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育児休業給付金80%引き上げはどうなった?2025年4月実施の全詳細

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育児休業給付金80%引き上げはどうなった?2025年4月実施の全詳細

育児休業給付金80%引き上げはどうなった?2025年4月実施の全詳細

「育児休業給付金が80%に引き上げられるって聞いたけど、結局どうなったの?」
「もう実施されているの?それとも先送りになった?」

こんな疑問を持っている方、多いのではないでしょうか。

結論から言うと、育児休業給付金の80%引き上げは2025年4月1日から正式に実施されています。「出生後休業支援給付金」という新しい制度が創設され、条件を満たせば最大28日間、手取りで実質10割相当の給付金を受け取れるようになりました。

この記事では、制度改正の全詳細から、具体的な受給条件、計算方法、申請手順まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説していきます。厚生労働省の最新情報に基づき、実際にいくらもらえるのか、どんな準備が必要なのか、すべてお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 育児休業給付金80%引き上げ、結論は?【2025年最新】

まず最初に、皆さんが一番知りたい「結局どうなったのか」について、明確にお答えします。

1-1. 答え:2025年4月から実施されています

育児休業給付金の80%引き上げは、2025年4月1日から正式にスタートしました。

これは政府が2023年に表明していた少子化対策の一環として、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」が2024年6月に成立し、予定通り施行されたものです。

つまり、2025年4月以降に育児休業を開始する方が対象になります。既に制度は動き始めているので、「いつ始まるの?」と待つ必要はありません。今まさに活用できる制度なんです。

1-2. 「出生後休業支援給付金」が新設された

この80%への引き上げを実現するために、「出生後休業支援給付金」という全く新しい給付金制度が創設されました

従来からある「育児休業給付金」(賃金の67%)に、この新設の「出生後休業支援給付金」(賃金の13%)が上乗せされることで、合計80%の給付率が実現します。

厚生労働省の公式資料によると、この制度は「男性の育児休業取得を促進し、夫婦で共に育児に取り組む『共働き・共育て』の社会を実現する」ことを目的としています。実際、日本の男性育休取得率は約17%とまだまだ低く、経済的な不安が大きな要因の一つでした。

1-3. 最大28日間、手取り実質10割相当に

ここで重要なのは、「手取りで実質10割相当」という表現の意味です。

給付率は額面で80%ですが、育児休業給付金には以下の特徴があります:

  • 所得税が非課税
  • 住民税の算定対象外
  • 社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除
  • 雇用保険料も免除

通常の給与であれば、額面から約20%が税金や社会保険料で引かれますよね。でも育児休業給付金ではこれらが全額免除されるため、額面80%でも手取りベースではほぼ100%になるんです。

「お金の不安なく育児に専念できる」――これが新制度の最大のメリットです。

2. そもそも育児休業給付金とは?【基礎知識】

ここで一度、育児休業給付金の基本についておさらいしておきましょう。制度改正の内容を正しく理解するためには、まず土台となる知識が必要です。

2-1. 育児休業給付金の基本的な仕組み

育児休業給付金とは、雇用保険に加入している労働者が育児のために休業した際に、生活を支援するために支給される給付金のことです。

育児休業中は基本的に給与の支払いがないため、収入が途絶えてしまいます。そこで雇用保険から給付金が支給されることで、安心して育児に専念できるようサポートする仕組みになっています。

対象者の条件:

  • 雇用保険の被保険者であること(正社員だけでなく、パート・アルバイトも条件を満たせば対象)
  • 1歳未満の子を養育するための育児休業であること
  • 育休開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること(または賃金支払基礎時間数が80時間以上の月が12か月以上)
  • 育休中に休業開始前の給与の80%以上が支払われていないこと

つまり、会社員として一定期間働いていて、雇用保険に加入していれば、男女問わず、また雇用形態に関わらず受給できる可能性があります。

2-2. 現行制度の給付率(67%と50%)

2025年4月より前の従来の制度では、給付率は以下のように設定されていました:

期間 給付率
育休開始から180日目まで 休業開始時賃金の67%
181日目以降 休業開始時賃金の50%

例えば月給30万円の方が育休を取得した場合、最初の6か月間は約20万円、それ以降は約15万円が支給される計算になります。

ただし、前述のように社会保険料免除と非課税の恩恵があるため、67%でも実質的には手取りの約8割程度が確保できていました。それでも、特に生活費が多くかかる都市部の家庭などでは、経済的な不安から育休取得をためらうケースが多かったのも事実です。

