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育児休業と出生時育児休業の違い|図解で分かる選び方完全ガイド

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読了時間:約8分

「育児休業と出生時育児休業って何が違うの?」
「どっちを取ればいいか分からない…」
「給付金はいくらもらえるの?」

配偶者の妊娠が分かり、育休制度について調べ始めたものの、似たような名前の制度が2つあって混乱していませんか。

育児休業と出生時育児休業(産後パパ育休)は、まったく別の制度です。対象期間、申請期限、就労の可否、給付金の扱いなど、重要な違いがあります。

この記事では、育児休業と出生時育児休業の7つの違いを図解とともに分かりやすく解説します。さらに、あなたの状況に合った最適な取得パターンも提案します。

この記事で分かること
  • 育児休業と出生時育児休業の基本的な7つの違い
  • それぞれのメリット・デメリット
  • 自分に最適な取得パターンの選び方
  • 給付金の具体的な計算方法(2025年最新版)
  • 会社への申請手順と必要書類
  • よくあるトラブルと対処法

最終更新日:2025年11月4日
※2025年4月施行の出生後休業支援給付金を含む最新情報を掲載しています。

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まず押さえたい!2つの制度の基本

育児休業と出生時育児休業は、どちらも育児を支援するための国の制度ですが、目的と対象期間が大きく異なります

最も重要な違いは「いつ取れるか」

【出生時育児休業(産後パパ育休)】

  • 目的:出産直後の集中的なサポート
  • 取得期間:子の出生後8週間以内に最大4週間(28日間)
  • 主な対象:男性(父親)

【育児休業】

  • 目的:長期的な育児への対応
  • 取得期間:子が1歳になる前日まで(最大2歳まで延長可能)
  • 対象:男女問わず

つまり、出生時育児休業は「出産直後の短期集中型」、育児休業は「長期サポート型」の制度なのです。

[画像:2つの制度の期間イメージ図]
※タイムライン図:出産日を起点に、産後パパ育休(0〜8週間)と育児休業(0〜52週間)の取得可能期間を視覚化

【比較表】育児休業と出生時育児休業の7つの違い

7つの観点から、2つの制度の違いを比較表で確認しましょう。

比較項目 出生時育児休業
(産後パパ育休)
育児休業
①対象期間 子の出生後
8週間以内
原則、子が
1歳になる前日まで
(最大2歳まで延長可)
②取得可能日数 最長4週間(28日間) 最長1年間
(延長時は最大2年間)
③申請期限 原則、休業開始の
2週間前まで
原則、休業開始の
1か月前まで
④分割取得 2回まで可能
(初回に2回分まとめて申請)
2回まで可能
⑤休業中の就労 一部就労可能
(条件あり)
原則、就労不可
⑥主な対象者 主に男性
(産後休業を取らない人)
男女問わず
⑦給付金 出生時育児休業給付金
(休業前賃金の67%)
+出生後休業支援給付金
(2025年4月〜、条件あり)
育児休業給付金
(休業前賃金の67%)
+出生後休業支援給付金
(2025年4月〜、条件あり)

【重要ポイント】
出生時育児休業と育児休業は別々の制度なので、両方取得することも可能です(男性の場合)。

出生時育児休業(産後パパ育休)とは

出生時育児休業は、2022年10月に新設された比較的新しい制度です。「産後パパ育休」という通称でも呼ばれています。

制度の特徴

この制度は、母親の産後休業期間(出産後8週間)と重なる時期に、父親が育児に参加しやすくすることを目的としています。

  • 取得期間: 子の出生後8週間以内に最大4週間(28日間)
  • 分割取得: 2回まで分割可能(例:2週間 + 2週間)
  • 申請期限: 原則、休業開始の2週間前まで
  • 休業中の就労: 労使協定と本人の同意があれば一部就労可能

誰が取得できるのか

対象者:

  • 産後休業を取得しない人(主に男性)
  • 養子縁組などで出産しない女性
  • 雇用保険の被保険者

対象外の人:

  • 日雇い労働者
  • 労使協定で除外された人(雇用1年未満など)
  • 有期雇用で、出生後8週間経過後から6か月以内に契約終了が明らかな人

休業中の就労について

出生時育児休業の大きな特徴は、条件を満たせば休業中に一部働くことができる点です。

就労の条件:

