【2025年最新】育児時短就業給付を完全解説|条件・金額・申請方法まで
「育休から復帰したいけど、フルタイムは無理かも…」
「時短勤務にすると、お給料が減るのが心配で…」
こんな不安を抱えている方、本当に多いですよね。
実は2025年4月から、育児時短就業給付という新しい制度がスタートしました。これは、2歳未満のお子さんを育てながら時短勤務で働く方を経済的にサポートする、まさに待望の制度なんです。
この記事では、育児時短就業給付について、制度の基礎知識から支給額の計算方法、申請手続きまで、どこよりもわかりやすく解説していきます。
「私は対象になるの?」「いくらもらえるの?」「どうやって申請するの?」といった疑問に、すべてお答えします。
最後まで読めば、育児時短就業給付を最大限活用して、安心して仕事と育児を両立できるようになりますよ。
1. 育児時短就業給付とは?2025年4月に新設された制度の基礎知識
まずは、育児時短就業給付がどんな制度なのか、基本から押さえていきましょう。
1-1. 育児時短就業給付の概要
育児時短就業給付とは、2歳未満の子どもを育てるために時短勤務(所定労働時間の短縮)を選択した方に対して、賃金の減少分の一部を補填する雇用保険の給付金制度です。
具体的には、時短勤務中に支払われた賃金の約10%が、雇用保険から給付されます。
例えば、時短勤務で月給が20万円になった場合、約2万円が給付金として上乗せされるイメージです。これにより、収入減による経済的な不安を和らげることができます。
制度のポイント:
- 対象年齢:2歳未満の子を養育している方
- 支給額:時短中の賃金の約10%
- 開始時期:2025年4月1日から
- 雇用保険からの給付(会社負担ではありません)
- 非課税で社会保険料もかかりません
「子どもが小さいうちは、できるだけそばにいてあげたい。でも、収入が減るのは厳しい…」という葛藤を抱えている方にとって、この制度は大きな支えになってくれるはずです。
1-2. なぜこの制度ができたのか?背景と目的
では、なぜ今このタイミングで育児時短就業給付が創設されたのでしょうか。
日本が直面する深刻な少子化問題
厚生労働省の人口動態統計によると、2023年の出生数は約75万8千人となり、8年連続で減少し、統計開始以来最低を記録しました。このままでは労働力人口の減少が加速し、日本経済全体に深刻な影響を及ぼします。
育児と仕事の両立の難しさ
少子化の主な要因の一つが「育児と仕事の両立の難しさ」です。特に以下のような課題がありました:
- 時短勤務を選ぶと収入が大幅に減少する
- 経済的な理由で育休を早めに切り上げざるを得ない
- 収入減を恐れて離職してしまう
- キャリアが中断されることへの不安
例えば、1日8時間のフルタイムで基本月給20万円だった方が、6時間の短時間勤務にすると月給は約15万円になります。月5万円も減ってしまうんですね。
この収入減が、多くの働く親たちの大きな悩みでした。
「共働き・共育て」の推進
政府は「こども未来戦略方針」の中で、「共働き・共育て」を掲げ、男女ともに仕事と育児を両立できる環境づくりを目指しています。
育児時短就業給付は、この方針を実現するための重要な施策の一つとして創設されました。給付金によって収入減を補うことで、時短勤務という柔軟な働き方を選択しやすくし、キャリアの継続を支援するのが目的です。
つまり、この制度は単なる経済的支援だけでなく、「働き続けたい」という意欲を持つ親たちがキャリアを諦めずに済むよう、社会全体で支える仕組みなのです。
1-3. 育児休業給付との違いは何?
「育児休業給付と何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。簡単に比較してみましょう。
| 項目 | 育児休業給付 | 育児時短就業給付 |
|---|---|---|
| 対象 | 育児休業を取得した方 | 時短勤務をする方 |
| 就労状況 | 休業中(働いていない) | 時短で働いている |
| 対象年齢 | 原則1歳未満(最長2歳まで延長可) | 2歳未満 |
| 支給率 | 休業開始後6ヶ月:賃金の67% 6ヶ月以降:賃金の50% |
時短中の賃金の約10% |
| 賃金 | 原則支給なし(一部就労した月は調整あり) | 時短勤務による賃金あり |
| 同時受給 | 不可 | 不可 |
わかりやすく言うと:
- 育児休業給付:育休を取って完全に休んでいる間にもらえるお金(収入の約5〜7割を補填)
- 育児時短就業給付:育休から復帰して時短で働いている間にもらえるお金(収入減の約1割を補填)
両方同時にはもらえませんが、「育休→時短勤務」という流れで利用することで、継続的なサポートを受けられるのが大きなメリットです。
例えば:
- 出産後、子どもが1歳になるまで育児休業給付を受給
- 1歳で職場復帰し、時短勤務を開始
- 子どもが2歳になるまで育児時短就業給付を受給
このように、段階的なサポートを受けながら、無理なく仕事に復帰できる仕組みになっています。
「育休だけでなく、復帰後もサポートがあるんだ」と思うと、復職へのハードルが少し下がりますよね。
2. 誰がもらえる?支給対象者の条件を詳しく解説
「私は対象になるのかな?」これが一番気になるポイントですよね。
ここでは、育児時短就業給付の受給資格について、詳しく見ていきましょう。
2-1. 基本的な受給資格(2歳未満の子・雇用保険加入)
育児時短就業給付金を受け取るには、まず以下の2つの基本要件を満たす必要があります。
【受給資格の基本要件】
要件①:2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている
対象となるのは「2歳に満たない子」です。つまり、子どもが生まれてから2歳の誕生日を迎える前日までが対象期間です。
具体例:
- 2023年5月10日生まれの子→2025年5月9日まで対象
- 2024年12月1日生まれの子→2026年11月30日まで対象
「養育」には実の親だけでなく、養子縁組をした養親も含まれます。
要件②:以下のいずれかに該当する
- パターンA:育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて(14日以内に)時短就業を開始した
- パターンB:時短就業開始日の前2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある
被保険者期間とは、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または賃金の支払いの基礎となった時間が80時間以上ある月)のことです。
わかりやすく言うと:
- パターンA:育休から復帰して、すぐ(2週間以内に)時短勤務を始めた人
- パターンB:育休を取らずに(または取っても復帰後しばらく経ってから)時短勤務を始めた人で、その前2年間のうち12ヶ月以上働いていた人
「私、育休取らずに産後すぐ復帰したけど大丈夫?」という方も、過去2年間に12ヶ月以上雇用保険に加入して働いていれば対象になる可能性があります。
2-2. 時短勤務の定義(週の労働時間短縮が条件)
「時短勤務」と一口に言っても、具体的にどういう働き方が対象になるのでしょうか。
育児時短就業給付における「時短勤務」の定義
支給対象となる時短就業(育児時短就業)とは、2歳未満の子を養育するために、被保険者からの申出に基づき、事業主が講じた1週間あたりの所定労働時間を短縮する措置のことです。
重要なポイント:
- 週単位での労働時間短縮が条件
- 1週間あたりの所定労働日数を変更した結果、労働時間が短縮される場合も含む
- 短縮後の労働時間に上限・下限はありません
- 育児・介護休業法の「原則6時間」に限定されない
具体例で見てみましょう:
ケース1:1日の労働時間を短縮
通常8時間勤務→6時間勤務に短縮(週5日)
週40時間→週30時間
→対象になります
ケース2:週の勤務日数を減らす
週5日勤務→週4日勤務に変更(1日8時間)
週40時間→週32時間
→対象になります
ケース3:日数と時間を組み合わせて短縮
週5日×8時間→週4日×7時間
週40時間→週28時間
→対象になります
注意:週20時間未満になる場合
ただし、短縮後の1週間あたりの所定労働時間が20時間を下回る場合は、原則として雇用保険の被保険者資格を喪失するため、育児時短就業給付金の支給対象外となります。
例外として、子が小学校就学の始期に達するまでに、週の所定労働時間が20時間以上となる労働条件に復帰することが就業規則等の書面により確認できる場合は、被保険者資格を維持できます。
つまり、「一時的に週20時間未満だけど、後で戻す予定がある」ことが会社との約束で明確になっていれば大丈夫ということです。
2-3. 対象となる月の条件
受給資格を満たしていても、すべての月が支給対象になるわけではありません。
以下の条件をすべて満たす月が支給対象月となります。
【支給対象月の条件】
- 初日から末日まで続けて、雇用保険の被保険者である月
月の途中で退職したり、雇用保険の資格を喪失した月は対象外です。 - 1週間あたりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
実際に時短勤務をした月でなければなりません。 - 初日から末日まで続けて、育児休業給付または介護休業給付を受給していない月
他の給付金と同時にはもらえません。 - 高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月
65歳以上の方が対象の高年齢雇用継続給付とも併給できません。
わかりやすく言うと:
- その月まるまる雇用保険に入っていて
- 時短で働いていて
- 他の給付金をもらっていない
という月が対象です。
具体例:
Aさんの場合(子どもの誕生日:2024年4月15日)
– 2024年4月〜2025年3月:育児休業(育児休業給付を受給)
– 2025年4月1日:職場復帰、時短勤務開始
– 2025年4月〜2026年3月:時短勤務継続
– 2026年4月14日:子どもが2歳に
この場合、2025年4月〜2026年3月の12ヶ月間が支給対象月となります。
ポイントは、子どもが2歳になる前の月までが対象ということです。Aさんの子は4月15日に2歳になるので、4月14日(2歳の誕生日前日)が属する3月までが対象期間です。
2-4. 対象外になるケース
逆に、「こういう場合は対象外になります」というケースも押さえておきましょう。
【支給対象外となる主なケース】
- 支給対象月に支払われた賃金が、時短開始前の賃金よりも減っていない場合
時短勤務にしたのに賃金が減っていない(むしろ増えた)場合は対象外です。給付金は「賃金減少の補填」が目的だからです。 - 賃金だけで支給限度額(2025年8月時点で471,393円)を超えている場合
高収入の方は対象外になる可能性があります。 - 給付金額が最低限度額(2025年8月時点で2,411円)に達しない場合
計算した結果、給付額が2,411円未満になる場合は支給されません。 - 子が死亡するなど、養育しない事由が生じた場合
残念ながら子どもを養育できなくなった場合は、その月までが支給対象です。 - 産前産後休業、新たな育児休業、介護休業を開始した場合
第2子を妊娠して産休に入る場合などは、産休開始日の前日が属する月までが支給対象です。 - 離職した場合
退職した場合は、退職日が属する月の前月までが支給対象です。
ただし、育児休業給付と異なり、退職予定者を排除するルールはありません。
「時短にしたのに残業が多くて、結局賃金が変わらなかった」という場合も対象外になってしまうので注意が必要です。
また、最低限度額と支給限度額は毎年8月1日に見直されるので、最新情報は厚生労働省のウェブサイトで確認しましょう。
3. いくらもらえる?支給額の計算方法を具体例で解説
「結局、いくらもらえるの?」これが一番知りたいポイントですよね。
ここでは、育児時短就業給付金の支給額について、計算方法から具体例まで詳しく解説します。
3-1. 基本は時短中の賃金の10%
育児時短就業給付金の基本的な支給額は、
時短勤務中の各月に支払われた賃金額 × 10%
です。
とてもシンプルですね。
例えば:
- 時短中の月給が20万円の場合:20万円 × 10% = 2万円
- 時短中の月給が25万円の場合:25万円 × 10% = 2万5千円
- 時短中の月給が18万円の場合:18万円 × 10% = 1万8千円
ただし、この10%という数字は「原則」です。実際には、後で説明する調整が入ることがあります。
3-2. 育児時短就業開始時賃金月額とは
支給額を正確に計算するには、「育児時短就業開始時賃金月額」という基準額を知る必要があります。
育児時短就業開始時賃金月額とは?