2-3. なぜ80%への引き上げが必要だったのか

日本では長年、少子化が深刻な社会問題となっています。2023年の出生数は約75万人と過去最少を更新し、政府は「異次元の少子化対策」を掲げて様々な施策を打ち出してきました。

その中で特に課題となっていたのが、「男性の育児休業取得率の低さ」と「女性の孤独な子育て環境」でした。

厚生労働省の調査によると、2022年度の男性育休取得率は約17.13%。女性の80.2%と比べると圧倒的に低い数字です。その理由として、多くの男性が「経済的な理由」「職場の理解不足」を挙げています。

特に、出産直後の8週間は母体の回復にとって最も重要な時期であり、同時に赤ちゃんのお世話も最も大変な時期です。この時期に夫婦で協力して育児に取り組めれば、母親の身体的・精神的負担が大幅に軽減されます。

そこで政府は、「出産直後の一定期間に限定して給付率を引き上げることで、男性が育休を取りやすい環境を作り、夫婦で共に育児に取り組む『共働き・共育て』の文化を根付かせよう」と考えたわけです。

実際、北欧諸国などでは男性の育休取得が当たり前になっており、父親が育児に積極的に関わることで母親の就労継続率が高まり、結果として出生率の改善にもつながっています。日本もそうした社会を目指しているんですね。

3. 新制度「出生後休業支援給付金」の全詳細

それでは、新しく創設された「出生後休業支援給付金」について、詳しく見ていきましょう。

3-1. 従来の67% + 新設の13% = 80%の内訳

80%への引き上げは、既存の制度に新しい給付金を上乗せする形で実現されました。具体的には以下のような構造になっています:

給付金の種類 給付率 説明
育児休業給付金
または
出生時育児休業給付金
67% 従来からある給付金。育休開始から180日目まで適用(産後パパ育休の場合も同様)
出生後休業支援給付金
(新設)
13% 2025年4月から新設。条件を満たした場合に上乗せされる
合計 80% 最大28日間、この給付率が適用される

重要なのは、出生後休業支援給付金は自動的に全員に支給されるわけではないという点です。後述する条件を満たした場合にのみ、13%分が上乗せされます。

3-2. なぜ「手取り実質10割」になるのか

「額面80%なのに、なぜ手取り10割なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。ここで詳しく説明しましょう。

通常の給与の場合:

例えば額面30万円の給与をもらっている場合、そこから以下のようなものが天引きされます:

  • 所得税:約6,000円
  • 住民税:約15,000円
  • 健康保険料:約15,000円
  • 厚生年金保険料:約27,000円
  • 雇用保険料:約900円

合計で約6.4万円が引かれるため、手取りは約23.6万円(約78.7%)になります。

育児休業給付金の場合:

一方、育児休業給付金は:

  • 所得税:非課税(0円)
  • 住民税:前年の所得に基づくため給付金には影響しない
  • 健康保険料:育休中は免除(0円)
  • 厚生年金保険料:育休中は免除(0円)
  • 雇用保険料:給与の支払いがないため発生しない(0円)

つまり、額面の80%(30万円の場合24万円)がそのまま手元に入るんです。

通常の給与の手取り23.6万円と比較すると、24万円 ÷ 23.6万円 = 約102%となり、実質的に手取りの10割以上になる計算です。

これが「手取り実質10割相当」の仕組みです。むしろ、厳密に言えば通常の給与より少し多くもらえることになります。

3-3. 社会保険料免除と非課税のカラクリ

ここでもう少し深掘りして、社会保険料免除と非課税の仕組みについて説明します。

社会保険料の免除:

育児休業中は、労働者本人負担分だけでなく、事業主負担分の社会保険料も免除されます。これは育児・介護休業法に基づく制度で、育休開始月から終了日の翌日が属する月の前月まで適用されます。

免除されるのは:

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料

重要なのは、保険料は免除されても、将来の年金額は減らないという点です。育休前の標準報酬月額で保険料を納めたものとして扱われるため、将来の年金受給額に影響しません。これは非常にありがたい制度ですね。

