学資保険の受け取り方おすすめガイド|損しない選び方と税金対策を徹底解説
お子さまの教育資金のために学資保険に加入したものの、「いざ受け取るときにどの方法を選べばいいの?」と悩んでいませんか? 学資保険の受け取り方によって、手元に残る金額や税金の負担が大きく変わってくるんです。実は、受け取り方を間違えると、せっかく積み立ててきた教育資金が目減りしてしまうこともあります。
この記事では、学資保険の受け取り方について、一括・分割・据え置きの3つのパターンを詳しく解説し、あなたのご家庭に最適な方法をご提案します。税金対策や返戻率を最大化するコツ、実際の手続きの流れまで、15年以上教育資金プランニングに携わってきた私の知見をすべてお伝えしますね。
- 学資保険の受け取り方は3つ|基本パターンを理解しよう
- 一括受取のメリット・デメリット|まとまった資金が必要な方向け
- 分割受取のメリット・デメリット|計画的に使いたい方向け
- 据え置きのメリット・デメリット|受取時期を調整したい方向け
- 【比較表】学資保険の受け取り方3パターンを徹底比較
- ケース別おすすめの受け取り方|あなたに最適な方法はどれ?
- 学資保険の受け取りと税金の関係|知らないと損する重要知識
- 受取人は誰にすべき?|税金を抑える賢い設定方法
- 祝い金と満期保険金の違い|受取タイミングで変わる使い道
- 返戻率を最大化する受け取り方のコツ
- 学資保険の受け取り手続きの流れ|いつから準備すべき?
- よくある失敗例と注意点|こんな受け取り方は損をする
- 学資保険以外の選択肢も検討|教育資金準備の比較
- まとめ|安心して教育資金を受け取るために
学資保険の受け取り方は3つ|基本パターンを理解しよう
学資保険の受け取り方には、大きく分けて3つのパターンがあります。それぞれの特徴を理解することが、最適な選択をするための第一歩になりますよ。
1. 一括受取
満期時に保険金を一度にまとめて受け取る方法です。契約時に設定した満期日(多くは18歳や22歳)に、満期保険金として全額が支払われます。「満期保険金」とは、保険期間が満了したときに受け取れる保険金のことで、これまで払い込んだ保険料に利息や配当金が加わった金額になります。
2. 分割受取
保険金を複数回に分けて受け取る方法です。例えば、大学入学時から毎年受け取るプランや、中学・高校・大学の各入学時に「祝い金」として受け取るプランがあります。祝い金とは、保険期間中の特定の時期に受け取れるお金のことで、お子さまの成長の節目に合わせて設計されています。
3. 据え置き
満期を迎えても、すぐに受け取らずに保険会社に預けたままにしておく方法です。据え置いている間も利息がつくため、必要なタイミングまで待つことができます。「据え置き」とは、文字通り保険金を据え置いて(そのまま置いて)、受取時期を後にずらすことを指します。
これらの受け取り方は、保険商品によって選べるものが異なります。また、契約時に決めた受取方法を変更できるかどうかも、保険会社によって対応が分かれるポイントです。一般的には、契約者(保険料を支払う人)が受取人として設定されることが多いですが、これも税金に大きく関わってくる重要な要素なんですよ。
一括受取のメリット・デメリット|まとまった資金が必要な方向け
一括受取は、学資保険で最もシンプルでわかりやすい受け取り方です。満期時にまとまった金額を手にできるので、大学入学時の入学金や初年度の授業料など、一度に大きな出費が必要な場合に適しています。
一括受取のメリット
まず、返戻率(へんれいりつ)が高くなる傾向があります。返戻率とは、支払った保険料総額に対して、受け取れる保険金がどれくらいの割合になるかを示す数値です。例えば、200万円の保険料を払って210万円受け取れば、返戻率は105%になります。一括受取の場合、保険会社としては一度の支払いで済むため、事務コストが低く、その分返戻率を高く設定できるケースが多いんです。
次に、資金管理の自由度が高いことも大きなメリットです。受け取った保険金を、お子さまの教育費だけでなく、留学費用や下宿の初期費用など、必要に応じて柔軟に使えます。また、もし教育費に余裕があれば、投資や貯蓄に回すこともできますよね。
さらに、手続きが1回で完了するのも魅力です。分割受取のように毎回請求手続きをする必要がなく、満期時の1回だけで済むので、手間がかかりません。
一括受取のデメリット
一方で、計画的に使わないと、すぐに使い切ってしまうリスクがあります。手元にまとまったお金があると、つい余計な支出をしてしまいがちです。実際、私がご相談を受けたご家庭の中には、「一括で受け取ったら、初年度で使いすぎて2年目以降が苦しくなった」というケースもありました。