これは、時短勤務を始める直前の6ヶ月間に支払われた賃金の平均月額のことです。
計算式:
育児時短就業開始時賃金月額 = (時短開始前6ヶ月間の賃金総額 ÷ 180)× 30
わかりやすく言うと:
- 時短開始前6ヶ月間の賃金を合計する
- それを180日で割って1日あたりの賃金を出す
- それを30日分にして1ヶ月分を算出する
具体例:
Bさんの場合:
時短開始前6ヶ月間の賃金:
25万円 + 26万円 + 25万円 + 27万円 + 25万円 + 26万円 = 154万円
育児時短就業開始時賃金月額 = (154万円 ÷ 180) × 30 = 約25万6,667円
この「育児時短就業開始時賃金月額」が、給付金の計算における基準額となります。
特別なケース:育休から引き続き時短勤務を開始した場合
育児休業から職場復帰後、すぐに(14日以内に)時短就業を開始する場合は、育児休業給付金の算定基準となった「休業開始時賃金月額」を「育児時短就業開始時賃金月額」として使用します。
つまり、新たに計算する必要がありません。すでに育休の時に計算した金額をそのまま使うのでスムーズですね。
3-3. 3つの計算パターンと具体例
実際の支給額は、時短中の賃金が時短開始前の賃金と比べてどれくらい減ったかによって、3つのパターンに分かれます。
【パターン1】時短中の賃金が開始時賃金の90%以下の場合
計算式:支給額 = 時短中の賃金 × 10%
これが基本パターンです。
具体例:
Cさんの場合:
– 育児時短就業開始時賃金月額:30万円
– 時短中の賃金:20万円(開始時の66.7%)
20万円 × 10% = 2万円
Cさんは毎月2万円の給付金を受け取れます。
【パターン2】時短中の賃金が開始時賃金の90%超〜100%未満の場合
賃金があまり減っていない場合は、支給率が調整されます。
計算式:
支給額 = 時短中の賃金 × 調整後の支給率
調整後の支給率 = 110% – (時短中の賃金 ÷ 開始時賃金 × 100)
具体例:
Dさんの場合:
– 育児時短就業開始時賃金月額:30万円
– 時短中の賃金:28万円(開始時の93.3%)
まず調整後の支給率を計算:
110% – (28万円 ÷ 30万円 × 100) = 110% – 93.3% = 16.7%
次に支給額を計算:
28万円 × 16.7% = 約4万6,760円
ただし、賃金と給付金の合計が開始時賃金を超えてはいけないという上限があります。
Dさんの場合:
28万円(賃金)+ 4万6,760円(給付金)= 32万6,760円
これは開始時賃金30万円を超えているので、調整が入ります。
調整後の支給額 = 30万円(開始時賃金)- 28万円(時短中の賃金)= 2万円
結果として、Dさんは毎月2万円の給付金を受け取れます。
この調整は、「時短にしたことで、逆に収入が増える」という不自然な状況を防ぐためのものです。
【パターン3】時短中の賃金が開始時賃金の100%以上の場合
時短勤務にしたのに賃金が減っていない、あるいは増えている場合は、支給対象外です。
例えば、時短にして基本給は減ったけど、残業が増えたり手当が付いたりして、結果的に給料が変わらない(またはアップした)という場合は給付金はもらえません。
3-4. 支給限度額と最低限度額
育児時短就業給付金には、上限と下限が設定されています。
【支給限度額(上限)】
支給対象月の賃金と給付金の合計が、支給限度額を超える場合、超えた分が減額されます。
2025年8月1日時点の支給限度額:471,393円
(この金額は毎年8月1日に「毎月勤労統計」の平均定期給与額により見直されます)
具体例:
Eさんの場合:
– 時短中の賃金:45万円
– 計算上の給付金:4万5千円(45万円×10%)
– 賃金+給付金の合計:49万5千円
これは支給限度額471,393円を超えているので:
調整後の給付金 = 471,393円 – 45万円 = 21,393円
高収入の方は、給付金が減額される、または支給対象外になる可能性があります。
【最低限度額(下限)】
計算した給付金が最低限度額に達しない場合は、支給されません。
2025年8月1日時点の最低限度額:2,411円
(この金額も毎年8月1日に見直されます)
例えば、時短中の賃金が23万円で、給付金の計算上の額が2,300円になった場合、最低限度額2,411円未満なので支給されません。
ただし、ほとんどのケースでは最低限度額を下回ることはないので、あまり心配する必要はありません。
3-5. シミュレーション:月給別の支給額早見表
「結局、私はいくらもらえるの?」をイメージしやすいよう、月給別の支給額早見表を作成しました。
(育児時短就業開始時賃金月額を30万円と仮定した場合)
| 時短中の月給 | 開始時賃金に対する割合 | 支給額(月額) | 実質的な手取り |
|---|---|---|---|
| 15万円 | 50% | 1万5千円 | 16万5千円 |
| 18万円 | 60% | 1万8千円 | 19万8千円 |
| 20万円 | 66.7% | 2万円 | 22万円 |
| 22万円 | 73.3% | 2万2千円 | 24万2千円 |
| 24万円 | 80% | 2万4千円 | 26万4千円 |
| 26万円 | 86.7% | 2万6千円 | 28万6千円 |
| 27万円 | 90% | 2万7千円 | 29万7千円 |
| 28万円 | 93.3% | 2万円(調整後) | 30万円 |
| 29万円 | 96.7% | 1万円(調整後) | 30万円 |
| 30万円以上 | 100%以上 | 0円 | 賃金のみ |
この表から分かること:
- 時短で賃金が大きく減るほど、給付金の金額も増える
- 賃金が開始時の90%を超えると、調整が入って給付額が減る
- 給付金は非課税で社会保険料もかからないので、手取りが確実に増える
「月に2万円もらえるなら、家計の足しになるな」と感じませんか?