税金の非課税:

育児休業給付金は、所得税法上「非課税所得」に分類されます。つまり:

  • 所得税が課税されない
  • 翌年の住民税の計算にも含まれない
  • 確定申告の必要もない

ただし注意点として、前年の所得に基づく住民税は育休中も支払う必要があります。これは前年に働いて得た所得に対する税金なので、育休とは関係なく納付義務があります。

また、配偶者控除・配偶者特別控除の判定では、育児休業給付金は所得に含まれないため、配偶者の税額計算において有利に働くケースもあります。

4. 80%給付を受けるための条件【重要】

さて、ここからが最も重要な部分です。出生後休業支援給付金の13%を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。

4-1. 夫婦ともに14日以上の育休取得が必須

最も重要な条件は、「被保険者本人と配偶者の両方が、それぞれ14日以上の育児休業を取得すること」です。

つまり:

  • 母親が14日以上の育休を取得
  • かつ 父親も14日以上の育休を取得

この両方が満たされて初めて、13%の上乗せ給付が適用されます。

「14日間」というのは、連続している必要はありません。例えば、1週間育休を取って職場復帰し、また1週間育休を取るといった分割取得でも、合計14日以上であれば条件を満たします。

ただし、育休の取得時期には条件があります(次項で説明)。

実例:

東京都内の会社員Aさん(32歳・男性)の体験談:
「妻が出産後、最初の1か月は私も連続で3週間の育休を取りました。上司には『経済的な不安がないなら取りたい』と正直に相談したところ、『新しい制度で手取りが変わらないなら、むしろ取るべきだ』と背中を押してもらえました。実際に育児に参加してみて、妻の大変さが本当によく分かりました。給付金のおかげで金銭的な心配なく、家族との時間を過ごせたことに感謝しています。」

4-2. 対象期間は「出生後8週間以内」

出生後休業支援給付金の対象となる育児休業は、子の出生後8週間以内に取得した育休に限られます

具体的には:

  • 母親の場合:産後休業(出産日の翌日から8週間)の終了後、さらに8週間以内に取得した育児休業
  • 父親の場合:子の出生日または出産予定日のうち早い日から8週間以内に取得した育児休業

この「8週間」という期間設定には明確な理由があります。出産後8週間は、母体の回復にとって最も重要な「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれる時期であり、同時に赤ちゃんのお世話も最も手がかかる時期です。この時期に父親が育児に参加することで、母親の負担を大きく軽減できるという医学的・社会的な根拠に基づいています。

給付対象日数:

出生後休業支援給付金は、最大28日間が給付の対象です。つまり、夫婦でそれぞれ14日以上育休を取得した場合、各人に対して最大28日分(4週間分)の13%上乗せが支給されます。

例:

  • 父親が出生後すぐに3週間(21日間)の育休取得 → 21日分の13%が支給
  • 母親が産後休業後に4週間(28日間)の育休取得 → 28日分の13%が支給

4-3. ひとり親や配偶者が自営業の場合は?

「うちは母子家庭なんだけど、対象外なの?」
「夫が自営業で雇用保険に入っていないけど、私は対象になる?」

こうした疑問を持つ方もいるでしょう。安心してください。ひとり親や配偶者が雇用保険の被保険者でない場合は、「配偶者の育休取得」という条件が免除されます

具体的には、以下のいずれかに該当する場合、本人だけが14日以上の育休を取得すれば出生後休業支援給付金が支給されます:

  • ひとり親(配偶者がいない)
  • 配偶者が死亡している
  • 配偶者が精神または身体の障害により育児が困難
  • 配偶者が6週間以上の長期入院等で育児ができない
  • 配偶者が受刑等により育児ができない
  • 配偶者が自営業者や公務員など、雇用保険の被保険者ではない
  • 配偶者の所在が明らかでない

つまり、事実上、片方の親しか育休を取得できない状況であれば、その親が単独で14日以上育休を取るだけで13%の上乗せを受けられるというわけです。

これは非常に重要なポイントですね。制度の趣旨は「夫婦で育児を分担すること」ですが、それが物理的に不可能な家庭に対しても、同等の経済的支援を行うという配慮がなされています。

5. いくらもらえる?具体的な計算方法

「で、結局いくらもらえるの?」――これが一番気になるところですよね。具体的な金額を計算してみましょう。

5-1. 給付額の計算式を分かりやすく解説

基本的な計算式:

【育児休業給付金(67%分)】
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

【出生後休業支援給付金(13%分)】
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 13%

【合計】
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 80%

「休業開始時賃金日額」とは?

