育児休業給付金と出生時育児休業給付金の違いを徹底解説【2025年最新】
はじめに:育児休業給付金で知っておくべき2つの制度
「育児休業給付金」と「出生時育児休業給付金」。この2つの名前、似ていて混乱しますよね。
赤ちゃんが生まれる前、または生まれたばかりのとき、こういった給付金のことを調べ始めて「あれ?なんで2つあるの?」「どっちをもらえばいいの?」と戸惑った方も多いのではないでしょうか。
実は、この2つの給付金はまったく別の制度なんです。それぞれ対象期間も違えば、申請のタイミングも異なります。でも、うまく活用すれば両方もらえる可能性もあるんですよ。
なぜ2つの給付金があるのか
2022年10月、男性の育児参加を促進するために「出生時育児休業(産後パパ育休)」という新しい制度が創設されました。これに伴い、「出生時育児休業給付金」も新たに誕生したんです。
従来からある「育児休業給付金」とは別に、出産直後の8週間に特化した給付金として設計されました。つまり、出産直後の大変な時期に、より柔軟に育休を取れるようにするために、2つの制度が用意されているというわけです。
さらに2025年4月からは、「出生後休業支援給付金」という新しい上乗せ給付も始まり、条件を満たせば手取りで実質10割の給付を受けられるようになりました。育児をしながら安心して過ごせる、そんな社会を目指した制度改正が進んでいます。
この記事で分かること
この記事では、以下の内容を分かりやすく解説していきます。
- 育児休業給付金と出生時育児休業給付金の基本的な違い
- それぞれの給付金でいくらもらえるのか(計算方法とシミュレーション)
- 申請方法と必要書類、期限の違い
- 2025年4月から始まった「手取り10割」制度の詳細
- 夫婦で賢く活用する併用パターンの実例
- よくある疑問への回答
専門用語も多いテーマですが、初めての方でも理解できるよう、できるだけ分かりやすく説明していきますね。それでは早速、2つの給付金の基礎知識から見ていきましょう。
【基礎知識】育児休業給付金と出生時育児休業給付金とは
まずは、それぞれの給付金がどんな制度なのか、基本的なところから押さえていきましょう。
2.1 育児休業給付金(通常の育休)の概要
育児休業給付金は、雇用保険に加入している方が、原則として子どもが1歳になるまで育児休業を取得する際に支給される給付金です。男性も女性も取得できる制度で、1992年から続く歴史ある制度なんです。
【育児休業給付金の基本情報】
- 対象期間:原則、子どもが1歳に達する日の前日まで(保育所に入所できない場合などは最長2歳まで延長可能)
- 支給率:休業開始から180日目までは休業開始時賃金の67%、181日目以降は50%
- 分割取得:2回まで分割取得が可能(2022年10月の法改正により)
- 申請タイミング:支給単位期間(1カ月ごと)ごとに申請
女性の場合、産後休業(出産日の翌日から8週間)が終わった後から、育児休業給付金の対象期間が始まります。男性の場合は、子どもが生まれた日から取得できますが、出生後8週間以内については後述する「出生時育児休業」を選択することもできます。
重要なポイントは、育児休業給付金は「長期的な育児休業」を支援するための給付金だということ。最長で2歳まで取得できるため、じっくりと育児に専念したい方に向いています。
2.2 出生時育児休業給付金(産後パパ育休)の概要
出生時育児休業給付金は、2022年10月に新設された比較的新しい給付金です。「産後パパ育休」と呼ばれることもありますが、正式には「出生時育児休業」といいます。
この制度、名前に「パパ」とついているので男性専用かと思われがちですが、実は女性も条件を満たせば取得できます(養子縁組などで産後休業を取得していない場合)。ただし、主に男性の育児参加を促進するために創設された制度です。
【出生時育児休業給付金の基本情報】
- 対象期間:子どもの出生後8週間以内
- 取得可能日数:最大4週間(28日間)
- 支給率:休業開始時賃金の67%(一律)
- 分割取得:2回まで分割取得が可能
- 申請タイミング:出生日から8週間後の翌日以降にまとめて申請
- 休業中の就業:労使協定があれば、一定の範囲内で就業可能
育児休業給付金との最大の違いは、対象期間が出生後8週間に限定されていること。この期間は、母親の産後休業期間と重なる時期でもあり、夫婦で協力して育児に取り組む「出産直後の大変な時期」を支援することが目的です。
もう一つ大きな特徴が、休業中でも一定の範囲内で仕事ができる点です。完全に仕事を離れるのが難しい方でも取得しやすいよう、柔軟性を持たせた制度設計になっています。
2.3 2025年4月新設「出生後休業支援給付金」で手取り10割に
2025年4月から、さらに新しい給付金が加わりました。それが「出生後休業支援給付金」です。
この給付金は、育児休業給付金または出生時育児休業給付金に上乗せして支給されるもので、条件を満たせば休業開始時賃金の13%が追加で支給されます。
【出生後休業支援給付金のポイント】
- 上乗せ率:休業開始時賃金の13%
- 支給期間:最大28日間
- 主な条件:夫婦ともに14日以上の育休または産後パパ育休を取得すること
この上乗せにより、従来の67%(育児休業給付金・出生時育児休業給付金)+13%(出生後休業支援給付金)=合計80%の給付を受けられるようになります。
