「育休はいつから取れるの?」「正社員じゃないと取れない?」「パパも取れるの?」――育休(育児休業)は産休と並んで多くの疑問が生まれる制度です。
このページでは、育休の基本(対象者・期間・条件)から、給付金・社会保険料免除・パパの育休まで、はじめての方でもわかるように解説します。
育休とは
育休(育児休業)は、育児・介護休業法に基づいて認められた休業制度です。子どもを養育するために、一定期間仕事を休むことができる権利が法律で保障されています。
産休と混同されることが多いですが、育休はママもパパも取得できる点が大きな特徴です。また、産休が出産前後の短期間であるのに対し、育休は子どもが1歳(延長した場合は最長2歳)になるまでの長期間を対象としています。
産休との主な違い
| 比較項目 | 産休 | 育休 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 労働基準法 | 育児・介護休業法 |
| 対象者 | ママのみ | ママ・パパどちらも可 |
| 期間 | 最大98日 | 原則子が1歳まで(最長2歳まで) |
| 給付金 | 出産手当金(給与の約2/3) | 育児休業給付金(給与の約67%→50%) |
誰が取れるのか
育休は、雇用されているすべての労働者が対象です。性別・雇用形態を問わず取得できます。ただし、雇用保険の加入と一定の在職期間が条件になります。
育休取得の主な条件
- 雇用保険に加入していること
- 育休開始日前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること(育児休業給付金の受給条件)
- 子どもが1歳6か月(延長する場合は2歳)になるまでの間に、労働契約が終了することが明らかでないこと
📌 注意:育休自体は法律上の権利として取得できますが、育児休業給付金を受け取るには雇用保険の加入期間に関する条件があります。育休=給付金が自動でもらえるわけではないため、条件を確認しておきましょう。
正社員以外でも取れるのか
パートタイム・派遣社員・契約社員など、正社員以外でも育休を取ることができます。ただし、有期雇用の場合は追加の条件があります。
雇用形態別の取得条件
| 雇用形態 | 取得条件 |
|---|---|
| 正社員 | 雇用保険加入・在職期間の条件を満たせば取得可 |
| パートタイム・アルバイト | 雇用保険加入・育休開始前2年間に被保険者期間12か月以上で取得可 |
| 有期雇用(契約社員・派遣) | 同上の条件に加え、子が1歳6か月までに労働契約が終了しないことが明らかな場合 |
| 自営業・フリーランス | 育児・介護休業法の対象外(雇用保険に加入できないため給付金も対象外) |
💡 補足:2022年の法改正により、有期雇用労働者の育休取得要件が緩和されました。以前は「同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」という条件がありましたが、現在は撤廃されています。
育休はいつからいつまで取れるのか
育休の取得期間は、子どもの誕生日を起点に決まります。原則として子どもが1歳になるまで取得できます。
育休の取得期間
| 区分 | 開始日 | 終了日 |
|---|---|---|
| ママの育休 | 産後休業終了の翌日(出産後57日目〜) | 子どもが1歳の誕生日の前日まで |
| パパの育休 | 子どもの出生日〜 | 子どもが1歳の誕生日の前日まで |
| 産後パパ育休(パパのみ) | 子どもの出生日〜 | 出生後8週間以内・最大4週間(2回分割可) |
| 延長(保育園不承諾等) | 1歳の誕生日〜 | 1歳6か月まで(さらに延長で2歳まで) |
育休は分割取得できるか
2022年の法改正により、育休を2回に分割して取得することが可能になりました。たとえばパパが「出産直後に2週間・復職後に1か月」のように、必要なタイミングで休むことができます。
育休期間を正確に計算したい場合は → 産休育休自動計算ツール
ママの育休とパパの育休
育休はママとパパが同時に取ることも、交代で取ることも可能です。夫婦の働き方やライフスタイルに合わせて柔軟に組み合わせられます。
夫婦で育休を取るパターン例
| パターン | 内容 |
|---|---|
| ママが長期・パパが短期 | ママが1歳まで育休、パパが産後すぐに1〜2か月取得するパターン。産後の体力的に最もつらい時期をカバーできる |
| 同時取得 | ママとパパが同じ期間に育休を取得。育児を二人でじっくり経験できる。給付金も両方もらえる |
| 交代取得(パパママ育休プラス) | パパが育休を取ることで、ママの育休終了を1歳2か月まで延ばせる制度(パパママ育休プラス) |
| パパが後半を担当 | ママが先に復帰し、パパが後半に育休を取るパターン。キャリアの都合に合わせて柔軟に対応できる |
💡 かやパパより:パパが育休を取るタイミングとして、産後すぐ(特に最初の1〜2か月)がもっとも助かります。ママの体が回復していない時期に、育児と家事を分担できることが一番のメリットです。
