「育児に行き詰まりを感じている」「子どもへの接し方がわからなくなってきた」「パートナーからの暴力がつらい」そんな状況にある家庭に向けて、相談・支援・保護に関する制度を24項目まとめました。
一人で抱え込まないでください。育児の悩みから、虐待・DV・ヤングケアラーの問題まで、様々な場面で相談できる窓口・支援機関があります。「自分が使っていいのかな」と思う必要はありません。まずは全体像を確認してみてください。
📋 目次
このページでわかること
- こども家庭センター・児童相談所など主要な相談窓口の役割の違い
- 虐待・DV・ヤングケアラーなど緊急時の相談先と対応
- ペアレントトレーニング・家庭訪問など育児を支える支援の種類
- 里親・特別養子縁組・母子生活支援施設など家庭に困難がある場合の制度
- 各窓口への相談の流れと、まず何をすればよいか
相談・虐待防止・家庭支援制度 早見表
| 制度名 | 主な対象 | 支援内容 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| こども家庭センター | 子育て家庭全般・妊産婦 | 妊産婦〜18歳未満の子どもに関する総合相談・支援 | 市区町村 |
| 子育て世代包括支援センター | 妊産婦・子育て家庭 | 妊娠〜子育ての切れ目ない相談・支援 | 市区町村・保健センター |
| 子ども家庭総合支援拠点 | 支援が必要な子ども・家庭 | 困難を抱える家庭への相談・支援・連携 | 市区町村 |
| 児童相談所 | 18歳未満の子どもとその保護者 | 総合相談・虐待対応・一時保護・措置 | 都道府県・政令市 |
| 児童相談所虐待対応ダイヤル189 | 虐待が疑われる場面に遭遇した人・当事者 | 24時間の虐待相談・通告受付 | 電話:189 |
| 子育て相談 | 子育て家庭全般 | 育児・発達・生活に関する相談 | 市区町村・保健センター |
| 育児相談 | 乳幼児を育てる保護者 | 育児に関する専門家への相談 | 市区町村・保健センター・産院 |
| 教育相談 | 不登校・学校トラブルの子どもの保護者 | 学習・学校生活に関する相談 | 市区町村・教育委員会 |
| 家庭児童相談 | 子どもの養育に困難がある家庭 | 家庭環境・養育に関する個別相談 | 市区町村・福祉事務所 |
| 女性相談 | 困難を抱えた女性 | 生活・DV・性暴力等に関する相談・支援 | 都道府県・女性相談センター |
| DV相談 | DVを受けている・受けた人 | 緊急保護・相談・避難支援 | 配偶者暴力相談支援センター・警察 |
| ヤングケアラー相談 | 家族の世話をしている子ども・その保護者 | ヤングケアラーへの相談・支援 | 市区町村・学校・支援機関 |
| ひきこもり相談 | ひきこもりの本人・家族 | ひきこもりに関する相談・支援 | 市区町村・ひきこもり地域支援センター |
| 親子関係形成支援 | 育児に困難を感じる保護者 | 子どもとの関わり方を学ぶプログラム | 市区町村 |
| ペアレントトレーニング | 育児に困難を感じる保護者・発達障害のある子の親 | 子どもへの対応スキルを学ぶ講座 | 市区町村・発達支援センター等 |
| 家庭訪問型子育て支援 | 孤立・困難を抱える子育て家庭 | 訪問スタッフによる家事・育児支援 | 市区町村 |
| 養育支援訪問事業 | 育児困難・孤立した妊産婦・子育て家庭 | 保健師・助産師等による家庭訪問支援 | 市区町村 |
| 要保護児童対策地域協議会 | 虐待・支援が必要な子ども・家庭 | 関係機関の連携・見守り・支援調整 | 市区町村(事務局) |
| 児童家庭支援センター | 子ども・家庭全般 | 相談・在宅支援・施設との連携 | 児童養護施設等に附設 |
| 児童養護施設 | 家庭での養育が困難な子ども | 施設での生活・学習・自立支援 | 児童相談所 |
| 里親制度 | 家庭養育が困難な子ども・里親希望者 | 里親家庭での養育 | 児童相談所・都道府県 |
| 特別養子縁組制度 | 実親による養育が困難な子ども・養親希望者 | 法的な親子関係の成立 | 家庭裁判所・児童相談所 |
| 母子生活支援施設 | 生活困難なひとり親家庭(母子) | 施設での安全な生活・自立支援 | 市区町村・福祉事務所 |
| 自立援助ホーム | 義務教育終了後の就労を目指す若者 | 共同生活での支援・就労援助 | 児童相談所・都道府県 |
