「パパも育休を取っていいの?」「いつ取るのが一番助かる?」「会社に言いづらい…」――パパが育休を取ることへの疑問や不安は多いです。
このページでは、パパが育休を取るための制度・タイミング・給付金・会社への伝え方まで、パパ目線で解説します。実際に育休を取ったかやパパの視点も交えながら、リアルなところをお伝えします。
目次
パパも育休を取れる
育休(育児休業)はママだけの制度ではありません。パパも法律上の権利として育休を取得できます。育児・介護休業法により、すべての労働者に育休取得の権利が認められており、会社はこれを拒否することができません。
パパが育休を取るための主な条件
- 雇用保険に加入していること
- 育休開始日前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること(給付金受給の条件)
- 子どもが1歳になるまでの間に、労働契約が終了することが明らかでないこと
💡 補足:2022年の法改正で、会社はパパに対して育休取得の意向を確認することが義務付けられました。「取っていいか聞きづらい」と感じる必要はなく、むしろ会社側から声をかけることが求められています。
パパ育休と産後パパ育休の違い
パパが使える育休制度は大きく2つあります。よく混同されますが、取得できる時期・日数・分割の可否が異なります。
| 比較項目 | 育児休業(通常の育休) | 産後パパ育休(出生時育児休業) |
|---|---|---|
| 取得できる期間 | 出生日〜子が1歳になるまで | 出生後8週間以内 |
| 最大日数 | 子が1歳になるまでの全期間 | 最大28日間(4週間) |
| 分割取得 | 2回まで分割可 | 2回まで分割可 |
| 申し出の期限 | 開始1か月前まで | 開始2週間前まで |
| 給付金 | 育児休業給付金(給与の67%→50%) | 出生時育児休業給付金(給与の約67%) |
| 休業中の就労 | 原則不可 | 労使協定があれば一部可 |
📌 ポイント:産後パパ育休は「出生後8週間以内」という制限があるため、出産前から会社に申し出ておくのが重要です。出産後に「取りたい」と言っても2週間では準備が間に合わないことがあります。
産後パパ育休の詳細は → 産後パパ育休とは|期間・給付金・分割取得・申請方法を解説
パパが育休を取るメリット
「パパが育休を取るメリットはあるの?」と思う方もいるかもしれません。制度的なメリットだけでなく、家族にとっての現実的なメリットも大きいです。
ママ・赤ちゃんへのメリット
- 産後のママの体と心の回復を支えられる(産後うつのリスク軽減)
- 夜間授乳・おむつ替えを分担できる
- ママが一人で抱えるプレッシャーを減らせる
- 赤ちゃんとパパの絆が早い段階から育まれる
パパ自身へのメリット
- 育児の基礎(抱っこ・授乳補助・入浴など)を最初から習得できる
- 育休取得により給付金・社会保険料免除の恩恵を受けられる
- 育休後の家事・育児参加の習慣が定着しやすくなる
- 「取らなかった」という後悔がなくなる
お金のメリット
- 育児休業給付金(給与の67%)が受け取れる
- 育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除される
- 夫婦ともに育休を取ると「出生後休業支援給付金」(追加給付)の対象になる場合がある
💡 かやパパより:産後すぐの時期は、ママの体が想像以上につらい状態です。「俺がいなくても大丈夫」ではなく「俺がいることで全然違う」という実感が育休中に必ずあります。取れる環境があるなら、ぜひ取ってください。
いつ取るのが現実的か
パパ育休は「取れるなら取る」だけでなく、いつ取るかも重要です。時期によってママへの貢献度・仕事への影響・給付金の受け取り方が変わります。
時期別のメリット・デメリット
| 取得時期 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 出産直後〜産後8週間 (産後パパ育休) |
ママが最もつらい時期をサポートできる。睡眠不足・授乳・回復を二人でこなせる | 申請期限が2週間前と短いため出産前から準備が必要 |
| 産後2〜3か月 | 育児リズムが少し安定してくる時期。保育園の申し込みなどの手続きも対応できる | 産後すぐのサポートが薄くなる |
| ママの育休終了前後 | ママの職場復帰に合わせてパパが育休に入り、保育園慣らし保育期間をカバーできる | 職場への影響が大きくなる場合がある |
💡 かやパパより:産後すぐが一番助かります。生後0〜8週間は、ママにとって体の回復・授乳の確立・精神的な安定の全部が同時に来る時期。「後で取ればいい」ではなく「この時期に取らないと意味がない」くらいの感覚で考えてみてください。
夫婦で育休を取るパターン
パパの育休と産休・育休を組み合わせることで、家族の状況に合わせた育休の取り方ができます。代表的なパターンを紹介します。
代表的な4パターン
| パターン | 内容 | 向いている家庭 |
|---|---|---|
| 産後パパ育休のみ | パパが産後8週間以内に最大4週間取得。その後は通常勤務に戻る | 長期育休は難しいが産後すぐのサポートをしたいパパ |
| 産後パパ育休+育休 | 産後パパ育休(4週間)のあとに通常の育休も続けて取得する | 長めのサポートを希望するパパ |
| ママとの同時取得 | ママとパパが同じ期間に育休を取得(給付金も両方もらえる) | 夫婦で育児を最初からしっかり経験したい家庭 |
| ママ復帰後に交代 | ママが先に職場復帰し、パパが後半に育休を取って保育園慣らし期間をカバー | ママが早期復帰を希望している家庭 |
収入面の注意点
パパが育休を取るとき、最も気になるのが収入の減少です。仕組みを理解しておくと、不安を減らせます。
