パパママ育休プラスとは?育児休業給付金との関係をわかりやすく解説
「パパママ育休プラスを使うと、育児休業給付金はどうなるの?」「夫婦で育休を取ったほうが得なの?」——こんな疑問を抱えていませんか。
結論からお伝えすると、パパママ育休プラスを活用すれば、育児休業給付金を「子どもが1歳2ヶ月になるまで」受給できます。通常の育休では1歳までなので、最大2ヶ月分の給付金が増える計算です。
さらに2025年4月からは「出生後休業支援給付金」が始まり、夫婦それぞれが14日以上の育休を取ると、最大28日間は手取り10割相当の給付を受けられるようになりました。
ただし、パパママ育休プラスには「使える夫婦」と「使えない夫婦」がはっきり分かれる条件があります。この記事では、条件の詳細から給付金の計算方法、夫婦の状況別の取得パターンまで、損しないための全知識を解説します。
制度の基本|子どもが1歳2ヶ月まで育休期間を延長できる仕組み
パパママ育休プラスは、2010年に男性の育児参加を促進する目的で作られた制度です。
【パパママ育休プラスのポイント】
- 両親がともに育児休業を取得することが前提
- 一定の条件を満たせば、育休期間を「子どもが1歳2ヶ月になるまで」延長できる
- ただし、1人あたりの育休取得期間は最大1年間のまま(延長されるのは「子の年齢」であり「取得期間」ではない)
つまり、「家族として」子どもが1歳2ヶ月になるまで育休を取れるようになりますが、パパ単独・ママ単独でそれぞれ1年2ヶ月取れるわけではありません。この点は勘違いしやすいので注意してください。
育児休業給付金も1歳2ヶ月まで受給可能になる
パパママ育休プラスを利用すると、育児休業給付金の支給期間も1歳2ヶ月まで延長されます。
たとえば、ママが子どもの1歳の誕生日まで育休を取り、その後パパがバトンタッチで1歳2ヶ月まで育休を取るケースでは、パパの2ヶ月分も給付金の対象になります。
給付金は原則「休業開始時賃金の67%(6ヶ月経過後は50%)」が支給されるため、単純計算で月収30万円の方なら、2ヶ月で約40万円の給付金が増えることになります。
パパママ育休プラスを使うための4つの条件
パパママ育休プラスは「両親で育休を取れば誰でも使える」わけではありません。以下の4つの条件すべてを満たす必要があります。
条件①|夫婦どちらも育児休業を取得していること
パパママ育休プラスは「両親ともに育休を取得する」ことが大前提です。どちらか一方だけでは利用できません。
なお、ここでいう「育児休業」には、2022年10月に新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」も含まれます。
条件②|配偶者が子どもの1歳の誕生日前までに育休を開始していること
パパママ育休プラスを利用したい本人の配偶者が、子どもが1歳になる日の前日までに育児休業を開始している必要があります。
たとえば、パパがパパママ育休プラスを使いたい場合、ママが子どもの1歳の誕生日より前に育休を開始していなければなりません。
条件③|本人の育休開始日が子どもの1歳の誕生日より前であること
パパママ育休プラスを利用する本人も、子どもの1歳の誕生日より前に育休を開始する必要があります。1歳の誕生日以降に育休を開始しても、パパママ育休プラスの対象にはなりません。
条件④|本人の育休開始日が配偶者の育休開始日以降であること
これが意外と見落としがちな条件です。
パパママ育休プラスを利用する本人の育休開始日は、配偶者が育休を開始した日と同日か、それより後でなければなりません。
【具体例】
ママの育休開始日が4月1日の場合、パパの育休開始日は4月1日以降であればOK。3月31日以前に開始していると、パパはパパママ育休プラスを使えません。
パパママ育休プラスが使えない5つのケース
「うちは夫婦で育休を取るから使えるはず」と思っていても、実は使えないケースがあります。事前に確認しておきましょう。
ケース①|配偶者が専業主婦(専業主夫)の場合
パパママ育休プラスは「両親ともに育休を取得する」ことが条件です。配偶者が専業主婦・専業主夫で働いていない場合、そもそも育児休業を取得できないため、パパママ育休プラスは利用できません。
この場合、働いている側(多くはパパ)が通常の育児休業を取得することになります。通常の育休でも、保育園に入れない等の理由があれば1歳6ヶ月・2歳まで延長可能です。
ケース②|配偶者がフリーランス・自営業の場合
フリーランスや自営業者は雇用保険に加入していないため、育児休業給付金の対象外となります。そのため、配偶者がフリーランス・自営業の場合も、パパママ育休プラスは利用できません。
