思考ができるようになってきます。この時期は、対話を通じてルールの意味を理解させることができます。

効果的な対応法:

  • 理由を説明する:「なぜそれがいけないのか」を論理的に説明します。「○○すると、△△になって困るでしょう?」
  • 一緒にルールを決める:親が一方的に決めるのではなく、子どもと話し合ってルールを決めます。自分で決めたルールは守りやすくなります。
  • 自然な結果を体験させる:宿題をしなければ先生に注意される、遅刻すれば授業に遅れる、など。ただし、危険な場合は介入が必要です。
  • 責任を持たせる:自分の行動の結果に責任を持たせることで、考える力が育ちます。

5-3. 効果的な叱り方の5つのポイント

体罰に頼らずに子どもを叱る時、以下の5つのポイントを意識してみてください。

  1. その場で、短く、具体的に
    時間が経ってから叱っても効果は薄れます。また、長々と説教するのも逆効果。「今、○○したことはダメだよ」と具体的に、短く伝えましょう。
  2. 行動を叱り、人格を否定しない
    「○○したのはダメだよ」はOK。「あなたは悪い子ね」はNG。行動は変えられますが、人格を否定されると自尊心が傷つきます。
  3. 感情的にならず、冷静に
    怒鳴ったり、感情をぶつけたりするのは効果がありません。一呼吸置いて、冷静になってから話しましょう。難しい場合は、「ママは今怒っているから、少し時間をちょうだい」と正直に伝えてもいいのです。
  4. 目線を合わせて
    子どもの目線まで体を下ろして、目を見て話します。上から見下ろして叱るのは威圧的です。
  5. 代替案を示す
    「○○はダメ」だけでなく、「こうしたらいいよ」と具体的な代替案を示すことで、子どもは次にどうすればいいかがわかります。

5-4. タイムアウト法の正しい使い方

タイムアウト法は、欧米で広く使われている方法で、日本でも注目されています。しかし、正しく使わないと逆効果になることもあるので、注意が必要です。

タイムアウト法とは:

子どもが望ましくない行動をした時、一時的に活動から離れて、安全な静かな場所で過ごさせる方法です。罰として閉じ込めるのではなく、興奮を鎮め、自分の行動を振り返る時間を与えることが目的です。

正しい使い方:

  1. 子どもに「タイムアウト」の意味を事前に説明しておく
  2. 望ましくない行動が起きたら、冷静に「タイムアウトね」と伝える
  3. 安全な場所(部屋の隅、指定した椅子など)に行かせる
  4. 時間は年齢×1分が目安(3歳なら3分、5歳なら5分)
  5. 時間が終わったら、「どうしてタイムアウトになったか覚えてる?」と確認
  6. 終わったら、すぐに通常の活動に戻す

注意点:

  • 暗い部屋や怖い場所に閉じ込めるのはNG
  • 長時間放置しない
  • 感情的に怒鳴りながら行うのはNG
  • 子どもが落ち着いていない時に無理に話をしない

5-5. 褒めて伸ばす具体的テクニック

「叱る」ことばかりに注目しがちですが、実は「褒める」ことの方がずっと重要です。

子どもは褒められることで、「これは良いことなんだ」と理解し、その行動を繰り返すようになります。これは心理学で「正の強化」と呼ばれる原理です。

効果的な褒め方:

  • 具体的に褒める:「えらいね」だけでなく、「お片付けができて、すごく助かったよ」と具体的に。
  • プロセスを褒める:結果だけでなく、努力や過程を認めます。「最後まで諦めずに頑張ったね」
  • すぐに褒める:良い行動をしたら、その場で褒めることで効果が高まります。
  • 小さなことも見逃さない:当たり前のことでも、最初のうちは褒めましょう。
  • 他人と比較しない:「○○ちゃんより上手」ではなく、「前よりできるようになったね」と本人の成長を認めます。

「褒める:叱る」の比率は、3:1以上が理想とされています。叱る回数の3倍は褒めることを意識してみてください。

第6章:おしりペンペンをやってしまった時の対処法

6-1. まず親がすべきこと(感情の整理)

叩いてしまった…。その瞬間、激しい後悔と罪悪感に襲われることでしょう。

でも、自分を責めすぎないでください。完璧な親なんていません。感情的になってしまうことは、人間として自然なことです。

大切なのは、その後の対応です。

まずは深呼吸:

興奮状態のまま子どもと向き合っても、うまくいきません。まずは深呼吸をして、少しでも冷静になりましょう。可能なら、別の部屋で一人になる時間を作ってもいいです。

自分の感情を認める:

「イライラしてしまった」「ストレスが溜まっていた」など、自分の感情を認めましょう。感情を否定すると、次も同じことを繰り返してしまいます。

なぜ叩いてしまったのか考える:

睡眠不足?仕事のストレス?孤独感?叩いてしまった背景には、何か原因があるはずです。それを理解することが、再発防止の第一歩です。

6-2. 子どもへの適切なフォローとごめんなさいの伝え方

落ち着いたら、子どもに謝りましょう。「親が子どもに謝るなんて」と思う方もいるかもしれませんが、これはとても大切なことです。

謝り方の例:

「さっきは叩いてごめんね。ママ(パパ)は叩いちゃいけなかったよ。叩かれて痛かったよね、怖かったよね。

でも、○○(子どもの行動)は危ないから(よくないから)、やめてほしかったんだよ。

次からは叩かないで、ちゃんとお話するからね。ママ(パパ)も頑張るから、一緒に頑張ろうね。」

ポイント:

  • 体罰が間違いだったことを認める
  • 子どもの気持ちを受け止める
  • なぜ注意したかったのかは伝える(ただし正当化はしない)
  • 今後は叩かないと約束する
  • 子どもをしっかりと抱きしめる

親が自分の間違いを認めて謝る姿を見ることで、子どもは「間違えても謝ればいいんだ」「人は変われるんだ」ということを学びます。

6-3. 再発防止のための具体策

同じことを繰り返さないために、具体的な対策を立てましょう。

  1. トリガーを特定する
    どんな時に感情的になりやすいか振り返ります。時間帯(朝の忙しい時間、夕方など)、状況(疲れている時、睡眠不足の時)、特定の子どもの行動(何度も同じことを注意する時)など。
  2. クールダウンの方法を決めておく
    イライラしてきたら、その場を離れる、深呼吸する、水を飲む、など自分なりのクールダウン方法を決めておきます。
  3. 子どもに宣言する
    「これからママは叩かないようにするね。もしイライラしてきたら、ちょっと一人になる時間をちょうだいって言うかもしれないけど、怒っているわけじゃないからね」と伝えておくといいでしょう。
  4. 代替方法を学ぶ
    この記事で紹介したような、体罰に頼らないしつけ方法を実践してみましょう。最初はうまくいかないかもしれませんが、続けることが大切です。
  5. サポートを求める
    配偶者、家族、友人、専門家など、誰かに相談することを恐れないでください。一人で抱え込まないことが重要です。

6-4. 一人で抱え込まない!相談窓口の紹介

子育ての悩みを一人で抱え込む必要はありません。以下のような相談窓口があります。

相談窓口 内容
児童相談所
(189:いちはやく)
24時間365日対応。虐待についての相談だけでなく、子育ての悩み全般について相談できます。匿名でもOK。
市区町村の子育て支援センター 地域の子育て支援拠点。保育士や保健師に気軽に相談できます。親子で遊べるスペースもあり、孤立を防ぐのに有効。
保健所・保健センター 保健師が常駐しており、子どもの発達や育児の悩みについて相談できます。
よりそいホットライン
(0120-279-338)
24時間365日対応。どんな悩みでも受け止めてくれます。つらい時、誰かに話を聞いてほしい時に。
親子のための相談LINE 各自治体が運営している場合があります。LINEで気軽に相談できるのが特徴。自治体のHPで確認を。

「こんなことで相談していいのかな」と遠慮する必要はありません。小さな悩みのうちに相談することで、大きな問題になることを防げます。

また、配偶者や家族に協力を求めることも大切です。「今日は疲れたから、お風呂入れてもらえる?」「ちょっとだけ一人の時間が欲しい」と正直に伝えてみましょう。

第7章:体験談と専門家の声

7-1. 「おしりペンペンをやめて変わったこと」体験談3選

【体験談1】Aさん(35歳、6歳男児と3歳女児の母)

「私自身が叩かれて育ったので、子どもを叩くことに抵抗がありませんでした。むしろ『愛のムチ』だと信じていたくらいです。

でも、長男が幼稚園で友達を叩くようになってしまって。先生から『お家で何かありましたか?』と聞かれた時、ハッとしました。息子は私の真似をしていたんです。

それから、体罰をやめて言葉で伝えることを意識しました。最初はうまくいかず、何度も叩きたい衝動に駆られましたが、夫にも協力してもらって我慢しました。

3ヶ月くらい経った頃、息子が『ママ、最近怒らないね』と言ってくれたんです。実際は怒っているんですが(笑)、叩かないで冷静に話すようになったことで、息子との関係が変わりました。

今では息子も友達を叩くことはなくなり、言葉で気持ちを伝えられるようになってきました。私も息子も、一緒に成長できたと思います。」

【体験談2】Bさん(42歳、9歳女児の父)

