「企業主導型保育園って何?」「地域枠があれば誰でも入れるの?」「認可外保育園とどう違う?」――企業主導型保育園は比較的新しい制度で、仕組みがわかりにくいという声が多い保育施設です。
このページでは、企業主導型保育園の定義・従業員枠と地域枠の違い・保育料・メリット・デメリット・申し込み方法・向いている家庭まで解説します。
企業主導型保育園とは
企業主導型保育園とは、企業が主体となって設置・運営する保育施設で、国(内閣府・公益財団法人児童育成協会)から助成金を受けて運営しています。2016年に始まった比較的新しい制度です。
もともとは企業が従業員の子どもを預けるために設置するものでしたが、地域枠として従業員以外の子どもも受け入れることができます。認可外保育施設に分類されますが、国の助成金を受けているため保育料が抑えられている点が特徴です。
💡 結論:企業主導型保育園は、企業が設置する保育施設です。従業員以外でも「地域枠」で入れる施設があり、認可保育園に入れなかった場合の選択肢として活用できます。保育料は認可保育園とほぼ同水準になるよう助成されています。
企業主導型保育園の主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置主体 | 企業(株式会社・NPO法人・社会福祉法人など) |
| 助成金 | 国(内閣府・公益財団法人児童育成協会)から助成金あり |
| 分類 | 認可外保育施設に分類(認可外だが国の助成あり) |
| 対象年齢 | 0歳〜就学前(施設によって異なる) |
| 保育士配置基準 | 認可保育園と同等の配置基準が設けられている |
| 定員 | 小規模な施設が多い(定員6〜19名程度) |
従業員枠と地域枠
企業主導型保育園には「従業員枠」と「地域枠」の2種類があります。地域枠があれば、その企業に勤めていない一般の方でも利用できます。
従業員枠・地域枠の比較
| 項目 | 従業員枠 | 地域枠 |
|---|---|---|
| 対象者 | 施設を設置した企業・提携企業の従業員 | 企業従業員以外の一般の方も利用可能 |
| 定員の割合 | 定員の半分以上が従業員枠であることが多い | 定員の半分未満が地域枠(施設によって異なる) |
| 申し込み方法 | 勤務先(人事・総務)を通じて申し込む | 施設に直接申し込む |
| 保育料の補助 | 企業が一部負担するケースがある | 企業の補助はなし。国の助成のみ |
📌 注意:地域枠の有無・定員数は施設によって異なります。また地域枠が満員の場合は入所できません。希望する施設に地域枠があるか、空きがあるかを事前に直接問い合わせてください。
地域枠を探す方法
- 公益財団法人児童育成協会の「企業主導型保育事業ポータルサイト」で施設を検索できる
- 自治体の保育課窓口で近隣の企業主導型保育園を教えてもらえる場合がある
- 各施設のウェブサイトで「地域枠あり」の記載を確認する
- 直接施設に電話して地域枠の空き状況を問い合わせる
認可外保育園との関係
企業主導型保育園は法的には認可外保育施設に分類されますが、国の助成金・指導監督を受けている点で一般的な認可外保育園とは異なります。
| 比較項目 | 企業主導型保育園 | 一般の認可外保育園 |
|---|---|---|
| 国の助成金 | あり(設置費・運営費) | 原則なし |
| 保育士の配置基準 | 認可保育園と同等の基準 | 施設によって異なる |
| 保育料 | 認可保育園と同水準を目指した設定 | 施設が自由設定(高めが多い) |
| 3歳以上の無償化補助 | 月3.7万円まで補助(認可外と同様) | 同左 |
| 指導監督 | 国(児童育成協会)が指導・監査 | 都道府県が指導監督 |
保育料
企業主導型保育園の保育料は、国の助成金により認可保育園と同水準になるよう設定することが求められています。ただし施設によって保育料は異なります。
保育料の決まり方
- 施設が設定する保育料から、国の助成金が差し引かれた額が実際の保育料になる
- 世帯収入(住民税額)に応じて保育料が変わる施設と、一律料金の施設がある
- 従業員枠の場合は企業がさらに一部負担し、実質的な保育料が低くなるケースがある
地域枠利用時の保育料目安
| 年齢 | 保育料の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 0〜2歳 | 認可保育園と同水準 (世帯収入に応じて変動) |
施設によって異なる |
| 3〜5歳 | 月3.7万円まで補助あり | 認可外保育施設等の無償化と同様の扱い |
※実際の保育料は施設によって異なります。入所前に必ず施設に確認してください。
💡 補足:企業主導型保育園の保育料は、国の助成によって認可保育園に近い水準に抑えられていますが、施設ごとに差があります。見学・問い合わせの際に保育料の内訳(月額+その他費用)を確認してください。
メリット
企業主導型保育園を選ぶメリット
- 認可保育園と同水準の保育料:国の助成金により、一般の認可外保育園より保育料が低め
- 認可保育園の点数に関係なく入れる可能性がある:地域枠は点数による選考がなく、申し込みで入れることがある
- 認可保育園と同等の保育士配置基準:認可基準と同等の配置基準が設けられているため安心感がある
- 柔軟な保育時間:夜間・休日保育・短時間保育など多様なニーズに対応している施設もある
