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出産手当金と出産育児一時金の違い|自分がもらえるお金を5分で確認

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コラム

「出産手当金と出産育児一時金……名前が似すぎていて、何が何だかわからない!」

産休を前に会社の担当者からこの2つの名前を言われて、頭が混乱してしまった方は本当に多いです。安心してください、混乱するのは当然です。名前が似ているし、どちらも”出産のときにもらえるお金”なのだから。

ただ、この2つをしっかり区別しないまま進むと、申請漏れや申請ミスで数十万円の損につながる可能性があります。妊娠中の大切な時期に、そんな余計なストレスは抱えたくないですよね。

この記事では、2つの制度の違いをできるだけシンプルに整理して、「自分はどちらをいくらもらえるのか」「何をすれば申請できるのか」を5分でわかるようにまとめました。

⚠️ この記事の情報は2026年4月時点のものです。制度の詳細や最新情報は、全国健康保険協会(協会けんぽ)または厚生労働省の公式サイトをご確認ください。

結論:2つは「目的がまったく違う別の制度」です

まず、一番大事なことを最初に言います。

出産育児一時金 = 出産にかかる「費用」を補助するお金
出産手当金 = 産休中の「生活費(給料の代わり)」を補填するお金

この2つは、財布のどこから出るか(財源)も違えば、もらえる条件も、金額の決まり方も、申請先もまったく別の制度です。「両方もらえるの?」と疑問に思っている方も多いと思いますが、条件を満たせば両方受け取れます。どちらかしかもらえない、という制度ではありません。

では、それぞれを詳しく見ていきましょう。

1分でわかる比較表

まず全体像をつかむために、2つを並べてみます。

出産育児一時金 出産手当金
目的 出産費用の補助 産休中の収入補填
財源 健康保険 健康保険
もらえる人 健康保険加入者・その扶養家族 健康保険の被保険者本人(勤務者のみ)
専業主婦 ✅ もらえる ❌ もらえない
金額 原則50万円(一律) 給料の約2/3 × 産休日数
支給回数 1回(出産1件ごと) 産休期間中(複数回)
申請先 加入している健康保険(多くは病院経由) 会社経由で健康保険へ
課税 非課税 非課税

一番大きな違いは「専業主婦(夫の扶養に入っている人)でももらえるかどうか」です。出産育児一時金は扶養家族でもOKですが、出産手当金は自分自身が会社の健康保険に加入して働いていた人しかもらえません。

出産育児一時金とは?──誰でももらえる50万円の基礎知識

出産育児一時金は、正常な出産が健康保険の適用外(全額自己負担)になるため、その費用を補助する目的で設けられた制度です。

もらえる人の条件

以下のいずれかに当てはまる人がもらえます。

  • 健康保険(国民健康保険を含む)に加入している本人
  • 健康保険加入者の扶養家族(専業主婦など)

つまり、日本に住んでいてなんらかの健康保険に入っていれば、ほぼ全員がもらえます(妊娠85日=12週以降の出産が対象)。

💡 ポイント:夫の扶養に入っている専業主婦の方も、夫の加入する健康保険から一時金が支給されます。「自分は働いていないから関係ない」と思い込んでいる方がたまにいますが、それは誤解です。必ず申請しましょう。

金額と支払いのタイミング

原則として1子につき50万円(2023年4月以降)。産科医療補償制度の対象外(未加入の施設や妊娠22週未満での出産など)の場合は48万8千円になります。

双子の場合は2人分、つまり100万円が支給されます。

支給タイミングは、直接支払制度を利用している場合は退院時に病院との差額精算という形になるため、現金を手渡しで受け取るわけではありません。

申請方法は「直接支払制度」が基本

ほとんどの病院では「直接支払制度」を採用しています。これは、病院が健康保険に直接お金を請求してくれる仕組みです。

手続きの流れはシンプルです。

  1. 妊娠中に産院で「直接支払制度の利用確認書」にサイン
  2. 出産後、病院が健康保険に直接請求
  3. 出産費用が50万円以上の場合 → 差額を退院時に支払う
  4. 出産費用が50万円未満の場合 → 後日、差額が自分の口座に振り込まれる

「50万円以上かかったから損した」ではなく、「そのまま充当された」という形です。病院の窓口で50万円を準備しなくてよい、という点が大きなメリットです。

申請書の詳しい記入方法や病院での手続きについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

📖 あわせて読みたい:出産育児一時金の申請書と病院手続き完全ガイド2025年版|直接支払制度の利用方法を詳しく解説

出産手当金とは?──産休中の”給料の代わり”