  1. 労使協定の締結があること
  2. 労働者本人が事前に就労可能日等を申し出ること
  3. 会社が就労日を提示し、労働者が同意すること
  4. 就労日数が休業期間中の所定労働日数の半分以下であること
  5. 就労時間が休業期間中の所定労働時間の半分以下であること
【具体例】28日間の産後パパ育休を取得する場合

所定労働日数が20日、所定労働時間が160時間の場合:

  • 就労可能日数:最大10日
  • 就労可能時間:最大80時間

この範囲内であれば、リモートワークや短時間勤務などで一部就労が認められます。

注意: 就労日数が多すぎると、給付金や社会保険料免除の対象外になる可能性があります。

育児休業とは

育児休業は、1991年から施行されている歴史ある制度で、子どもが1歳になるまでの長期的な育児を支援します。

制度の特徴

  • 取得期間: 原則、子が1歳になる前日まで
  • 延長: 保育園に入れないなどの理由で最大2歳まで延長可能
  • 分割取得: 2022年10月から2回まで分割可能に
  • 申請期限: 原則、休業開始の1か月前まで
  • 休業中の就労: 原則として就労不可

誰が取得できるのか

対象者:

  • 1歳未満の子どもを養育する男女
  • 雇用保険の被保険者

有期雇用労働者の場合:

  • 子が1歳6か月になるまでに労働契約期間が満了せず、契約更新されないことが明らかでないこと

対象外の人:

  • 日雇い労働者
  • 労使協定で除外された人(雇用1年未満、週の所定労働日数が2日以下など)

延長が認められるケース

以下の理由がある場合、1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます:

  1. 保育所等に入所できない
    • 最も一般的な延長理由
    • 自治体から発行される「保育所入所不承諾通知書」が必要
  2. 配偶者が死亡した
  3. 配偶者が病気やケガで養育が困難
  4. 配偶者と別居した
  5. 配偶者が産前産後休業や育児休業を取得した

2022年改正のポイント

2022年10月の育児・介護休業法改正により、育児休業も2回まで分割取得が可能になりました。

メリット:

  • 夫婦で交代しながら育休を取得できる
  • 子どもの月齢に応じて柔軟に取得時期を選べる
  • 職場復帰の負担を軽減できる

【フローチャート】どちらを選ぶべき?

あなたの状況に合った制度を選ぶため、以下のフローチャートで確認してみましょう。

[画像:取得判断フローチャート]

パターン①:出産直後にすぐ休みたい

→ 出生時育児休業がおすすめ

  • 申請期限が2週間前と短い
  • 出産日が近くなってからでも申請しやすい
  • 配偶者の産後すぐにサポートできる

パターン②:4週間以上の長期休暇を取りたい

→ 育児休業を選択

  • 最大1年間取得可能(延長すれば2年間)
  • じっくり育児に専念できる

パターン③:休業中も少し働きたい

→ 出生時育児休業がおすすめ

  • 労使協定があれば一部就労可能
  • リモートワークなどで柔軟に対応できる
  • ※ただし就労日数が多いと給付金が減る点に注意

パターン④:どちらにするか迷っている

→ まず出生時育児休業を取得後、育児休業に移行

  • 両方の制度は併用可能
  • 出産直後の様子を見てから長期休暇を判断できる
  • 合計で最大4回まで分割取得できる

男性の最大活用パターン

男性の場合、以下のように合計4回の分割取得が可能です:

  1. 出生時育児休業:2回(出生後8週間以内に2週間ずつなど)
  2. 育児休業:2回(8週間経過後〜1歳まで)

[画像:最大4回分割取得のイメージ図]
※タイムライン図:0〜8週間に産後パパ育休2回、8週間〜52週間に育児休業2回のパターンを図示

給付金はいくらもらえる?【2025年最新版】

育児休業を取得すると、雇用保険から給付金が支給されます。2025年4月からは新しい給付制度も始まりました。

基本の給付率

どちらの制度も、基本的な給付率は同じです:

  • 休業前賃金の67%(休業開始から180日まで)
  • 休業前賃金の50%(休業開始から181日以降)※育児休業のみ

出生時育児休業は最大28日間なので、すべて67%の給付率が適用されます。

2025年4月〜 出生後休業支援給付金が新設

2025年4月から、夫婦で育児休業を取得した場合に上乗せ給付が受けられるようになりました。

【出生後休業支援給付金の概要】

  • 給付率: 休業前賃金の13%を上乗せ
  • 支給期間: 最大28日間
  • 合計給付率: 67% + 13% = 80%(手取りで約10割相当)