年間で計算すると、24万円。これは大きいですよね。
「子どもが小さいうちは時短で働きたいけど、お金が心配…」という不安が、少し軽くなったのではないでしょうか。
4. いつからいつまで?支給期間の詳細
給付金をもらえる期間についても、しっかり押さえておきましょう。
4-1. 支給開始のタイミング
育児時短就業給付金の支給は、育児時短就業を開始した日の属する月から始まります。
具体例:
Fさんが2025年4月21日に時短勤務を開始した場合:
→ 支給開始月は2025年4月
月の途中から時短を始めても、その月から支給対象になります。ただし、支給対象月の条件(初日から末日まで雇用保険の被保険者であることなど)を満たす必要があります。
注意点:
制度が始まったのは2025年4月1日なので、それより前に時短勤務を開始していた場合でも、2025年4月以降の月が支給対象となります。
例えば、2024年10月から時短勤務をしていた場合:
→ 2024年10月〜2025年3月分は対象外
→ 2025年4月以降の分が支給対象
4-2. 支給終了となる条件
支給は、以下のいずれかに該当する日が属する月まで続きます。
【支給終了となる主な条件】
- 育児時短就業に係る子が2歳に達する日の前日が属する月
つまり、子どもが2歳の誕生日を迎える前の月までが支給対象です。 - 産前産後休業、育児休業、または介護休業を開始した日の前日が属する月
第2子を妊娠して産休に入る場合などは、産休開始日の前日が属する月までが支給対象です。
(ただし、別の子について新たに時短勤務を開始すれば、再度申請できます) - 時短就業を終了した日の属する月の前月
時短勤務をやめてフルタイムに戻った場合、終了した日の前月までが支給対象です。 - 離職した日の属する月の前月
退職した場合は、退職日の前月までが支給対象です。
具体例:
Gさんの場合(子どもの誕生日:2024年6月10日):
– 2025年3月1日:育休から復帰、時短勤務開始
– 2026年6月9日:子どもが2歳に達する前日
– 支給対象期間:2025年3月〜2026年5月(15ヶ月間)
子どもが2歳になるのは6月10日ですが、前日の6月9日が属する月(5月ではなく6月)までが…いえ、正確には「6月9日が属する月」なので、この場合は2026年6月までではなく、2026年5月までが支給対象です。
※補足:子が「2歳に達する日」は2歳の誕生日の前日とされ、その前日が属する月までが対象なので、誕生日が6月10日の場合、「2歳に達する日」は6月9日、よってその月である6月までではなく…
混乱しやすいので、シンプルに覚えておきましょう:
「子どもが2歳の誕生日を迎える前の月まで」
上記の例では、誕生日が6月10日なので、2026年5月までが支給対象月です。
4-3. 複数の子で利用できる?
「第2子が生まれたら、また使えるの?」という疑問もありますよね。
答え:はい、利用できます!
ただし、同時に複数の子について給付を受けることはできません。
具体的なパターン:
パターン1:第1子の時短勤務を終了してから第2子の時短勤務を開始
Hさんの場合:
– 2024年5月:第1子(長男)誕生
– 2025年4月:育休から復帰、時短勤務開始
– 2026年4月:長男が2歳に。時短勤務終了、フルタイムに戻る
– 2026年8月:第2子(長女)誕生
– 2027年7月:育休から復帰、時短勤務開始
→ 長男について2025年4月〜2026年4月、長女について2027年7月〜2028年7月、それぞれ給付を受けられる
パターン2:第1子の時短勤務中に第2子を妊娠・出産
Iさんの場合:
– 2024年8月:第1子(長男)誕生
– 2025年7月:育休から復帰、時短勤務開始
– 2026年3月:第2子(長女)妊娠、産休開始
→ 長男について2025年7月〜2026年2月まで給付を受給
– 2026年4月:長女誕生
– 2027年3月:育休から復帰、時短勤務再開
→ 長女について2027年3月〜2028年3月まで給付を受給
この場合、長男についての給付は産休開始の前月(2026年2月)までで終了しますが、長女について新たに申請すれば、また給付を受けられます。
回数制限はありませんので、条件を満たせば何度でも利用できます。
「兄弟が多くても、それぞれの子について支援を受けられる」というのは嬉しいポイントですね。
5. 申請方法を step by step で解説
「どうやって申請すればいいの?」という実務的な疑問にお答えします。
5-1. 申請は会社経由が原則
育児時短就業給付金の申請は、原則として事業主(会社)を通じて行います。
つまり、あなた自身がハローワークに行って手続きする必要はなく、会社の人事・総務担当者が代わりに手続きしてくれるのが一般的です。
申請の流れ(概要):
- 従業員(あなた)が会社に「育児時短就業給付金を受給したい」と申し出る
- 会社が必要書類を準備する
- 会社がハローワークに申請書類を提出する
- ハローワークが審査し、給付金を支給する
- 給付金があなたの口座に振り込まれる
まずは会社の人事担当者に相談しましょう
時短勤務を始める際、または始めた後に、会社の人事・労務担当者に「育児時短就業給付金を受給したい」と伝えてください。
「この制度、使えますか?」と聞いてみるだけでOKです。
本人が直接申請することも可能
原則は会社経由ですが、本人の希望があれば、自分で直接ハローワークに申請することも可能です。
以下のようなケースでは、自分で申請することを検討しましょう:
- 会社が手続きに協力してくれない
- 会社の担当者がこの制度を知らない
- 小規模な会社で人事担当者がいない
その場合は、管轄のハローワークに相談してください。必要な書類や手続き方法を教えてもらえます。
5-2. 申請の流れ(初回と2回目以降)
申請は「初回」と「2回目以降」で手続きが少し異なります。
【初回申請の流れ】
初回は、以下の3つの手続きを同時に行います:
- 受給資格確認:この人は給付金をもらう資格があるかを確認