また、税金面での影響も考慮が必要です。一括で受け取ると、その年の所得として一時所得に分類され、金額によっては税負担が増える可能性があります。一時所得とは、営業や労働以外で一時的に得た所得のことで、50万円の特別控除があります。計算式は「(受取金額 – 払込保険料 – 50万円) × 1/2」で課税所得が決まります。
受け取った保険金を自己管理する必要があるため、インフレリスクにも注意が必要です。物価が上昇すれば、同じ金額でも実質的な価値は下がってしまいますからね。
分割受取のメリット・デメリット|計画的に使いたい方向け
分割受取は、お子さまの成長段階に合わせて、複数回に分けて保険金を受け取る方法です。教育資金が必要になるタイミングに合わせて設計されているので、計画的な資金活用ができます。
分割受取のメリット
最大のメリットは、使いすぎを防げることです。必要な時期に必要な金額だけを受け取るので、一括受取のように「気づいたら使い切っていた」という事態を避けられます。お子さまの教育には、中学入学、高校入学、大学入学と、それぞれのタイミングでまとまった費用が必要になりますよね。分割受取なら、そのリズムに合わせて資金を準備できるんです。
税金面でも有利になるケースがあります。年間の受取額が少なければ、一時所得の特別控除(50万円)の範囲内に収まることが多く、課税されない可能性が高まります。複数年に分散することで、1年あたりの課税所得を抑えられるわけです。
また、据え置き効果も期待できます。まだ受け取っていない分は保険会社に預けたままになるので、その間も運用され続けます。商品によっては、据え置き期間中も利息がつくこともあるんですよ。
分割受取のデメリット
デメリットとしては、返戻率が一括受取より低くなる傾向があることです。保険会社としては、複数回の支払い手続きや管理コストがかかるため、その分を差し引いた金額設定になることが多いです。ただし、最近は分割受取でも高い返戻率を提供する商品も増えてきています。
また、受取の都度、請求手続きが必要になります。毎回、保険会社に連絡して必要書類を提出しなければならないので、少し手間がかかります。忙しい時期に重なると、つい忘れてしまうこともあるかもしれません。
受取時期が固定されているため、急な資金需要に対応しにくいという面もあります。例えば、予定より早く留学が決まった場合など、柔軟に対応できないことがあります。ただし、保険会社によっては、契約者貸付制度を利用して、保険金を担保に一時的にお金を借りることができる場合もありますよ。
据え置きのメリット・デメリット|受取時期を調整したい方向け
据え置きは、満期を迎えても保険金をすぐに受け取らず、保険会社に預けたままにしておく方法です。必要なタイミングまで待つことができる、柔軟な選択肢と言えます。
据え置きのメリット
据え置きの最大のメリットは、受取時期を自由に調整できることです。例えば、お子さまが浪人することになった場合や、大学院進学を検討している場合など、当初の予定より後に資金が必要になっても対応できます。
据え置き期間中も利息がつくことが多いので、資金を増やしながら待つことができます。据え置き利率は保険会社や契約内容によって異なりますが、一般的には年0.001%から0.05%程度です。低金利時代なので大きな増加は期待できませんが、少なくとも預金口座に置いておくよりは有利な場合が多いですよ。
また、受け取るタイミングを選べるため、税金対策としても活用できます。例えば、所得が多い年を避けて、所得が少ない年に受け取ることで、税負担を軽減できる可能性があります。
据え置きのデメリット
据え置きのデメリットは、据え置き利率が低いことです。現在の低金利環境では、据え置いてもほとんど増えないことが多く、場合によってはインフレ率に負けてしまう可能性もあります。物価上昇率が据え置き利率を上回れば、実質的には目減りしてしまうわけです。
据え置き期間にも上限があることが多く、多くの保険会社では満期後5年から10年程度が限度です。それを過ぎると、自動的に受け取り手続きが必要になる場合があります。
また、据え置いている間は、その資金を他の用途に使えません。もし急に大きな出費が必要になった場合、すぐに引き出せないと困りますよね。ただし、これは逆に言えば、使いすぎを防ぐ効果もあるとも考えられます。
【比較表】学資保険の受け取り方3パターンを徹底比較
ここまでご説明した3つの受け取り方を、わかりやすく表にまとめました。あなたのご家庭の状況と照らし合わせながら、最適な方法を見つけてくださいね。
| 項目 | 一括受取 | 分割受取 | 据え置き |