さらに、育児休業期間中は社会保険料が免除されるため、実質的な手取り額は休業前の給与の約10割になる計算です。これが「手取り10割」と言われる理由なんです。
詳しい計算例は後ほど解説しますが、この新制度により、経済的な不安を大幅に軽減しながら育児に専念できる環境が整いました。厚生労働省としても、男性の育休取得率向上を目指した施策として力を入れています。
(出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」令和7年8月1日改訂版)
【一目でわかる】両者の違いを比較表で確認
ここまで基本的な説明をしてきましたが、「結局、何が違うの?」という疑問が残っている方もいるかもしれませんね。そこで、主な違いを一覧表にまとめてみました。
3.1 対象期間・取得日数の違い
| 項目 | 育児休業給付金 | 出生時育児休業給付金 |
|---|---|---|
| 対象期間 | 原則、子どもが1歳に達する日の前日まで (最長2歳まで延長可能) |
子どもの出生後8週間以内 |
| 取得可能日数 | 原則1歳まで(約1年間) 保育所に入所できない場合は最長2歳まで |
最大4週間(28日間) |
| 女性の産後休業との関係 | 産後休業(8週間)終了後から取得可能 | 産後休業中の夫(パートナー)が取得するケースが多い |
ご覧の通り、出生時育児休業給付金は「短期集中型」、育児休業給付金は「長期型」という位置づけです。
3.2 申請タイミング・期限の違い
| 項目 | 育児休業給付金 | 出生時育児休業給付金 |
|---|---|---|
| 申請タイミング | 支給単位期間(原則1カ月ごと)ごとに申請 | 出生日(または出産予定日)の8週間後の翌日以降にまとめて申請 |
| 申請期限 | 支給対象期間の初日から起算して4カ月を経過する日の属する月の末日まで | 出生日の8週間後の翌日から起算して2カ月を経過する日の属する月の末日まで |
| 分割取得時の申請 | 分割した育休期間ごとに申請 | 2回に分割取得した場合も、1回にまとめて申請 |
申請のタイミングが大きく異なるのがポイントです。育児休業給付金は1カ月ごとに申請するのに対し、出生時育児休業給付金は8週間後にまとめて申請します。
この違いを理解しておかないと、「いつ申請すればいいの?」と混乱してしまうので、注意が必要ですね。
3.3 休業中の就業の違い
| 項目 | 育児休業給付金 | 出生時育児休業給付金 |
|---|---|---|
| 休業中の就業 | 原則として就業不可 (やむを得ない事情がある場合のみ、個別合意により可能) |
労使協定を締結した上で、個別合意により就業可能 |
| 就業可能な範囲 | 支給単位期間(1カ月)あたり10日以内かつ80時間以内 | 休業期間中の所定労働時間の2分の1以下 所定労働日数の2分の1以下 (28日間取得の場合:最大10日かつ80時間以内) |
| 給付金への影響 | 10日かつ80時間を超えると不支給 | 上記範囲を超えると不支給 (取得日数が28日未満の場合は比例計算) |
これは大きな違いですね。出生時育児休業給付金の方が、休業中の就業に対して柔軟です。
例えば、「完全に休むのは難しいけど、週に1日だけなら出社できる」といった働き方も可能なんです。これにより、中小企業などで「人手が足りなくて休みづらい」という方でも取得しやすくなっています。
3.4 分割取得のルールの違い
| 項目 | 育児休業給付金 | 出生時育児休業給付金 |
|---|---|---|
| 分割取得の回数 | 2回まで分割可能 | 2回まで分割可能 |
| 事前申出 | 育休開始の1カ月前まで(原則) | 休業の2週間前まで(原則) ※労使協定により1カ月前までに変更可能 |
| 制度の併用 | 出生時育児休業とは別制度のため併用可能 | 育児休業とは別制度のため併用可能 |
どちらも2回まで分割取得できますが、出生時育児休業給付金の方が申出期限が短い(2週間前)点に注意しましょう。
そして重要なのが、両制度は併用できるということ。つまり、出生時育児休業給付金で2回、育児休業給付金で2回、合計最大4回まで分割して育休を取得することが可能なんです。
これにより、夫婦で交代しながら柔軟に育児に取り組めるようになりました。具体的な活用例は、後ほど詳しく紹介しますね。
【支給額の違い】それぞれいくらもらえる?計算方法を解説
さて、ここが一番気になるところですよね。「実際にいくらもらえるの?」という疑問にお答えします。
4.1 育児休業給付金の支給額計算(67%→50%)
育児休業給付金の計算式は、以下の通りです。
【計算式】
休業開始から180日目まで:
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
休業開始から181日目以降:
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%
ここで重要なのが「休業開始時賃金日額」です。これは、育児休業開始前の6カ月間に支払われた賃金の総額を180日で割って算出します。
具体例で見てみましょう。
【例】休業開始前6カ月の賃金総額が180万円の場合
休業開始時賃金日額 = 180万円 ÷ 180日 = 10,000円
1カ月(30日)の支給額は:
・最初の180日間:10,000円 × 30日 × 67% = 201,000円
・181日目以降:10,000円 × 30日 × 50% = 150,000円
最初の6カ月間は月額20万円程度、その後は月額15万円程度もらえる計算になります。
【支給上限額と下限額】
なお、育児休業給付金には上限額と下限額が設定されています(令和7年8月1日時点)。
- 上限額:休業開始時賃金日額の上限は15,690円(30日換算で月額約315,369円が上限)
- 下限額:休業開始時賃金日額の下限は2,869円(30日換算で月額約57,666円が下限)
高収入の方は上限に達してしまう可能性があるので、注意が必要です。
4.2 出生時育児休業給付金の支給額計算(67%)
出生時育児休業給付金の計算式は、こちらです。
【計算式】
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数(28日が上限) × 67%
育児休業給付金と違い、支給率は一律67%です。期間による変動はありません。
休業開始時賃金日額の計算方法は、育児休業給付金と同じです。
具体例で見てみましょう。
【例】休業開始時賃金日額が10,000円で、28日間休業した場合
支給額 = 10,000円 × 28日 × 67% = 187,600円
28日間(約4週間)で、約18万7千円もらえる計算です。
分割取得した場合の計算
出生時育児休業を2回に分割取得した場合(例:1回目14日、2回目14日)も、合算して計算します。
1回目:10,000円 × 14日 × 67% = 93,800円
2回目:10,000円 × 14日 × 67% = 93,800円
合計:187,600円
分割しても、トータルの支給額は変わりません。
4.3 出生後休業支援給付金の上乗せ(+13%)
2025年4月から新設された「出生後休業支援給付金」は、上記の給付金にプラスして支給されます。
【支給条件】
- 夫婦ともに、子の出生後一定期間内に通算14日以上の育児休業または出生時育児休業を取得すること
- 配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合は、本人のみ14日以上取得すれば支給対象
【計算式】
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数(最大28日) × 13%
具体例で見てみましょう。
【例】休業開始時賃金日額が10,000円で、28日間休業した場合
出生後休業支援給付金 = 10,000円 × 28日 × 13% = 36,400円
出生時育児休業給付金(187,600円)と合わせると:
187,600円 + 36,400円 = 224,000円
つまり、休業開始時賃金日額の80%(67%+13%)を受け取れる計算になります。
4.4 具体的な支給額シミュレーション
それでは、実際のケースでシミュレーションしてみましょう。
【ケース1】月給30万円の夫が産後パパ育休を28日取得した場合
まず、休業開始時賃金日額を計算します。
直近6カ月の賃金総額:30万円 × 6カ月 = 180万円
休業開始時賃金日額:180万円 ÷ 180日 = 10,000円
出生時育児休業給付金:10,000円 × 28日 × 67% = 187,600円
出生後休業支援給付金:10,000円 × 28日 × 13% = 36,400円
合計:224,000円
月給30万円の80%に相当します。さらに、この期間の社会保険料(約4万5千円)が免除されるため、実質的な手取りは休業前とほぼ同水準になります。
【ケース2】月給25万円の妻が育児休業を1年間取得した場合
休業開始時賃金日額:25万円 × 6カ月 ÷ 180日 ≒ 8,333円
最初の6カ月間(180日):
8,333円 × 180日 × 67% ≒ 1,004,178円
その後の6カ月間(185日と仮定):
8,333円 × 185日 × 50% ≒ 770,803円
1年間の合計:約177万4千円
月額換算すると、最初の6カ月は約16万7千円、後半の6カ月は約12万8千円となります。
【ケース3】夫婦で交代取得した場合(手取り10割を最大活用)
夫:産後パパ育休28日(出生後休業支援給付金あり)
妻:産後休業8週間後から育児休業(出生後休業支援給付金あり、28日間分)
夫の支給額:
出生時育児休業給付金(67%)+ 出生後休業支援給付金(13%)= 賃金の80%
妻の支給額(最初の28日間):
育児休業給付金(67%)+ 出生後休業支援給付金(13%)= 賃金の80%
このように組み合わせることで、夫婦ともに最初の28日間は実質手取り10割を実現できます。
(出典:厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続」令和7年8月1日改訂版)
【申請方法の違い】手続きの流れと必要書類
給付金の金額が分かったところで、次は「どうやって申請するの?」という疑問にお答えします。両者で申請方法が異なるので、しっかり確認しておきましょう。
5.1 育児休業給付金の申請方法
育児休業給付金の申請は、原則として会社(事業主)を通じて行います。個人で直接ハローワークに申請することも可能ですが、多くの場合は会社の人事部門が手続きを代行してくれます。
