「育休から復帰したあと、時短勤務ってどうやって申請するの?」「子どもが熱を出したとき、会社を休む権利はある?」そんな疑問を持つパパ・ママに向けて、育児と仕事を両立するための権利・制度を22項目まとめました。
法律で定められた権利(時短勤務・看護休暇等)から、2025年4月に創設された新しい給付金(育児時短就業給付金・出生後休業支援給付金)まで、職場に申し出る前に知っておきたいことをわかりやすく整理しています。「うちの会社では使えるのかな」と思ったら、まずこのページで制度の概要をつかんでみてください。
📋 目次
このページでわかること
- 育休・時短勤務など職場で使える権利の種類と内容
- 子の看護休暇・育児目的休暇など休みを取る権利
- マタハラ・パタハラ防止など職場環境に関する制度
- 育児時短就業給付金など2025年創設の新しい給付
- くるみん認定など企業側の取り組み確認のポイント
働く親向け支援制度 早見表
| 制度名 | 主な対象 | 支援内容 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| パパ・ママ育休プラス | 両親ともに育休を取る家庭 | 育休を子が1歳2か月まで延長可能 | 勤務先・ハローワーク |
| 育児短時間勤務制度 | 3歳未満の子を持つ働く親 | 1日の所定労働時間を6時間に短縮 | 勤務先 |
| 所定外労働の制限 | 3歳未満の子を持つ働く親 | 残業(法定外残業)の免除を請求可 | 勤務先 |
| 時間外労働の制限 | 小学校就学前の子を持つ親 | 時間外労働を月24時間・年150時間以内に | 勤務先 |
| 深夜業の制限 | 小学校就学前の子を持つ親 | 深夜(22〜翌5時)の勤務免除を請求可 | 勤務先 |
| 子の看護等休暇 | 小学校就学前の子を持つ親 | 年5〜10日の看護・予防接種等の休暇 | 勤務先 |
| 育児目的休暇 | 未就学の子を持つ親(企業により異なる) | 行事参加等のための休暇(企業独自) | 勤務先 |
| フレックスタイム制度 | フレックス制度を導入した企業の社員 | 始業・終業時刻を柔軟に選択 | 勤務先 |
| 時差出勤制度 | 子育て中の労働者(企業による) | 通常と異なる時間帯での出退勤 | 勤務先 |
| テレワーク制度 | 在宅勤務可能な職種の労働者 | 自宅等での勤務 | 勤務先 |
| 始業時刻変更等の措置 | 3歳未満の子を持つ親 | 時短以外の育児支援措置(法的義務) | 勤務先 |
| 妊娠中・出産後の健康管理措置 | 妊娠中・産後1年以内の女性労働者 | 通院・休憩・症状への配慮義務 | 勤務先 |
| マタハラ・パタハラ防止措置 | 妊娠・育児に関わるすべての労働者 | ハラスメント防止の雇用管理義務 | 勤務先・都道府県労働局 |
| 不利益取扱い禁止 | 育休・時短等を利用した労働者 | 育休等を理由とした不利益扱いの禁止 | 勤務先・労働局 |
| 両立支援等助成金 | 育児支援に取り組む事業主 | 育休・職場復帰支援に取り組む企業への助成 | 都道府県労働局・ハローワーク |
| 出生時両立支援コース | 産後パパ育休を導入した中小企業 | 男性育休取得促進への助成金 | 都道府県労働局 |
| 育児休業等支援コース | 育休取得・職場復帰を支援する企業 | 育休取得・復帰への取り組みへの助成金 | 都道府県労働局 |
| 育休中等業務代替支援コース | 育休中の業務代替に取り組む企業 | 代替要員の確保・手当支給への助成金 | 都道府県労働局 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 柔軟な働き方制度を導入する企業 | 時短・テレワーク等導入への助成金 | 都道府県労働局 |
| くるみん認定 | 子育て支援に積極的な企業 | 子育てサポート企業の認定マーク | 都道府県労働局 |
| プラチナくるみん認定 | くるみん認定を取得した高水準の企業 | 高水準の子育て支援企業の認定 | 都道府県労働局 |
| 育児時短就業給付金 | 育児のため時短就業中の労働者 | 時短中の賃金の10%を給付(2025年4月〜) | 勤務先・ハローワーク |