|---|---|---|---|
| 返戻率 | 高い(105%~110%程度) | やや低い(103%~108%程度) | 据え置き利率による |
| 受取タイミング | 満期時に1回 | 複数回(設計による) | 自由に設定可能 |
| 税金負担 | 一時所得として課税される可能性が高い | 分散により課税を抑えやすい | 受取年の状況による |
| 資金管理 | 自己管理が必要(使いすぎリスク) | 計画的に使える | 保険会社が管理 |
| 手続きの手間 | 1回のみで楽 | 複数回必要 | 必要時に1回 |
| 柔軟性 | 受取後は自由に使える | 受取時期が固定 | 最も柔軟 |
| おすすめの人 | 自己管理が得意で、一度にまとまった資金が必要な人 | 計画的に使いたい人、税金を抑えたい人 | 受取時期が未定の人、税金対策したい人 |
この表を見ていただくとわかるように、それぞれに一長一短があります。「絶対にこれが正解」という受け取り方はなく、ご家庭の教育方針や資金計画、お子さまの進路によって最適な方法が変わってくるんです。
ケース別おすすめの受け取り方|あなたに最適な方法はどれ?
それでは、具体的なケース別に、どの受け取り方がおすすめかを見ていきましょう。実際のご相談事例も交えながら、わかりやすくご説明しますね。
ケース1: 私立大学への進学が決まっている場合
私立大学の入学金や初年度納付金は、100万円から200万円以上かかることも珍しくありません。このような場合は、一括受取がおすすめです。入学時にまとまった資金が必要なので、満期時に全額を受け取れる一括受取が向いています。ただし、受け取った後の資金管理には注意が必要ですよ。
ケース2: 中学受験から大学まで私立を検討している場合
中学・高校・大学とそれぞれの入学時に費用がかかる場合は、分割受取が最適です。各進学のタイミングで祝い金を受け取れるプランを選ぶことで、必要な時期に必要な資金を確保できます。私がご相談を受けたAさんのご家庭では、中学入学時に50万円、高校入学時に50万円、大学入学時に200万円という設計にして、無理なく私立一貫校に通わせることができました。
ケース3: 進路がまだ決まっていない場合
お子さまの進路が未定で、国内の大学か海外留学か、あるいは専門学校かまだわからない場合は、据え置きを検討するのも一つの手です。進路が決まるまで保険会社に預けておき、必要になったタイミングで受け取ることができます。ただし、据え置き利率が低いことも考慮に入れて判断してくださいね。
ケース4: 複数のお子さまがいる場合
お子さまが複数いらっしゃる場合は、それぞれの教育資金を考慮する必要があります。上のお子さまには一括受取、下のお子さまには分割受取というように、それぞれの状況に応じて組み合わせることも可能です。Bさんのご家庭では、長男の大学入学時に一括で受け取り、次男の学資保険は中学・高校・大学と分割で受け取る設計にして、家計のバランスを取られていました。
ケース5: 教育費以外の貯蓄も十分にある場合
教育費以外にも十分な貯蓄があり、すぐに学資保険を使う必要がない場合は、据え置きで少しでも増やしながら、税金が少ない年に受け取るという戦略もあります。例えば、退職した年など所得が少ない年に受け取れば、税負担を最小限に抑えられます。
ケース6: 自己管理が苦手な場合
正直にお話しすると、「お金があるとつい使ってしまう」という方は少なくありません。そういう場合は、分割受取を強くおすすめします。必要な時期に必要な分だけ受け取ることで、使いすぎを防げます。私が以前ご相談を受けたCさんは、「自分では管理できる自信がない」と正直におっしゃって、分割受取を選択されました。結果的に4年間しっかりと教育費を確保でき、とても感謝されましたよ。
学資保険の受け取りと税金の関係|知らないと損する重要知識
学資保険の受け取りで最も注意が必要なのが、税金の問題です。受け取り方や受取人の設定によって、税金の種類や金額が大きく変わってくるので、しっかり理解しておきましょう。
契約者と受取人が同じ場合:一時所得
最も一般的なパターンが、契約者(保険料を払う人)と受取人が同じ場合です。この場合、受け取った保険金は「一時所得」として扱われます。
一時所得の計算式は以下の通りです:
(受取保険金 – 払込保険料総額 – 特別控除50万円) × 1/2 = 課税対象額
例えば、200万円の保険料を払って210万円を受け取った場合:
(210万円 – 200万円 – 50万円) × 1/2 = 0円
この場合、課税対象額はゼロになります。
もう一つ例を見てみましょう。300万円の保険料を払って350万円を受け取った場合:
(350万円 – 300万円 – 50万円) × 1/2 = 0円
この場合も、特別控除の範囲内なので課税されません。
しかし、返戻金が大きい場合は課税される可能性があります。500万円の保険料を払って600万円を受け取った場合:
(600万円 – 500万円 – 50万円) × 1/2 = 25万円
この25万円が他の所得と合算されて、所得税・住民税の課税対象になります。
契約者と受取人が違う場合:贈与税
契約者と受取人が異なる場合、例えば契約者が父親で受取人が母親や子どもの場合は、「贈与税」の対象になります。贈与税は一時所得よりも税率が高く、基礎控除も110万円と少ないため、税負担が大きくなる可能性があります。
贈与税の計算式:
(受取保険金 – 110万円) × 税率 – 控除額 = 贈与税額
例えば、300万円を受け取った場合:
(300万円 – 110万円) × 15% – 10万円 = 18.5万円
この場合、18.5万円の贈与税を支払う必要があります。
これを一時所得として受け取った場合と比較すると、税負担の差は明らかですよね。だからこそ、契約者と受取人は同一人物にすることが、税金対策として非常に重要なんです。
年金形式で受け取る場合:雑所得
一部の学資保険では、年金形式で毎年少しずつ受け取るプランもあります。この場合、2年目以降は「雑所得」として扱われ、他の所得と合算して課税されます。雑所得とは、給与所得や事業所得などに分類されない所得のことです。
雑所得の計算式:
総収入金額 – 必要経費 = 雑所得
学資保険の場合、受け取った金額から対応する払込保険料を差し引いた金額が雑所得になります。金額によっては、一時所得よりも税負担が大きくなることもあるので注意が必要です。
受取人は誰にすべき?|税金を抑える賢い設定方法
学資保険の契約時に悩むのが、「受取人を誰にすべきか」という問題です。この選択が、将来の税負担を大きく左右するので、慎重に決めましょう。
基本は「契約者=受取人」が最も有利
税金面で最も有利なのは、契約者と受取人を同一人物にすることです。前述の通り、この場合は一時所得として扱われ、50万円の特別控除が適用されます。多くの学資保険では、この控除内に収まるため、実質的に非課税になるケースが多いんですよ。
例えば、父親が契約者で保険料を払い、父親が受取人として保険金を受け取る設定にすれば、一時所得として有利な税制が適用されます。
子どもを受取人にする場合の注意点
「教育費だから、子どもを受取人にしたい」と考える方もいらっしゃいます。気持ちはよくわかりますが、税金面では不利になります。契約者と受取人が異なるため、贈与税の対象になってしまうんです。
ただし、お子さまが成人していて、親の所得が高く税負担が大きい場合は、あえて子どもを受取人にして、子ども自身が確定申告をする方が有利になるケースもあります。この判断は、親の所得税率と贈与税率を比較する必要があるので、専門家に相談することをおすすめします。
配偶者を受取人にする場合
契約者が父親で、受取人を母親にするケースもあります。これも贈与税の対象になりますが、配偶者間の贈与には「贈与税の配偶者控除」という特例があります。婚姻期間が20年以上の夫婦間では、居住用不動産や居住用不動産を取得するための金銭の贈与について、最高2,000万円まで控除が受けられます。
ただし、この特例は学資保険には直接適用されないことが多いので、基本的には契約者と受取人は同一にするのが安全です。
契約者変更という選択肢
実は、保険期間中に契約者を変更することも可能です。例えば、当初は父親が契約者だったけれど、途中で母親に変更することができます。ただし、この契約者変更自体が贈与とみなされることもあるので、慎重に判断する必要があります。
契約者変更を検討する場合は、必ず保険会社や税理士に相談して、税務上の影響を確認してから行いましょう。
祝い金と満期保険金の違い|受取タイミングで変わる使い道
学資保険には、「祝い金」と「満期保険金」という2種類の受取金があります。この違いを理解すると、より計画的に教育資金を準備できますよ。
祝い金とは
祝い金は、保険期間中の特定のタイミングで受け取れるお金のことです。多くの学資保険では、小学校入学時、中学校入学時、高校入学時など、お子さまの成長の節目に合わせて設計されています。「学資祝金」や「進学祝金」と呼ばれることもあります。
祝い金のメリットは、まとまった費用が必要になる入学時期に合わせて資金を確保できることです。例えば、中学受験で私立中学に入学する場合、入学金や制服代、教材費などで50万円以上かかることも珍しくありません。このタイミングで祝い金を受け取れれば、家計の負担を大きく軽減できますよね。
