育児休業給付金の計算式
育児休業給付金がいくらもらえるか、気になりますよね。
結論からお伝えすると、育休前の月給(額面)の約67%が支給されます。ただし、育休開始から181日目以降は50%に下がります。
「67%って、結局いくらなの?」という方のために、まずは計算式と早見表をサクッと確認しましょう。
基本の計算式(67%と50%の違い)
育児休業給付金の計算式は、次のとおりです。
【育休開始〜180日目まで】
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
【181日目〜育休終了まで】
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%
ここでポイントになるのが「休業開始時賃金日額」という聞き慣れない言葉。これは、育休前6ヶ月間の給与総額を180で割った金額のことです。後ほど詳しく解説しますね。
ざっくり言うと、「月給の67%」「半年後からは月給の50%」と覚えておけばOKです。
月収別・早見表でサクッと確認
「計算式は分かったけど、実際いくら?」という方のために、月収別の目安をまとめました。
| 育休前の月収 (額面) |
67%支給時 (〜180日) |
50%支給時 (181日〜) |
|---|---|---|
| 20万円 | 約13.4万円 | 約10万円 |
| 25万円 | 約16.8万円 | 約12.5万円 |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約15万円 |
| 35万円 | 約23.5万円 | 約17.5万円 |
| 40万円 | 約26.8万円 | 約20万円 |
| 50万円以上 | 上限 約32.4万円 | 上限 約24.2万円 |
※2026年7月までの上限額を基に算出。あくまで目安です。
「思ったより多い」と感じましたか? 実は育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されるので、手取りベースで考えると、働いていた頃の約8割程度の収入になるケースが多いんです。
計算に必要な「休業開始時賃金日額」とは?
育児休業給付金の計算で一番つまずきやすいのが、この「休業開始時賃金日額」です。
難しそうに聞こえますが、要するに「育休に入る前の6ヶ月間で、1日あたりいくら稼いでいたか」という数字です。
給与明細のどこを見ればいい?
計算の元になるのは、「額面」の給与です。手取りではありません。
給与明細で確認する場所は次のとおりです。
✓ 計算に含まれるもの(額面に入っているもの)
- 基本給
- 役職手当・職務手当
- 残業代(時間外手当)
- 通勤手当(交通費)
- 住宅手当
「総支給額」や「支給合計」と書かれている金額が「額面」です。そこから社会保険料や税金を引いた「差引支給額」が「手取り」になります。
残業代・ボーナスは含まれる?含まれない?
ここ、よく混乱するポイントなのでハッキリさせておきますね。
◎ 計算に含まれる
- 残業代 → 含まれます
- 通勤手当 → 含まれます
- 各種手当(住宅・家族・役職など)→ 含まれます
× 計算に含まれない
- ボーナス(賞与)→ 含まれません
- 退職金 → 含まれません
- 3ヶ月を超える期間ごとに支払われる手当 → 含まれません
つまり、残業が多かった月が計算期間に入っていると、給付金も増えるということ。逆に、つわりで残業が減った時期が多いと、少し減ってしまう可能性もあります。
ただし、実際の計算はハローワークが行うので、細かい計算を自分でする必要はありません。気になる方は、会社の人事担当者に「育休前6ヶ月の給与はどうなりそうですか?」と聞いてみるといいでしょう。
上限額・下限額に注意【2026年最新】
「給与が高ければ高いほど、給付金も増える?」と思いがちですが、実は上限額が決まっています。
高収入でも頭打ち?上限額の壁
2026年7月31日までの上限額は、次のとおりです。
| 項目 | 上限額(月額) |
|---|---|
| 67%支給時(〜180日) | 323,541円 |
| 50%支給時(181日〜) | 241,746円 |
これは、休業開始時賃金日額の上限が16,110円と決まっているためです。
つまり、月収(額面)が約48万円を超える方は、計算上の給付金は増えますが、実際に受け取れる金額は上限で頭打ちになります。
パート・時短勤務の場合は下限額をチェック
反対に、下限額も設けられています。
| 項目 | 下限額(月額) |
|---|---|
| 67%支給時(〜180日) | 60,582円 |
| 50%支給時(181日〜) | 45,210円 |
パートや時短勤務で働いていた方は、計算結果が下限を下回る場合、下限額まで引き上げられて支給されます。
なお、上限・下限額は毎年8月1日に見直されるので、最新情報は厚生労働省の公式サイトで確認してくださいね。
「実質10割」出生後休業支援給付金とは
「育休手当が実質10割になる」というニュースを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
これは2025年4月から始まった「出生後休業支援給付金」という新しい制度です。ただし、誰でももらえるわけではないので注意が必要です。
80%になる条件(夫婦ともに14日以上)
出生後休業支援給付金を受け取るには、次の条件をすべて満たす必要があります。
【出生後休業支援給付金の条件】
- 子どもの出生後8週間以内に育休(産後パパ育休を含む)を取得すること