※ 内容・要件は年度・勤務先によって異なります。申請前に必ず勤務先・ハローワーク等で最新情報をご確認ください。
パパ・ママ育休プラス
両親ともに育休を取ることで、育休を取得できる期間が子どもが1歳2か月になるまで延長できる制度です。ふたりで交代しながら育児できるのが大きなメリットです。
1. どんな制度か
育児・介護休業法に基づく制度で、父母ともに育児休業を取得する場合、子どもが1歳になるまでの育休が1歳2か月まで延長されます。それぞれの取得期間は最長1年のままですが、交代して取ることで合計2か月間長く育休を利用できます。
2. 対象になる人
- 育児休業を取得するパパとママ双方
- 子どもが1歳になる前にパパ(または後から取る側)が育休を開始すること
- 雇用保険に加入している労働者(一定の要件あり)
3. 受けられる支援内容
| 通常の育休 | 子どもが1歳になるまで |
|---|---|
| パパ・ママ育休プラス適用時 | 子どもが1歳2か月になるまで(各自最長1年) |
育休中は育児休業給付金(雇用保険から)を受け取れます。
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先に育休取得の申し出をおこなう
- パパ・ママ育休プラスを適用する旨を伝える
- 勤務先がハローワークに育児休業給付金の申請をおこなう
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の育休申請書類
- 出生証明書・住民票等(子の存在を証明するもの)
6. 注意点
- 両親がともに育休を取ることが要件です。どちらか一方だけでは適用されません。
- 育休期間が延長されても、育休給付金の受給期間は変わりません(原則1歳まで)。
- 1歳以降の延長(保育所入所不可等)については別の手続きが必要です。
育児短時間勤務制度
3歳未満の子どもを育てながら働く親が、1日の所定労働時間を6時間に短縮できる権利です。「時短勤務」として広く知られています。
1. どんな制度か
育児・介護休業法に基づき、3歳未満の子どもを育てている労働者が申請することで、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮できる制度です。会社側は制度を設けることが義務付けられています。
2. 対象になる人
- 3歳未満の子どもを育てている労働者(正社員・一定の要件を満たすパート等)
- 日々雇用者・労使協定で対象外とされている場合は除く
3. 受けられる支援内容
| 短縮後の所定労働時間 | 原則1日6時間(企業によっては複数の選択肢あり) |
|---|---|
| 給与 | 短縮した時間分の給与は減少(会社の制度による) |
| 社会保険 | 原則加入継続(一定以下の場合は要確認) |
※ 2025年4月からは「育児時短就業給付金」により、時短中の賃金の10%程度が給付される制度が始まりました(別掲参照)。
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先の人事・総務部門に時短勤務の申請書を提出する
- 開始日・終了予定日を確認する
- 時短勤務を開始する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の時短勤務申請書
- 子どもの生年月日を確認できる書類(住民票・母子健康手帳等)
6. 注意点
- 子どもが3歳を超えると権利がなくなりますが、企業独自の制度で延長している場合もあります。勤務先に確認を。
- 時短勤務中は給与が減少するため、家計への影響を事前にシミュレーションしておきましょう。
- 育児時短就業給付金の申請も合わせて確認してください。
所定外労働の制限
3歳未満の子どもを持つ親は、残業(所定外労働)をしないよう会社に申し出ることができます。
1. どんな制度か
育児・介護休業法に基づき、3歳未満の子どもを育てている労働者が請求した場合、事業主は所定外労働(法定労働時間を超えない残業)をさせてはならないとされています。
2. 対象になる人
- 3歳未満の子どもを育てている労働者
- 日々雇用者・労使協定で除外される場合あり
3. 受けられる支援内容