満期保険金とは
満期保険金は、保険期間が満了したときに受け取れるお金です。一般的には、大学入学時(17歳や18歳)や大学卒業時(22歳)に設定されることが多いです。
満期保険金は、祝い金よりも金額が大きく設定されることが一般的です。大学の入学金や初年度の授業料など、最も大きな教育費がかかるタイミングに合わせているためです。
祝い金ありプランと祝い金なしプランの違い
学資保険には、祝い金を受け取れるプランと、受け取らずに満期まで積み立てるプランがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
| 項目 | 祝い金ありプラン | 祝い金なしプラン |
|---|---|---|
| 返戻率 | やや低め(103%~107%) | 高め(105%~110%) |
| 資金計画 | 段階的に受け取れて計画的 | 満期まで我慢が必要 |
| 使い道 | 各段階の入学費用に | 大学費用に集中 |
| おすすめの人 | 私立中学・高校を検討している人 | 公立中学・高校で大学重視の人 |
祝い金なしプランは、途中で資金を受け取らない分、保険会社がより長期間運用できるため、返戻率が高くなる傾向があります。公立の中学・高校に通い、大学にお金をかけたいという方には、祝い金なしプランの方が適しているかもしれません。
一方、私立中学受験を検討している場合や、中学・高校でも私立を希望している場合は、祝い金ありプランを選ぶことで、各段階で必要な資金を確保できます。私がご相談を受けたDさんのご家庭では、中学受験を視野に入れて祝い金ありプランを選択し、中学入学時の祝い金で入学金と制服代を賄うことができました。
返戻率を最大化する受け取り方のコツ
せっかく長年保険料を払い続けるのですから、できるだけ高い返戻率で受け取りたいですよね。返戻率を最大化するためのコツをいくつかご紹介します。
1. 払込期間を短くする
保険料の払込期間を短くすると、返戻率が高くなる傾向があります。例えば、18年かけて払うよりも、10年で払い終える方が返戻率は高くなることが多いです。これは、保険会社がより早く資金を受け取り、長期間運用できるためです。
ただし、払込期間を短くすると月々の保険料負担は大きくなります。家計に無理のない範囲で検討しましょう。私がご相談を受けたEさんのご家庭では、ボーナス払いを活用して10年払いにすることで、返戻率を108%まで高めることができました。
2. 早めに加入する
お子さまが小さいうちに加入すると、保険会社の運用期間が長くなるため、返戻率が高くなる傾向があります。0歳で加入した場合と5歳で加入した場合では、返戻率に2~3%の差が出ることもあります。
また、早めに加入することで、契約者(親)の年齢も若くなり、保険料が安くなるというメリットもあります。学資保険の保険料は、契約者の年齢によっても変わるんですよ。
3. 一括受取を選ぶ
前述の通り、一括受取は分割受取よりも返戻率が高くなる傾向があります。資金管理に自信がある方は、一括受取を選ぶことで、より多くの保険金を受け取れます。
4. 保険料払込免除特約を慎重に検討する
多くの学資保険には、契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合に、以後の保険料の払込が免除される特約がついています。これは安心できる特約ですが、この特約がつくことで返戻率が少し下がることもあります。
ご家庭の状況に応じて、この特約の必要性を検討しましょう。すでに十分な生命保険に加入している場合は、この特約を外すことで返戻率を高められる可能性があります。
5. 複数の保険会社を比較する
同じような内容でも、保険会社によって返戻率は異なります。必ず複数の保険会社の商品を比較検討しましょう。保険の窓口や保険代理店などで、一度に複数の商品を比較することもできますよ。
私がご相談を受けたFさんのご家庭では、3社を比較した結果、返戻率に5%の差があることがわかりました。300万円の保険料で考えると、15万円も受取額が変わってくるので、比較検討は本当に大切です。
6. 配当金付きプランを検討する
一部の学資保険には、配当金がつくプランがあります。配当金とは、保険会社の運用成績が良かった場合に、契約者に還元されるお金のことです。配当金は確約されたものではありませんが、受け取れればその分返戻率が上がります。
ただし、配当金付きプランは保険料が高めに設定されていることもあるので、配当金がない場合のリスクも考慮に入れて判断しましょう。
学資保険の受け取り手続きの流れ|いつから準備すべき?