- 夫婦それぞれが14日以上の育休を取得すること
- 通常の育児休業給付金の受給要件を満たしていること
この条件を満たすと、最大28日間、育児休業給付金67%に13%が上乗せされ、合計80%の給付率になります。
さらに、育休中は社会保険料が免除されるため、手取りベースで考えると「実質10割」になるという仕組みです。
「うちは対象外」になりやすいケース
ただし、次のような場合は対象外となることがあります。
対象外になりやすいケース
- パパが育休を取らない(または14日未満)
- パパが自営業・フリーランスで雇用保険に加入していない
- 出生後8週間を過ぎてから育休を開始した
ただし、配偶者がいない(ひとり親)場合や、配偶者が自営業者の場合などは、夫婦取得要件が免除されることもあります。該当する可能性がある方は、ハローワークに確認してみてください。
「パパも14日以上取らないといけない」というのが、この制度の大きなポイント。パートナーと早めに育休の取り方を相談しておくことをおすすめします。
181日目から50%に下がる|タイミングの計算方法
育児休業給付金は、育休開始から180日目までは67%ですが、181日目からは50%に下がります。
この「いつから下がるか」を把握しておくと、家計の見通しが立てやすくなりますよ。
いつから50%になる?具体例で解説
例えば、2026年4月1日から育休を開始した場合を考えてみましょう。
【例:4月1日に育休開始した場合】
- 67%支給期間:4月1日〜9月27日(180日間)
- 50%支給期間:9月28日〜育休終了まで
ざっくり言うと、「育休開始から約6ヶ月後に給付率が下がる」と覚えておけばOKです。
子どもの誕生日(1歳)まで育休を取る場合、ママは産後8週間の産休後に育休が始まるので、子どもが10ヶ月になる頃に50%に切り替わるイメージですね。
パパ・ママ育休プラスを使う場合
夫婦で育休を取得する場合、「パパ・ママ育休プラス」という制度を使うと、育休期間を子どもが1歳2ヶ月になるまで延長できます。
ただし注意点として、67%で支給されるのは1人あたり最大180日間というルールは変わりません。延長された期間も50%支給となります。
例えば、次のようなケースが考えられます。
【例:パパ・ママ育休プラスを活用】
- ママ:産後8週〜子ども1歳まで育休 → 180日目までは67%、その後は50%
- パパ:子ども10ヶ月〜1歳2ヶ月まで育休 → 全期間67%(180日以内のため)
夫婦で育休をずらして取得すると、世帯全体で見たときの給付金を最大化できる可能性があります。パートナーと相談しながら、ベストな取得パターンを考えてみてくださいね。
自動計算ツールでシミュレーションしよう
ここまで計算式や早見表を紹介してきましたが、正直なところ、自分で計算するのは面倒ですよね。
「結局、私の場合はいくらもらえるの?」という疑問には、自動計算ツールを使うのが一番早くて確実です。
計算ツールを使えば、出生後休業支援給付金(80%上乗せ)の有無も含めて、総額でいくらもらえるかが一目で分かります。
家計の計画を立てる際に、ぜひ活用してくださいね。
よくある疑問Q&A
最後に、育児休業給付金の計算に関するよくある疑問をまとめました。
振込はいつ?2ヶ月に1回って本当?
はい、原則として2ヶ月に1回、まとめて振り込まれます。
ただし、初回の振込はタイミングがズレやすいので注意が必要です。
【振込タイミングの目安】
- 初回:育休開始から約2〜3ヶ月後
- 2回目以降:2ヶ月ごと(申請から約1週間で振込)
「育休に入ったのに給付金が振り込まれない!」と焦る方もいますが、初回は手続きの関係で時間がかかるのが普通です。育休開始から3ヶ月分くらいの生活費は、あらかじめ確保しておくと安心ですよ。
会社から給与が出たら減額される?
育休中に会社から給与が出る場合、給付金が減額または不支給になることがあります。
【給与が出た場合の給付金】
- 給与が休業前の13%以下 → 給付金は全額支給
- 給与が休業前の13%〜80%未満 → 給付金は減額(給与+給付金が休業前の80%になるよう調整)
- 給与が休業前の80%以上 → 給付金は不支給
会社によっては育休中も一部給与を支払うところがありますので、人事担当者に確認しておくと良いでしょう。
延長したい場合の手続きは?
保育園に入れないなどの理由で育休を延長したい場合、給付金も延長して受け取ることができます。ただし、2025年4月から手続きが厳格化されました。
【延長に必要な書類(2025年4月〜)】
- 市区町村発行の「入所保留通知書」
- 「保育所等の利用申込書の写し」← 新たに必要になりました
特に注意したいのが、申込書の写しを必ず保管しておくこと。電子申請の場合は、申し込み画面のスクリーンショットを印刷しておきましょう。
「とりあえず申し込んだけど、控えを取っていなかった…」というトラブルが増えているようです。保活を始めたら、書類管理も意識してみてくださいね。
育児休業給付金の計算、イメージが掴めましたか?
細かい計算はハローワークがやってくれるので、まずは「月給の67%が半年、その後は50%」というざっくりした目安を押さえておけば大丈夫です。
パートナーと一緒に育休を取る予定の方は、出生後休業支援給付金(80%上乗せ)の条件も確認して、「夫婦それぞれ14日以上」を意識した育休計画を立ててみてくださいね。
具体的な金額が知りたい方は、産休育休自動計算ツールでシミュレーションしてみてください。出産予定日を入れるだけで、もらえる金額の総額がすぐに分かりますよ。



コメント