ただし、働いている側(会社員等)は「出生後休業支援給付金」の対象になる可能性があります。2025年4月以降、配偶者がフリーランス等の場合でも、本人が14日以上の育休を取得すれば、手取り10割相当の給付を最大28日間受けられます。
ケース③|母親が先に育休を開始し、父親が後から開始しない場合
条件④でお伝えした通り、パパママ育休プラスを利用する本人の育休開始日は、配偶者の育休開始日以降でなければなりません。
たとえば、パパが産後すぐに育休を取り、その後ママが育休を開始した場合、ママはパパママ育休プラスの対象になりますが、パパは対象外となります。
ケース④|子どもの1歳の誕生日後に育休を開始する場合
パパママ育休プラスは「子どもの1歳の誕生日より前に育休を開始する」ことが条件です。1歳を過ぎてから育休を取り始めても、パパママ育休プラスは適用されません。
ケース⑤|雇用保険に未加入の場合
育児休業給付金は雇用保険からの給付です。週20時間未満のパート等で雇用保険に加入していない場合、そもそも育児休業給付金を受け取れません。
雇用保険に加入しているかどうかは、給与明細で「雇用保険料」が控除されているかで確認できます。
「自分たちが条件を満たすか不安…」という方は、早めにハローワークや会社の人事に相談することをおすすめします。
▶あわせて読みたい:育児休業給付金のハローワーク問い合わせ完全ガイド|電話番号・窓口・相談内容を徹底解説〖2026年最新版〗
パパママ育休プラスで育児休業給付金はいくらもらえる?計算方法と支給額
「結局いくらもらえるの?」が一番気になるところですよね。計算方法と支給額の目安をお伝えします。
給付金の計算式|休業開始時賃金日額×支給日数×67%(または50%)
育児休業給付金の計算式は以下の通りです。
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(または50%)
休業開始時賃金日額とは、育休開始前6ヶ月間の給与総額(賞与を除く)を180で割った金額です。
支給率は、育休開始から180日目までは67%、181日目以降は50%に下がります。パパママ育休プラスで1歳2ヶ月まで延長した場合も、このルールは変わりません。
なお、育児休業給付金は非課税で、育休中は社会保険料も免除されるため、実質的な手取りは休業前の約8割程度になります。
給与別の支給額シミュレーション表
月収別の給付金支給額の目安は以下の通りです(2025年8月〜2026年7月の上限額基準)。
| 休業前の月収(額面) | 給付金(67%時)/月 | 給付金(50%時)/月 |
|---|---|---|
| 20万円 | 約13.4万円 | 約10万円 |
| 25万円 | 約16.8万円 | 約12.5万円 |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約15万円 |
| 35万円 | 約23.5万円 | 約17.5万円 |
| 40万円 | 約26.8万円 | 約20万円 |
| 48万円以上 | 上限:約32.4万円 | 上限:約24.2万円 |
※実際の支給額は、過去6ヶ月の賃金に基づいてハローワークが決定します。上記はあくまで目安です。
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上限額に注意|月収約48万円以上は頭打ち
育児休業給付金には上限額が設定されています。2025年8月〜2026年7月の基準では、休業開始時賃金日額の上限は16,110円です。
月額に換算すると約48.3万円。つまり、月収が約48万円を超える方は、それ以上収入が多くても給付金は増えません。
高収入の方は「思ったより給付金が少ない…」と感じることがあるので、事前にシミュレーションしておきましょう。
2025年4月からの新制度「出生後休業支援給付金」で手取り10割に
2025年4月から、育児休業給付金に上乗せされる「出生後休業支援給付金」がスタートしました。この制度を使えば、最大28日間は手取り10割相当の給付を受けられます。
夫婦それぞれ14日以上の育休で13%上乗せ|合計80%支給
出生後休業支援給付金の仕組みはこうです。
- 子の出生後一定期間内(父親は8週間以内、母親は16週間以内)に、夫婦それぞれが14日以上の育休を取得
- 通常の育児休業給付金67%に加え、13%が上乗せされる
- 合計80%の給付+社会保険料免除で、実質手取り10割相当に
- 上乗せ支給は最大28日間が限度
