「育休手当っていくらもらえるの?」「67%ってどうやって計算する?」「申請はいつすればいい?」「パパも対象になる?」――育児休業給付金は育休中の生活を支える最も重要な給付金です。仕組みを正しく理解して、受け取り漏れをなくしましょう。
このページでは、育児休業給付金の対象者・支給額の計算方法・申請方法・振込タイミング・延長できるケース・パパも対象になるかまで、計算ツールへの導線とともに詳しく解説します。
育児休業給付金とは
育児休業給付金は、育児休業中に雇用保険から支給される給付金です。育休中は給与が支払われないことが多いため、育休中の生活費の主な収入源となります。ママ・パパどちらも受け取ることができます。
💡 結論:育児休業給付金は、雇用保険に加入していて一定の条件を満たす人が育休中に受け取れる給付金です。育休開始から6か月は給与の67%、それ以降は50%が支給されます。非課税で、社会保険料も免除されるため、実質手取りは通常の約80%水準を維持できます。
📌 注意:制度の内容・支給条件・申請期限は、加入している雇用保険・勤務先・法改正によって変わる場合があります。実際に申請する際は、勤務先・ハローワークの最新情報も確認してください。
対象者・受給条件
育児休業給付金を受け取るには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
主な受給条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 雇用保険への加入 | 雇用保険に加入していること(パート・アルバイトも週20時間以上の就労で加入対象) |
| 被保険者期間 | 育休開始前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること |
| 育休の取得 | 育児・介護休業法に基づく育児休業を取得していること |
| 就業日数の制限 | 育休期間中の就業日数が一定以下であること(就業しすぎると不支給になる) |
対象外となる主なケース
- 雇用保険に未加入(自営業・フリーランス・国民健康保険のみ加入の場合)
- 育休開始前2年間の被保険者期間が12か月未満
- 育休期間中に所定の就業日数を超えて働いた
- 育休開始前に退職した
支給期間
育児休業給付金の支給期間は、原則として子どもが1歳になるまでです。保育園に入れないなどの事情がある場合は、最長で子どもが2歳になるまで延長できます。
| 支給期間 | 支給率 | 備考 |
|---|---|---|
| 育休開始〜180日目(約6か月) | 給与の67% | 社保免除込みで手取り約80%水準 |
| 181日目〜育休終了(最長2歳まで) | 給与の50% | 延長期間中も同率で継続 |
💡 補足:「育休開始から180日」はパパ・ママそれぞれで別々にカウントされます。パパが後から育休を取得した場合でも、パパの育休開始日を起点に日数が計算されます。
支給額の計算方法
育児休業給付金の計算式は以下のとおりです。
計算式(育休開始〜180日目まで)
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
休業開始時賃金日額 = 育休開始前6か月の賃金合計 ÷ 180
計算のポイント
- 休業開始時賃金日額:育休開始前6か月の総賃金(残業代含む)÷ 180で計算。産休に入る前の給与が基準になる
- 支給日数:2か月ごとに支給(1回の支給は約60日分)
- 非課税:育児休業給付金は非課税のため所得税・住民税がかからない
- 上限・下限額あり:休業開始時賃金日額には上限・下限が設定されている
【計算例】月収30万円・育休開始から6か月(180日)の場合
- 休業開始時賃金日額:300,000円 × 6か月 ÷ 180 = 10,000円
- 1日あたりの支給額:10,000円 × 67% = 6,700円
- 180日間の合計:6,700円 × 180日 = 1,206,000円(月換算:約20.1万円)
正確な金額は計算ツールで確認できます → 育児休業給付金計算ツール
産休・育休をまとめて試算 → 産休育休自動計算ツール
月収別の支給額目安
育休開始から6か月間(67%支給時)の月額支給額と、社会保険料免除を含む実質手取りの目安です。
| 月収の目安 | 給付金(67%) | 実質手取り概算 | 6か月後(50%) |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約13.4万円 | 約16〜17万円 | 約10万円 |
| 25万円 | 約16.7万円 | 約19〜20万円 | 約12.5万円 |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約23〜24万円 | 約15万円 |
| 40万円 | 約26.8万円 | 約30〜32万円 | 約20万円 |
| 50万円 | 約33.5万円 | 約37〜39万円 | 約25万円 |
※社会保険料免除を含む概算。標準報酬月額・健保組合等により実際の金額とは異なります。上限額が設定されています。
いつ振り込まれるか
育児休業給付金は2か月ごとにまとめて支給されます。育休開始後すぐには振り込まれないため注意が必要です。
振込までのスケジュール(例)
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 育休開始 | 会社がハローワークに受給資格確認・初回支給申請を行う(育休開始から4か月以内) |