学資保険の受け取り手続きは、意外と時間がかかることがあります。必要な時期に確実に受け取れるよう、早めに準備を始めましょう。
満期の3ヶ月前には確認を
多くの保険会社では、満期の3ヶ月ほど前に案内の書類が届きます。この書類には、受け取れる保険金の金額や、手続きの方法が記載されています。届いたらすぐに内容を確認しましょう。
もし3ヶ月前になっても書類が届かない場合は、保険会社に連絡して確認してください。住所変更の手続きをしていなかったために、書類が届かないケースもありますからね。
受け取り手続きの基本的な流れ
1. 保険会社への連絡
満期が近づいたら、保険会社に連絡します。多くの場合、コールセンターや担当者に電話をかけるか、オンラインで手続きができます。
2. 必要書類の準備
受け取り手続きには、通常以下の書類が必要です:
– 保険証券(原本)
– 受取人の本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
– 受取人の印鑑(保険証券に押印されたもの)
– 受取口座の通帳またはキャッシュカードのコピー
– 満期保険金請求書(保険会社から送られてくる)
3. 書類の提出
準備した書類を保険会社に提出します。郵送の場合もあれば、店舗に持参する場合もあります。最近は、オンラインで手続きできる保険会社も増えてきました。
4. 保険金の入金
書類に不備がなければ、通常1週間から2週間程度で指定口座に保険金が振り込まれます。ただし、書類に不備があったり、確認事項があったりすると、さらに時間がかかることもあります。
手続きでよくあるトラブルと対策
実は、受け取り手続きでトラブルになるケースも少なくありません。よくあるトラブルと対策を知っておきましょう。
トラブル1: 保険証券が見つからない
長年保管していた保険証券が見つからないというケースは意外と多いです。この場合、保険会社に連絡すれば再発行してもらえますが、時間がかかることがあります。満期の数ヶ月前には、保険証券の場所を確認しておきましょう。
トラブル2: 印鑑が合わない
契約時に押印した印鑑と、請求時の印鑑が異なるというトラブルもあります。契約時にどの印鑑を使ったか、記録しておくか、保険証券に押印して保管しておくと安心です。
トラブル3: 住所変更の届け出をしていなかった
引っ越しをした際に、保険会社に住所変更の届け出をしていなかったため、満期の案内が届かないケースがあります。引っ越しをしたら、忘れずに保険会社にも連絡しましょう。
据え置きを選ぶ場合の手続き
満期時に据え置きを選ぶ場合は、その旨を保険会社に伝えるだけで手続きは完了します。その後、実際に受け取りたいタイミングになったら、改めて受取請求の手続きを行います。
据え置きの場合、いつでも好きなタイミングで受け取れるので、急に資金が必要になった場合も安心です。ただし、据え置き期間の上限があることも忘れずに確認しておきましょう。
よくある失敗例と注意点|こんな受け取り方は損をする
学資保険の受け取りで失敗しないために、実際にあった失敗例をご紹介します。こうした失敗から学んで、賢い受け取り方を実践してくださいね。
失敗例1: 一括受取で使いすぎた
Gさんのケースです。大学入学時に300万円を一括で受け取ったGさんは、入学金と初年度の授業料を払った後、残りを「とりあえず」普通預金に入れておきました。すると、引っ越し費用、家具家電の購入、下宿の敷金礼金など、次々と出費が重なり、気づいたら初年度で250万円を使い切ってしまったそうです。
2年目以降の授業料や生活費が足りなくなり、結局教育ローンを組むことになってしまいました。せっかく学資保険で備えていたのに、計画的に使えなかったために、かえって負担が増えてしまったんです。
対策: 一括で受け取る場合は、必ず使い道を明確にして、4年分(または必要な期間分)に分けて管理しましょう。別口座を作って、毎年必要な分だけを移すなどの工夫が有効です。
失敗例2: 受取人の設定ミスで高額な税金
Hさんのケースです。契約者を父親、受取人を子どもに設定していたHさん。「教育費だから子どもが受け取るのが自然」と考えていたそうです。しかし、300万円を受け取ったところ、贈与税が約18万円かかることが判明しました。