- 小規模で温かみのある保育:定員が少ないため、一人ひとりへの関わりが手厚い施設が多い
- 認可保育園の待機中の受け皿になる:認可保育園に入れるまでの間、安定した保育環境を提供してくれる
デメリット
企業主導型保育園のデメリット・注意点
- 地域枠の空きがない施設が多い:従業員枠が優先されるため、地域枠の定員が少なく満員になりやすい
- 3〜5歳の無償化が一部のみ:認可保育園のような全額無償化ではなく月3.7万円まで
- 施設の規模が小さい:定員が少ない施設が多く、行事・友人関係の幅が限られる場合がある
- 施設の継続性に不安がある場合がある:企業の経営状況によって閉園になるリスクがゼロではない
- 情報が少ない:認可保育園と比べてウェブ上の情報が少なく、実態把握に手間がかかる
- 自治体の保育園加点にならない場合がある:認可外在籍加点の対象にならない自治体もある(要確認)
📌 注意:企業主導型保育園に通いながら認可保育園の申請を並行して進めることは可能です。認可保育園に内定した場合の転園についても、入所前に施設に確認しておきましょう。
申し込み方法
企業主導型保育園への申し込みは、枠の種類によって方法が異なります。市区町村への申請は不要で、施設または勤務先に直接申し込む形になります。
枠別の申し込み方法
| 枠の種類 | 申し込み先 | 備考 |
|---|---|---|
| 従業員枠 | 勤務先(人事・総務)を通じて申し込む | 施設を設置した企業・提携企業の従業員が対象 |
| 地域枠 | 施設に直接問い合わせ・申し込む | 見学後に申し込みを受け付ける施設が多い |
地域枠の申し込み手順
- 「企業主導型保育事業ポータルサイト」または自治体の窓口で近隣施設を探す
- 施設のウェブサイト・電話で地域枠の空き状況を問い合わせる
- 見学を予約して施設の雰囲気・保育内容・費用を確認する
- 入所希望の申込書を施設に提出する(必要書類は施設ごとに異なる)
- 選考(先着・面接など)を経て入所内定・入園手続きへ
💡 補足:無償化の補助(3歳以上・月3.7万円まで)を受けるためには、市区町村から「保育の必要性」の認定(2号・3号認定)を受ける必要があります。入所が決まったら自治体の窓口で認定の手続きも忘れずに行いましょう。
向いている家庭
企業主導型保育園は、以下のような状況の家庭に特に向いています。
企業主導型保育園が向いているケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 勤務先が企業主導型保育園を設置している | 従業員枠として低コスト・職場近くで預けられる |
| 認可保育園の点数が低く入所が難しい | 点数に関係なく地域枠で入れる可能性がある |
| 認可保育園の空き待ち中 | 認可保育園に転園するまでの橋渡しとして利用できる |
| 少人数のアットホームな環境を希望する | 小規模施設が多く、一人ひとりへの関わりが手厚い |
| 認可外保育園より費用を抑えたい | 国の助成により一般の認可外保育園より保育料が低め |
よくある質問
Q. 企業主導型保育園に通わせながら認可保育園の申請はできますか?
A. できます。企業主導型保育園に通いながら、認可保育園への申請を並行して行うことが可能です。認可保育園に内定した場合は転園する流れになります。転園の際の手続きについては事前に施設・自治体に確認しておきましょう。
Q. 企業主導型保育園は認可保育園の点数加点の対象になりますか?
A. 自治体によって異なります。企業主導型保育園を「認可外保育施設」として扱い、在籍実績を加点対象とする自治体もあります。お住まいの自治体の点数表(入園案内)で確認するか、保育課に問い合わせてください。
Q. 企業が閉園した場合、子どもはどうなりますか?
A. 企業主導型保育園が閉園になる場合は、事前に告知のうえ退園手続きが行われます。急な閉園のリスクに備えて、認可保育園への申請や代替施設の情報を並行して持っておくと安心です。
Q. 地域枠は誰でも申し込めますか?
A. 原則として、保育の必要性がある家庭(就労・求職中・疾病など)であれば申し込めます。ただし、施設によって独自の条件(居住地の制限など)がある場合があります。事前に施設に確認してください。
Q. 企業主導型保育園と認可保育園を同時に申請できますか?
A. できます。認可保育園は市区町村へ、企業主導型保育園は施設へ直接、それぞれ独立して申し込めます。どちらかに内定した場合、もう一方を辞退する形になります。
まとめ:地域枠を狙って認可保育園の選択肢を広げよう
- 企業主導型保育園は企業が設置・国が助成する認可外保育施設
- 地域枠があれば企業の従業員以外でも申し込める
- 保育料は認可保育園と同水準になるよう助成されている
- 申し込みは施設に直接(市区町村への申請不要)
- 3歳以上は認可外と同様に月3.7万円まで補助あり(保育の必要性認定が必要)
- 認可保育園の申請と並行して進めることが可能
- 地域枠の空き状況は施設に直接問い合わせて確認する
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※本ページの情報は2026年5月時点のものです。企業主導型保育事業の制度内容は変更される場合があります。最新の情報は公益財団法人児童育成協会または自治体にご確認ください。