- 育児時短就業開始時賃金の届出:時短前の賃金額を登録(これが計算の基準になる)
- 初回支給申請:最初の月の給付金を申請
初回申請の具体的な手順:
ステップ1:会社が書類を準備する
以下の書類を作成・準備します:
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書
(ただし、育児休業から引き続き時短就業を開始する場合は不要) - 育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書
ステップ2:添付書類を集める
以下の書類を添付します:
- 賃金台帳
- 出勤簿またはタイムカード
- 労働条件通知書または雇用契約書
- 育児短時間勤務申出書
- 育児短時間勤務取扱通知書
- 就業規則(所定労働時間が分かる部分)
- 母子健康手帳のコピー(出生届出済証明欄のあるページ)
- 世帯全員の住民票の写し、または子の氏名・生年月日が確認できる書類
ステップ3:ハローワークに提出する
会社の所在地を管轄するハローワークに、郵送、持参、または電子申請で提出します。
ステップ4:ハローワークが審査する
提出後、ハローワークが書類を審査し、支給決定通知書等を交付します。
ステップ5:給付金が振り込まれる
支給決定からおおむね1週間で、従業員(あなた)の銀行口座に給付金が振り込まれます。
【2回目以降の申請の流れ】
初回の申請が完了すると、ハローワークから「次回支給申請日」が指定されます。
2回目以降は、指定された申請期間内に、以下の書類を提出します:
- 育児時短就業給付金支給申請書
- 賃金台帳、出勤簿などの添付書類
初回ほど書類は多くありませんが、引き続き会社が手続きを行うのが一般的です。
申請のタイミング:
初回申請は、最初の支給対象月の初日から起算して4ヶ月以内に行う必要があります。
2回目以降は、ハローワークから指定された申請期間内(通常は2ヶ月ごと)に申請します。
5-3. 必要書類一覧
「結局、何を準備すればいいの?」をまとめます。
【従業員(あなた)が準備する書類】
- 母子健康手帳のコピー(出生届出済証明欄のあるページ)
- 住民票の写し(世帯全員分)または子の氏名・生年月日が確認できる書類
- 育児短時間勤務申出書(会社に提出したもののコピー)
- 本人名義の銀行口座情報(給付金の振込先)
これらを会社の人事担当者に提出します。
【会社が準備する書類】
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書
- 育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書
- 賃金台帳
- 出勤簿またはタイムカード
- 労働条件通知書または雇用契約書
- 育児短時間勤務取扱通知書
- 就業規則
会社が作成・準備してくれます。
準備のポイント:
- 母子健康手帳は出生届出済証明欄のあるページをコピーします(子どもの名前と生年月日が確認できるため)
- 住民票は発行から3ヶ月以内のものを用意しましょう
- 書類の不備があると申請が遅れるので、早めに準備しておくと安心です
5-4. 申請期限と注意点
【申請期限】
初回申請:最初の支給対象月の初日から起算して4ヶ月以内
例えば、2025年4月1日に時短勤務を開始した場合:
→ 初回申請期限は2025年7月31日
4ヶ月という期間は、従業員の負担を軽減するために設けられています。高年齢雇用継続給付と同じ扱いです。
2回目以降:ハローワークが指定する期間内
通常は2ヶ月ごとに申請することになります。指定された期間を過ぎると給付金がもらえなくなる可能性があるので注意しましょう。
【注意点】
- 申請を忘れると給付金がもらえない
期限内に申請しないと、その期間の給付金は受け取れません。会社任せにせず、自分でもスケジュールを把握しておきましょう。 - 書類の不備に注意
書類に不備があると、審査が遅れたり、再提出を求められたりします。早めに準備し、内容をよく確認しましょう。 - 賃金の変動に注意
残業が多い月があったり、賞与が支給されたりすると、賃金が時短開始前と変わらない(または増える)ことがあります。その場合、その月は給付金が支給されない可能性があります。 - 雇用保険の被保険者資格を維持する
給付金を受け取るには、雇用保険の被保険者であることが必須です。週20時間未満の勤務になる場合は、特に注意が必要です。 - 会社が協力してくれない場合
まれに、会社がこの制度を知らない、または手続きに協力してくれないことがあります。その場合は、自分で直接ハローワークに相談するか、社会保険労務士に相談することを検討しましょう。
5-5. 給付金が振り込まれるまでの期間
「申請してから、いつ振り込まれるの?」も気になりますよね。
支給決定からおおむね1週間で、指定した銀行口座に振り込まれます。
タイムライン例:
Jさんの場合(2025年4月1日に時短勤務開始):
- 4月1日:時短勤務開始
- 4月30日:4月分の賃金確定
- 5月15日:会社が初回申請書類をハローワークに提出
- 5月25日:ハローワークが審査完了、支給決定通知書を交付
- 6月1日:給付金が口座に振り込まれる
ただし、これはスムーズに進んだ場合です。書類に不備があったり、ハローワークが混雑していたりすると、もう少し時間がかかることもあります。
2回目以降はもっとスムーズ
初回の手続きが完了すれば、2回目以降は比較的スムーズに進みます。2ヶ月分まとめて申請することが多いので、例えば5月・6月分を7月に申請し、8月に振り込まれる、といった流れになります。
「思ったより早く振り込まれるんだ」と安心できたでしょうか。
6. 特殊な勤務形態での扱いは?ケース別に解説
「私の働き方って、対象になるのかな?」と不安な方もいますよね。
フレックスタイム制やシフト制など、特殊な勤務形態の場合の扱いについて解説します。
6-1. フレックスタイム制の場合
フレックスタイム制とは?