- 所定外労働(法定内残業)の免除を会社に請求できる
- 請求した場合、会社は所定外労働をさせてはならない
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先の人事・上司に所定外労働の制限を申請する
- 開始日・終了予定日を書面で提出する(事前に1か月前までが目安)
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書(または書面)
- 子どもの生年月日を確認できる書類
6. 注意点
- 「時間外労働の制限(法定外残業の上限規制)」とは別の制度です。
- 請求には事業主への事前の申し出が必要です。突然の申し出では対応できない場合があります。
時間外労働の制限
小学校就学前の子どもを持つ親は、時間外労働(残業)を月24時間・年150時間以内に抑えるよう会社に請求できます。
1. どんな制度か
育児・介護休業法に基づき、小学校就学前の子どもを育てている労働者が請求した場合、時間外労働を月24時間・年150時間以内にするよう事業主に義務付ける制度です。
2. 対象になる人
- 小学校就学前の子どもを育てている労働者
- 日々雇用者・労使協定で除外される場合あり
3. 受けられる支援内容
| 時間外労働の上限(請求時) | 月24時間以内・年150時間以内 |
|---|
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先に書面で時間外労働の制限を請求する(開始日の1か月前までが目安)
- 制限を受けながら就労する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書
- 子どもの生年月日を確認できる書類
6. 注意点
- 請求期間は1か月以上1年以内で設定します。
- 所定外労働の制限とは別の制度です。必要に応じて両方を活用できます。
深夜業の制限
小学校就学前の子どもを持つ親は、深夜(午後10時〜午前5時)の勤務免除を会社に申し出ることができます。
1. どんな制度か
育児・介護休業法に基づき、小学校就学前の子どもを育てている労働者が請求した場合、深夜業(22時〜翌5時)をさせてはならないとされています。
2. 対象になる人
- 小学校就学前の子どもを育てている労働者
- 同居の家族が保育できる場合など、一部除外されることがあります(要確認)
3. 受けられる支援内容
- 深夜業(22時〜翌5時)の免除を請求できる
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先に書面で深夜業の制限を請求する(開始日の1か月前までが目安)
- 制限を受けながら就労する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書
- 子どもの生年月日を確認できる書類
6. 注意点
- 勤務形態によっては一部対象外になる場合があります。勤務先に確認を。
- 請求期間は1か月以上6か月以内で設定します。
子の看護等休暇
子どもが病気やけがをしたとき、予防接種・健康診断のために休める権利です。年5日(子どもが2人以上は10日)取得できます。
1. どんな制度か
育児・介護休業法に基づき、小学校就学前の子どもを育てる労働者が、子どもの病気・けがの看護や予防接種・健康診断のために年5日(子どもが2人以上は年10日)休暇を取得できる制度です。2025年4月から対象が小学3年生修了まで拡大されました。
2. 対象になる人
- 小学校就学前(2025年4月以降は小学3年生修了まで)の子どもを育てる労働者
- 日々雇用者・労使協定で除外される場合あり
3. 受けられる支援内容
| 取得日数 | 子1人:年5日 / 子2人以上:年10日 |
|---|---|
| 対象事由 | 病気・けがの看護、予防接種・健康診断の付き添い等 |
| 有給・無給 | 法律上は無給でよいが、有給にしている企業も多い |
| 取得単位 | 1日または半日・時間単位(企業による) |
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先の人事・上司に取得の申し出をする