「仕事のストレスが溜まっていた時期、娘の些細なことでイライラして、つい強く叩いてしまいました。娘が泣きながら部屋に閉じこもってしまい、その後ろ姿を見て我に返りました。

『このままではいけない』と思い、妻と相談して、市の子育て相談に行きました。そこで教えてもらった『アンガーマネジメント』という方法を実践し始めたんです。

怒りを感じたら6秒数える、その場を離れる、深呼吸するなど、簡単なことですが効果がありました。

今では娘に謝ることもできるようになりましたし、娘も『パパ、イライラしてる?』と気遣ってくれるようになりました。親子で感情について話せる関係になれたことが、一番の収穫です。」

【体験談3】Cさん(28歳、4歳双子の母)

「双子の育児は想像以上に大変で、毎日がバタバタ。二人が同時に言うことを聞かないと、つい手が出そうになっていました。

ある日、保育園の先生が『お母さん、一人で頑張りすぎていませんか?』と声をかけてくださって。それをきっかけに、週に一度ファミリーサポートを利用して、一人の時間を持つようにしました。

心に余裕ができると、子どもたちの言動にも冷静に対応できるように。『まぁ、子どもだからこんなものか』と思えるようになりました。

完璧な母親を目指すのをやめて、『まぁまぁの母親』でいいやと思えたことが、私にとっては大きな変化でした。今は子育てが楽しいと思える日が増えています。」

7-2. 保育士が語る現場の声

保育士歴15年のDさんにお話を伺いました。

「保育の現場では、家庭で体罰を受けている子は何となくわかります。過度におとなしかったり、逆に攻撃的だったり、極端な行動が目立つんです。

でも、親御さんを責めることはできません。多くの方が、本当に一生懸命子育てをされていて、でも方法がわからなくて悩んでいらっしゃる。

保育園では、子どもを叱る時も必ず『○○ちゃんのことが大好きだよ。でも今のは危ないから、やめてね』と愛情を伝えながら注意します。すると子どもは『怒られた=嫌われた』と思わずに済むんです。

ご家庭でも同じです。叱る前後に『大好きだよ』の一言を添えるだけで、子どもの受け取り方が全く違います。

体罰をやめるだけが目的ではなく、どうやったら子どもに愛情を伝えながらしつけができるか。それを一緒に考えていきたいと思っています。」

7-3. 児童心理士からのアドバイス

児童心理士のE先生にお話を伺いました。

「体罰の問題は、『叩く・叩かない』という行動だけの問題ではありません。その背景にある親子関係や、親自身のメンタルヘルスの問題でもあるんです。

私が相談を受ける中で感じるのは、『完璧な親でなければ』というプレッシャーを抱えている方が本当に多いということ。でも、完璧な親なんて存在しません。

間違えてもいい、失敗してもいい。大切なのは、その後にどうフォローするか、そして少しずつでも変わろうとする姿勢です。

また、『子どものため』と思ってしていることが、実は親自身のストレスや不安から来ていることもあります。子どもを変えようとする前に、まず親自身が自分の心と向き合うことが大切です。

一人で抱え込まず、専門家に相談することを恐れないでください。カウンセリングを受けることは恥ずかしいことではありません。むしろ、自分と子どもの幸せのために行動を起こす、勇気ある一歩なんです。」

7-4. 成功事例から学ぶポイント

これらの体験談や専門家の意見から、いくつかの共通するポイントが見えてきます。

  1. 変わろうとする決意:「このままではいけない」と気づき、変わろうと決意すること
  2. 具体的な方法を学ぶ:代替のしつけ方法を学び、実践する
  3. 完璧を求めない:失敗しても自分を責めすぎず、少しずつ改善していく
  4. サポートを求める:配偶者、家族、専門家など、周囲に協力を求める
  5. 自分のケアも大切に:親自身の心の健康を保つことが、子どもにとっても良い影響を与える

第8章:よくある疑問Q&A

Q1. 軽く叩く程度なら大丈夫?

A. いいえ、軽くても体罰に該当します。

こども家庭庁のガイドラインでは、「子どもに対して何らかの苦痛を引き起こしたり、不快感を意図的にもたらしたりする行為は、どんなに軽いものであっても体罰に該当する」と明記されています。

また、「軽く叩く程度」から始まっても、効果が薄れてくるにつれて徐々にエスカレートしていくリスクがあります。最初は軽いタッチだったものが、いつの間にか強く叩くようになってしまうケースは珍しくありません。

さらに、親が「軽く」叩いたつもりでも、子どもの体は小さく、大人が思っている以上の衝撃を受けている可能性があります。

Q2. 危険な行為をやめさせる時はどうすれば?