【申請の流れ】
- 育児休業の申出(休業開始の1カ月前まで)
会社に「育児休業申出書」を提出します。開始日と終了日を明記しましょう。 - 初回申請(最初の支給単位期間終了後)
会社が「育児休業給付金支給申請書」と「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」をハローワークに提出します。 - 2回目以降の申請(支給単位期間ごと、原則2カ月に1回)
「育児休業給付金支給申請書」を会社経由でハローワークに提出します。 - 給付金の振込(申請から約1週間後)
審査が通れば、指定した本人の口座に振り込まれます。
【必要書類】
- 育児休業申出書(会社所定の様式)
- 育児休業給付金支給申請書(ハローワーク所定の様式)
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(初回のみ)
- 賃金台帳、出勤簿など(会社が用意)
- 母子手帳などの出生を証明する書類の写し
【申請期限】
支給対象期間の初日から起算して4カ月を経過する日の属する月の末日まで
例えば、4月1日から育休を開始した場合、最初の支給単位期間(4月1日〜4月30日)の申請期限は、8月31日となります。
期限を過ぎると給付金が受け取れなくなるので、会社の担当者とよく連携しておきましょう。
5.2 出生時育児休業給付金の申請方法
出生時育児休業給付金も、基本的には会社を通じて申請します。ただし、申請のタイミングが育児休業給付金と大きく異なります。
【申請の流れ】
- 出生時育児休業の申出(休業開始の2週間前まで)
会社に「出生時育児休業申出書」を提出します。2回に分割する場合は、両方の期間を記載します。 - 休業取得
子の出生後8週間以内に、最大28日間休業します。 - 申請(出生日の8週間後の翌日以降)
会社が「出生時育児休業給付金支給申請書」をハローワークに提出します。
2回に分割取得した場合でも、まとめて1回で申請します。 - 給付金の振込(申請から約1週間後)
審査が通れば、指定した本人の口座に振り込まれます。
【必要書類】
- 出生時育児休業申出書(会社所定の様式)
- 出生時育児休業給付金支給申請書(ハローワーク所定の様式)
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 賃金台帳、出勤簿など(会社が用意)
- 母子手帳などの出生を証明する書類の写し
【申請期限】
出生日(出産予定日前に出生した場合は出産予定日)の8週間後の翌日から起算して、2カ月を経過する日の属する月の末日まで
例えば、5月1日に子どもが生まれた場合、8週間後の翌日は6月27日。そこから2カ月後の8月31日が申請期限となります。
育児休業給付金よりも申請期限が短いので、特に注意が必要です。
5.3 申請期限と注意点
【両給付金に共通する注意点】
- 会社との連携が重要
多くの場合、会社が申請手続きを代行してくれますが、必要書類の準備や期限の管理は自分でも把握しておきましょう。特に産後は慣れない育児で忙しく、うっかり期限を過ぎてしまうこともあります。 - 申請漏れに注意
出生時育児休業給付金は「8週間後にまとめて申請」という独特のタイミングなので、忘れがちです。スマホのカレンダーにリマインダーを設定しておくと安心です。 - 分割取得時の申請
育児休業給付金は分割ごとに申請が必要ですが、出生時育児休業給付金は2回分まとめて申請します。この違いを理解しておきましょう。 - 延長の手続き
育児休業給付金を延長する場合(保育所に入所できない場合など)は、延長の申請手続きが別途必要です。市区町村から発行される「保育所入所不承諾通知書」などが必要になります。 - 給付金の振込時期
申請から振込までは通常1週間程度ですが、書類に不備があると時間がかかります。早めに準備しておくことをおすすめします。
【よくあるトラブルと対処法】
トラブル1:会社が申請を忘れていた
対処法:育休取得前に、会社の担当者と申請スケジュールを確認しておきましょう。不安な場合は、自分でハローワークに直接申請することも可能です。
トラブル2:書類の不備で再提出になった
対処法:申請前に、会社の担当者と一緒に書類をよく確認しましょう。特に「休業期間」や「賃金額」の記載ミスが多いので注意です。
トラブル3:申請期限を過ぎてしまった
対処法:まずはハローワークに相談してみましょう。やむを得ない理由があれば、期限を過ぎても受理されることがあります。
(出典:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」)
【支給要件の違い】誰が受け取れる?条件を詳しく
「自分は給付金をもらえるの?」という疑問にお答えするため、支給要件を詳しく解説します。
6.1 共通する支給要件
まず、育児休業給付金と出生時育児休業給付金の両方に共通する基本的な要件を見ていきましょう。
【共通要件1】雇用保険の被保険者であること
給付金は雇用保険から支給されるため、雇用保険に加入していることが大前提です。正社員の方はもちろん、以下の条件を満たす派遣社員やパート、契約社員も対象になります。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上継続して雇用される見込みがある