- 取得理由・日数を伝える(書面が求められる場合あり)
- 休暇を取得する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書(企業によって)
- 証明書類の提出が求められる場合あり(病院の診断書等)
6. 注意点
- 2025年4月から対象が小学3年生修了まで拡大。勤務先に最新の対象範囲を確認してください。
- 有給か無給かは企業によって異なります。事前に就業規則を確認しておきましょう。
- 子どもの人数は、複数の子どもを育てている場合合算して最大10日です。
育児目的休暇
学校行事・七五三・誕生日など、育児のための休みを取れるようにする企業独自の制度です。法律上の義務ではなく、企業が任意で設ける制度です。
1. どんな制度か
法律上は義務付けられていないものの、子どもの学校行事・誕生日・育児に関する行事等のために休暇を付与する企業独自の制度です。くるみん認定の取得要件に含まれる場合もあります。
2. 対象になる人
- 育児目的休暇制度を導入している企業の従業員
- 対象範囲・日数は企業によって異なる
3. 受けられる支援内容
- 育児関連行事のための有給または無給の休暇(日数・内容は企業による)
4. 申請・利用の流れ
- 就業規則・福利厚生制度を確認する
- 上司・人事に申し出て取得する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書(企業によって)
6. 注意点
- 法律上の義務ではないため、制度がない企業もあります。就業規則を確認してください。
- 子の看護等休暇と使い分けるとより柔軟に対応できます。
フレックスタイム制度
あらかじめ決めた総労働時間の範囲で、始業・終業の時刻を自分で決められる制度です。保育所の送迎などに活用できます。
1. どんな制度か
清算期間(1か月〜3か月)の総労働時間を守る範囲で、日々の始業・終業時刻を労働者が自分で決められる制度です。労使協定の締結が必要で、すべての企業に設けられているわけではありません。
2. 対象になる人
- フレックスタイム制度を導入している企業の従業員
3. 受けられる支援内容
- コアタイム(必ず就業する時間帯)以外は自由に始業・終業時刻を設定できる
- 子どもの送迎・病院付き添いに合わせた勤務スケジュールが組みやすい
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先にフレックスタイム制度の有無を確認する
- 申請書・シフト計画を提出して利用する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書
6. 注意点
- すべての企業にある制度ではありません。就業規則・労使協定を確認してください。
- コアタイムが設けられている場合、その時間帯は必ず就業する必要があります。
時差出勤制度
通常とは異なる時間帯で出退勤できる制度です。保育所の送り迎えや通勤ラッシュの回避に使えます。
1. どんな制度か
通常の始業・終業時刻とは異なる時間帯で勤務できるよう企業が設ける制度です。所定労働時間は変わらず、出勤・退勤の時間をずらすことができます。
2. 対象になる人
- 時差出勤制度を導入している企業の従業員
- 子育て中の従業員を特に対象とするケースが多い
3. 受けられる支援内容
- 通常より早い・遅い時間帯での出退勤(総労働時間は変わらない)
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先の人事・上司に申し出る
- 利用する時間帯・期間を確認して申請する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書
6. 注意点
- 制度の有無・利用条件は企業によって異なります。
- 育児・介護休業法では3歳未満の子どもを持つ労働者に「始業時刻変更等の措置」を講じることが義務付けられています(別掲参照)。
テレワーク制度
自宅や勤務先以外の場所で働ける制度です。通勤時間の削減や保育所送迎との両立に活用できます。
1. どんな制度か
情報通信技術を活用して、自宅・サテライトオフィス等で働く勤務形態です。在宅勤務とも呼ばれます。育児・介護との両立手段として多くの企業が取り入れています。