つまり、パパとママがそれぞれ14日以上育休を取れば、両方とも最大28日間は手取り10割相当の給付を受けられるということです。
なお、配偶者がフリーランス・専業主婦(夫)の場合でも、働いている側は14日以上の育休を取得すれば出生後休業支援給付金の対象になります。
パパママ育休プラスとの併用で最大限活用する方法
「出生後休業支援給付金」と「パパママ育休プラス」は併用可能です。
たとえば、以下のような取り方ができます。
【活用例】
- パパが産後すぐ〜産後8週間以内に「産後パパ育休」で4週間取得(手取り10割対象)
- ママは産後休業終了後から育休開始(手取り10割対象)
- ママの育休中にパパが復帰、ママが1歳前後で復帰予定のタイミングでパパがパパママ育休プラスを利用して再度育休取得
- パパが1歳〜1歳2ヶ月まで育休→育児休業給付金を受給
このように組み合わせることで、「手取り10割の期間」と「給付金を受け取れる期間」の両方を最大化できます。
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パパママ育休プラスの取得パターン5選|夫婦の状況別シミュレーション
「具体的にどう取ればいいの?」という疑問に、代表的な5つのパターンでお答えします。
パターン①|ママ→パパの「バトンタッチ型」
最もオーソドックスなパターンです。
流れ:
- ママが産後休業終了後〜子どもの1歳の誕生日まで育休を取得
- ママの復帰と同時に、パパが1歳〜1歳2ヶ月まで育休を取得
メリット:ママの復帰準備期間をパパがカバーできる。保育園の慣らし保育とも重ねやすい。
パターン②|夫婦同時に育休を取る「重複型」
一定期間、夫婦で一緒に育休を取るパターンです。
流れ:
- ママが産後休業終了後から育休開始
- 途中からパパも育休に入り、夫婦で一緒に育児
- ママが1歳の誕生日前後で復帰、パパは1歳2ヶ月まで継続
メリット:産後の大変な時期を2人で乗り越えられる。出生後休業支援給付金(手取り10割)の対象にもなりやすい。
パターン③|パパが産後すぐ+1歳前後の「分割型」(産後パパ育休と組み合わせ)
産後パパ育休を活用して2回に分けるパターンです。
流れ:
- パパが産後8週間以内に「産後パパ育休」で2〜4週間取得(手取り10割対象)
- 一度復帰して働く
- ママの復帰に合わせて、1歳〜1歳2ヶ月で再度育休取得(パパママ育休プラス)
メリット:産後の里帰り終了後と、保育園入園前の2回のタイミングでサポートできる。
パターン④|祖父母サポートを挟む「リレー型」
祖父母の協力を得られる場合のパターンです。
流れ:
- ママが生後6ヶ月頃まで育休を取得して復帰
- 6ヶ月〜9ヶ月頃は祖父母がサポート
- パパが9ヶ月〜1歳2ヶ月まで育休を取得(パパママ育休プラス)
メリット:祖父母の協力を活かしながら、ママのキャリア継続も両立できる。
自分たちに合うパターンの選び方
どのパターンが良いかは、以下の要素で変わります。
- 職場環境:長期の育休が取りやすいか、短期間で区切った方が取りやすいか
- 収入バランス:夫婦どちらの収入が高いか(給付金上限に達するか)
- 保育園事情:入園しやすい時期(4月)に合わせるかどうか
- 祖父母サポート:里帰りや手伝いがあるかどうか
まずは夫婦で話し合い、それぞれの職場にも早めに相談することをおすすめします。
パパママ育休プラスと産後パパ育休の違い
「産後パパ育休」と「パパママ育休プラス」は名前が似ていて混乱しますよね。この2つはまったく別の制度です。
産後パパ育休は出生後8週間以内に最大4週間
産後パパ育休(出生時育児休業)は、子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日)取得できる制度です。2022年10月に新設されました。
【産後パパ育休の特徴】
- 対象期間:子の出生後8週間以内
- 取得可能期間:最大4週間(2回まで分割可)
- 通常の育休とは別枠で取得可能
- 2025年4月以降は出生後休業支援給付金(手取り10割)の対象
パパママ育休プラスは1歳2ヶ月までの期間延長
一方、パパママ育休プラスは、両親がともに育休を取ることで、子どもが1歳2ヶ月になるまで育休期間を延長できる制度です。
【パパママ育休プラスの特徴】
- 対象期間:通常の育休期間(1歳まで)を1歳2ヶ月まで延長
- 取得可能期間:1人あたり最大1年間(変わらず)
- 両親ともに育休を取ることが条件
- 育児休業給付金も1歳2ヶ月まで受給可能