出産手当金は、産休(産前産後休業)中に給料が出なくなる期間の生活を守るための制度です。産休に入った瞬間に無収入になってしまうと、生活が苦しくなりますよね。その期間の収入を補うのがこの制度の目的です。

もらえる人の条件(ここが一番の差別化ポイント)

出産手当金は、次の条件をすべて満たす人が対象です。

  • 健康保険の被保険者本人であること(会社員・公務員など)
  • 産前産後休業中に仕事を休んでいること
  • 休業期間中に給料が出ない(または出産手当金より少ない)こと

ここで注意が必要なのは「被保険者本人」という部分です。夫の扶養に入っている専業主婦は対象外。また、国民健康保険(自営業者が加入するもの)も原則として対象外です。

支給される期間は以下のとおりです。

  • 産前:出産予定日の42日前から(双子など多胎妊娠は98日前から)
  • 産後:出産翌日から56日間

合計で原則98日分(単胎)の手当が支給されます。予定日より遅れて出産した場合は、遅れた日数分も加算されます。

💡 具体例:出産予定日が6月15日だったAさん。実際の出産は6月20日(5日遅れ)でした。この場合、産前42日+遅れた5日間が産前手当の対象となり、産後56日もすべてカバーされます。合計103日分の手当が受け取れます。

金額の計算方法──実際の手取り額は?

出産手当金の計算式はこうなります。

1日あたりの支給額 = 標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3

「標準報酬月額」は、簡単にいえば社会保険料の計算に使われる月給のこと。基本給に残業代や交通費なども含まれます。

月給30万円の場合の計算例:

  • 30万円 ÷ 30日 × 2/3 = 約6,667円/日
  • 98日間(単胎産前産後)の合計:約65万円

月給20万円の場合:

  • 20万円 ÷ 30日 × 2/3 ≈ 4,444円/日
  • 98日間の合計:約43万円

「給料の約2/3」と覚えておくとイメージしやすいです。金額は非課税なので、手元に届く金額がそのまま受け取れます。

申請のタイミングと振込まで

出産手当金は、産後に申請書を会社に提出する形が一般的です。会社が必要事項を記入して健康保険組合に提出し、その後口座に振り込まれます。

産休に入る前に、会社の担当者(人事・総務)に「出産手当金の申請はいつ・どのように行えばいいですか?」と確認しておくと安心です。

振込までの目安や、協会けんぽの振込スケジュールについてはこちらの記事が参考になります。

📖 あわせて読みたい:出産手当金の振込日はいつ?申請から入金までの流れと確認方法を完全解説

「私はどちらをもらえるの?」タイプ別チェック

ここが一番迷うところだと思います。自分のケースに当てはまるものを確認してみてください。

会社員・公務員(正社員・契約社員・パート)の場合

→ 出産育児一時金・出産手当金の両方が対象になる可能性があります。

会社の社会保険(健康保険)に入っていれば、出産育児一時金ももちろん、産休中の出産手当金も受け取れます。

注意が必要なのはパートタイムで働いている方。「パートだからもらえないのでは?」と思いがちですが、会社の健康保険に加入していれば対象です。週20時間以上・月収8.8万円以上などの条件を満たして社会保険に加入しているパートの方は、出産手当金を受け取れます。

逆に、「扶養の範囲内で働いている(夫の健康保険の扶養に入っている)」パートの方は、出産手当金はもらえませんが、出産育児一時金はもらえます。

専業主婦・夫の扶養に入っている場合

→ 出産育児一時金のみもらえます。

夫が会社員や公務員で健康保険に加入していれば、妻(扶養家族)が出産したときも50万円の出産育児一時金が受け取れます。申請は夫の会社経由になります。

出産手当金は、自分自身が会社の健康保険に加入して働いていた場合のみの制度なので、専業主婦には適用されません。

退職を考えている・すでに退職した場合

ここが最も注意が必要なケースです。

出産育児一時金:退職後に国民健康保険や夫の扶養に切り替えれば、引き続きもらえます。

出産手当金:退職後でも受け取れる条件があります。

  • 退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していた
  • 退職日が産前42日以内(多胎なら98日以内)以降であること
  • 退職時に産前産後休業の支給期間内であること

たとえば「産休に入る直前に退職した」という場合、条件によっては出産手当金をもらえる可能性があります。ただし、退職日を1日でも誤ると受給資格がなくなることもあるため、退職を考えている方は必ず会社の担当者か健康保険組合に相談してください。

⚠️ 要注意:「どうせ辞めるし」と思って産休前に退職してしまうと、数十万円の手当を受け取れなくなるケースがあります。退職のタイミングは産休・出産手当金の受給期間を確認してから決めましょう。