支給要件:

  1. 本人: 出生後8週間以内(母親は産後休業後8週間以内)に14日以上の育児休業を取得
  2. 配偶者: 同じ期間内に14日以上の育児休業を取得

※配偶者が専業主婦(夫)の場合やひとり親家庭の場合は、配偶者の取得要件が免除されます。

具体的な給付金シミュレーション

月収別に、実際の給付金額をシミュレーションしてみましょう。

月収(額面) 基本給付金
(67%)
出生後休業
支援給付金
(13%)
合計
(28日間)
実質手取り
25万円 約16.8万円 約3.3万円 約20.1万円 約100%
30万円 約20.1万円 約3.9万円 約24.0万円 約100%
35万円 約23.5万円 約4.6万円 約28.1万円 約100%
40万円 約26.8万円 約5.2万円 約32.0万円 約100%
50万円 約31.7万円
※上限あり
約6.1万円
※上限あり
約37.8万円 約94%

※2025年度の上限額(休業開始時賃金日額16,110円)で計算。社会保険料免除・非課税を考慮した実質手取り割合。

【計算方法の詳細】

給付金の計算式:

給付金 = 休業開始時賃金日額 × 休業日数 × 給付率

休業開始時賃金日額の算出:
休業開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180日

例)月収30万円の場合:
30万円 × 6か月 = 180万円
180万円 ÷ 180日 = 1万円(賃金日額)

28日間の給付金:
基本給付:1万円 × 28日 × 67% = 18.76万円
上乗せ給付:1万円 × 28日 × 13% = 3.64万円
合計:約22.4万円

社会保険料の免除も忘れずに

育児休業期間中は、以下の社会保険料が免除されます:

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料

免除の条件:

  1. 月末時点で育児休業中である場合
  2. または、同一月内に14日以上の育児休業を取得した場合(2022年10月〜)

※ボーナス(賞与)に係る保険料は、連続して1か月を超える育児休業を取得した場合のみ免除されます。

給付金は非課税で、雇用保険料の負担もないため、実質的に手取りの約10割が確保できる仕組みになっています。

併用パターンと取得事例

出生時育児休業と育児休業は別の制度なので、条件を満たせば両方取得できます

男性の場合:併用可能

男性は以下のパターンで両制度を組み合わせることができます。

パターン①:連続取得

出生時育児休業 → すぐに育児休業へ移行

  • 出産直後から長期間サポートしたい場合に最適
  • 申請は別々に行う必要あり

例:
出産日〜4週間:出生時育児休業
4週間〜6か月:育児休業

パターン②:分割取得

出生時育児休業(分割2回) + 育児休業(分割2回)

  • 柔軟に休暇を取りたい場合
  • 合計で最大4回まで分割可能

例:
1回目:出産直後に2週間(出生時育児休業)
2回目:1か月後に2週間(出生時育児休業)
3回目:3か月後に1か月(育児休業)
4回目:6か月後に2か月(育児休業)

パターン③:夫婦交代型

配偶者の職場復帰に合わせて取得

  • 母親の育休終了後、父親が育児を引き継ぐ
  • 家計への影響を最小限にできる

例:
出産直後:父親が出生時育児休業(2週間)
〜6か月:母親が育児休業
6か月〜1歳:父親が育児休業

女性の場合:原則として併用不可

女性は出産すると産前産後休業を取得するため、その期間中に出生時育児休業は取得できません。

産前産後休業とは:

  • 産前休業: 出産予定日の6週間前から(双子以上は14週間前から)
  • 産後休業: 出産日の翌日から8週間(ただし6週間経過後は本人希望と医師の許可で就業可)

産後休業終了後(出産から8週間後)からは、育児休業を取得できます。

例外:
養子縁組など、出産しない女性が母親になる場合は、出生時育児休業の対象となります。

実際の取得事例

事例①:IT企業勤務のAさん(30代男性)

取得パターン:出生時育児休業 2週間 + 育児休業 1か月

「妻の出産直後に2週間休みを取り、退院後のサポートをしました。その後、職場に一度復帰して引き継ぎを行い、生後2か月のタイミングで1か月の育児休業を取得。妻の職場復帰前に、育児に慣れることができました。」