※ 支援内容・窓口は自治体によって異なる場合があります。まず市区町村または各相談窓口に問い合わせてください。
こども家庭センター
2024年4月から整備が進む、妊娠期から18歳までの子育て家庭を丸ごと支える新しい相談・支援の拠点です。これまで別々だった「子育て世代包括支援センター」と「子ども家庭総合支援拠点」が一体化されたものです。
1. どんな制度か
2022年の改正児童福祉法に基づき、2024年4月から各市区町村での整備が進む機能統合型の相談拠点です。妊産婦から18歳未満の子どもまで、あらゆる相談に対応し、支援の計画を立てたり関係機関につないだりします。
2. 対象になる人
- 妊産婦・子育て家庭全般(0〜18歳未満の子どもがいる家庭)
- 特に困難を抱えている家庭・虐待リスクのある家庭
3. 受けられる支援内容
- 妊産婦・子育てに関する総合的な相談受付
- 支援ニーズの把握・サポートプランの作成
- 必要な支援機関・サービスへのつなぎ
- 継続的な見守り・フォロー
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村のこども家庭センター(または子育て支援課)に電話・来所で相談する
- 状況を伝えて必要な支援を確認する
- サポートプランをもとに各支援を受ける
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要(まず相談から)
- 母子健康手帳(妊産婦の場合)
6. 注意点
- 2024年4月からの整備が進行中のため、自治体によって体制が異なります。「まだ整備されていない」場合は従来の子育て世代包括支援センターや子ども家庭総合支援拠点が窓口になります。
- 軽い相談から深刻な問題まで、幅広く受け付けています。遠慮せず相談してください。
子育て世代包括支援センター
妊娠届の時から産後・子育て期まで、切れ目なく相談・支援をしてくれる窓口です。「まず最初に行く場所」として覚えておいてください。
1. どんな制度か
妊娠届出から子育て期にかけて、保健師・助産師・社会福祉士等が相談に応じ、必要な支援機関につなぐ総合的な窓口です。母子保健法に基づき市区町村が設置(こども家庭センターへの移行が進んでいます)。
2. 対象になる人
- 妊産婦・乳幼児を育てている家庭全般
3. 受けられる支援内容
- 妊娠・出産・育児に関する相談対応
- 支援プランの作成
- 医療・保健・福祉・保育等の機関へのつなぎ
4. 申請・利用の流れ
- 妊娠届出時または保健センターへの来所・電話で相談する
- 担当者が状況を確認して必要な支援を調整する
5. 必要になりやすいもの
- 母子健康手帳
- 本人確認書類
6. 注意点
- こども家庭センターへの統合が進んでいるため、窓口名称が自治体によって異なります。
- 「何を相談すればいいかわからない」状態でも受け付けています。気軽に連絡を。
子ども家庭総合支援拠点
虐待リスクや養育困難など、支援が必要な家庭に専門スタッフが寄り添う拠点です。こども家庭センターへの統合が進んでいます。
1. どんな制度か
すべての子育て家庭を対象としながら、特に支援が必要な家庭(虐待リスク・養育困難・社会的孤立等)に対して、専門的な相談・支援をおこなう市区町村の機能です。こども家庭センターへの統合が進行中です。
2. 対象になる人
- 養育に困難を抱えているすべての子育て家庭
- 虐待リスクが懸念される家庭
- 在宅での継続的な支援が必要な家庭
3. 受けられる支援内容
- 専門スタッフによる相談・アセスメント
- 支援計画の作成と実行支援
- 関係機関(学校・保育所・医療機関等)との連携・調整
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の窓口(または保健センター)に相談する
- 担当者が家庭の状況をアセスメントする
- 支援計画をもとに継続的な支援を受ける
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- こども家庭センターへの統合が進行中です。窓口の名称・体制は市区町村に確認してください。
児童相談所
子どもに関するあらゆる問題を扱う専門機関です。虐待・障害・非行・家庭環境など、深刻な問題への対応が中心ですが、育児の悩み相談も受け付けています。
1. どんな制度か