パパの育休制度の詳細は → パパ育休|いつ取る?給付金・会社への伝え方・メリットを解説
育休中の給付金
育休中は給与が支払われない代わりに、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。給与のおよそ67%(育休開始から6か月)〜50%(6か月以降)が支給される仕組みです。
育休中にもらえる主な給付金
| 給付金の種類 | 対象者 | 支給率 |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | ママ・パパ(雇用保険加入者) | 開始〜6か月:給与の約67% 6か月以降:給与の約50% |
| 出生時育児休業給付金 | パパ(産後パパ育休取得者) | 給与の約67% |
| 出生後休業支援給付金 | 両親ともに育休を取った場合(2025年〜) | 28日間、給与の約13%を上乗せ(実質80%相当) |
手取りで考えると実質約80%になる理由
育休中は社会保険料が免除されるため、額面で給与の67%でも、手取りで見ると通常勤務時の80%程度になると言われています。生活費の大まかな目安として押さえておきましょう。
正確な受給額は計算ツールで確認できます。→ 育児休業給付金計算ツール
給付金の詳細は → 育休中の給付金|育児休業給付金の金額・申請方法・いつ振り込まれるか
育休中の社会保険料免除
育休中は、健康保険料・厚生年金保険料が本人負担分・会社負担分ともに免除されます。給与が出ない期間でも年金の記録は継続されるため、将来の年金受給額への影響はありません。
免除のポイント
- 産休中(産前産後休業中)も同様に免除される
- 免除の申請は会社が行うのが一般的(年金事務所または健保組合へ)
- 賞与に対する社会保険料は、1か月超の育休を取得した場合に免除される
- 短期間(1か月以内)の育休は免除の対象にならない場合があるため注意
📌 注意:社会保険料免除は会社が申請するのが一般的ですが、会社が制度を把握していない場合もあります。産休・育休前に「社会保険料免除の手続きをお願いできますか」と人事・総務に確認しておきましょう。
免除額のシミュレーションは → 社会保険料免除額シミュレーター
育休延長の基本
保育園に入れなかった場合など、一定の条件を満たせば育休を1歳6か月まで、さらに2歳まで延長することができます。延長中も育児休業給付金は継続して支給されます。
延長できる主なケース
- 保育園の入所申請をしたが不承諾(待機児童)になった場合
- 配偶者が死亡・離婚・疾病などで育児が困難になった場合
- 子どもが疾病等で保育を必要とする状態の場合
育休延長の詳細・手続きについては → 育休延長|条件・申請方法・保育園不承諾通知の使い方を解説
よくある質問
Q. 育休はいつまでに申し出る必要がありますか?
A. 育休開始予定日の1か月前までに会社に申し出るのが原則です。産後パパ育休(出生時育児休業)の場合は2週間前までとなります。できるだけ早めに上司や人事に伝えておきましょう。
Q. 育休中にアルバイトや副業はできますか?
A. 育休中に就労した場合、就労日数や収入によっては育児休業給付金が減額または不支給になることがあります。事前にハローワークや勤務先に確認してください。
Q. 育休中に転職・退職した場合、給付金はどうなりますか?
A. 育休中に退職した場合、退職日をもって育休が終了し、給付金も支給されなくなります。転職を検討している場合は、育休終了後に動き出すのが一般的です。
Q. 育休中の住民税はどうなりますか?
A. 育休中も前年の所得をもとに計算された住民税の支払いは続きます。育児休業給付金は非課税のため翌年分の住民税には影響しませんが、育休開始年は給与所得が発生しているため注意が必要です。詳しくは別ページで解説しています。
Q. 育休は何歳まで取れますか?
A. 原則として子どもが1歳になるまでです。保育園に入れないなどの理由があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できます。なお、育児時短就業給付金(2025年〜)を活用すれば、子どもが2歳になるまで時短勤務をしながら給付金を受け取ることもできます。
まとめ:育休はママもパパも使える権利
- 育休はママもパパも取得できる。雇用形態は問わない
- 取得期間は原則子が1歳になるまで。延長すれば最長2歳まで
- 育休中は育児休業給付金(給与の67%〜50%)が支給される
- 社会保険料免除で手取りは実質約80%になるケースが多い
- 2022年改正で育休の2回分割取得が可能に
- 産後パパ育休(出生後8週間以内・最大4週間)はパパ専用の制度
- 育休開始1か月前までに会社への申し出が必要
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※本ページの情報は2026年5月時点のものです。育児・介護休業法は改正が続いています。最新の情報は厚生労働省または勤務先にご確認ください。