ポイント:
分割取得を活用し、ライフイベントに合わせて柔軟に休暇を取得

事例②:製造業勤務のBさん(20代男性)

取得パターン:出生時育児休業 4週間(就労あり)

「繁忙期と重なったため、完全休業は難しかったのですが、産後パパ育休なら一部就労ができると知り取得しました。週2日だけリモートで緊急対応し、残りは育児に専念。給付金も満額もらえました。」

ポイント:
一部就労の仕組みを活用し、仕事と育児を両立

事例③:公務員のCさん(30代女性)

取得パターン:産前産後休業 → 育児休業 1年間

「産前6週間から産後8週間まで産休を取り、その後1歳まで育休を取得しました。夫も出産直後に産後パパ育休を2週間取ってくれたので、産後の大変な時期を一緒に乗り越えられました。」

ポイント:
夫婦で協力して育児休業を取得し、両方に出生後休業支援給付金が支給

会社への申請方法と手順

育児休業や出生時育児休業を取得するには、会社への正式な申請が必要です。スムーズに取得するための手順を解説します。

申請のタイムライン

タイミング やるべきこと
妊娠が分かったら
(できるだけ早く)
・上司に報告
・会社の育児休業制度を確認
・就業規則や社内規定をチェック
出産予定日の
2〜3か月前
・取得希望時期を上司と相談
・業務の引き継ぎ計画を立てる
・人事部門に事前相談
申請期限まで 【出生時育児休業】2週間前まで
【育児休業】1か月前まで
・育児休業申出書を提出
・母子健康手帳のコピーなど必要書類を添付
休業開始前 ・業務の引き継ぎを完了
・緊急連絡先を共有
・休業中の連絡方法を確認
休業中 ・給付金申請に必要な書類を準備
(通常は会社が手続き)
復帰予定日の
1か月前
・復帰日の確認
・時短勤務などの相談(必要に応じて)

必要な書類

会社に提出する書類:

  1. 育児休業申出書(または出生時育児休業申出書)
    • 会社所定の書式、または厚生労働省の様式
    • 記入内容:氏名、休業開始日、休業終了予定日、子の氏名・生年月日など
  2. 母子健康手帳のコピー
    • 出産予定日や出産日が確認できるページ
  3. 配偶者の状況を証明する書類(場合により)
    • 配偶者の就労証明書など

給付金申請に必要な書類(会社経由でハローワークに提出):

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 賃金台帳や出勤簿のコピー
  • 母子健康手帳のコピー

※給付金の申請は通常、会社が代理で行います。個人で直接ハローワークに申請することもできますが、会社経由が一般的です。

上司への伝え方のポイント

育児休業の取得を上司に伝える際、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 早めに報告する
    • 妊娠が分かった段階で、取得の意向を伝える
    • 突然の申し出は避け、余裕を持った相談を心がける
  2. 具体的な取得期間を提示する
    • 「いつからいつまで」を明確に
    • 分割取得の場合は、その旨も伝える
  3. 業務の引き継ぎ計画を提案する
    • 「この業務は○○さんに」など、具体的な引き継ぎ先を考えておく
    • マニュアルや手順書の作成を申し出る
  4. 法律上の権利であることを理解しておく
    • 育児休業は労働者の権利であり、会社は拒否できません
    • 万が一、取得を妨げられた場合は、人事部門や労働局に相談
【会話例】上司への報告の仕方

「課長、少しお時間よろしいでしょうか。私事ですが、妻が妊娠しまして、出産予定日は○月○日です。そこで、出産直後に出生時育児休業を2週間取得させていただきたいと考えています。具体的には○月○日から○月○日までを予定しています。業務については、事前に○○さんに引き継ぎを行い、マニュアルも作成します。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。」

よくあるトラブルと対処法

トラブル①:会社が取得を渋る

対処法:

  • 育児休業は法律で保障された権利であり、会社は拒否できないことを伝える
  • 人事部門に相談し、適切な対応を求める
  • それでも解決しない場合は、都道府県労働局の「雇用環境・均等部(室)」に相談

トラブル②:申請期限に間に合わなかった

対処法:

  • 出生時育児休業:原則2週間前だが、会社が同意すれば期限を過ぎても取得可能
  • 緊急の事情(予定日より早い出産など)があれば、会社に相談
  • 法律上の申請期限はあるが、実務上は柔軟な対応がなされることも多い

トラブル③:取得後に不利益な扱いを受けた

対処法:

  • 育児休業を理由とした不利益取扱い(降格、減給、解雇など)は法律で禁止されています
  • 人事部門に申し出る
  • 労働局の相談窓口に連絡する
  • 必要に応じて弁護士に相談

参考リンク

よくある質問(FAQ)

Q1. 育児休業と出生時育児休業、どちらを取ればいいですか?