2. 対象になる人
- テレワーク制度を導入している企業の従業員
- 在宅での業務が可能な職種・業務内容に限られることが多い
3. 受けられる支援内容
- 自宅等での勤務(通勤時間の削減・送迎との両立)
- 企業によっては交通費・通信費の支給あり
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先のテレワーク制度の有無・条件を確認する
- 申請書を提出して利用する
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書
- 通信環境・PC等(企業が貸与する場合も)
6. 注意点
- すべての企業・職種で利用できるわけではありません。
- テレワーク中も勤務時間の管理・報告が必要です。
始業時刻変更等の措置
3歳未満の子どもを育てる親に対して、時短勤務以外の育児支援措置を講じることが会社に義務付けられています。フレックス・時差出勤・テレワーク等が含まれます。
1. どんな制度か
育児・介護休業法に基づき、3歳未満の子どもを育てる労働者に対して、事業主は短時間勤務制度(時短)に加え、「フレックスタイム制度」「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤)」「保育所等の施設の提供」「育児休業に関する制度に準ずる措置」のいずれかを講じることが義務付けられています。
2. 対象になる人
- 3歳未満の子どもを育てている労働者
3. 受けられる支援内容
- 事業主が選択する措置(フレックス・時差出勤・保育施設・育休準ずる措置のいずれか)
4. 申請・利用の流れ
- 勤務先にどのような措置が用意されているか確認する
- 利用したい措置の申請をする
5. 必要になりやすいもの
- 勤務先所定の申請書
- 子どもの生年月日を確認できる書類
6. 注意点
- 会社が用意する措置の種類によって利用できる内容が変わります。まず就業規則・人事部門に確認を。
妊娠中・出産後の健康管理措置
妊婦や出産後1年以内の女性が、仕事中の体調管理や健康診査のための時間を確保できるよう会社に配慮を求める権利です。
1. どんな制度か
男女雇用機会均等法に基づき、妊娠中・出産後1年以内の女性労働者が健康診査や医師の指導を受けるために必要な時間を確保したり、医師等から指導を受けた場合に事業主が必要な措置(休憩の延長・勤務時間の短縮・休業等)を講じることが義務付けられています。
2. 対象になる人
- 妊娠中の女性労働者
- 出産後1年以内の女性労働者
3. 受けられる支援内容
- 妊婦健診のための通院時間の確保(有給・無給は企業による)
- 医師・助産師から指導を受けた事項に応じた措置(休憩時間の延長・勤務時間短縮・作業の転換・休業等)
4. 申請・利用の流れ
- 医師・助産師から母性健康管理指導事項連絡カードを受け取る
- 勤務先に連絡カードを提出して措置を求める
- 会社が適切な措置を講じる
5. 必要になりやすいもの
- 母性健康管理指導事項連絡カード(医師から受け取る)
- 母子健康手帳
6. 注意点
- 通院時間の有給・無給の扱いは企業によって異なります。就業規則を確認してください。
- 医師から指導事項が出た場合は、連絡カードを会社に提出することが措置を受けるうえで重要です。
マタハラ・パタハラ防止措置
妊娠・出産・育児を理由とした職場でのハラスメントを防止するよう、会社に義務付けられている制度です。被害を受けたときは相談窓口を活用できます。
1. どんな制度か
男女雇用機会均等法・育児・介護休業法に基づき、妊娠・出産・育休取得等を理由とした嫌がらせ(マタニティハラスメント・パタニティハラスメント)を防止するために、事業主が相談窓口の設置・周知・対応をおこなうことが義務付けられています。
2. 対象になる人
- 妊娠・出産・育児に関連するすべての労働者(正社員・パート・派遣等)
3. 受けられる支援内容
- 社内相談窓口への相談
- 外部相談窓口(都道府県労働局・労働基準監督署等)への相談
- 会社による適切な対応(行為者への指導・被害者へのフォロー等)
4. 申請・利用の流れ