都道府県・政令市が設置する児童福祉の専門機関です。18歳未満の子どもに関する相談・調査・判定・一時保護・施設入所・里親委託などを担います。虐待の通報・対応が社会的に最も知られた機能です。
2. 対象になる人
- 18歳未満の子どもとその保護者・関係者
- 虐待・障害・非行・家庭環境の問題がある家庭
3. 受けられる支援内容
- 相談・調査・判定(心理士・福祉司等が担当)
- 一時保護(子どもを安全な場所に緊急保護)
- 施設入所・里親委託の措置
- 療育手帳の判定
4. 申請・利用の流れ
- 最寄りの児童相談所に電話・来所・オンラインで相談する
- 専門スタッフが状況を確認して必要な支援を判断する
- 状況に応じた支援・措置が取られる
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要(まず相談から)
6. 注意点
- 虐待が疑われる場合は189(いちはやく)に電話してください。24時間対応です。
- 「大げさかな」と思っても相談してください。専門家が状況を判断します。
- 相談したからといって必ず子どもが保護されるわけではありません。状況に応じた対応がとられます。
児童相談所虐待対応ダイヤル189
虐待の疑いがあるときにすぐかけられる緊急電話です。「189(いちはやく)」と覚えてください。通報した人の個人情報は守られます。
1. どんな制度か
子どもへの虐待が疑われる場合に、24時間365日通報・相談を受け付ける全国共通の短縮ダイヤルです。かけると最寄りの児童相談所につながります。
2. 対象になる人
- 虐待を受けていると疑われる子どもを発見した人(近隣住民・学校関係者等)
- 虐待を受けている本人や家族
- 「自分も虐待しているかもしれない」と悩んでいる保護者本人
3. 受けられる支援内容
- 24時間365日の虐待通報・相談の受付
- 最寄りの児童相談所への案内・連携
- 緊急対応が必要な場合の迅速な対処
4. 申請・利用の流れ
- 電話で「189」をダイヤルする
- 状況を伝える(名前を名乗らなくても通報できます)
- 児童相談所のスタッフが対応する
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類・準備は不要
6. 注意点
- 通報者の個人情報は法律で守られます。「通報した人が誰かバレる」という心配は不要です。
- 「虐待かどうかわからない」「気のせいかも」という段階でも相談できます。判断はプロがします。
- 命の危険がある場合は110番・119番も合わせて利用してください。
子育て相談
育児に関する悩みを気軽に相談できる窓口です。「こんなことを相談していいのかな」という内容でも大丈夫です。
1. どんな制度か
市区町村・保健センター・子育て支援拠点等が提供する、子育て全般に関する相談窓口です。育児の困りごと・子どもの発達・家庭環境など、幅広い相談に対応しています。
2. 対象になる人
- 乳幼児〜学童を育てている保護者全般
3. 受けられる支援内容
- 育児・発達・生活に関する相談(電話・来所・オンライン)
- 専門機関への紹介・つなぎ
- 継続的な見守りサポート
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村または保健センターに電話・来所で相談する
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 窓口の名称・体制は自治体によって異なります。
- オンライン・SNS相談に対応している自治体も増えています。
育児相談
乳幼児の育て方・発育・授乳・睡眠など、赤ちゃんの育児に特化した専門家への相談窓口です。産後すぐから使えます。
1. どんな制度か
産後の育児不安・授乳・離乳食・夜泣き・発育など、乳幼児の育児に関する悩みを、保健師・助産師・小児科医等に相談できる窓口です。保健センター・産院・子育て支援拠点等で実施されます。
2. 対象になる人
- 乳幼児を育てている保護者
3. 受けられる支援内容
- 授乳・離乳食・発育・発達に関する相談
- 産後うつ・メンタルに関する相談
- 必要に応じて医療機関等への紹介
4. 申請・利用の流れ
- 保健センター・産院・子育て支援拠点に電話または来所で相談する
5. 必要になりやすいもの
- 母子健康手帳
6. 注意点
- 産後すぐから利用できます。「これくらいで相談していいのかな」と思わず気軽に相談を。
教育相談
不登校・いじめ・学習の遅れ・学校での人間関係など、学校に関する悩みを相談できる窓口です。
