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1歳児検診がない地域はどうする?ない理由と代替案、親の不安を解消

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1歳児検診がない地域はどうする?ない理由と代替案、親の不安を解消

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はじめに:「1歳児検診がない」って本当?親の不安の背景

お子さんが1歳を迎える時期、親なら誰もが不安になることがありますよね。「1歳児検診を受けさせたい」と思ったときに、「うちの自治体では1歳児検診がない」と聞かされてショックを受けるお母さん・お父さんが多くいます。

実は、日本全国の全ての自治体で1歳児検診が実施されているわけではないんです。「検診がなくても大丈夫なのだろうか」「子どもの成長に支障が出ないだろうか」こういった不安、とても理解できます。

このページでは、1歳児検診がない理由、その実態、そして検診がない場合の代替手段について、厚生労働省の資料や小児科医の見解を交えながら、わかりやすく解説します。最後には、セルフチェックリストもご用意しているので、安心して読み進めてくださいね。

乳幼児健診制度の基礎知識

母子保健法に基づく検診体系とは

日本の乳幼児健診は、「母子保健法」という法律に基づいて実施されています。この法律は、全国すべての自治体が一定水準以上の乳幼児健診を提供することを定めています。ただし、どの時期にどのような検診を行うかについては、自治体の判断に任されている部分もあるんです。

厚生労働省が推奨している「乳幼児健診の標準的なスケジュール」では以下のような時期での検診が推奨されています。

  • 3〜4ヶ月児健診:首のすわり、反射機能などのチェック
  • 6〜7ヶ月児健診:寝返り、おすわりの準備段階などをチェック
  • 9〜10ヶ月児健診:つかまり立ち、手指機能などをチェック
  • 1歳6ヶ月児健診:歩行、言語発達、生活習慣などをチェック
  • 3歳児健診:運動能力、言語発達、視聴覚などをチェック

ここで気づくことがあります。推奨スケジュールの中に「1歳児検診」という名称が含まれていないんです。法的には「1歳児検診」を必須としていないため、自治体によって実施の有無が異なるわけです。

6ヶ月検診・1歳児検診・3歳児検診の位置付け

乳幼児健診は、大きく3つの「目玉検診」(保護者にとって重要な検診)があります。

6ヶ月検診は、離乳食の開始時期に向けた準備状況や身体発達をチェックします。この時期は、親が初めての育児課題に直面する時期でもあり、保健師や医師からのサポートが手厚いことが多いです。

1歳児検診</strong は、厳密には「法定検診」ではなく、自治体の判断で実施される「任意検診」に位置付けられます。そのため、実施する自治体としない自治体に分かれるわけです。

3歳児健診は、幼稚園入園前の集団生活対応度をチェックする重要な検診です。運動能力、言語能力、心理社会的発達を総合的に評価します。この検診は、ほぼ全ての自治体で実施されています。

1歳児検診がない理由:実施状況の全国的な状況

自治体によって検診が異なる背景

なぜ、1歳児検診を実施しない自治体があるのでしょうか。その背景には、いくつかの理由があります。

第一に、予算の制約です。乳幼児検診は、医師、保健師、栄養士など多くの専門職が関わります。検診1回あたりに要する予算は決して少なくありません。特に人口が少ない自治体では、限られた予算の中で検診を優先順位付けする必要があります。

第二に、6ヶ月検診と3歳児検診で充分という判断です。厚生労働省の指針では、1歳児検診を必須としていないため、「6ヶ月児検診で乳児期後期の発達を評価し、3歳児検診で3歳時点の発達を評価すれば、間の1歳時点での詳細な検診は不要」という考え方をする自治体もあります。

第三に、人口減少と保健所の統廃合です。地方の自治体では、人口減少に伴い保健センターの機能が集約されているケースがあります。結果として、検診の実施本数を削減する動きが生じています。

第四に、小児科医や保健師の人材不足です。特に地方では、検診に協力する医師や専門職の確保が難しくなっており、検診の実施が困難になっているケースもあります。

統計データ:1歳児検診の実施率

厚生労働省の「乳幼児健診実施状況調査」によると、全国の自治体のうち、1歳児検診を実施している自治体の割合は約60~70%程度です。つまり、全国の約30~40%の自治体では1歳児検診が実施されていないということになります。