【共通要件2】休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の月)が12カ月以上あること
これは、「ちゃんと働いていた実績があるか」を確認する要件です。
例えば、パートで週3日勤務している方でも、月に11日以上働いていれば条件を満たします。
なお、疾病や負傷などのやむを得ない理由で30日以上賃金の支払いを受けられなかった期間がある場合は、その期間を2年に加算できます(最大4年まで)。
【共通要件3】休業期間中に賃金が支払われないこと(または一定額以下であること)
休業中に会社から賃金が支払われる場合、その額が「休業開始時賃金月額」の80%以上だと、給付金は支給されません。
ただし、80%未満であれば、賃金額に応じて給付金が調整されて支給されます。
6.2 それぞれ独自の支給要件
次に、それぞれの給付金に固有の要件を見ていきます。
【育児休業給付金の独自要件】
- 子が1歳に達する日より前の期間に育児休業を取得すること
(保育所に入所できない場合などは、1歳6カ月または2歳まで延長可能) - 支給単位期間(1カ月)ごとに、就業日数が10日以下(または就業時間が80時間以下)であること
これを超えると、その支給単位期間分の給付金は不支給になります。 - 有期雇用労働者の場合:子が1歳6カ月(延長する場合は2歳)に達する日までの間に、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと
【出生時育児休業給付金の独自要件】
- 子の出生後8週間以内に出生時育児休業を取得すること
- 休業期間が合計28日以内であること
2回に分割する場合も、合計で28日を超えることはできません。 - 休業期間中の就業が一定の範囲内であること
休業期間中の所定労働時間の2分の1以下、かつ所定労働日数の2分の1以下であること。
28日間取得の場合、就業日数が10日以下かつ就業時間が80時間以下であることが条件です。
これを超えると、全期間が不支給になります。 - 有期雇用労働者の場合:子の出生日または出産予定日のいずれか遅い方から8週間を経過する日の翌日から6カ月を経過する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないこと
【出生後休業支援給付金の要件(2025年4月新設)】
- 育児休業給付金または出生時育児休業給付金の支給を受けること
- 夫婦ともに、子の出生後一定期間内(夫は出生日翌日から8週間以内、妻は16週間以内)に通算14日以上の育児休業または出生時育児休業を取得すること
- 配偶者が育休対象者でない場合(専業主婦・主夫など)や、ひとり親家庭の場合は、本人のみ14日以上の取得で支給対象
6.3 もらえないケースとは
残念ながら、給付金がもらえない、または減額されるケースもあります。代表的なものを紹介しますね。
【ケース1】雇用保険に加入していない
自営業やフリーランスの方、会社役員(雇用契約がない場合)は、雇用保険の被保険者ではないため対象外です。
ただし、会社役員でも雇用契約を結んでいる場合は、雇用保険に加入できるケースもあります。
【ケース2】勤務実績が足りない
休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月に満たない場合は対象外です。
転職したばかりの方や、短時間勤務の方は注意が必要です。
【ケース3】休業中に規定以上働いた
育児休業給付金:支給単位期間(1カ月)あたり10日かつ80時間を超えて就業した場合、その期間分は不支給になります。
出生時育児休業給付金:休業期間全体を通じて、所定労働時間の2分の1または所定労働日数の2分の1を超えて就業した場合、全期間が不支給になります。
【ケース4】会社から賃金を80%以上もらった
休業中に会社から賃金が支払われ、その額が「休業開始時賃金月額」の80%以上になると、給付金は支給されません。
「給付金をもらいながら、会社からもフルで給料をもらう」ということはできないんですね。
【ケース5】出生時育児休業を3回以上分割した
出生時育児休業は2回までしか分割取得できません。3回目の休業については、出生時育児休業給付金の対象外となります。
ただし、被保険者と事業主との間で「育児休業に振り替える」旨の合意があれば、育児休業給付金の支給申請が可能です。
【ケース6】申請期限を過ぎた
申請期限を過ぎると、原則として給付金は受け取れません。やむを得ない理由がある場合は、ハローワークに相談してみましょう。
(出典:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」)
【実例で学ぶ】併用パターンと最適な取得スケジュール
理論的な説明が続きましたが、ここからは具体的な実例を見ていきましょう。「実際にどうやって活用すればいいの?」という疑問に、モデルケースでお答えします。
7.1 夫婦で交代取得するパターン
【パターン1】夫が産後パパ育休、妻が育休を取得する基本形
スケジュール例:
- 妻(母親)
- 出産日〜産後8週間:産後休業(出産手当金支給)
- 産後8週間後〜子が1歳になるまで:育児休業(育児休業給付金支給)
- 夫(父親)
- 出生後すぐ〜2週間:出生時育児休業(1回目)
- 産後6週間頃〜2週間:出生時育児休業(2回目)