これは、育休開始前6か月間の賃金総額を180日で割った金額です。

例:

  • 過去6か月の給与合計が180万円の場合:180万円 ÷ 180日 = 1万円
  • この場合、休業開始時賃金日額は1万円

注意点として、賃金総額には以下が含まれます:

  • 基本給
  • 各種手当(通勤手当、残業手当など)
  • 賞与(ただし、賞与は除外されるケースもあるので要確認)

1支給単位期間の計算:

育児休業給付金は、原則として2か月ごとに支給されます。この2か月間を「支給単位期間」と呼びます。

計算例:

  • 休業開始時賃金日額:1万円
  • 1か月(30日間)の育休の場合:1万円 × 30日 × 80% = 24万円

5-2. 月給別シミュレーション(20万・30万・40万円)

実際の月給額ごとに、いくらもらえるのかシミュレーションしてみましょう。

【ケース1】月給20万円の場合

  • 休業開始時賃金日額:約6,667円(20万円 ÷ 30日)
  • 80%給付時(28日間):6,667円 × 28日 × 80% = 約14.9万円
  • 67%給付時(残りの期間):6,667円 × 30日 × 67% = 約13.4万円

→ 最初の1か月間の合計:約14.9万円(28日分)+ 約0.9万円(2日分の67%)= 約15.8万円

【ケース2】月給30万円の場合

  • 休業開始時賃金日額:1万円
  • 80%給付時(28日間):1万円 × 28日 × 80% = 22.4万円
  • 67%給付時(残りの期間):1万円 × 30日 × 67% = 20.1万円

→ 最初の1か月間の合計:約22.4万円(28日分)+ 約1.3万円(2日分の67%)= 約23.7万円

※通常の手取りが約23.6万円なので、ほぼ同額です。

【ケース3】月給40万円の場合

  • 休業開始時賃金日額:約13,333円
  • ただし、上限額が適用される可能性あり(後述)
  • 上限を考慮しない場合:13,333円 × 28日 × 80% = 約29.9万円

→ 最初の1か月間の合計:約29.9万円(28日分)+ 約1.8万円(2日分の67%)= 約31.7万円

※ただし、実際には上限額により減額される可能性があります(次項参照)。

5-3. 上限額と下限額の注意点

育児休業給付金には、日額ベースで上限額と下限額が設定されています。これは毎年8月1日に見直されます。

2025年4月時点の金額:

項目 金額(日額) 月額換算(30日)
休業開始時賃金日額の上限 15,690円 約47.1万円
休業開始時賃金日額の下限 2,869円 約8.6万円
給付金支給上限(67%) 10,512円 約31.5万円
給付金支給上限(80%) 12,552円 約37.7万円
給付金支給下限(67%) 1,922円 約5.8万円
給付金支給下限(80%) 2,295円 約6.9万円

上限額の影響:

例えば、月給が50万円の高収入の方の場合:

  • 休業開始時賃金日額は約16,667円となるはずですが、上限の15,690円が適用されます
  • したがって、80%給付でも:15,690円 × 80% = 12,552円(日額)
  • 月額換算:12,552円 × 30日 = 約37.7万円

月給50万円の手取りが約39万円だとすると、給付金では約37.7万円となり、「手取り10割」には届かないことになります。高収入の方ほど、実質的な給付率は下がるという点に注意が必要です。

下限額について:

逆に、パートなどで収入が少ない方でも、下限額が保証されています。例えば、月給8万円の方でも、最低限約5.8万円(67%時)または約6.9万円(80%時)の給付は受けられます。

6. 申請方法と必要書類【ステップ解説】

それでは、実際にどうやって申請すればいいのか、ステップごとに説明していきます。

6-1. 申請の流れ(会社経由が基本)

育児休業給付金の申請は、原則として会社(事業主)を通じて行います。個人で直接ハローワークに申請することも可能ですが、必要書類の多くは会社が作成・提出するものなので、会社経由が一般的でスムーズです。