- 社内の相談窓口(ハラスメント相談担当・人事部門等)に相談する
- 社内で解決しない場合は都道府県労働局・労働基準監督署に相談する
- 必要に応じてあっせん・調停を求める
5. 必要になりやすいもの
- ハラスメントの記録(日時・内容・発言者等のメモ)
6. 注意点
- ハラスメントを受けた場合は、一人で抱え込まず早めに相談してください。
- 都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」は無料で利用できます。
- 証拠(メモ・メール・録音等)を残しておくと相談時に役立ちます。
不利益取扱い禁止
育休・時短勤務・産休などを取得したことを理由に、解雇・降格・減給などの不利益な扱いをされることは法律で禁止されています。
1. どんな制度か
育児・介護休業法・男女雇用機会均等法に基づき、妊娠・出産・育休取得等を理由とした解雇・降格・減給・契約更新拒否等の不利益取扱いは、事業主に対して禁止されています。
2. 対象になる人
- 妊娠・出産・産休・育休・時短勤務等を利用したすべての労働者
3. 受けられる支援内容
- 不利益取扱いに対する法的保護
- 行政機関(労働局・労働基準監督署等)への相談・申告
- 行政による指導・勧告・公表
4. 申請・利用の流れ
- 不利益な取り扱いを受けた場合、記録を残す
- 社内の相談窓口または都道府県労働局に相談する
- 必要に応じてあっせん・法的対応を検討する
5. 必要になりやすいもの
- 不利益取扱いの記録(辞令・メール・メモ等)
- 育休等を取得したことを示す書類
6. 注意点
- 不利益取扱いを受けたと思ったら、一人で判断せず労働局や社会保険労務士等に相談してください。
- 妊娠・育休を理由とした解雇は法律上無効です。
両立支援等助成金
育児と仕事の両立支援に積極的に取り組む企業に対して、国が助成金を支給する制度です。企業側の取り組みを後押しすることで、働く親の環境整備につながります。
1. どんな制度か
厚生労働省が実施する助成金制度で、育休取得・職場復帰支援・業務代替・柔軟な働き方制度の導入など、育児と仕事の両立に向けた取り組みをおこなう事業主に対して助成金を支給します。
2. 対象になる人
- 助成金の各コース要件を満たす事業主(企業・団体等)
3. 受けられる支援内容
- 出生時両立支援コース・育児休業等支援コース・育休中等業務代替支援コース・柔軟な働き方選択制度等支援コースなど複数のコースに応じた助成金
4. 申請・利用の流れ
- 事業主が対象コースの要件を確認する
- 必要な取り組みを実施する
- 都道府県労働局またはハローワークに申請書を提出する
- 審査後に助成金を受け取る
5. 必要になりやすいもの
- 各コースの申請書類(厚生労働省ホームページに様式あり)
- 就業規則・育休取得記録等
6. 注意点
- 助成金は企業(事業主)向けの制度です。従業員が直接申請するものではありません。
- コースごとに申請期限・要件が異なります。詳細は厚生労働省ホームページまたは労働局に確認してください。
出生時両立支援コース
男性従業員が産後パパ育休(出生時育児休業)を取得しやすい職場環境を整備した企業に支給される助成金のコースです。
1. どんな制度か
両立支援等助成金のコースの一つで、男性労働者が産後パパ育休(出生時育児休業)や育児休業を取得しやすい雇用環境を整備し、実際に取得させた中小企業に助成金を支給する制度です。
2. 対象になる人
- 中小企業の事業主
- 男性労働者が産後パパ育休・育休を取得したこと等の要件あり
3. 受けられる支援内容
- 第1種:男性育休取得率に応じた助成(20万〜125万円程度・要件による)
- 第2種:取得率向上の達成に応じた追加助成
4. 申請・利用の流れ
- 雇用環境整備の措置を実施する
- 対象の男性労働者が産後パパ育休・育休を取得する
- 都道府県労働局に申請する
5. 必要になりやすいもの
- 育休取得を示す書類・就業規則・申請書
6. 注意点
- 助成金は事業主向けです。取得の条件・金額は毎年改定されます。最新情報を労働局・厚生労働省ホームページで確認してください。
育児休業等支援コース
育休取得と職場復帰を支援する取り組みをおこなった企業に助成金が支給されるコースです。中小企業が対象です。