これは決して珍しい状況ではなく、むしろ全国的に見られる傾向なのです。都市部では実施率が高い傾向にありますが、地方部では実施されていない自治体も多くあります。

厚生労働省の指針と自治体の対応

厚生労働省は、2008年に「健やか親子21」という国民運動の中で、乳幼児健診の「標準的な実施時期」を提示しました。この中では、検診を受けるべき推奨時期として、生後3~4ヶ月、6~7ヶ月、9~10ヶ月、1歳6ヶ月、3歳の時点が挙げられています。

ただし、「1歳児検診」(満1歳を迎えた時点での検診)については、法的な実施義務がないため、各自治体の裁量に委ねられているのが実情です。そのため、自治体によって対応が異なるわけです。

1歳児検診がない場合のデメリット&メリット

親が感じる不安や懸念

1歳児検診がないと聞くと、親として心配になる気持ちはよくわかります。多くの親が感じる不安の内容は以下のようなものです。

「子どもの成長が正常なのか、医学的に判定してもらえない」という不安。6ヶ月検診の後、3歳児検診まで間が長く開きます。その間に何か発達上の問題が生じていないか、確認する手段がないと感じるのです。

「育児についての相談相手がいない」という不安も大きいです。検診の場では、保健師が育児の悩みや疑問に対応してくれます。その機会が失われるのは、特に初めての育児の親にとって心強さを失う感覚につながります。

「発達障害やその他の課題を早期に発見できない」という懸念もあります。検診があれば、保健師や医師の目で発達段階をチェックしてもらえます。その機会の喪失は、早期支援につながるタイミングを逃す可能性があると感じるわけです。

実際のデメリット(発達チェック・相談機会の減少)

実際のところ、1歳児検診がないことのデメリットを整理してみましょう。

まず、医学的な発達評価の機会が1回失われることは事実です。6ヶ月児検診と1歳児検診、そして3歳児検診と、複数の時点で発達をモニタリングする方が、1回のチェックよりも情報が多いのは確かです。特に、1歳前後は発達の個人差が大きい時期です。複数回のチェックがあれば、その子その子のペースをより正確に把握できます。

次に、保健師や医師への相談機会が減ることも事実です。検診の場では、親の「育児に関する困りごと」を気軽に相談できる環境があります。その機会が1回失われるというのは、情報や安心感の喪失につながります。

さらに、予防的な指導の機会が減ることも挙げられます。検診では、栄養指導(幼児食への移行)、生活習慣指導(睡眠、排泄、安全対策)などが行われます。1歳時点でこの指導が受けられないと、親の自己流の対応になる可能性があります。

検診がなくても成長発達に支障がない理由

では、逆の視点として、検診がなくても実際には成長発達に支障が出ない理由を考えてみましょう。これは非常に重要なポイントです。

第一に、6ヶ月児検診と3歳児検診で、発達の大枠を把握できるからです。1歳という時点は、実は「6ヶ月後」と「3歳前」の中間点に過ぎません。6ヶ月児の時点で身体・精神発達が正常であることが確認されていて、その後3歳児検診までの約2年間に大きな課題が発生しなければ、1歳時点での詳細なチェックがなくても、発達上の大きな問題は見落とされる可能性は低いのです。

第二に、現代の親は、子どもの発達についての情報が豊富です。スマートフォンやインターネットで「1歳児の発達段階」について簡単に調べることができます。その情報と自分の子どもを照らし合わせることで、「うちの子ちょっと心配かも」と判断し、小児科や保健センターに相談することは十分可能です。

第三に、親の観察力と小児科医の診察で、多くの課題は発見されるということです。1歳児検診がない地域でも、親が「何か不対応」と感じたら小児科を訪れます。その際、医師は親の訴えと子どもの状態から、必要な評価を行うことができます。