- 妻の職場復帰後:育児休業(必要に応じて)
このパターンのメリット:
- 退院直後の大変な時期に夫がサポートできる
- 妻の里帰りから戻るタイミングで再度サポートできる
- 夫は短期間の休業なので、職場への影響が少ない
給付金の内訳:
夫(月給30万円と仮定):
出生時育児休業給付金(28日分):約18万7千円
出生後休業支援給付金(28日分):約3万6千円
合計:約22万4千円
妻(月給25万円と仮定):
産後休業期間:出産手当金(健康保険から支給)
育児休業期間:育児休業給付金+出生後休業支援給付金(最初の28日間)
【パターン2】夫婦で完全に交代取得するパターン
スケジュール例:
- 妻
- 出産日〜産後8週間:産後休業
- 産後8週間後〜子が6カ月になるまで:育児休業
- 子が6カ月〜職場復帰
- 夫
- 出生直後〜2週間:出生時育児休業(退院時のサポート)
- 子が6カ月〜1歳になるまで:育児休業(妻の復帰後に交代)
このパターンのメリット:
- 夫婦で役割分担しながら、長期間育児に専念できる
- 妻は早めに職場復帰できる(キャリアの継続)
- 夫も長期間の育児を経験できる
7.2 最大4回分割のフル活用パターン
2022年10月の法改正により、出生時育児休業(2回)と育児休業(2回)を組み合わせて、最大4回まで分割取得できるようになりました。
【パターン3】夫が最大4回分割取得する例
スケジュール例(夫のみ):
- 出生直後〜2週間:出生時育児休業(1回目)
- 産後4週間頃〜2週間:出生時育児休業(2回目)
- 子が3カ月〜1カ月間:育児休業(1回目)
- 子が6カ月〜2カ月間:育児休業(2回目)
このパターンのメリット:
- 成長段階に応じて柔軟に育休を取得できる
- 長期間連続で休むのが難しい場合に有効
- 妻の職場復帰時期やワクチン接種時期に合わせて調整できる
注意点:
- 分割ごとに申請が必要(出生時育児休業給付金は2回分まとめて申請、育児休業給付金は分割ごと)
- 会社との調整が必要(業務の引き継ぎなど)
- 育児休業の2回目以降は、パパママ育休プラスの条件を満たす必要がある場合があります
7.3 手取り10割を実現するモデルケース
2025年4月から始まった「出生後休業支援給付金」をフル活用して、手取り10割を実現するモデルケースをご紹介します。
【モデルケース】共働き夫婦で手取り10割を実現
前提条件:
- 夫:月給35万円
- 妻:月給30万円
- 両者とも雇用保険に加入
スケジュール:
- 妻
- 出産日〜産後8週間:産後休業(出産手当金支給)
- 産後8週間後〜28日間:育児休業(育児休業給付金67%+出生後休業支援給付金13%=80%)
- その後〜子が1歳になるまで:育児休業(67%、その後50%)
- 夫
- 出生直後〜28日間:出生時育児休業(出生時育児休業給付金67%+出生後休業支援給付金13%=80%)
給付金の計算:
夫(28日間):
休業開始時賃金日額:35万円 × 6カ月 ÷ 180日 ≒ 11,667円
出生時育児休業給付金:11,667円 × 28日 × 67% ≒ 218,893円
出生後休業支援給付金:11,667円 × 28日 × 13% ≒ 42,507円
合計:261,400円
月給35万円の80%に相当する金額です。
さらに、この期間の社会保険料(健康保険料+厚生年金保険料)約5万円が免除されるため:
実質的な手取り:261,400円 + 50,000円 ≒ 311,400円
通常の月給35万円から税金・社会保険料を引いた手取り額(約28万円)と比べると、ほぼ同等またはそれ以上になります。これが「手取り10割」の仕組みです。
妻(最初の28日間):
同様の計算で、育児休業給付金+出生後休業支援給付金により、実質手取り10割を実現できます。
このモデルケースのポイント:
- 夫婦ともに14日以上取得することで、出生後休業支援給付金が支給される
- 最初の28日間は手取りがほぼ減らないため、経済的な不安が少ない
- 夫が退院直後の大変な時期をサポートできる
- 妻は産後休業後、引き続き育児休業を取得できる
【実際の利用者の声(想定)】
「給付金が手取りで10割になると聞いて、夫も育休を取ることを決めました。経済的な不安がなかったので、安心して育児に専念できました。特に退院直後は夫のサポートが本当に助かりました。」(32歳・妻)
「最初は『仕事を休んで大丈夫かな』と不安でしたが、給付金のおかげで収入面の心配がほとんどありませんでした。28日間しっかり育児に関われて、子どもとの絆も深まりました。」(35歳・夫)
(注:これらは架空の体験談です。実際の制度利用については、個人の状況により異なります。)
【よくある質問】制度の疑問をすべて解消
ここまで読んでいただいて、まだ疑問が残っている方もいるかもしれませんね。よくある質問をQ&A形式でまとめました。
Q1. 育児休業給付金と出生時育児休業給付金、両方同時にもらえるの?
A. 同時にはもらえません。ただし、期間をずらせば両方もらえます。
出生時育児休業は「出生後8週間以内」、育児休業は「原則1歳まで」と対象期間が異なります。例えば、出生後8週間以内に出生時育児休業を取得し、その後に育児休業を取得すれば、両方の給付金を受け取ることができます。
ただし、同じ期間について重複して受給することはできません。
Q2. パパママ育休プラスとの違いは?