1. どんな制度か
両立支援等助成金のコースの一つで、「育休復帰支援プラン」を作成・実施して育休取得・職場復帰を支援した中小企業に助成金を支給する制度です。
2. 対象になる人
- 中小企業の事業主
- 育休復帰支援プランを策定し、労働者が育休・職場復帰した場合等
3. 受けられる支援内容
- 育休取得時・職場復帰時に各30万円程度の助成(要件・コースによる)
4. 申請・利用の流れ
- 育休復帰支援プランを策定する
- 対象の労働者が育休を取得・復帰する
- 都道府県労働局に申請する
5. 必要になりやすいもの
- 育休復帰支援プラン・申請書類
6. 注意点
- 事業主向けの助成金です。要件は毎年改定されます。
育休中等業務代替支援コース
育休取得中の社員の業務を他の社員がカバーする体制を整えた企業に助成金が出るコースです。職場の負担軽減と育休取得促進を両立する取り組みを後押しします。
1. どんな制度か
両立支援等助成金のコースの一つで、育休取得者の業務を代替する労働者に手当等を支給したり、代替要員を確保した中小企業に助成金を支給する制度です。
2. 対象になる人
- 中小企業の事業主
- 育休取得者の業務代替措置を実施した企業
3. 受けられる支援内容
- 業務代替者への手当支給・新規雇用に応じた助成(金額・要件はコースによる)
4. 申請・利用の流れ
- 業務代替の措置を実施する
- 都道府県労働局に申請する
5. 必要になりやすいもの
- 業務代替の実績を示す書類・申請書類
6. 注意点
- 事業主向けの助成金です。
柔軟な働き方選択制度等支援コース
育休後の社員が時短・テレワーク・フレックス等の柔軟な働き方を選べるよう整備した企業に助成金が出るコースです。
1. どんな制度か
両立支援等助成金のコースの一つで、育児のために柔軟な働き方(時短・フレックス・テレワーク等)を選択できる制度を整備し、利用した労働者がいた中小企業に助成金を支給する制度です。
2. 対象になる人
- 中小企業の事業主
- 2種類以上の柔軟な働き方制度を整備・実施した企業
3. 受けられる支援内容
- 制度整備・利用実績に応じた助成(金額・要件はコースによる)
4. 申請・利用の流れ
- 対象となる制度を整備する
- 対象の労働者が利用する
- 都道府県労働局に申請する
5. 必要になりやすいもの
- 就業規則・制度利用実績を示す書類・申請書
6. 注意点
- 事業主向けの助成金です。要件は改定されることがあります。
くるみん認定
子育て支援に積極的に取り組む企業に国が与えるマークです。就職・転職活動の際に職場環境を見極める参考になります。
1. どんな制度か
次世代育成支援対策推進法に基づき、子育て支援のための行動計画を作成・実施し、一定の要件を満たした企業を「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する制度です。認定企業は「くるみんマーク」を名刺・ホームページ等に使用できます。
2. 対象になる人
- 行動計画を策定・実施した企業(規模に関わらず申請可能)
3. 受けられる支援内容(企業が得られるメリット)
- くるみんマークの使用権(採用・ブランドイメージ向上)
- 税制優遇(一定の法人税控除)
- 公共調達での加点
4. 申請・利用の流れ(企業向け)
- 一般事業主行動計画を策定・公表する
- 行動計画の達成状況を確認する
- 都道府県労働局に認定申請する
- 認定通知を受けてマークを使用する
5. 必要になりやすいもの(企業向け)
- 一般事業主行動計画・取り組み実績を示す書類
6. 注意点
- くるみん認定の有無は、求職者が職場環境を比較するひとつの指標になります。就職活動中の方は企業のホームページや厚生労働省の「くるみん認定・プラチナくるみん認定企業一覧」で確認できます。
プラチナくるみん認定
くるみん認定を受けた企業のなかで、さらに高い水準の子育て支援をおこなっていると認められた企業に与えられる上位の認定です。
1. どんな制度か
くるみん認定を取得済みの企業のうち、さらに高い水準の子育て支援(男性の育休取得率等)を達成した企業を「プラチナくるみん」として認定する制度です。