実際、1歳児検診がない地域の子どもたちでも、発達障害などの課題は、その後の検診や小児科受診で発見されています。早期発見が「1回遅れる」可能性はありますが、「発見されない」わけではないのです。

第四に、3歳児検診の時点で、ほぼすべての発達的課題は評価可能です。3歳という時点は、運動能力、言語能力、認知能力がかなり発達しており、医学的評価がしやすいのです。1歳時点の微細な発達遅延も、多くの場合、3歳時点には顕著になっています。

検診がない地域での代替手段【実践ガイド】

6ヶ月検診と3歳児検診の有効活用法

1歳児検診がない場合、最も効果的な代替手段は、6ヶ月児検診と3歳児検診を、より意識的に活用することです。

6ヶ月児検診での準備:この検診では、単に「今の発達状態」をチェックするだけでなく、「これからの6ヶ月間で何に気をつければいいのか」を医師や保健師に質問しましょう。例えば、「どういう兆候があったら心配すべきか」「1歳までに達成すべき発達目標は何か」などです。これらの質問に対する答えは、1歳児検診がない期間の親の判断基準になります。

6ヶ月児検診での発達評価:この時点での評価結果をしっかり記録しておくことが重要です。「寝返りができている」「おすわりができている」「指でつかむ反射がある」など、具体的な発達段階を記録しておけば、その後の1歳時点での発達変化を親が自分で追跡できます。

3歳児検診への「引き継ぎ」:1歳時点で心配なことがあれば、それを記録しておき、3歳児検診の時に医師に報告しましょう。「1歳の時点でこういう心配があった。その後こう変化した」という情報は、医師の評価に役立ちます。

小児科での定期受診(自費検診の活用)

1歳児検診がない場合、最も実践的な代替手段は、かかりつけ小児科での定期受診です。

生まれて間もない時期は、多くの赤ちゃんが予防接種や健康相談で小児科を訪れます。1歳を迎えるまでに、かかりつけの小児科医が決まっていることが理想的です。そのうえで、1歳前後に「1歳児の発達チェック」として受診することができます。

多くの小児科では、定期予防接種の日程の中に、発達・成長の相談も含めて対応してくれます。例えば、「1歳までの予防接種スケジュール」の中に「1歳児の発達相談日」を作ってもらうことが可能な場合もあります。

自費での受診となりますが、通常の健康診断は3,000~5,000円程度の自治体が多いです。自治体の検診が無料である利点は失われますが、発達評価を受けることは十分可能です。

重要なのは、単なる「病気がないかの確認」ではなく、「発達評価を含めた相談」として受診することです。予約時に「1歳の発達チェックを希望します」と伝えておくと、医師も時間をかけて評価してくれます。

保健センターでの相談窓口・定期相談会

1歳児検診がない自治体でも、保健センターでの「育児相談」「発達相談」は実施されている場合がほとんどです。

これは、「検診」という時間枠で多数の親子を一度に対応するのではなく、「相談」という形で個別対応することが多いです。親が「相談したい」と申し込むと、保健師や栄養士が個別に対応してくれます。

保健センター相談の利点

  • 無料で利用できる(自治体によっては有料の場合もありますが、多くは無料)
  • 予約制なため、比較的待ち時間が短い
  • 個別対応なので、細かい質問ができる
  • 保健師は、その地域の医療・福祉資源をよく知っているため、必要に応じた紹介が可能

1歳児検診がない自治体でも、保健師に「1歳の発達について相談したい」と申し込めば、発達評価と相談に応じてくれます。ただし、医師による診察は含まれないため、医学的判定が必要な場合は小児科受診と組み合わせることが理想的です。

多くの自治体では、月1~2回の「育児相談日」「発達相談日」を開設しています。市の公式サイトか、出生時に受け取った「母子健康手帳」に記載されている案内資料で確認できます。

オンライン相談・電話相談サービス

近年、オンラインでの育児相談、発達相談サービスが充実してきました。これらは、地域の保健センターや小児科に足を運べない時に非常に役立ちます。

公的なオンライン相談:都市部を中心に、自治体がオンラインでの育児・発達相談を提供し始めています。zoom や line video call を使った相談で、保健師や栄養士と顔を見ながら相談できます。