1. どんな制度か
教育委員会・学校・教育相談センター等が提供する、子どもの学習・学校生活・進路・不登校・いじめ等に関する相談窓口です。子ども本人・保護者どちらからでも相談できます。
2. 対象になる人
- 就学前〜高校生の子どもを持つ保護者・子ども本人
- 不登校・いじめ・発達の問題・友人関係のトラブル等がある場合
3. 受けられる支援内容
- 教育相談員(元教員・臨床心理士等)による相談対応
- 学校との連携・橋渡し
- 必要に応じて医療・福祉機関への紹介
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の教育委員会または教育相談センターに相談する
- 学校経由でスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーに相談することも可能
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 学校に知られたくない場合でも相談できます。
- 子ども本人が直接相談することもできます。
家庭児童相談
子どもの養育・家庭環境に困難を抱えている家庭が相談できる、市区町村・福祉事務所の窓口です。
1. どんな制度か
市区町村・福祉事務所に配置された「家庭相談員」が、子どもの養育・家庭環境・親の悩みなどについて相談に応じる制度です。虐待の初期段階・育児困難・生活困窮など幅広く対応します。
2. 対象になる人
- 18歳未満の子どもの養育に困難を抱えている家庭
- 家庭環境・経済的困難・近隣トラブルなどで悩んでいる保護者
3. 受けられる支援内容
- 家庭相談員による個別相談
- 必要な支援サービスへのつなぎ
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の福祉事務所または子育て支援課に相談する
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 深刻な虐待が疑われる場合は、189(いちはやく)または児童相談所への相談を優先してください。
女性相談
DV・生活困窮・性暴力・家族の問題など、困難な状況にある女性が総合的に相談できる窓口です。
1. どんな制度か
配偶者暴力・生活困窮・性暴力・家庭環境など、困難な状況にある女性を支援するために、都道府県が設置する女性相談センター(配偶者暴力相談支援センター)が相談・支援をおこないます。
2. 対象になる人
- DV・生活困窮・家庭問題・性暴力等で困っている女性
- 子連れでの逃げ場を探している女性
3. 受けられる支援内容
- 相談員による悩み相談・情報提供
- 一時保護(シェルターへの避難)の調整
- 住居・生活再建・法的手続きへのつなぎ
4. 申請・利用の流れ
- 都道府県の女性相談センターまたはDV相談窓口に電話・来所する
- 状況を伝えて必要な支援を確認する
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要(緊急の場合はまず電話を)
6. 注意点
- 夜間・休日でも対応している窓口があります。緊急の場合は110番も利用してください。
- DV被害の記録(メモ・写真・診断書等)を残しておくと後の手続きで役立ちます。
DV相談
パートナーからの暴力(身体的・精神的・性的・経済的)に悩んでいる場合に相談できる窓口です。安全に逃げるサポートもしてもらえます。
1. どんな制度か
配偶者暴力防止法に基づき、配偶者・パートナーからの暴力(DV)を受けている方の相談・保護・自立支援をおこなう制度です。配偶者暴力相談支援センター・警察・民間シェルター等が連携して対応します。
2. 対象になる人
- 配偶者・パートナーから身体的・精神的・性的・経済的暴力を受けている人(性別問わず)
- 交際相手からの暴力(デートDV)も相談可能
3. 受けられる支援内容
| 相談 | 電話・来所・オンラインでの相談対応 |
|---|---|
| 一時保護 | 緊急時のシェルター(避難所)への保護 |
| 保護命令 | 裁判所による接近禁止命令等の申立て支援 |
| 自立支援 | 住居・就労・生活再建へのつなぎ |
4. 申請・利用の流れ
- 配偶者暴力相談支援センター(各都道府県)またはDV相談ナビ(#8008)に相談する
- 状況を伝えて支援を受ける(一時保護が必要な場合はその場で調整)