自営業・フリーランスの場合

国民健康保険に加入している自営業・フリーランスの方は、原則として出産手当金の対象外です。国民健康保険には出産手当金の制度がないためです。

ただし、国民健康保険組合(文芸美術や医師国保など、特定の職種が加入する組合)によっては独自の給付制度があるケースもあります。加入している保険組合に確認してみましょう。

出産育児一時金は国民健康保険からも支給されるので、こちらは必ずもらえます。

両方もらえるケースとその注意点

会社員として社会保険に加入していて、産前産後休業を取得する方であれば、出産育児一時金(50万円)と出産手当金(産休中の約2/3の収入)の両方を受け取れます。これらは目的が違う別の制度なので、二重取りには当たりません。

2つを合わせると、たとえば月給25万円の方なら以下のような試算になります。

💰 試算例(月給25万円・単胎の場合)

  • 出産育児一時金:50万円(出産費用の補助に充当)
  • 出産手当金:25万円 ÷ 30 × 2/3 × 98日 ≈ 約54万円
  • 合計受取額の目安:約104万円

もちろん、出産育児一時金は出産費用の支払いに充当されるものなので「手元に残るお金」ではありませんが、実質的に出産費用の大部分がカバーされるうえ、産休中の生活費も確保できるというのは大きな安心感につながります。

さらに育児休業を取得する場合は、産後休業(56日)が終わった後に育児休業給付金(雇用保険から支給)が始まります。産休中は健康保険から出産手当金、育休中は雇用保険から育児休業給付金、と財源が切り替わるイメージです。

📖 あわせて読みたい:出産手当金と出産育児一時金は両方もらえる!違いと申請方法を徹底解説

申請で損しないために知っておきたい3つの落とし穴

制度を知っていても、申請でつまずいてしまう方は少なくありません。よくある落とし穴を3つ紹介します。

落とし穴①:「病院が全部やってくれる」と思い込む

出産育児一時金の直接支払制度は確かに病院経由で手続きが進みますが、すべてを病院任せにしていると差額精算の手続きを忘れることがあります。出産費用が50万円を下回った場合は、差額を自分で健康保険に請求しないと受け取れません。退院後3ヶ月以内が申請期限(保険者によって異なります)なので注意が必要です。

落とし穴②:出産手当金の申請を「産後に全部まとめて」しようとする

産後はとにかく体も頭もフル回転です。「退院したら申請しよう」と思っていても、新生児のお世話に追われてすっかり忘れてしまうことはよくあります。産休に入る前に、会社の担当者と「申請タイミングはいつ?必要書類は何?」を確認しておく習慣をつけておきましょう。

落とし穴③:医療費控除の申告で「出産手当金も差し引く」と思い込む

確定申告の医療費控除で、出産育児一時金は医療費から差し引く必要がありますが、出産手当金は差し引かなくてOKです。出産手当金は「医療費の補填」ではなく「給与の代替」なので、医療費控除の計算とは別物です。この違いを知らずに確定申告して、修正申告することになったというケースも実際にあります。

医療費控除と出産育児一時金・出産手当金の関係について詳しくはこちらをどうぞ。

📖 あわせて読みたい:医療費控除で出産育児一時金はどう扱う?計算方法から確定申告の書き方まで

まとめ──今すぐやること3ステップ

最後に、この記事を読んだあとに取るべきアクションを整理します。

✅ ステップ1:自分がどちら(またはどちらも)もらえるか確認する

「自分は会社の健康保険(社会保険)に入っている?」→ YESなら出産手当金も対象。夫の扶養なら出産育児一時金のみ。

✅ ステップ2:産院で直接支払制度の確認をする

ほとんどの産院は対応していますが、念のため確認。「直接支払制度、使えますか?」の一言でOK。

✅ ステップ3:産休前に会社へ出産手当金の申請フローを確認する

「申請書はいつ提出すればいいですか?」「会社に記入してもらう部分がありますか?」を人事・総務に聞いておきましょう。

「出産育児一時金=費用の補助」「出産手当金=産休中の収入補填」──この2つの違いがスッキリ整理できたでしょうか。

妊娠中はただでさえやることが山積みで、お金の手続きは後回しにしたくなりますよね。でも、このあたりをしっかり押さえておくと、産後の不安がぐっと減ります。制度をフルに活用して、出産・育児をできるだけ穏やかに迎えてください。

※ 本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。制度は改正される場合があります。最新の情報は厚生労働省公式サイトまたは加入中の健康保険組合にご確認ください。

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