A. パパママ育休プラスは「育児休業の期間を延長する制度」、出生時育児休業は「別の休業制度」です。
パパママ育休プラスは、両親がともに育児休業を取得する場合、子が1歳2カ月になるまで育休期間を延長できる制度です(ただし、1人あたりの取得可能日数は最長1年間)。
一方、出生時育児休業は、育児休業とは別の制度で、出生後8週間以内に最大28日間取得できます。
両方を組み合わせることも可能です。
Q3. 社会保険料はどうなる?免除される?
A. はい、育児休業期間中は社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が免除されます。
免除されるのは、以下の期間です。
- 育児休業開始日が属する月から、終了日の翌日が属する月の前月分まで
- 同一月内で育児休業を開始・終了した場合、その日数が14日以上あれば、その月の保険料が免除
本人負担分だけでなく、会社負担分も免除されます。賞与にかかる保険料も免除対象です。
この免除により、実質的な手取り額が大幅にアップするんです。
Q4. 給付金に税金はかかる?
A. いいえ、育児休業給付金・出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金はすべて非課税です。
所得税も住民税もかかりません。また、社会保険料も免除されるため、額面がそのまま手取りになります。
これが「手取り10割」を実現できる理由の一つです。
Q5. パートやアルバイトでももらえる?
A. はい、条件を満たせばもらえます。
雇用保険に加入していることが条件です。具体的には:
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上継続して雇用される見込みがある
- 休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある
これらを満たせば、パートやアルバイトでも給付金を受け取れます。
Q6. 双子の場合、給付金は2倍になる?
A. いいえ、子どもの人数に関係なく、休業期間に応じて支給されます。
双子でも三つ子でも、支給額は変わりません。ただし、育児休業の対象期間については、複数の子を同時に養育する場合の特例があります。
Q7. 転職したばかりでももらえる?
A. 条件を満たせばもらえます。
「休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある」ことが条件です。
転職前の会社での雇用保険加入期間も通算されるため、転職後すぐに妊娠・出産した場合でも、前職での勤務実績があれば受給できる可能性があります。
Q8. 出生時育児休業給付金は女性も取れる?
A. はい、条件を満たせば女性も取得できます。
養子縁組などで産後休業を取得していない場合は、女性も出生時育児休業(産後パパ育休)の対象になります。
ただし、実際の出産をした女性は、出産日の翌日から8週間は産後休業期間となるため、通常は出生時育児休業の対象にはなりません。
Q9. 給付金の申請を忘れたらどうなる?
A. 申請期限を過ぎると、原則として受給できません。
ただし、やむを得ない理由(災害や長期入院など)がある場合は、ハローワークに相談してみましょう。事情によっては、期限を過ぎても受理されることがあります。
Q10. 保育園に入れなかった場合、給付金はどうなる?
A. 育児休業給付金の支給期間を延長できます。
保育所等に入所できなかった場合、最長で子が2歳になるまで育児休業給付金の支給期間を延長できます。
延長するには、市区町村から発行される「保育所入所不承諾通知書」などの証明書類が必要です。
(出典:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」)
【専門家からのアドバイス】賢く活用するためのポイント
ここまでの解説を踏まえて、実際に制度を活用する際のポイントを、専門家の視点からお伝えします。
社会保険労務士からの実務アドバイス
アドバイス1:早めの準備が成功のカギ
給付金の申請は、会社を通じて行うことが多いため、妊娠が分かったら早めに会社に相談しましょう。特に中小企業では、育休取得の前例が少ない場合もあり、会社側も手続きに不慣れなことがあります。
妊娠報告と同時に、以下のことを確認しておくとスムーズです。
- 会社の育休制度の内容(就業規則の確認)
- 申請手続きの担当者(人事部門など)
- 過去の育休取得事例(あれば)
- 必要書類の準備方法
アドバイス2:夫婦でしっかり話し合いを
出生時育児休業給付金と育児休業給付金、どちらをいつ取得するかは、夫婦のライフプランによって最適解が変わります。
- 経済的な状況(収入や貯蓄)
- キャリアプラン(早めの復帰を希望するか)
- 育児の分担方針
- 会社の状況(繁忙期など)
これらを考慮して、夫婦でしっかり話し合うことが大切です。
アドバイス3:書類の保管を忘れずに
申請には様々な書類が必要になります。以下の書類は、コピーを取って保管しておきましょう。
- 母子手帳(出生を証明する書類)
- 育児休業申出書
- 給付金支給申請書
- 給付金支給決定通知書
万が一のトラブルに備えて、記録を残しておくことをおすすめします。
アドバイス4:不明点はハローワークに相談
制度が複雑で分かりにくい場合は、遠慮せずにハローワークに直接相談しましょう。電話でも窓口でも、丁寧に教えてもらえます。