2. 対象になる人
- くるみん認定を取得済みで、さらに高い基準を満たした企業
3. 受けられる支援内容(企業側)
- プラチナくるみんマークの使用権
- 税制上のさらなる優遇・公共調達での加点
4. 申請・利用の流れ(企業向け)
- くるみん認定を取得する
- プラチナ基準(男性育休取得率等)を達成する
- 都道府県労働局に申請する
5. 必要になりやすいもの
- くるみん認定書・実績を示す書類
6. 注意点
- プラチナくるみん認定企業は、厚生労働省ホームページで確認できます。就職・転職活動の参考にしてください。
育児時短就業給付金
育児のために時短勤務をしている働く親に、時短中の賃金減少分を一部補填してくれる新しい給付金です。2025年4月から始まりました。
1. どんな制度か
2025年4月に創設された新制度で、2歳未満の子どもを養育するために時短勤務をしている雇用保険加入者に対して、時短中の賃金額の10%相当が雇用保険から給付されます。育休から職場復帰後に時短勤務をする方が主な対象です。
2. 対象になる人
- 2歳未満の子どもを養育するために時短勤務をしている雇用保険加入者
- 育児休業を取得した後、時短勤務に移行した人
- 一定の要件(時短勤務開始前の賃金比較等)を満たすこと
3. 受けられる支援内容
| 給付額(目安) | 時短中の賃金額の10%相当 |
|---|---|
| 支給期間 | 時短勤務期間中(子どもが2歳になるまで) |
| 申請方法 | 勤務先を通じてハローワークに申請 |
※ 2025年4月創設の制度です。詳細な要件・手続き方法は厚生労働省・ハローワークの最新情報を確認してください。
4. 申請・利用の流れ
- 時短勤務を開始する
- 勤務先の人事・総務部門に給付金の申請を依頼する
- 勤務先がハローワークに支給申請をおこなう
- 給付金を受け取る(2か月ごとの支給が目安)
5. 必要になりやすいもの
- 雇用保険被保険者証
- 時短勤務の確認書類(勤務先が準備)
- 振込先口座
6. 注意点
- 2025年4月創設の新制度のため、制度の詳細・要件は今後変更される可能性があります。勤務先・ハローワークで最新情報を確認してください。
- 申請は勤務先経由でおこないます。まず人事・総務部門に確認してください。
- 育児休業給付金との重複受給はできません。
まとめ
このページでは、育児と仕事を両立するための制度を22項目にわたって紹介しました。
- 時短勤務・残業免除・看護休暇は法律で定められた権利です。子どもの年齢・状況に応じて積極的に活用してください。
- 2025年4月に創設された育児時短就業給付金は、時短勤務中の収入減を一部補填します。勤務先の人事・総務に相談して、申請漏れがないか確認を。
- パパ育休(産後パパ育休・パパ・ママ育休プラス)を使うと、育休期間を最大限活用できます。出産前に夫婦でスケジュールを確認しておきましょう。
- マタハラ・パタハラや不利益取扱いを受けた場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーに無料で相談できます。一人で抱え込まないでください。
- 就職・転職の際はくるみん認定・プラチナくるみん認定の取得状況を確認することで、子育て支援に積極的な企業を見分けるヒントになります。
まず確認したい窓口
- 勤務先の人事・総務部門(時短・育休・看護休暇等の申請・育児時短就業給付金の手続き)
- ハローワーク(育児時短就業給付金・育児休業給付金の確認)
- 都道府県労働局・総合労働相談コーナー(マタハラ・パタハラ・不利益取扱いの相談)
- 労働基準監督署(労働条件・休業制度に関する相談)
- 住んでいる市区町村の子育て支援課(保育所・子育て支援サービスとの組み合わせ相談)
- 社会保険労務士(制度の詳細・職場でのトラブル相談)
※ 制度の内容・金額・申請期限・対象条件は、勤務先・年度によって変わる場合があります。このページは2025年時点の情報をもとに作成していますが、実際に申請する際は必ず勤務先・ハローワーク・厚生労働省の公式サイトで最新情報をご確認ください。本ページは制度の概要を把握するための参考情報であり、個別の申請・法的判断に関するアドバイスを保証するものではありません。