- 必要に応じて住居・法的支援等につないでもらう
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要(まず電話してください)
- 子どもがいる場合は一緒に保護してもらえます
6. 注意点
- DV相談ナビ(#8008)は全国共通の電話番号です。24時間対応の窓口もあります。
- 相談内容の秘密は守られます。加害者に知られる心配はありません。
- 「暴力かどうかわからない」という段階でも相談できます。
ヤングケアラー相談
家族の介護や家事を担っている子ども(ヤングケアラー)を支援するための相談窓口です。子ども自身も保護者も相談できます。
1. どんな制度か
家族の介護・世話・家事・きょうだいの育児などを過度に担っている「ヤングケアラー」の子どもとその家族を支援するために、相談・情報提供・支援サービスへのつなぎをおこなう窓口です。
2. 対象になる人
- 家族の介護・世話・家事等を担っている子ども(ヤングケアラー)
- その保護者・学校・地域の方
3. 受けられる支援内容
- 相談・情報提供
- ヘルパー派遣・介護サービス等の調整
- 学校・福祉機関との連携
- ヤングケアラー同士のピアサポート(一部自治体)
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の子育て支援課・学校のスクールソーシャルワーカー・保健センターに相談する
- 状況を確認して必要な支援につないでもらう
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 「自分がヤングケアラーかどうかわからない」という段階でも相談できます。
- 支援の体制は自治体によって異なります。学校の先生・スクールカウンセラーへの相談も有効です。
ひきこもり相談
ひきこもりの状態にある子ども・若者とその家族を支援するための相談窓口です。
1. どんな制度か
社会的なひきこもり(半年以上自宅にこもり、社会参加していない状態)にある子ども・若者とその家族を支援するために、相談・訪問・居場所提供等をおこなう制度です。都道府県・市区町村・専門機関が窓口になります。
2. 対象になる人
- ひきこもりの状態にある子ども・若者(年齢制限なし)
- その家族・保護者
3. 受けられる支援内容
- 相談・情報提供
- 訪問支援(アウトリーチ)
- 居場所の提供・グループ活動
- 就労・社会参加のサポート
4. 申請・利用の流れ
- 都道府県のひきこもり地域支援センターまたは市区町村の窓口に相談する
- 状況を確認して支援につないでもらう
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 本人が相談できない場合は、家族だけでも相談に来てください。
- 長期化するほど支援が難しくなることもあります。早めの相談が安心につながります。
親子関係形成支援
子どもとの接し方や愛着形成に不安がある保護者が、専門的なプログラムで学べる支援です。2024年から法定化されました。
1. どんな制度か
育児に困難・不安を感じている保護者が、子どもとの適切な関わり方・愛着形成を学ぶためのプログラムやグループワークに参加できる事業です。2024年4月から法定化(こども家庭センターが実施主体)されました。
2. 対象になる人
- 子どもとの関係・接し方に不安がある保護者
- 育児ストレスが高い家庭
- 虐待リスクが懸念される家庭(早期支援)
3. 受けられる支援内容
- 子どもとの適切な関わり方を学ぶ講義・グループワーク
- 個別相談・フォローアップ
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の窓口(こども家庭センター等)に相談する
- プログラムへの参加を調整してもらう
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 実施状況は自治体によって異なります。
- ペアレントトレーニングと内容が重複する場合があります。両方確認してみてください。
ペアレントトレーニング
子どもへの効果的な関わり方を学ぶ保護者向けの講座です。発達障害のある子どもの保護者に特に広く知られていますが、育児に困難を感じているすべての保護者が参加できます。
1. どんな制度か
認知行動療法の考え方をベースに、子どもの行動に対する保護者の適切な対応スキルを学ぶ講座・プログラムです。発達障害の子どもを持つ保護者向けに広まりましたが、幅広い保護者が参加できます。