特に以下のような場合は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
- 過去に雇用保険の加入に空白期間がある
- 転職を繰り返している
- 派遣社員や契約社員で雇用形態が複雑
- 海外勤務の経験がある
人事担当者が語る企業側の視点
企業の人事担当者として、従業員の育休取得をサポートしてきた経験から、いくつかポイントをお伝えします。
ポイント1:会社とのコミュニケーションを大切に
育休は法律で認められた権利ですが、会社との良好な関係を保つことも重要です。
- 早めに育休取得の意向を伝える
- 業務の引き継ぎをしっかり行う
- 休業中の連絡方法を決めておく
- 復帰後の働き方についても相談しておく
特に出生時育児休業は申出期限が2週間前と短いため、会社側の準備期間を考慮して、できるだけ早めに相談することをおすすめします。
ポイント2:復帰後のキャリアも考えて
育休取得は、キャリアの一時的な中断ではなく、長期的なキャリア形成の一部です。
復帰後の働き方について、休業前に上司や人事と相談しておくと安心です。
- 時短勤務の利用可否
- フレックスタイム制度の活用
- リモートワークの可能性
- 復帰後の配属先
ポイント3:男性も積極的に取得を
2022年4月から、企業には「育児休業の取得意向確認」が義務付けられました。男性も遠慮せず、積極的に育休取得を検討してほしいと思います。
特に出生時育児休業(産後パパ育休)は、短期間で取得しやすく設計されています。「仕事が忙しいから」と諦めず、まずは会社に相談してみましょう。
多くの企業が、男性の育休取得率向上を目指しており、サポート体制も整ってきています。
(注:上記のアドバイスは一般的な内容です。個別の状況については、専門家や所属企業にご相談ください。)
まとめ:自分に合った給付金を選択しよう
ここまで、育児休業給付金と出生時育児休業給付金の違いについて、詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきますね。
2つの給付金の違いまとめ
育児休業給付金は、長期的な育児休業を支援する制度です。原則1歳まで(最長2歳まで)の期間、じっくりと育児に専念できます。支給率は最初の6カ月は67%、その後は50%です。
出生時育児休業給付金は、出産直後の8週間に特化した短期集中型の制度です。最大28日間取得でき、支給率は一律67%。休業中の就業も一定範囲で認められ、柔軟に活用できます。
出生後休業支援給付金は、2025年4月から始まった上乗せ給付で、夫婦ともに14日以上取得すれば、最大28日間は13%が追加支給されます。これにより、社会保険料免除と合わせて「実質手取り10割」が実現します。
【主な違いの再確認】
| 項目 | 育児休業給付金 | 出生時育児休業給付金 |
|---|---|---|
| 対象期間 | 原則1歳まで(最長2歳) | 出生後8週間以内 |
| 取得日数 | 約1年間 | 最大28日間 |
| 支給率 | 67%→50% | 67%(一律) |
| 申請タイミング | 1カ月ごと | 8週間後にまとめて |
| 休業中の就業 | 原則不可 | 条件付きで可能 |
| 分割取得 | 2回まで | 2回まで |
| 併用 | 可能 | 可能 |
最初の一歩を踏み出そう
育児休業給付金の制度、理解できましたか?
最初は「複雑で難しそう」と感じたかもしれませんが、一つひとつ見ていけば、それほど難しくありませんよね。
大切なのは、自分たち家族にとって最適な取得パターンを見つけることです。
- 経済的な状況
- キャリアプラン
- 育児の方針
- 会社の状況
これらを総合的に考えて、夫婦でしっかり話し合いましょう。
そして、遠慮せず、まずは会社に相談してみてください。「育休を取りたい」という意思表示をすることが、第一歩です。
特に男性の方、「自分が休んだら職場に迷惑がかかる」と思っていませんか?確かに一時的には業務調整が必要かもしれません。でも、育休は法律で認められた権利であり、企業には取得しやすい環境を整える義務があります。
2025年4月からの新制度により、経済的な不安も大幅に軽減されました。「手取り10割」で、安心して育児に専念できる環境が整っています。
子どもが生まれる前後の時期は、人生で一度きりの貴重な時間です。夫婦で協力して、育児を楽しみながら、給付金の制度も賢く活用してくださいね。
あなたとご家族に、素晴らしい育児の時間が訪れますように。
何か不明な点があれば、遠慮せずにハローワークや社会保険労務士に相談しましょう。専門家のサポートを受けながら、安心して育休を取得してください。
この記事が、あなたの育児休業給付金選びの一助となれば幸いです。
【参考資料】
・厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和7年8月1日改訂版)
・厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」
・厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」
・ハローワークインターネットサービス「雇用保険の給付内容」
※本記事の内容は2025年10月時点の情報に基づいています。制度は改正される可能性がありますので、最新情報は厚生労働省のウェブサイトまたはハローワークでご確認ください。
※個別の状況により、支給要件や支給額が異なる場合があります。詳細は所轄のハローワークにご相談ください。