A. あなたの状況によって最適な選択が異なります。

  • 出産直後にすぐサポートしたい → 出生時育児休業
  • 長期間(4週間以上)休みたい → 育児休業
  • 迷っている → まず出生時育児休業を取得し、様子を見て育児休業に移行

両方の制度は併用可能(男性の場合)なので、柔軟に組み合わせることができます。

Q2. 出生時育児休業は男性しか取れないのですか?

A. いいえ、女性も取得できる場合があります

ただし、出産する女性は産後休業(出産後8週間)を取得するため、その期間中は出生時育児休業を取得できません。

女性が取得できるケース:

  • 養子縁組で母親になる場合(出産していない)
  • 代理母出産で母親になる場合

これらのケースでは、産後休業を取得しないため、出生時育児休業の対象となります。

Q3. 2つの制度を両方取ると、給付金は2倍もらえますか?

A. いいえ、給付金はそれぞれの休業期間に対して別々に支給されますが、「2倍」というわけではありません。

給付の仕組み:

  • 出生時育児休業: 最大28日分の給付金(休業前賃金の67%)
  • 育児休業: 休業日数分の給付金(休業前賃金の67%、181日以降は50%)

それぞれ独立した制度なので、両方取得すれば合計の休業日数分の給付金が受け取れます。

さらに2025年4月からは、夫婦で14日以上の育児休業を取得すれば、出生後休業支援給付金(13%)が最大28日分上乗せされます。

Q4. 出生時育児休業中に働くと、給付金はどうなりますか?

A. 就労日数が一定の基準を超えると、給付金が減額または不支給になります。

給付金が支給される条件:

  • 就労日数が休業期間中の所定労働日数の半分以下
  • 就労時間が休業期間中の所定労働時間の半分以下
  • 就労により支払われた賃金が、休業前賃金の80%以下

例:
28日間の休業、所定労働日数20日、所定労働時間160時間の場合
→ 就労可能:最大10日、最大80時間

この範囲内であれば、給付金と賃金を合わせて休業前賃金の80%まで受け取れます。

Q5. 有期雇用(契約社員)でも育児休業は取れますか?

A. はい、一定の条件を満たせば取得できます

出生時育児休業の場合:

  • 出生後8週間経過後から6か月以内に契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

育児休業の場合:

  • 子が1歳6か月になるまでに契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

「更新されないことが明らか」とは、例えば:

  • 雇用契約書に「更新しない」と明記されている
  • 会社から「次は更新しない」と明確に伝えられている

このような場合以外は、基本的に取得可能です。

Q6. 育児休業を延長するにはどうすればいいですか?

A. 1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます。

延長が認められる理由:

  1. 保育所等に入所を希望しているが、入所できない
  2. 配偶者が死亡した
  3. 配偶者が病気やケガで養育が困難
  4. 離婚等により配偶者が子と同居しなくなった
  5. 6週間以内に出産予定または産後8週間以内である

必要な手続き:

  • 延長の2週間前までに会社に申し出る
  • 証明書類(保育所入所不承諾通知書など)を提出

最も多い延長理由は①保育所に入所できないケースです。自治体から発行される「保育所入所不承諾通知書」が必要になります。

Q7. 育児休業を取ると、将来の年金額が減りますか?

A. いいえ、年金額は減りません

育児休業期間中は厚生年金保険料が免除されますが、保険料を納めたものとして年金額に反映されます。

つまり、保険料を払わなくても、将来受け取る年金額は減らない仕組みになっています。これは「育児休業等期間の厚生年金保険料の特例」という制度によるものです。

ポイント:

  • 保険料免除=将来の年金が減る、ではない
  • 育児休業前の標準報酬月額で計算される
  • 休業期間も「被保険者期間」としてカウントされる

Q8. 会社が育児休業の取得を拒否することはできますか?