2. 対象になる人
- 育児に困難を感じている保護者
- 発達障害・発達の遅れのある子どもを育てている保護者
3. 受けられる支援内容
- 子どもの行動理解・適切な対応スキルの習得
- グループワーク・ロールプレイ等の実践的な学び
- 全6〜10回程度のプログラム(実施機関による)
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村・保健センター・発達支援センターにプログラムの有無を確認する
- 申し込みをして参加する
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 実施していない自治体もあります。
- 定員制で申し込みが必要な場合がほとんどです。
家庭訪問型子育て支援
孤立しがちな家庭に訪問スタッフが出向いて、家事・育児のサポートや相談に応じてくれる事業です。2024年4月から法定化されています。
1. どんな制度か
育児に孤立感・困難を感じている家庭に、訪問支援員(ホームビジター等)が自宅を訪問して家事・育児支援・相談対応等をおこなう事業です。こども家庭センターまたは市区町村が実施します。
2. 対象になる人
- 孤立・育児困難・産後の支援が必要な子育て家庭
3. 受けられる支援内容
- 訪問員による家事・育児サポート
- 相談対応・地域の支援へのつなぎ
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の子育て支援課・保健センターに相談する
- 支援の内容・日程を調整して訪問を受ける
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 実施状況・回数は自治体によって異なります。
- 産後ケア事業と組み合わせて活用できる場合があります。
養育支援訪問事業
特に支援が必要な妊産婦や養育に困難がある家庭に、保健師・助産師・ヘルパー等が訪問して支援をおこなう事業です。
1. どんな制度か
養育支援が必要と判断された妊産婦・子育て家庭に対して、保健師・助産師・保育士・家庭相談員等が家庭訪問して専門的な支援をおこなう市区町村の事業です。
2. 対象になる人
- 妊娠・出産・育児に関して特に支援が必要な家庭
- 若年の妊産婦・産後うつ・孤立・多胎家庭・低体重児の家庭等
3. 受けられる支援内容
- 保健師等による家庭訪問・育児指導・相談
- 家事援助ヘルパーの派遣(状況による)
- 地域の支援機関へのつなぎ
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の保健センター・こども家庭センターに相談する
- 支援員が家庭を訪問する
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 対象家庭の把握は健診・妊娠届等を通じておこなわれることが多いです。気になることがあれば自分から相談してください。
要保護児童対策地域協議会
虐待・支援が必要な子どもを地域全体で見守るための連携機関です。保護者が直接申請するものではなく、関係機関が情報共有・連携して支援する仕組みです。
1. どんな制度か
児童福祉法に基づき、要保護児童(虐待を受けている・受けるおそれのある子ども等)を支援するために、市区町村・学校・保育所・医療機関・警察・児童相談所等が情報共有・連携・支援をおこなう機関です。
2. 対象になる人
- 虐待・育児放棄・障害・非行など支援が必要な子どもとその家庭
3. 受けられる支援内容
- 関係機関による継続的な見守り・支援の調整
- 必要なサービスへのつなぎ
4. 申請・利用の流れ
- 保護者が直接申請する制度ではありません
- 学校・保育所・保健センター・児童相談所等が把握した情報をもとに連携が始まります
- 見守りが必要と判断された家庭には各機関が関わります
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- 地域の関係機関が情報共有していることがあります。「誰かに見守られている」ということは、悪いことではなく支援の証です。
児童家庭支援センター
地域の子どもと家庭の相談に応じ、必要な支援につないでくれる施設附設の相談機関です。
1. どんな制度か