A. 緊急の場合は、物理的に制止することと、体罰は別物です。

例えば、子どもが道路に飛び出そうとしている時に、腕を掴んで止めることは体罰ではありません。これは子どもの安全を守るための必要な行動です。

ただし、その後に「危ないでしょ!」と叩いたり、必要以上に強く腕を掴んで痛みを与えたりすることは体罰になります。

危険な行為を止めた後は、冷静に「さっきは本当に危なかったよ。車にぶつかったら痛いよ。ママは○○ちゃんが怪我をしたら悲しいから、道路では手をつなごうね」と伝えましょう。

また、危険な状況が起こらないように、事前に環境を整えることも大切です。

Q3. 祖父母世代に「甘やかしすぎ」と言われたら?

A. 時代が変わったことを、冷静に説明しましょう。

祖父母世代の方々は、自分たちの時代の常識で話しています。その時代には体罰が当たり前でしたから、それを否定されると自分の子育てを否定されたように感じてしまうかもしれません。

攻撃的にならず、「今は法律でも禁止されているんですよ」「研究で子どもへの悪影響がわかってきたんです」と、客観的な情報を共有しましょう。

また、「お義母さん(お母さん)の時代は、それが普通だったと思います。でも、今は子育ての方法も変わってきているので、私たちなりのやり方を尊重してもらえると嬉しいです」と、相手を否定せずに自分たちの考えを伝えることも大切です。

どうしても理解が得られない場合は、「子どもを預ける時だけでも、叩かないでください」とお願いするのも一つの方法です。

Q4. 他の子と比べて言うことを聞かない気がする

A. 子どもの発達には個人差があります。比較するのではなく、その子に合った対応を。

「よその子はちゃんとできているのに、うちの子は…」と思ってしまう気持ちはよくわかります。でも、子どもの発達や性格には大きな個人差があります。

活発で好奇心旺盛な子は、じっとしているのが苦手かもしれません。慎重な子は、新しいことに挑戦するのに時間がかかるかもしれません。それは「悪いこと」ではなく、その子の個性です。

また、発達障害やHSC(ひといちばい敏感な子)など、特性によって対応方法が異なる場合もあります。「普通の方法」でうまくいかない場合は、専門家に相談することも検討してみてください。

大切なのは、他の子と比較することではなく、目の前の子どもをよく観察し、その子に合った方法を見つけることです。

Q5. 海外では体罰をどう考えているの?

A. 世界では体罰禁止が主流になっています。

2025年10月現在、60カ国以上が体罰を全面的に法律で禁止しています。ヨーロッパではスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ドイツ、フランス、イギリスなど多くの国が禁止しており、南米、アフリカでも禁止する国が増えています。

アメリカでは州によって法律が異なりますが、体罰を容認する州でも、その使用は限定的で、代替方法が推奨されています。

世界的に見ると、「しつけのための体罰は必要」という考え方は、むしろ少数派になってきています。

日本は2020年に体罰を禁止し、世界で59番目の体罰全面禁止国となりましたが、まだ国民への周知が十分ではありません。今後、さらなる啓発活動が必要とされています。

まとめ:愛情を伝えるしつけを目指して

ここまで、おしりペンペンをはじめとする体罰について、様々な角度から見てきました。

「体罰は子どもに悪影響を与える」「法律でも禁止されている」という事実は、もうご理解いただけたと思います。でも、この記事で一番お伝えしたかったことは、そういった「知識」だけではありません。

大切なのは、あなたが子どもを愛しているということ。

叩いてしまうのは、愛していないからではありません。むしろ、「ちゃんと育ってほしい」「良い子になってほしい」という愛情があるからこそ、必死になってしまうのです。

でも、その愛情を伝える方法が、もしかしたら適切ではなかったかもしれない。それだけのことです。

子育てに「完璧」なんてありません。失敗して当たり前、悩んで当たり前です。つい感情的になってしまうことも、人間なら誰にでもあります。

大切なのは、間違いに気づいた時に、変わろうとすること。

今日からでも遅くありません。体罰に頼らない、愛情を伝えるしつけを始めましょう。

最初はうまくいかないかもしれません。何度も失敗するかもしれません。でも、少しずつ、一歩ずつ進んでいけばいいのです。

子どもは、あなたが完璧であることを求めていません。子どもが求めているのは、「自分を愛してくれている」という実感です。

あなたが変わろうとする姿勢そのものが、子どもへの愛情の証なのです。

あなたは一人じゃありません。
困った時は、誰かに助けを求めてください。
あなたと子どもの笑顔のために、社会全体でサポートしていきます。

子どもの成長を見守る毎日が、少しでも楽しく、穏やかなものになりますように。

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