この2つは併用可能なので、産後パパ育休で出生直後をサポートし、パパママ育休プラスで1歳前後をサポートする、という使い方ができます。
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パパママ育休プラスの申請方法と必要書類
パパママ育休プラスの申請は、通常の育児休業給付金の申請手続きの中で行います。特別に別の手続きが必要なわけではありません。
育児休業給付金支給申請書への記載方法
育児休業給付金を申請する際、「育児休業給付金支給申請書」にパパママ育休プラスに関する情報を記載します。
具体的には、申請書の「配偶者の育児休業取得の有無」欄に必要事項を記入し、配偶者が育休を取得していることを証明する書類を添付します。
実際の申請手続きは、多くの場合勤務先の会社が代行してくれます。自分で直接ハローワークに申請することも可能ですが、会社に依頼するのが一般的です。
添付書類|住民票など配偶者の育休を証明する書類
パパママ育休プラスを申請する際には、以下の書類が必要になる場合があります。
- 住民票記載事項証明書(世帯全員記載のもの):配偶者との関係を証明
- 配偶者の育児休業取得を証明する書類:配偶者の会社が発行する育休取得証明書など
必要書類は状況によって異なることがあるので、事前に会社の人事担当やハローワークに確認しておくと安心です。
▶あわせて読みたい:育児休業給付金の申請書類完全ガイド|必要書類一覧・記入例・提出期限まで徹底解説〖2026年最新版〗
パパママ育休プラスでよくある質問Q&A
Q. 1人あたりの育休期間は延びるの?
A. いいえ、延びません。
パパママ育休プラスで延長されるのは「育休を取得できる子の年齢(1歳→1歳2ヶ月)」であり、1人あたりの育休取得期間は最大1年間のままです。
たとえば、ママが産後休業を含めて1年間育休を取った場合、ママ自身がさらに2ヶ月延長できるわけではありません。パパが後から育休を取ることで、「家族として」1歳2ヶ月まで育休期間をカバーできる、という仕組みです。
Q. 保育園に入れなかったら2歳まで延長できる?
A. はい、パパママ育休プラスを利用した場合でも、1歳6ヶ月・2歳までの延長は可能です。
保育所に入所できない等の理由があれば、パパママ育休プラスの1歳2ヶ月を超えて、最長2歳まで育児休業(および育児休業給付金)を延長できます。
ただし、2025年4月からは延長の審査が厳格化されています。「育休延長のために、わざと保育園に落ちる」ような行為は認められなくなっているので注意してください。
▶あわせて読みたい:育児休業給付金が延長できなかった!原因と対処法を徹底解説〖2025年最新版〗
Q. パートや契約社員でも使える?
A. 条件を満たせば使えます。
パパママ育休プラスは正社員に限らず、パート・アルバイト・契約社員でも利用可能です。ただし、以下の条件を満たしている必要があります。
- 雇用保険に加入している(週20時間以上勤務が目安)
- 育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上ある
- 有期雇用の場合、子どもが1歳6ヶ月になるまでに契約が終了することが明らかでないこと
▶あわせて読みたい:育児休業給付金はパートでももらえる!受給条件・計算方法・申請手続きを完全解説〖2026年最新版〗
まとめ|パパママ育休プラスで給付金を最大化するポイント
最後に、パパママ育休プラスで育児休業給付金を最大限活用するためのポイントをまとめます。
【パパママ育休プラス活用のポイント】
- 4つの条件を確認:両親ともに育休取得、配偶者が1歳前に育休開始、本人も1歳前に育休開始、本人の開始日が配偶者以降
- 使えないケースに注意:専業主婦(夫)家庭、フリーランス配偶者は対象外
- 給付金上限を把握:月収約48万円以上は上限に達する
- 出生後休業支援給付金と併用:夫婦で14日以上育休を取れば手取り10割(最大28日間)
- 産後パパ育休も活用:出生直後と1歳前後の2回に分けて取得する方法も
- 早めに会社に相談:申請手続きは会社が代行することが多いため、希望を早めに伝える
パパママ育休プラスは、夫婦で協力して育児をするための心強い制度です。条件をしっかり確認した上で、ぜひ活用してください。
制度や手続きで不明な点があれば、ハローワークや会社の人事担当に相談しましょう。この記事が、あなたの育休計画の参考になれば幸いです。
▶産休・育休の日程計算は自動計算ツールが便利です:産休育休自動計算ツール


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