総労働時間は決まっているものの、毎日何時から何時まで働くかを自分で調整できる働き方のことです。
例えば、1ヶ月に160時間働く必要があるけど、日によって出勤時間や退勤時間を調整できる、といった制度です。
対象になる条件:
フレックスタイム制で働いている場合、清算期間における総労働時間を短縮して就業するときは、育児時短就業として認められます。
わかりやすく言うと:
- 総労働時間そのものを減らす→育児時短就業に該当(給付金の対象)
- 総労働時間は変えずに、働く時間帯を調整するだけ→育児時短就業に該当しない(給付金の対象外)
具体例:
ケース1:対象になる場合
Kさん(フレックスタイム制、清算期間1ヶ月):
– 時短前:月160時間の総労働時間
– 時短後:月120時間の総労働時間に短縮
→ 総労働時間を減らしているので、給付金の対象
ケース2:対象にならない場合
Lさん(フレックスタイム制、清算期間1ヶ月):
– 時短前:月160時間の総労働時間
– 時短後:総労働時間は160時間のまま変更なし
– ただし、朝早く出勤するのをやめ、夕方早く帰るようにした
– その結果、フレキシブルタイムの一部を勤務しないことで、欠勤控除を受ける
→ 総労働時間を変更していないので、給付金の対象外
つまり、「制度上の総労働時間を減らす」ことが重要で、単に「働く時間帯を調整して結果的に給料が減った」だけでは対象にならないということです。
6-2. シフト制の場合
シフト制とは?
業務の都合に合わせて勤務スケジュールが決まる働き方で、所定労働時間の定めがない場合が多いです。
飲食店、小売店、介護施設などで多く見られます。
対象になる条件:
シフト制の場合は、実際の労働時間に基づいて判断します。
実際の労働時間から1週間あたりの平均労働時間を算定し、「労働時間が短縮している」という事実が確認できるときは、育児時短就業として取り扱われます。
具体例:
Mさん(シフト制勤務):
– 時短前の3ヶ月間の平均:週40時間
– 時短後の3ヶ月間の平均:週30時間
→ 週平均で10時間短縮されているので、給付金の対象
ポイント:
- シフト制の場合は、実績ベースで判断される
- 「時短勤務を申し出た」という事実と、「実際に労働時間が短縮された」という実績の両方が必要
- 会社に「育児のために勤務時間を減らしたい」と正式に申し出て、それが認められた上で、実際にシフトが減っていることが確認できれば対象になる
6-3. 変形労働時間制の場合
変形労働時間制とは?
繁忙期と閑散期で労働時間を調整する制度です。例えば、繁忙期は1日10時間、閑散期は1日6時間といった働き方ができます。
対象になる条件:
変形労働時間制の場合、対象期間の総労働時間を短縮して就業するときは、育児時短就業として取り扱われます。
ただし、対象期間の総労働時間を変更しないときの対象期間中の1週間の平均労働時間を下回る期間(いわゆる閑散期)は、育児時短就業として取り扱われません。
わかりやすく言うと:
- 制度上の総労働時間を減らす→対象
- もともと閑散期で労働時間が短いだけ→対象外
具体例:
Nさん(3ヶ月単位の変形労働時間制):
– 時短前:3ヶ月で480時間の総労働時間
– 時短後:3ヶ月で360時間の総労働時間に短縮
→ 総労働時間を減らしているので、給付金の対象
6-4. 裁量労働制の場合
裁量労働制とは?
実際の労働時間に関わらず、あらかじめ定めた「みなし労働時間」を働いたとみなす制度です。
例えば、「1日8時間働いたとみなす」という契約になっている場合、実際に6時間しか働いていなくても、10時間働いても、8時間分の賃金が支払われます。
対象になる条件:
裁量労働制の場合、契約内容の「みなし労働時間」で判断します。
契約内容の見直しにより、みなし労働時間を短縮して就業するときは、育児時短就業として取り扱われます。
具体例:
Oさん(裁量労働制):
– 時短前:1日8時間のみなし労働時間
– 時短後:1日6時間のみなし労働時間に変更
→ みなし労働時間を短縮しているので、給付金の対象
逆に、みなし労働時間は変更せずに、実際の労働時間だけを減らした場合は対象外です。
まとめ:
どの勤務形態でも、「制度上の労働時間を短縮する」ことが重要です。単に働く時間帯を調整したり、実際の勤務時間を減らしたりするだけでは対象にならない可能性があります。
不安な場合は、会社の人事担当者や、管轄のハローワークに確認してみましょう。
7. よくある質問(FAQ)
ここでは、育児時短就業給付についてよく寄せられる質問にお答えします。
7-1. 育休から復帰せずに時短勤務できる?
Q:育休を取らずに、産後すぐに時短勤務で復帰することはできますか?
A:はい、可能です。
育児時短就業給付は、「育休を取ること」が必須条件ではありません。
育休を取らずに時短勤務で復帰する場合でも、時短開始前2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あれば、給付金の対象になります。
ただし、産後8週間は労働基準法で定められた産後休業期間なので、その間は就業できません。産後休業が終わった後に時短勤務で復帰するのであれば問題ありません。
7-2. パートやアルバイトでももらえる?
Q:正社員じゃないとダメですか?パートやアルバイトでももらえますか?
A:雇用形態は関係ありません。パートやアルバイトでももらえます。
重要なのは雇用保険に加入しているかどうかです。
雇用保険の加入条件は:
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上雇用される見込みがある
この条件を満たして雇用保険に加入していれば、正社員でなくても、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など、どの雇用形態でも給付金の対象になります。
「私はパートだから無理かも…」と諦めないでください。まずは雇用保険に加入しているか確認してみましょう。
7-3. 税金や社会保険料はかかる?
Q:育児時短就業給付金に税金はかかりますか?社会保険料は?
A:いいえ、税金も社会保険料もかかりません。
育児時短就業給付金は非課税です。所得税も住民税もかかりません。
また、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の対象にもなりません。
つまり、給付金として受け取った金額は、まるまる手取りとして受け取れるということです。
例えば、月2万円の給付金を受け取った場合、2万円がそのまま口座に振り込まれます。税金や保険料が引かれることはありません。
「手取りが確実に増える」というのは嬉しいポイントですね。
7-4. 第2子でも利用できる?
Q:第1子で育児時短就業給付を受けました。第2子でも利用できますか?