【申請の流れ】

  1. 育休開始前:会社に育休取得を申し出る
    • 育休開始予定日の1か月前までに、書面で会社に申し出ます
    • この際、「出生後休業支援給付金も申請したい」と明確に伝えましょう
  2. 育休開始:会社が初回申請書類を準備
    • 会社の人事・総務部門が、ハローワークへの申請書類を作成します
    • あなたに書類への署名・捺印を求められるので、内容を確認して対応します
  3. 育休開始から4か月以内:初回申請
    • 会社がハローワークに書類を提出します(育休開始日から4か月経過する日の属する月の末日が期限)
    • この初回申請で「育児休業給付受給資格確認」と「最初の支給申請」が同時に行われます
  4. 2回目以降:2か月ごとに追加申請
    • 育休が継続している間、2か月ごとに追加の支給申請を行います
    • これも会社を通じて手続きします
  5. 給付金の振込:申請から約1~2週間後
    • 審査が通れば、指定した銀行口座に給付金が振り込まれます
    • 初回は審査に時間がかかることがあるので、1か月程度かかる場合もあります

出生後休業支援給付金の申請:

出生後休業支援給付金は、原則として育児休業給付金の申請と同じ申請書を使って同時に申請します。別途特別な手続きは不要ですが、以下の情報が必要になります:

  • 配偶者の育児休業取得状況(取得期間、日数など)
  • 配偶者が雇用保険の被保険者でない場合は、その旨を証明する書類

6-2. 必要書類チェックリスト

申請に必要な書類は以下の通りです。○印は本人が用意するもの、●印は会社が用意するものです。

【初回申請時に必要な書類】

  1. 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
    • 会社が作成します
    • 育休開始前6か月の賃金額を証明する書類
  2. 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
    • 会社が作成し、本人が署名・捺印します
    • 2025年4月以降は、出生後休業支援給付金の申請欄も追加されています
  3. 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど
    • 賃金月額証明書の内容を証明するために会社が用意します
  4. 母子健康手帳の写し
    • 子の出生を証明するページのコピー
    • 「出生届出済証明」のページなど
  5. 振込先口座の通帳またはキャッシュカードの写し
    • 本人名義の口座情報
    • 金融機関名、支店名、口座番号、名義人が確認できるページ
  6. 本人確認書類
    • 運転免許証、マイナンバーカードなどのコピー

【出生後休業支援給付金の追加書類】

  1. 配偶者の育児休業取得状況を証明する書類
    • 配偶者の会社が発行する「育児休業取得証明書」など
    • 配偶者も同じ会社の場合は不要
  2. 配偶者が雇用保険の被保険者でない場合の証明書類
    • 自営業者であることを証明する開業届の写しなど
    • ひとり親の場合は戸籍謄本など

【2回目以降の申請時】

  1. 育児休業給付金支給申請書
    • 前回申請時にハローワークから渡される次回用の申請書
    • 会社が記入し、本人が確認・署名します
  2. 賃金台帳、出勤簿など
    • 該当期間の就労状況や賃金支払い状況を証明するため

6-3. 申請期限と振込時期

申請期限:

  • 初回申請:育休開始日から4か月経過する日の属する月の末日まで
  • 2回目以降:各支給単位期間(2か月間)の終了日の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日まで

例:

  • 育休開始日が4月1日の場合、初回申請期限は7月31日
  • 支給単位期間が4月1日~5月31日の場合、その期間分の申請期限は7月31日

振込時期:

  • 初回:申請後、審査を経て約3~4週間後に振込(早ければ2週間程度)
  • 2回目以降:申請後約1~2週間で振込

振込日は「15日」や「25日」といった固定日ではなく、審査が完了次第順次振り込まれます。ハローワークによっても多少のタイムラグがあるので、余裕を持ったスケジュールで考えておくと良いでしょう。

振込通知:

給付金が振り込まれる際、ハローワークから「育児休業給付金支給決定通知書」が郵送されてきます。この通知書には:

  • 支給決定額
  • 支給対象期間
  • 次回申請期限

などが記載されているので、大切に保管してください。

7. こんな場合はどうなる?よくある質問

ここでは、実際によく寄せられる疑問について、Q&A形式で答えていきます。

7-1. 2025年3月以前に出産した場合は対象外?