児童養護施設等に附設された機関で、地域の子どもと家庭の相談に応じ、在宅支援・施設との連携・里親支援などをおこなっています。市区町村・児童相談所との連携拠点としても機能します。
2. 対象になる人
- 養育上の問題・家庭環境に困難を抱える家庭
- 施設措置から家庭に戻った子どもとその家庭
3. 受けられる支援内容
- 子どもと家庭に関する相談対応
- 在宅支援・生活指導
- 里親支援・施設入所後の家庭復帰支援
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村・児童相談所・施設窓口に相談する
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要
6. 注意点
- すべての地域にあるわけではありません。市区町村または児童相談所に確認してください。
児童養護施設
家庭での養育が困難になった子どもが、安全に生活・成長できるよう支援する施設です。
1. どんな制度か
虐待・親の疾病・家庭の崩壊等により家庭での養育が困難になった2〜18歳の子どもが入所して、生活・学習・自立に向けた支援を受ける施設です。児童相談所の措置により入所します。
2. 対象になる人
- 家庭での養育が困難な2〜18歳の子ども(状況によって年齢は変わります)
3. 受けられる支援内容
- 安全な生活の場・食事・衣服の提供
- 学習支援・進学・就職への支援
- 心理的ケア・家庭復帰・自立への支援
4. 申請・利用の流れ
- 保護者が直接申請することはできません
- 児童相談所が状況を調査・判断して措置決定をおこないます
5. 必要になりやすいもの
- 特別な書類は不要(児童相談所が手続きをおこないます)
6. 注意点
- 入所は保護者の同意のもとでおこなわれることが多いですが、緊急時は同意なしに一時保護がおこなわれる場合があります。
- 入所中も親子関係の回復・家庭復帰に向けた支援がおこなわれます。
里親制度
様々な事情で家庭で暮らせない子どもを、自分の家庭に迎え入れて養育する制度です。里親になることを希望する方も相談できます。
1. どんな制度か
家庭での養育が困難な子どもを、里親家庭が自分の家庭で養育する制度です。里子(子ども)は実親のもとを離れて里親家庭で生活します。里親には養育里親・専門里親・養子縁組里親・親族里親の4種類があります。
2. 対象になる人
- 里子:家庭での養育が困難な子ども
- 里親:子どもを自分の家庭で養育したいと希望する人(家族構成・既婚未婚不問の場合も)
3. 受けられる支援内容
- 里子:安全な家庭環境での生活・愛着形成の機会
- 里親:養育費(里親手当・生活費等)の支給、研修・サポート
4. 申請・利用の流れ(里親希望の場合)
- 都道府県・児童相談所・里親支援機関に相談する
- 研修を受ける
- 家庭調査・認定がおこなわれる
- 里親として登録される
- 子どもとマッチングして養育を始める
5. 必要になりやすいもの
- 戸籍謄本・住民票
- 健康診断書
- 所得証明書
6. 注意点
- 里親になるには都道府県の認定が必要です。まず児童相談所または里親支援機関に相談してください。
- 里子が実親のもとへ家庭復帰する場合もあります。「返すことがつらい」という感情への支援もおこなわれます。
特別養子縁組制度
実親との法的な親子関係を解消し、養親と新たな法的親子関係を成立させる制度です。子どものための制度で、家庭裁判所が関与します。
1. どんな制度か
実親による養育が著しく困難・不適当な場合に、子どもの福祉のために家庭裁判所が実親との親子関係を解消し、養親との間に新たな法的親子関係を成立させる制度です。
2. 対象になる人
- 子ども:原則として15歳未満(例外あり)
- 養親:原則として25歳以上の婚姻中の夫婦(例外あり)
3. 受けられる支援内容
- 法的な親子関係の成立(実親との関係は法的に解消)
- 養子の戸籍は養親の「長男・長女等」として記載される
4. 申請・利用の流れ
- 児童相談所または養子縁組あっせん機関に相談する
- マッチング・試験養育期間(最低6か月)を経る
- 家庭裁判所に特別養子縁組の申立てをおこなう
- 審判により縁組が成立する
5. 必要になりやすいもの
- 戸籍謄本・住民票
- 健康診断書
- 経済状況を示す書類
6. 注意点
- 「子どもが欲しい」という養親の希望だけで成立するものではなく、子どもの福祉が最優先に判断されます。
- 手続きには数か月〜1年以上かかる場合があります。