もし契約者と受取人を同じにしていれば、一時所得の特別控除の範囲内で非課税になったはずです。この18万円は、受取人の設定を変えるだけで節約できたお金だったんですね。
対策: 基本的に、契約者と受取人は同じにしましょう。税金面で最も有利になります。すでに別々に設定してしまっている場合は、契約変更ができるか保険会社に相談してみてください。
失敗例3: 受取時期を逃して損をした
Iさんのケースです。満期を迎えたものの、「すぐには使わないから」と据え置きにしたIさん。しかし、据え置き期間の上限(5年)を過ぎてしまい、自動的に受け取り処理がされてしまいました。
問題は、その年のIさんの所得が特に多かった年だったことです。一時所得として課税され、本来なら所得の少ない年に受け取れば税負担を抑えられたのに、タイミングを逃してしまったんです。
対策: 据え置きを選ぶ場合は、据え置き期間の上限を必ず確認し、いつ受け取るかを計画的に決めておきましょう。また、所得が少ない年に受け取ることで、税負担を軽減できます。
失敗例4: 請求手続きが遅れて入学に間に合わなかった
Jさんのケースです。大学合格が決まってから慌てて保険金の請求手続きを始めたJさん。しかし、必要書類の準備に手間取り、入学金の納付期限に間に合いませんでした。
結局、一時的に親戚から借金をして入学金を払い、後から保険金で返済することになりました。手続きを早めに始めていれば避けられた事態でした。
対策: 満期の3ヶ月前から準備を始め、余裕を持って手続きを進めましょう。特に、大学の入学金納付期限は合格発表から短い場合が多いので、早めの行動が重要です。
失敗例5: 返戻率だけで判断して失敗
Kさんのケースです。返戻率が最も高い商品を選んだKさんでしたが、その商品は祝い金がなく、満期まで一切受け取れないプランでした。しかし、実際には中学受験で私立中学に進学することになり、入学時に大きな出費が発生しました。
結局、契約者貸付制度を利用してお金を借りることになり、利息を払う羽目になってしまいました。返戻率は高かったものの、使い勝手が悪く、かえって損をしてしまったんです。
対策: 返戻率だけでなく、実際の教育プランに合った受け取り方ができるかどうかも重要です。ご家庭の教育方針や進路計画に合わせて、柔軟に対応できるプランを選びましょう。
学資保険以外の選択肢も検討|教育資金準備の比較
学資保険は教育資金準備の有力な選択肢ですが、唯一の方法ではありません。他の選択肢と比較して、ご家庭に最適な方法を見つけましょう。
つみたてNISA(少額投資非課税制度)
つみたてNISAは、年間40万円まで投資信託などに投資でき、運用益が非課税になる制度です。2024年からは新しいNISA制度が始まり、年間120万円(成長投資枠と合わせて)まで投資できるようになりました。
メリット:
– 運用次第では学資保険より高いリターンが期待できる
– 非課税で運用益を受け取れる
– いつでも引き出せる(流動性が高い)
デメリット:
– 元本保証がない(市場リスクがある)
– 契約者の万が一のときの保障がない
学資保険との組み合わせもおすすめです。学資保険で確実な部分を確保しつつ、つみたてNISAでリスクを取ってリターンを狙うという戦略も有効ですよ。
定期預金
最も安全な方法が定期預金です。元本が保証され、確実に貯められます。
メリット:
– 元本保証で安心
– 1,000万円までは預金保険で保護される
デメリット:
– 現在の低金利では利息がほとんどつかない
– インフレリスクに弱い
– 契約者の万が一のときの保障がない
低金利時代の今、定期預金だけで教育資金を準備するのは、インフレで実質的に目減りするリスクがあります。
終身保険(低解約返戻金型)
終身保険を学資保険代わりに使う方法もあります。特に低解約返戻金型の終身保険は、払込期間中の解約返戻金を低く抑えることで、保険料を安くし、払込終了後の解約返戻金を高くする商品です。
メリット:
– 学資保険より返戻率が高い場合がある
– 契約者の死亡保障がしっかりしている
– 受取時期を自由に設定できる
デメリット:
– 払込期間中の解約返戻金が少ない
– 学資保険に比べて設計が複雑