育休中の収入の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 育児休業給付金 | 育休開始〜180日(6か月):給与の約67% 181日目〜:給与の約50% |
| 社会保険料免除 | 育休中は健康保険料・厚生年金保険料が本人・会社負担ともに免除 |
| 手取りの実態 | 給付金67%+社会保険料免除により、手取りベースで通常勤務時の約80%になるケースが多い |
| 課税関係 | 育児休業給付金は非課税。所得税・住民税の対象外 |
| 出生後休業支援給付金 | 夫婦ともに育休を取得した場合、28日間は給与の約13%が上乗せ(実質約80%→給付のみで実質的に手取り相当) |
月収別の育休中の手取り目安
| 月収の目安 | 給付金(67%) | 手取り概算(〜6か月) |
|---|---|---|
| 25万円 | 約16.7万円 | 約19〜20万円 |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約23〜24万円 |
| 35万円 | 約23.5万円 | 約26〜28万円 |
| 40万円 | 約26.8万円 | 約30〜32万円 |
※社会保険料免除を含む概算。標準報酬月額・健保組合等により異なります。
正確な金額は → 育児休業給付金計算ツール
会社への伝え方
パパが育休を取る際の最大のハードルが「会社への伝え方」です。特に産後パパ育休は申し出期限が取得希望日の2週間前までと短いため、出産前から動いておくのが大切です。
伝えるタイミングの目安
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 妊娠中(安定期〜) | 直属の上司に妊娠の報告と育休取得の意向を伝える。取得時期・期間の大まかな希望も共有する |
| 出産予定日の1〜2か月前 | 人事・総務へ正式に育休取得の申し出をする。引き継ぎの準備を始める |
| 出産後(産後パパ育休の場合) | 取得日の2週間前までに正式な書面での申し出が必要(事前に口頭で調整済みであれば手続きのみ) |
上司への伝え方の例文
口頭での報告例
「〇〇さん、ご報告があります。このたびパートナーが妊娠しまして、出産予定日は〇月〇日です。育児休業の取得を検討しており、出産直後に産後パパ育休(最大4週間)を取りたいと考えています。業務の引き継ぎについてご相談させていただけますでしょうか。」
詳しい伝え方・メールの例文については → 会社への伝え方|産休・育休を上司に相談するタイミングと例文
職場で気まずいときの考え方
「周りに育休を取るパパがいない」「職場の雰囲気的に言いにくい」と感じることもあると思います。そういうときの考え方をいくつか共有します。
気持ちを整理するヒント
- 育休取得は法律上の権利。会社が拒否することは違法(育児・介護休業法第10条)
- 2022年の法改正で、会社は従業員に育休取得の意向を確認する義務がある。パタハラも違法
- 「迷惑をかける」という気持ちより「引き継ぎをしっかりやる」という姿勢を見せることで、周囲の印象が変わる
- 短期間(産後パパ育休の2〜4週間)なら、職場への影響も限定的になりやすい
- 育休を取ることで、職場での育休取得のしやすい文化を自分がつくっていける
💡 かやパパより:「会社に迷惑をかける」という感覚は理解できますが、産後すぐのママと赤ちゃんの状況を優先する権利が、あなたにはあります。引き継ぎをしっかりやって、堂々と育休を取ってください。後悔する人はほとんどいません。
よくある質問
Q. パパが育休中でもママの育休は継続できますか?
A. はい。パパとママが同時に育休を取ることは可能で、両方の給付金をそれぞれ受け取ることができます。夫婦ともに育休を取ることで「出生後休業支援給付金」の対象になる場合もあります。
Q. パパが育休を取る際、会社に提出する書類は何ですか?
A. 「育児休業申出書」を会社(人事・総務)に提出します。産後パパ育休の場合は「出生時育児休業申出書」になります。書式は会社が用意するか、厚生労働省のモデル様式が使えます。
Q. 育休中に会社から連絡が来たら対応しないといけませんか?
A. 育休中は就労義務がありません。ただし、緊急連絡への対応や引き継ぎに関する確認などについては、事前に上司と取り決めておくとトラブルを防げます。
Q. 育休を途中で切り上げることはできますか?
A. 育休期間中に育休を終了させることは原則として認められています。ただし、一度終了すると同じ子どもに対する育休の再取得には制限があります。育休の終了を検討している場合は、事前に会社や勤務先の担当者に相談してください。
Q. 育休取得を理由に降格・減給・解雇されることはありますか?
A. 育休取得を理由とした不利益な取り扱い(降格・減給・解雇・配置転換など)は法律(育児・介護休業法)で禁止されています。パタハラに該当する可能性があります。万が一そのような対応をされた場合は、都道府県労働局や労働基準監督署に相談してください。
まとめ:パパ育休は権利。産後すぐが一番助かる
- パパも育休を取る権利がある。会社は拒否できない
- 産後パパ育休(出生後8週間以内・最大4週間)とは別に、通常の育休も取得できる
- 育休中は給与の約67%の給付金+社会保険料免除で、手取り約80%になるケースが多い
- 取るタイミングは産後すぐがもっともママ・赤ちゃんの役に立てる
- 産後パパ育休の申し出期限は取得日の2週間前まで。出産前に会社と調整しておく
- 育休取得を理由とした不利益な扱いは法律違反(パタハラ)
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※本ページの情報は2026年5月時点のものです。育児・介護休業法は改正が続いています。最新の情報は厚生労働省または勤務先にご確認ください。