A. いいえ、法律上、会社は拒否できません

育児休業は労働者の権利として法律(育児・介護休業法)で保障されています。要件を満たしている労働者からの申し出があれば、会社は必ず認めなければなりません。

禁止されている不利益取扱い:

  • 育児休業の申し出・取得を理由とした解雇
  • 降格、減給、不利益な配置転換
  • ボーナスや昇給での不利益な算定
  • 不利益な人事考課

もし会社が取得を妨げたり、不利益な扱いをした場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談しましょう。

Q9. パート・アルバイトでも育児休業は取れますか?

A. はい、雇用保険に加入していれば取得できます

条件:

  • 雇用保険の被保険者であること(週20時間以上勤務など)
  • 有期雇用の場合、上記Q5の条件を満たすこと

労使協定で以下の労働者を除外できる規定がありますが、これは会社が労使協定を締結している場合のみです:

  • 雇用されてから1年未満の労働者
  • 週の所定労働日数が2日以下の労働者

多くのパート・アルバイトの方も育児休業を取得できるので、まずは会社の人事部門に確認してみましょう。

Q10. 双子が生まれた場合、給付金は2倍になりますか?

A. いいえ、給付金額は子どもの人数に関係なく同額です。

育児休業給付金は「休業前賃金の67%」という計算方法で、子どもの人数は考慮されません。双子でも三つ子でも、給付金額は変わりません。

ただし、育児休業の取得期間については、複数の子どもがいる場合でも延長可能です。

なお、育児休業は:

  • 双子それぞれについて取得することはできない
  • 同時に生まれた複数の子について、まとめて1回の育児休業として取得

まとめ:自分に合った制度で安心の育児を

この記事では、育児休業と出生時育児休業(産後パパ育休)の違いについて、7つの観点から詳しく解説してきました。

重要ポイントのおさらい

  1. 目的と期間が違う
    • 出生時育児休業:出産直後の8週間以内に最大4週間
    • 育児休業:子が1歳(最大2歳)まで
  2. 申請期限が違う
    • 出生時育児休業:2週間前
    • 育児休業:1か月前
  3. 就労の扱いが違う
    • 出生時育児休業:条件付きで一部就労可能
    • 育児休業:原則就労不可
  4. 男性は両方取得できる
    • 合計で最大4回まで分割取得可能
    • 柔軟な組み合わせで育児に参加できる
  5. 2025年4月から給付金が拡充
    • 夫婦で14日以上取得すれば、出生後休業支援給付金が上乗せ
    • 最大28日間は手取り約10割を確保できる

あなたの次のアクション

育児休業の取得を検討しているあなたに、今すぐできる3つのアクションを提案します。

ステップ1:会社の制度を確認する

  • 就業規則や社内規定で育児休業の詳細をチェック
  • 人事部門に相談窓口があるか確認
  • 先輩パパ・ママの取得事例を聞いてみる

ステップ2:配偶者と話し合う

  • どちらがいつ休むのか、家族で計画を立てる
  • 収入への影響をシミュレーションしてみる
  • 育児の役割分担を事前に決めておく

ステップ3:上司に早めに相談する

  • 妊娠が分かったら、できるだけ早く報告
  • 取得希望時期と業務の引き継ぎ計画を伝える
  • 正式な申請書を期限内に提出

最後に

育児休業は、あなたとあなたの家族にとってかけがえのない時間を過ごすための制度です。

「会社に迷惑がかかるのでは」
「キャリアに影響するのでは」

そんな不安もあるかもしれません。

しかし、育児休業は法律で保障された権利であり、子どもが生まれる瞬間は人生で一度きりです。この貴重な時期に家族と過ごすことは、仕事では得られない大切な経験となるでしょう。

2025年からは給付金も拡充され、経済的な不安も軽減されました。

自分に合った制度を選び、安心して育児に専念してください。あなたと家族の笑顔のために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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この記事の執筆者情報

監修:社会保険労務士 [名前]
育児・介護休業法の専門家として、企業向けセミナーや個人相談を実施。2025年法改正にも精通し、最新情報を発信中。

執筆:[ライター名]
2児の父として育児休業を2回取得した経験を持つ。実体験に基づいた分かりやすい情報提供を心がけています。

更新履歴

  • 2025年11月4日: 記事を公開
  • 2025年4月1日: 出生後休業支援給付金の情報を追加

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