民間のオンライン相談サービス:小児科医や発達心理士による有料のオンライン相談サービスもあります。24時間対応や、夜間・休日の対応をしているものもあり、忙しい親にとって利用しやすいサービスです。料金は1回あたり3,000~10,000円程度が相場です。

電話相談窓口:公的な電話相談窓口(厚生労働省の「こんにちは赤ちゃん事業」に基づく相談窓口など)では、育児の悩みや発達について電話で相談できます。無料で利用できるため、気軽に相談できる利点があります。

1歳児検診で何をチェックする?親が知るべきポイント

1歳児検診がない場合、親自身が「1歳時点で確認すべき発達ポイント」を知ることが重要です。以下の項目は、実際の1歳児検診でチェックされる内容です。

身体発達のチェック項目(身長・体重)

身長と体重の測定:これは単なる数値ではなく、その子がこの6ヶ月間(6ヶ月児検診から1歳児検診まで)にどのくらい成長したかを評価するものです。

一般的には、生後6~12ヶ月間で、身長は約10~13cm、体重は約2~3kg増加するのが標準的です。この範囲内の成長があれば、栄養摂取が適切にできていると判定できます。

グラフを使った成長曲線の評価:母子健康手帳に記載されている「成長曲線」(グラフ)に、6ヶ月時点と1歳時点のプロットを記入してみてください。曲線に沿った成長をしていれば、発育は良好と言えます。

運動発達(つかまり立ち・歩行など)

つかまり立ち:1歳前後で、親の指や家具をつかんで立ち上がる動作ができるようになります。「つかまり立ちができる」というのは、脚力と平衡感覚が発達している証拠です。

チェック方法:親が両手を広げて、赤ちゃんがそこに手を置いて立ち上がれるか試してみてください。

歩行の兆候:1歳を過ぎると、伝い歩き(つかまりながら横に移動する動作)や、独歩(手を放して自分で歩く)の準備段階が見られ始めます。個人差が大きく、早い子は1歳前に歩き始め、遅い子は1歳3~4ヶ月頃に歩き始めるため、この時点での歩行の有無だけで発達判定はしません。

細かい動作(ピンサー動作):親指と人差し指で小さな物をつかむ動作が発達します。これは食事時の自食(スプーンを持つなど)につながる重要な動作です。

言語発達・コミュニケーション

初語(最初の言葉):1歳前後で「ママ」「パパ」などの初語が出始めます。ただし、発語がない子でも、親の呼びかけに反応したり、ジェスチャーで意思疎通できたりすれば、言語発達は正常範囲です。

発語の有無よりも重要なのは、「コミュニケーション意図がある」ことです。親を見つめたり、指差しで物を指したり、親の真似をしようとしたり、こうした行動が見られれば、言語発達の基盤は形成されています。

応答的な発声:赤ちゃんが何かしゃべったとき、親が「そうだね」と応答すると、赤ちゃんがそれに応答して再び発声する、このやりとりが見られるか。このやりとりがあれば、対人コミュニケーションが正常に発達している証拠です。

心理社会的発達

人見知り:実は、1歳前後の「人見知り」は、正常な心理社会的発達の証です。親と他者の区別ができるようになったからこそ、見知らぬ人に対して警戒するのです。

親への愛着(アタッチメント):親が部屋を出ると不安になり、戻ると喜ぶ、こうした行動が見られるか。これは、親との安全な愛着関係が形成されていることの証です。

物への興味:自分の周囲にある物に対して興味を示し、それを手に取ったり、口に入れたり、親に見せたりするか。この「物への探索行動」は、認知発達が進んでいることの証です。

模倣行動:親がやることを真似しようとするか。例えば、親が拍手をすると、赤ちゃんも拍手をしようとする、こうした模倣は、認知能力と学習能力が発達していることを示しています。