A:はい、利用できます。回数制限はありません。
ただし、同時に複数の子について給付を受けることはできません。
第1子の時短勤務を終了した後に第2子の時短勤務を開始すれば、再度給付を受けられます。
また、第1子の時短勤務中に第2子を妊娠・出産した場合、第2子の産休開始の前月までは第1子についての給付を受け、産休・育休を経て復帰後に第2子についての給付を受けることができます。
兄弟が多い家庭でも安心して利用できる制度です。
7-5. 会社が申請してくれない場合は?
Q:会社に育児時短就業給付金の申請をお願いしたのですが、対応してくれません。どうすればいいですか?
A:以下の方法を試してみましょう。
- この記事や厚生労働省の資料を見せて説明する
会社の担当者がこの制度を知らないだけかもしれません。厚生労働省のウェブサイトにあるリーフレット(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001394846.pdf)などを見せて、「こういう制度があるんです」と説明してみましょう。 - 人事・総務部門に直接相談する
直属の上司が対応してくれない場合、人事・総務部門に直接相談してみましょう。 - 自分で直接ハローワークに申請する
本人の希望があれば、自分で直接ハローワークに申請することも可能です。管轄のハローワークに相談してください。必要な書類や手続き方法を教えてもらえます。 - 社会保険労務士に相談する
それでも解決しない場合は、社会保険労務士(社労士)に相談するのも一つの方法です。専門家が間に入ることで、スムーズに進むこともあります。 - 労働局の総合労働相談コーナーに相談する
会社が明確に拒否する場合は、各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」に相談してみましょう。
給付金は、あなたが雇用保険料を支払ってきた結果として受け取る権利のあるものです。諦めずに、できる方法を試してみてください。
8. 利用者の声|実際にもらった人の体験談
「実際に使った人の話を聞きたい」という方のために、利用者の体験談をご紹介します。
(※以下は架空の事例ですが、実際の制度内容に基づいています)
8-1. 30代ワーキングマザーAさんのケース
Aさん(33歳、会社員、1児の母)のプロフィール
- 職種:IT企業の営業職
- 家族構成:夫(会社員)、長女(1歳)
- 勤務形態:フルタイムから1日6時間の時短勤務に変更
Aさんの状況:
「娘が1歳になったタイミングで育休から復帰しました。最初はフルタイムで復帰するつもりだったんですが、保育園のお迎えや娘の体調不良のことを考えると、やっぱり時短がいいなと思って。
でも、時短にすると月給が30万円から22万円に減ってしまうんです。月8万円の減収は正直きつくて、『このまま時短で大丈夫かな』って不安でした。
そんなとき、会社の人事担当から『育児時短就業給付っていう新しい制度があるよ』って教えてもらったんです。」
給付金の金額:
- 時短中の月給:22万円
- 給付金:2万2千円(22万円×10%)
- 実質的な手取り:24万2千円
Aさんの感想:
「月2万2千円って、一見小さく感じるかもしれないけど、年間で26万4千円になるんですよね。それに、税金も社会保険料もかからないから、まるまる手取りが増える。
この給付金のおかげで、『時短でも何とかやっていけそう』って思えました。娘と過ごす時間も増えたし、精神的にも余裕ができて、仕事にも前向きに取り組めるようになりました。
申請も会社がやってくれたので、特に難しいことはなかったです。必要書類を準備するだけで、あとは会社とハローワークが手続きしてくれました。
『時短勤務は収入が減るから無理』って諦めている人がいたら、ぜひこの制度を知ってほしいです。完全に元の給料には戻らないけど、少しでもサポートがあるだけで、選択肢が広がりますから。」
8-2. 制度活用で感じたメリット・デメリット
Aさんのように、実際に育児時短就業給付を利用した方々が感じているメリットとデメリットをまとめました。
【メリット】
- 経済的な不安が軽減される
時短による収入減を少しでも補えることで、「時短勤務を選択する」というハードルが下がります。 - 子どもとの時間を確保できる
収入面での不安が和らぐことで、罪悪感なく子どもとの時間を大切にできます。 - 精神的な余裕が生まれる
「給付金がある」という安心感が、仕事と育児のバランスを取りやすくしてくれます。 - キャリアを継続できる
離職せずに働き続けることで、キャリアの中断を防げます。 - 非課税で社会保険料もかからない
給付金はまるまる手取りとして受け取れるので、家計への影響が大きいです。
【デメリット・注意点】
- 支給率が10%と控えめ
「もう少し支給率が高ければ…」という声もあります。10%という支給率は、収入減を完全にカバーするものではありません。 - 2歳までという期間制限
子どもが2歳を過ぎると給付金はなくなります。「3歳まで延長してほしい」という要望も多いです。 - 申請手続きの煩雑さ
会社が協力的でない場合、自分で申請するのは少し大変です。また、書類の準備に手間がかかることもあります。 - 制度の認知度が低い
2025年4月に始まったばかりの新しい制度なので、会社の担当者や同僚がこの制度を知らないことがあります。自分から情報を集めて、会社に伝える必要があるかもしれません。 - 賃金が減らないと対象外
残業が多い月があったり、賞与が支給されたりして、結果的に賃金が減らない月は給付金がもらえません。
完璧な制度ではありませんが、「ないよりは確実にあった方がいい」というのが利用者の共通した意見です。
9. 専門家からのアドバイス
ここでは、社会保険労務士の視点から、育児時短就業給付を最大限活用するためのアドバイスをお伝えします。
9-1. 社会保険労務士が教える申請のコツ
【申請をスムーズに進めるコツ】
- 早めに会社に相談する
時短勤務を開始する前、できれば育休中から会社の人事担当者に「育児時短就業給付を利用したい」と伝えておきましょう。会社側も準備する時間が必要です。 - 必要書類を早めに準備する
母子健康手帳のコピーや住民票など、自分で準備する書類は早めに揃えておきましょう。申請がスムーズになります。 - 会社の就業規則を確認する
時短勤務制度が就業規則にどのように記載されているか確認しておきましょう。給付金の審査で必要になることがあります。 - 時短勤務の申し出は書面で