| 育休開始〜2か月後 | ハローワーク審査。支給決定から約1〜2週間後に指定口座に振り込まれる |
| 以降2か月ごと | 会社が支給申請→審査→振込を繰り返す |
📌 重要:最初の振込まで2〜3か月かかることが多いです。育休前に2〜3か月分の生活費を手元に用意しておくことが重要です。また、会社が申請を忘れると受け取れない場合があるため、育休開始後に会社に申請状況を確認しておきましょう。
申請方法
育児休業給付金の申請は、会社(事業主)がハローワークに行います。本人が直接ハローワークに申請するのではなく、勤務先の人事・総務担当者が手続きを進めます。
申請の流れ
- 育休取得の申し出と合わせて、振込口座・マイナンバーなどの情報を会社に提出する
- 育休開始後に会社が「育児休業給付受給資格確認票・初回支給申請書」をハローワークへ提出する(育休開始から4か月以内が期限)
- 以降2か月ごとに「育児休業給付金支給申請書」をハローワークに提出する
- 支給決定後、指定口座に振込が行われる
本人が確認しておくこと
- 育休前に「会社が申請してくれるか」「初回申請の期限(4か月以内)を守れているか」を確認する
- 2か月ごとの申請が滞っていないか、振込の有無で定期的に確認する
- 育休延長の場合は延長分の申請も必要(不承諾通知などの書類が必要)
延長できるケース
育休および育児休業給付金は、一定の条件を満たす場合に最長子どもが2歳になるまで延長できます。
延長できる主なケース
| 段階 | 延長後の期限 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 第1延長 | 1歳6か月まで | 保育園に入れない(不承諾通知が必要)など |
| 第2延長 | 2歳まで | 第1延長後も保育園に入れないなど同様の事由が続く |
📌 重要:第1延長の申請期限は子どもの1歳の誕生日の前日までです。「誕生日まで」ではなく「前日まで」であることに注意してください。1日でも過ぎると延長できなくなります。
育休延長の詳細は → 育休延長|条件・申請方法・保育園不承諾通知の使い方を解説
パパも対象になるか
パパも育休を取得した場合、雇用保険から育児休業給付金を受け取れます。ママと同時期に育休を取っても、それぞれが給付金を受け取れます。
パパが育休を取った場合の給付金
| 育休の種類 | 取得期間 | 給付金の種類 | 支給率 |
|---|---|---|---|
| 産後パパ育休 | 出生後8週間以内(最大28日) | 出生時育児休業給付金 | 67% |
| 通常育休 | 〜子が2歳まで | 育児休業給付金 | 67%→50% |
両親で育休を取るとさらに有利
2025年4月から新設された「出生後休業支援給付金」により、両親ともに育休を取得した場合は、育休開始28日間の給付率が約13%上乗せされ実質約80%になります。
- 条件:子の出生後8週間以内に両親ともに14日以上育休を取得
- 上乗せ期間:育休開始から28日間
- 上乗せ率:約13%(67%+13%=約80%)
詳しくは → 出生後休業支援給付金とは|条件・支給額・申請方法を解説
よくある質問
Q. 育休中に少し働いた場合、給付金はどうなりますか?
A. 育休中に就労した日数が支給単位期間(約2か月)の10日以下(または就労時間が80時間以下)であれば給付金は支給されます。ただし就労した日数・時間に応じて減額される場合があります。10日を超えると不支給になります。
Q. 育休中に会社から給与が出る場合、給付金はどうなりますか?
A. 育休中に会社から給与が支払われている場合、給与と給付金の合計が休業前賃金の80%を超えると給付金が減額・不支給になります。詳しくは勤務先またはハローワークに確認してください。
Q. 育休中に引っ越しをした場合、給付金の受け取りに影響はありますか?
A. 育児休業給付金はハローワークから指定口座に直接振り込まれます。引っ越し自体は給付金には影響しませんが、振込口座を変更した場合は速やかに会社に連絡してください。
Q. 育休中に離職した場合、給付金はどうなりますか?
A. 育休中に退職した場合、退職日をもって育休が終了し、給付金の支給も終了します。退職後は失業給付(雇用保険の基本手当)の対象になる場合があります。ハローワークに相談してください。
Q. 育休給付金は確定申告が必要ですか?
A. 育児休業給付金は非課税のため、確定申告は不要です。ただし育休開始年に給与所得があった場合は、年末調整または確定申告が必要になる場合があります。産休・育休開始年は会社の年末調整を通じて対応するケースが多いです。
まとめ:育休前に計算して生活設計を立てておこう
- 対象は雇用保険に加入・12か月以上の被保険者期間がある人(ママ・パパどちらも)
- 支給額は育休開始〜6か月は給与の67%、以降は50%
- 非課税+社会保険料免除で実質手取りは約80%水準
- 振込は2か月ごと。最初の振込まで2〜3か月かかる
- 申請は会社経由でハローワークへ。育休前に会社に確認しておく
- 保育園に入れない場合は1歳の誕生日前日までに延長申請(前日が期限)
- 両親で育休を取ると出生後休業支援給付金(+13%・28日間)も受け取れる
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※本ページの情報は2026年5月時点のものです。制度の内容・支給条件・申請期限は、加入している雇用保険・勤務先・法改正によって変わる場合があります。実際に申請する際は、勤務先・ハローワークの最新情報も確認してください。