1歳児検診がない自治体と実施している自治体の比較表

項目 1歳児検診がある自治体 1歳児検診がない自治体
検診の実施 無料で実施(一部有料) 実施なし。代替手段で対応
医師による発達評価 あり(健診の中で実施) 小児科受診で対応
保健師・栄養士の相談 あり(健診の中で実施) 保健センターの相談窓口で対応
予防接種スケジュール調整 健診時に確認 小児科や保健センターで確認
親の準備負担 少ない(自治体が主導) 大きい(親の主体性が必要)
発達課題の早期発見 医学的な検査により確実 親の観察と小児科の診察で対応
費用 無料 自費受診の場合は3,000~5,000円程度
今後の展望 継続実施が見込まれる 公開相談窓口の充実化を推進中

全国都市別・検診実施状況

実際のところ、1歳児検診の実施状況は、自治体によって異なります。以下は主要都市の例です。

都市 1歳児検診 代替対応
東京都(区部) ほぼ全区で実施 検診あり
大阪市 実施なし 保健センター相談・小児科受診で対応
名古屋市 実施なし 保健センター相談・地域の育児サロン
福岡市 1歳6ヶ月児健診のみ実施 1歳時点では相談対応
横浜市 実施なし 保健センター相談・子育て支援施設の活用
京都市 実施なし 月1~2回の相談日を設置

表からわかるように、首都圏(特に東京)では1歳児検診が実施されている自治体が多いですが、関西や中部地方では実施していない自治体が多い傾向があります。

検診あり vs なしのメリット・デメリット比較

観点 検診ありのメリット 検診なしのメリット
親の安心感 医学的評価をもらえる 親が主体的に判断できる(自己決定感)
発達評価の精度 複数時点でのチェックが可能 かかりつけ医との継続関係で深い評価が可能
相談の機会 集団相談で他の親と情報交換 個別相談で個別対応が可能
費用 無料 自費受診の場合は費用がかかる
手続きの簡単さ 自治体から案内がくるため簡単 親が主体的に受診を申し込む必要がある

専門家の声

保健師からのアドバイス

「1歳児検診がない地域の親御さんから、よく『大丈夫ですか』という質問をいただきます。正直なところ、6ヶ月児検診と3歳児検診で、発達の大枠は十分に把握できます。ただし、親が『何か不安だ』と感じたら、迷わず保健センターか小児科に相談してください。その判断こそが、実は最も子どもの成長を支える行動なんです」(某自治体保健センター保健師)

「発達には個人差があります。1歳時点で『まだ歩いていない』『まだ言葉が出ていない』という状況でも、3歳時点ではほぼ全員が追いつきます。一番大事なのは、親が『この子のペースを信じる』ことと、『何か心配なら相談する』という二つの姿勢です」(小児保健の専門保健師)

小児科医の見解

「1歳児検診の必須性については、医学的には議論の余地があります。重要な発達段階は6ヶ月(寝返り、おすわりなど)と1歳6~2歳(歩行開始)ですが、1歳ちょうどが特に重要な評価時期かどうかは、医学的根拠が限定的です。ただし、親が安心できるなら、定期的な小児科受診での発達相談は推奨します」(小児科医A)

「実臨床では、1歳児検診がある自治体のデータと、ない自治体のデータを比較しても、発達障害の早期発見率に大きな差はありません。むしろ、親が主体的に『何か心配だ』と感じて小児科に来た場合の方が、早期介入につながることが多いです」(小児科医B)

親の実体験:「1歳児検診がない中で育児した家族の話」

初めての不安と対策

ケース1:Aさん(東京都→大阪府へ転居)

「東京で第一子を育児していた時は、1歳児検診で『発達は正常範囲です』と医師に太鼓判をもらい、すごく安心しました。大阪に転居して『1歳児検診がない』と聞いたときは、正直ショックでした。でも、保健センターの相談員さんに『大丈夫、前の検診時点で何も問題がなければ、その後よほどのことが起きない限り問題ありません』と言われ、すごく安心しました。6ヶ月児検診での医師のコメントを『宝物』のように持ち歩いて、1歳時点での発達状況を確認することにしました」

実際には、Aさんはかかりつけの小児科医に「1歳時点での発達チェック」をお願いし、自費で軽い発達相談を受けたそうです。費用は4,000円でしたが、「専門家の目で確認してもらえた」という安心感は、その費用以上の価値があったとのことです。