- 養子縁組あっせん機関(民間)の利用は費用がかかる場合があります。
母子生活支援施設
DV・経済的困難・住居喪失などで生活が困難なひとり親(母子)家庭が、安全に生活を立て直せるよう支援する施設です。
1. どんな制度か
配偶者暴力・経済的困窮・住居喪失等の理由で生活に困難がある母親と18歳未満の子どもが入所し、生活支援・就労支援・子どもの養育支援を受けながら自立を目指す施設です。
2. 対象になる人
- DV・経済的困窮・住居喪失等で生活に困難がある母子家庭
- 18歳未満の子どもがいること
3. 受けられる支援内容
- 安全な住居・食事の提供
- 就労支援・生活相談
- 子どもの学習・保育支援
- 法的手続き・住居確保等への支援
4. 申請・利用の流れ
- 市区町村の福祉事務所・女性相談センターに相談する
- 入所の必要性・緊急性を確認する
- 入所決定・施設に移る
5. 必要になりやすいもの
- 本人確認書類
- 子どもの住民票・戸籍謄本
- 緊急の場合は手ぶらでも相談できます
6. 注意点
- DVからの避難の場合は、住所が加害者に知られないよう保護されます。
- 入所期間中も自立に向けた支援が続きます。
- 施設によって定員・対象が異なります。まず女性相談センターまたは福祉事務所に相談してください。
自立援助ホーム
義務教育を終えたあとに、施設・里親家庭を退所して自立を目指す若者が共同生活を通じてサポートを受けられる場所です。
1. どんな制度か
義務教育を終えた15〜22歳の若者(児童養護施設退所者・里親委託解除者・虐待を受けた若者等)が、就労しながら共同生活をおこない、自立に向けた支援を受ける第二種社会福祉事業の施設です。
2. 対象になる人
- 義務教育を終えた15〜22歳(状況によって延長あり)の、家庭での生活が困難な若者
- 施設・里親家庭を出た後の自立を目指す若者
3. 受けられる支援内容
- 共同生活の場(住居・食事)の提供
- 就労支援・生活技術の習得支援
- 心理的ケア・相談対応
4. 申請・利用の流れ
- 児童相談所・入所していた施設・都道府県の担当窓口に相談する
- 施設とのマッチング・入居手続きをおこなう
5. 必要になりやすいもの
- 本人確認書類
- これまでの経緯を示す書類(施設等が準備)
6. 注意点
- 施設数が限られているため、希望の施設に入れない場合があります。
- 入居中に就労・進学・自立を目指してサポートを受けることができます。
まとめ
このページでは、相談・虐待防止・家庭支援に関する制度を24項目にわたって紹介しました。
- 育児に行き詰まりを感じたら、まずこども家庭センター・保健センター・子育て相談窓口に連絡してください。「大げさかな」と思う必要はありません。
- 子どもへの虐待が疑われる・自分が虐待しているかもと思った場合は189(いちはやく)に電話してください。24時間対応です。
- DVを受けている場合は、#8008(DV相談ナビ)・女性相談センター・警察に相談してください。子どもと一緒に保護されます。
- 里親・特別養子縁組に関心があれば、都道府県の児童相談所または里親支援機関に相談してください。
- どこに相談すればいいかわからないときは、市区町村のこども家庭センターまたは子育て支援課が最初の窓口です。必要な機関につないでもらえます。
まず確認したい窓口
- 住んでいる市区町村のこども家庭センター・子育て支援課(育児相談・家庭支援・各種制度のつなぎ)
- 保健センター・子育て世代包括支援センター(妊産婦・育児の相談)
- 児童相談所(電話189)(虐待の通報・相談・障害・非行の相談)
- 配偶者暴力相談支援センター・DV相談ナビ(#8008)(DVの相談・保護)
- 女性相談センター(都道府県)(女性が直面する困難への総合相談)
- 学校のスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー(不登校・ヤングケアラー・家庭問題)
- 社会福祉協議会(地域の支援につなぎ・生活困窮)
※ 制度の内容・支援の体制・相談窓口は、自治体や年度によって変わる場合があります。このページは2024〜2025年時点の情報をもとに作成していますが、実際に相談・利用する際は必ずお住まいの自治体・関係機関の最新情報をご確認ください。本ページは制度の概要を把握するための参考情報であり、個別の法的・専門的アドバイスを保証するものではありません。緊急の場合は迷わず110番・119番・189番に連絡してください。