口頭だけでなく、「育児短時間勤務申出書」など書面で申し出ることで、後々の証明になります。 - 賃金の変動に注意する
残業が多い月や賞与が支給される月は、給付金が減額されたり支給されなかったりする可能性があります。可能であれば、時短勤務中は残業を控えるなど調整しましょう。 - 申請期限を守る
初回申請は4ヶ月以内、2回目以降は指定された期間内に必ず申請しましょう。期限を過ぎると給付金がもらえなくなります。 - わからないことはすぐに相談する
会社の人事担当者、ハローワーク、社会保険労務士など、専門家に早めに相談することで、トラブルを防げます。
【会社が協力してくれない場合の対応】
まれに、会社がこの制度を知らない、または手続きに協力してくれないことがあります。そのような場合は:
- 厚生労働省のリーフレットや公式サイトの情報を見せて説明する
- 「雇用保険からの給付なので、会社の負担はありません」と伝える
- それでもダメな場合は、自分で直接ハローワークに申請する
- 社会保険労務士に相談する(有料ですが、専門家のサポートを受けられます)
9-2. 制度を最大限活用するためのポイント
【育児時短就業給付を最大限活用するポイント】
- 他の制度と組み合わせる
育児時短就業給付だけでなく、以下の制度も組み合わせて活用しましょう:
– 出産育児一時金(健康保険から50万円支給)
– 出産手当金(健康保険から産休中の所得補償)
– 育児休業給付金(雇用保険から育休中の所得補償)
– 児童手当(子ども1人あたり月1〜1.5万円)
これらを上手く組み合わせることで、妊娠・出産・育児期間を通して継続的なサポートを受けられます。 - 育休と時短勤務のバランスを考える
「育休を1歳まで取って、その後2歳まで時短勤務」という標準的なパターンだけでなく、自分の状況に合わせて柔軟に考えましょう。
例えば:
– 育休を6ヶ月で切り上げて、早めに時短勤務で復帰する
– 育休を1歳6ヶ月まで延長して、その後時短勤務で復帰する
どのパターンがベストかは、家庭の経済状況や保育園の状況によって異なります。 - 夫婦で協力する
可能であれば、夫婦交代で育休を取ったり、両方が時短勤務にしたりすることも検討しましょう。育児時短就業給付は男性も利用できます。 - 将来のキャリアプランを考える
時短勤務は一時的なものです。子どもが成長したら、どのようにキャリアを再構築するか、あらかじめ考えておくことも大切です。時短期間中も、スキルアップの機会を逃さないようにしましょう。 - 定期的に制度の情報をチェックする
育児支援に関する制度は年々改善されています。厚生労働省のウェブサイトや自治体の情報を定期的にチェックして、新しい制度や改正情報を見逃さないようにしましょう。
【最後に:制度は「使うため」にある】
「申請が面倒そう」「会社に迷惑をかけるかも」と遠慮する方もいますが、育児時短就業給付は、あなたが雇用保険料を支払ってきた結果として受け取る権利のあるものです。
この制度は、働きながら子育てをする人を社会全体で支えるために作られました。遠慮せず、堂々と活用してください。
あなたが制度を利用することで、同じように悩んでいる人たちに「こういう制度があるんだ」と知ってもらえるきっかけにもなります。
一人でも多くの人が、安心して仕事と育児を両立できる社会を作っていきましょう。
10. まとめ|育児時短就業給付で安心して仕事と育児を両立しよう
長い記事をここまで読んでいただき、ありがとうございました。
最後に、育児時短就業給付について重要なポイントをまとめます。
【育児時短就業給付 重要ポイント】
- 制度の概要:2歳未満の子を育てながら時短勤務をする方に、時短中の賃金の約10%が支給される
- 対象者:雇用保険に加入していて、2歳未満の子のために週の労働時間を短縮している方
- 支給額:時短中の月給の約10%(月2〜3万円が目安)
- 支給期間:時短開始から子どもが2歳になる前の月まで
- 申請方法:原則として会社経由でハローワークに申請(本人が直接申請することも可能)
- メリット:非課税で社会保険料もかからず、手取りが確実に増える
- 注意点:申請期限を守る、賃金が減らない月は支給されない
【こんな方におすすめ】
- 育休から復帰したいけど、フルタイムは難しいと感じている方
- 時短勤務による収入減が心配で、復職を躊躇している方
- 子どもとの時間を大切にしながら、キャリアも継続したい方
- 経済的な理由で育休を早めに切り上げることを考えている方
【あなたへのメッセージ】
仕事と育児の両立は、本当に大変ですよね。
「時短にしたいけど、お金が心配…」
「このまま働き続けられるかな…」
「子どもとの時間も大切にしたいけど、キャリアも諦めたくない…」
そんな葛藤を抱えているあなたに、育児時短就業給付は少しでも力になってくれるはずです。
月2万円の給付金は、決して大きな金額ではないかもしれません。でも、「社会が応援してくれている」という安心感は、金額以上の価値があります。
完璧な親になる必要はありません。完璧な社員になる必要もありません。
大切なのは、「あなたらしく、無理なく、仕事と育児を続けていくこと」です。
この制度を上手に活用して、あなたとあなたの家族にとって最適なバランスを見つけてください。
そして、もし周りに同じように悩んでいる人がいたら、ぜひこの制度のことを教えてあげてください。
一人でも多くの人が、安心して働き続けられる社会になりますように。
あなたの挑戦を、心から応援しています。
【参考資料】
- 厚生労働省「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001395073.pdf - 厚生労働省「出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金の創設(令和7年4月1日)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html - ハローワークインターネットサービス
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※本記事の情報は2025年10月時点のものです。制度の詳細は変更される可能性がありますので、最新情報は厚生労働省のウェブサイトまたは管轄のハローワークでご確認ください。


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