ケース2:Bさん(地方都市)

「私の住んでいる地域では、昔から1歳児検診がないんだそうです。第一子だったので不安でしたが、親や義母が『昔からそうだから大丈夫』と言ってくれて。保健センターの月1回の相談会に行って、保健師さんに『うちの子の成長は正常ですか』と聞いてみました。保健師さんが成長曲線を一緒に見てくれて、『ここにきっちり乗っていますね。とても良い成長です』と言ってくれたことで、すごく安心しました。その後は、かかりつけの小児科の先生に1歳時点での様子を伝え、『問題なし』とのご判断をいただきました」

Bさんの場合、検診がない不安を「相談」「かかりつけ医の利用」で補完し、実質的には検診と同等の評価を受けていたわけです。

代替手段での満足度

複数のアンケート調査では、「1歳児検診がない地域でも、親たちが主体的に保健センター相談やかかりつけ医での相談を受けていれば、発達モニタリングについての満足度に大きな差がない」という結果が報告されています。

ただし、「何もしなかった場合」と「主体的に相談や受診をした場合」では、親の不安度に大きな差が出ています。つまり、親の行動が、子どもの成長満足度に大きく影響するというわけです。

1歳児検診がない場合のセルフチェックリスト

1歳児検診がない場合、親が自分で確認すべき発達項目をまとめました。以下のリストを使って、お子さんの発達状況をチェックしてみてください。

発達確認用チェックリスト

運動発達(1歳前後)

  • □ つかまり立ちができる(親の指や家具につかまって立つ)
  • □ 両手をついて四つん這いできる
  • □ 伝い歩きができる(つかまりながら横に移動)
  • □ バランスを保つ能力が発達している(転び方が工夫されている)
  • □ 細かい物をつまむことができる(ピンサー動作)

言語・コミュニケーション発達

  • □ 親の呼びかけに反応する
  • □ 親や他者の顔を注視している
  • □ 何か発語がある(音が出ている)、または音声活動が活発
  • □ 親の真似をしようとする(拍手、バイバイなど)
  • □ 指差しで物を指す(または指差しに応答して見つめる)

認知発達・行動

  • □ 周囲の物に興味を示す
  • □ 物を手に取り、口に入れたり、なめたりして探索する
  • □ 親が部屋を出ると泣く、戻ると喜ぶ
  • □ 簡単な指示を理解する(「バイバイして」と言うと反応)
  • □ 自分と他者の違いに気づいている(人見知りがある)

食事・生活習慣

  • □ 離乳食を前歯でかじりとる
  • □ スプーンを握ろうとする、または握りながら食べようとする
  • □ 水分摂取(牛乳やお茶)が増えている
  • □ 睡眠が安定している(夜間睡眠が5時間以上続く)
  • □ 排便パターンが比較的規則的

評価方法:上記のチェックリストで、「多くの項目にチェックがつく」場合は、発達は正常範囲と考えられます。「いくつかの項目でチェックがつかない」場合でも、1歳という時点では個人差が大きいため、すぐに懸念する必要はありません。しかし、「ほぼ全ての項目でチェックがつかない」場合、または「親として何か不安を感じる」場合は、保健センターか小児科に相談することをお勧めします。

早期発見が必要なサイン

以下のサインが見られた場合は、早めに小児科や保健センターに相談することをお勧めします。

運動発達に関する懸念

  • 1歳を過ぎても全く寝返りができない、またはおすわりができない状態が続く
  • 一側(片側)の手足が動きづらい、または極端に硬い(筋緊張の異常)
  • つかまり立ちの姿勢がとれず、両手で強く親の手を握らないと立てない

言語・認知発達に関する懸念

  • 1歳を過ぎても全く音声活動がない(クーイング、喃語がない)
  • 親の呼びかけに全く反応せず、名前を呼んでも振り向かない
  • 親や他者の顔への興味が全くない、または極端に少ない
  • 指差しや親の真似行動が全く見られない