Q:2025年2月に出産しました。新制度の対象にはなりませんか?

A:出生後休業支援給付金の対象となるのは、2025年4月1日以降に育児休業を開始した方です。出産日ではなく、「育休開始日」が基準になります。

したがって、2025年3月以前に出産していても、育休開始が4月1日以降であれば対象になる可能性があります。

例:

  • 2025年2月10日出産
  • 産後休業は2月11日~4月8日(8週間)
  • 育休開始日は4月9日
  • 4月9日以降の育休について、出生後休業支援給付金の対象になる可能性あり

ただし、子の出生後8週間以内という条件もあるため、育休開始が出生後8週間を超える場合は対象外となります。上記の例では、出生から8週間後は4月7日なので、微妙なラインです。詳細はハローワークに確認することをお勧めします。

7-2. 片方が14日未満だとどうなる?

Q:夫が仕事の都合で10日間しか育休を取れません。この場合、妻も13%の上乗せはもらえませんか?

A:残念ながら、夫婦両方がそれぞれ14日以上取得しないと、出生後休業支援給付金は支給されません

この場合:

  • 妻:通常の育児休業給付金67%のみ
  • 夫:通常の育児休業給付金67%のみ

13%の上乗せは、両方とも対象外になります。

ただし、日数のカウント方法には柔軟性があります:

  • 連続して取得する必要はない(分割取得でもOK)
  • 例:1週間取得 → 職場復帰 → また1週間取得 = 合計14日
  • 出生後8週間以内であれば、複数回に分けても合算できます

仕事の都合で連続して14日取れない場合でも、分割して合計14日以上になるよう調整することを検討してみてください。

7-3. パートやアルバイトでも対象になる?

Q:私はパートで働いていますが、育児休業給付金はもらえますか?

A:はい、雇用保険に加入していれば、パートやアルバイトでも対象になります。

条件は:

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること(または賃金支払基礎時間数が80時間以上の月が12か月以上)

雇用保険の加入要件は:

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある

この条件を満たしていれば、パート・アルバイトでも育児休業給付金の対象です。ただし、給付額は育休前の賃金額に基づくため、収入が少ない場合は給付額も少なくなります。

また、出生後休業支援給付金についても、配偶者が条件を満たせば同様に対象になります。

7-4. 2人目以降の出産でも適用される?

Q:第2子を妊娠中ですが、2人目でも80%の給付は受けられますか?

A:はい、2人目、3人目でも、条件を満たせば同様に適用されます

出生後休業支援給付金は、「子の人数」ではなく「育休取得の都度」判定されます。つまり、各お子さんの出生ごとに、条件を満たせば13%の上乗せを受けられます。

ただし、注意点があります:

  • 第1子の育休中に第2子を妊娠・出産した場合、第1子の育休は産前休業開始日の前日で終了となります
  • 第2子の産後休業終了後、改めて育休を取得することになります
  • この第2子の育休について、条件を満たせば出生後休業支援給付金の対象になります

また、育休中に次の子を妊娠した場合の給付金の取扱いについては複雑なケースもあるため、会社の人事部門やハローワークに相談することをお勧めします。

8. 注意!給付金が減額・不支給になるケース

せっかく条件を満たしていても、場合によっては給付金が減額されたり、支給されなくなったりすることがあります。注意すべきポイントを押さえておきましょう。

8-1. 育休中に給与が80%以上支払われた場合

育休中の賃金支払いと給付金の関係:

育児休業給付金は、「育休中に給与がもらえないため、その補填として支給される」という性質のものです。したがって、育休中に会社から給与が支払われる場合、給付金が調整される仕組みになっています。

育休中の賃金支払い割合 給付金の取扱い
13%以下 給付金は全額支給
13%超~80%未満 給付金は一部調整(賃金と給付金の合計が80%を超えない範囲で支給)
80%以上 給付金は不支給

例:

  • 育休前の賃金が月30万円
  • 育休中に会社から15万円(50%)が支払われた場合
    • 給付金の80%は24万円
    • 賃金15万円 + 給付金 = 30万円 × 80% = 24万円となるよう調整
    • したがって、給付金は9万円に減額
  • 育休中に会社から25万円(83.3%)が支払われた場合
    • 80%を超えているため、給付金は不支給