ジュニアNISA(2023年終了)
ジュニアNISAは2023年で新規受付が終了しましたが、すでに口座を持っている方は2024年以降も非課税で運用を続けられます。また、2024年以降はいつでも払い出しができるようになりました。
比較表:教育資金準備の方法
| 方法 | 元本保証 | リターン | 万が一の保障 | 流動性 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 学資保険 | あり | 低~中(103~110%) | あり | 低い | ★★★★☆ |
| つみたてNISA | なし | 中~高(市場次第) | なし | 高い | ★★★★☆ |
| 定期預金 | あり | 低(0.01~0.2%) | なし | 中 | ★★☆☆☆ |
| 終身保険 | あり | 中(105~115%) | あり(高額) | 低い | ★★★☆☆ |
組み合わせて使うのが最も賢い方法
実は、一つの方法に頼るのではなく、複数の方法を組み合わせるのが最もリスク分散できる賢い方法です。
例えば:
– 学資保険で確実に150万円を確保
– つみたてNISAで月3万円を投資(18年で約650万円以上になる可能性)
– 定期預金で緊急時の備えとして50万円を確保
このように組み合わせることで、確実性とリターンのバランスを取ることができます。私がご相談を受けたLさんのご家庭では、この3つの方法を組み合わせて、大学卒業までの教育資金800万円以上を準備することができました。
まとめ|安心して教育資金を受け取るために
ここまで、学資保険の受け取り方について、さまざまな角度から詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきますね。
学資保険の受け取り方は3つ
一括受取、分割受取、据え置きの3つがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ご家庭の教育方針やお子さまの進路、資金管理の得意不得意によって、最適な方法は変わってきます。
税金対策は必須
契約者と受取人を同じにすることで、一時所得として有利な税制が適用されます。この一点だけでも、数万円から数十万円の節税になることがありますので、必ず確認しましょう。
返戻率だけで判断しない
返戻率の高さは重要ですが、それだけで判断するのは危険です。実際の使い勝手や、お子さまの進路に合っているかどうかも考慮に入れて選びましょう。
早めの準備が大切
満期の3ヶ月前には、保険証券の場所を確認し、手続きの準備を始めましょう。入学金の納付期限は意外と早いので、余裕を持った行動が必要です。
計画的な資金管理を
一括で受け取る場合でも、4年分(または必要な期間分)に分けて管理することで、使いすぎを防げます。別口座を作るなどの工夫をしましょう。
複数の方法を組み合わせる
学資保険だけでなく、つみたてNISAや定期預金なども組み合わせることで、より安心して教育資金を準備できます。
お子さまの教育は、親として最も大切な投資の一つです。学資保険は、その教育資金を計画的に準備するための強い味方になってくれます。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、受け取り方についてしっかり理解し、ご家庭に最適な方法を選んでください。もし迷ったときは、保険の専門家やファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法ですよ。
この記事が、あなたとお子さまの明るい未来のお役に立てれば、とても嬉しく思います。お子さまの夢を応援するために、今日から一歩ずつ、確実に準備を進めていきましょう。教育資金の準備は、お子さまへの最高のプレゼントになるはずです。
大丈夫、あなたは既に「お子さまのために最善を尽くしたい」という気持ちで、この記事をここまで読んでくださいました。その気持ちがあれば、きっと良い選択ができるはずです。不安に思うことがあっても、一つずつ確認していけば、必ず最適な答えが見つかりますよ。
お子さまの素晴らしい未来のために、一緒に頑張りましょう!