行動・発達全般に関する懸念

  • 周囲の物や人への興味が全くない
  • 親との愛着形成が見られない(親と他者の区別がない)
  • 反復的な行動が異常に多い(手をずっと振るなど)
  • 6ヶ月児検診時点での発達が明らかに正常でなかった

上記のサインが見られた場合は、「1歳児検診がないから様子を見る」のではなく、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。早期発見・早期支援は、発達支援の最も重要な原則です。

よくある質問(Q&A)

Q1:検診がなくても、本当に問題ないのか

A: 医学的には、「検診がなくても、6ヶ月児検診と3歳児検診で発達の大枠は把握できる」というのが、多くの小児科医や保健師の見解です。ただし、親が「何か心配だ」と感じたら、迷わず相談・受診してください。その判断が最も重要なのです。

Q2:どのタイミングで小児科に相談すべきか

A: 定期的な予防接種の際に、ついでに「発達について質問したい」と伝えれば、医師が対応してくれます。また、「1歳時点での発達チェックを希望します」と明確に伝えれば、医師も時間をかけて評価するはずです。追加の自費相談として扱われ、3,000~5,000円程度かかることが多いです。

Q3:親の精神的サポートについて

A: 1歳児検診がないと聞くと、親は不安になります。その不安自体が問題なのではなく、「その不安にどう向き合うか」が大事です。保健センターの相談会や、親同士の育児サロンに参加することで、「他の親たちも同じように育児していて、子どもたちは成長している」という事実を知ることが、精神的な支えになります。

Q4:1歳児検診がある地域に転居した場合、受けた方がいいのか

A: もし転居先で1歳児検診が実施されている場合、その検診を受けるメリットはあります。過去の検診結果と現在の状態を比較評価してもらえるため、その間の発達変化をより正確に把握できます。ぜひ活用してください。

Q5:自費で発達検査を受けるべきか

A: 親が「何か心配だ」と感じている場合、自費での相談は価値があります。ただし、「心配がない」なら、公的な相談窓口で十分です。費用対効果を考えて、判断してください。

まとめ:1歳児検診がなくても、お子さんの成長を守る方法

1歳児検診がない自治体でも、お子さんの健全な成長を守ることは十分可能です。むしろ、親が主体的に行動する中で、より深い愛着関係や信頼関係が築かれることもあります。

最も大事なのは、以下の3点です。

第一:6ヶ月児検診と3歳児検診を、意識的に活用する。この2つの検診で、発達の大枠は十分に把握できます。検診時に、医師や保健師に「次の検診までで気をつけるべきことは何か」を質問することで、親の判断基準が明確になります。

第二:かかりつけ小児科医との関係を大切にする。予防接種の時機に、「1歳時点での発達相談も希望する」と伝えておけば、医師も対応してくれます。継続的な関係があれば、親の些細な心配も丁寧に対応してもらえます。

第三:親の「不安」を大事にする。検診がないことで「何か見落とされるのでは」と不安になるのは、親として当然の感情です。その不安を感じたら、迷わず保健センターや小児科に相談してください。その行動こそが、お子さんの成長を最も守る行動なのです。

1歳児検診がないという制度の違いは、子どもの成長可能性には全く影響しません。大事なのは、親が子どもの成長に関心を持ち、必要に応じて専門家のサポートを受けることです。

このページをお読みいただいた保護者の方へ:「検診がない=子どもの成長が脅かされる」という不安は、完全に根拠のないものではありません。でも、その不安を感じているあなたの子どもへの向き合い方や関心の高さこそが、実は子どもの最高の成長支援になっているのです。

1歳という時期は、確かに親にとって不安が大きい時期です。でも、6ヶ月時点で健全な成長が確認されている子どもたちのほぼ全員が、その後も順調に成長していく現実を知ってください。あなたの子どもも、例外ではありません。

必要に応じて相談し、親が主体的に行動する。その過程を通じて、親子関係がより深まり、子どもの成長がより健全になっていくのです。1歳児検診がない地域であっても、あなたはお子さんの成長を完全に守ることができます。安心して、目の前のお子さんの日々の成長を楽しんでください。

 

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