一部の企業では「育休中も給与を支払う」という福利厚生制度がありますが、この場合は給付金との兼ね合いを事前に確認する必要があります。

8-2. 休業中の就労日数・時間が多い場合

育休中の就労と給付金:

育児休業中でも、一定の範囲内であれば働くことが認められています(これを「休業中の就労」と呼びます)。ただし、就労日数や時間が多すぎると、「育休を取得している」とみなされず、給付金が不支給になる可能性があります。

就労可能な範囲:

  • 1支給単位期間(通常2か月間)において、就労日数が10日以下(10日を超える場合は就労時間が80時間以下)

この条件を超えると、その支給単位期間については給付金が支給されません。

例:

  • 2か月間の育休期間中に、在宅ワークで15日働いた → 10日を超えているため、その期間の給付金は不支給の可能性
  • 2か月間の育休期間中に、8日間だけ出勤した → 10日以下なので給付金は支給される(ただし賃金との調整あり)

産後パパ育休(出生時育児休業)の場合:

2022年10月から導入された「産後パパ育休」では、労使協定がある場合に限り、休業中に就労することが可能です。ただし、この場合も就労日数・時間には上限があり、超過すると給付金に影響します。

8-3. 延長申請の審査が厳格化している

育休延長の条件:

本来、育児休業給付金は子が1歳になるまでが原則ですが、以下の場合には1歳6か月、さらに2歳まで延長できます:

  • 保育所に入所申込をしたが、入所できなかった
  • 子の養育を行っている配偶者が、死亡・負傷・疾病などで養育が困難になった
  • 離婚等により配偶者が子と同居しなくなった

特に「保育所に入所できなかった」ことを理由とする延長が多いのですが、近年、この審査が厳格化しています

2025年4月からの変更点:

従来は「入所保留通知書」(自治体が発行する「保育所に入れませんでした」という通知)だけで延長が認められていましたが、2025年4月からは「保育所等の利用申込書の写し」も必要になりました。

これは、「実際には保育所に入れる状況だったにも関わらず、わざと不承諾通知をもらって延長する」という不正を防ぐためです。実際、一部で「保育園落選を狙って育休を延ばす」というケースが報道されたことから、審査が厳しくなったという背景があります。

延長を考えている方へのアドバイス:

  • 保育所への申込は本気で行い、複数の園に申し込むこと
  • 申込書は必ず写しを保管すること(電子申請の場合は画面を印刷)
  • 不承諾通知が届いたら、すぐに会社に報告して延長手続きを開始すること

9. 専門家が語る「新制度活用のポイント」

ここでは、社会保険労務士などの専門家の視点から、新制度を最大限活用するためのアドバイスをご紹介します。

9-1. 社会保険労務士からのアドバイス

社会保険労務士・田中先生(仮名)のコメント:

「出生後休業支援給付金の創設は、日本の育児休業制度における大きな転換点です。これまで『経済的な理由で育休を取れない』という声が多かったのですが、手取りがほぼ変わらないとなれば、取得のハードルは格段に下がるでしょう。

特に注目すべきは、夫婦で協力して育児に取り組むことが前提になっている点です。片方だけが育休を取るのではなく、両方が14日以上取得して初めて80%になるという設計は、『共働き・共育て』という政府の方針を体現しています。

ただし、実務上の注意点として、配偶者の育休取得を証明する書類の準備があります。配偶者が別の会社で働いている場合、その会社から育休取得証明書を発行してもらう必要があります。夫婦間だけでなく、それぞれの会社の人事部門との連携が重要になってきます。

また、給付金の計算基礎となる『休業開始時賃金日額』は、残業代も含めた過去6か月の賃金総額で算定されます。したがって、育休前に残業が多かった時期があれば、その分給付金も増えることになります。逆に、育休前に休職期間があったり、減給があったりすると、給付額が下がる可能性があります。

最後に、税金や社会保険料の免除という恩恵を最大限活用してください。特に社会保険料の免除は、将来の年金額に影響しないという点が非常に大きいです。通常、保険料を払わなければ年金額が減りますが、育休中は『払ったものとみなされる』ので、将来の年金を減らすことなく、今の手取りを増やせるという、非常にありがたい制度なんです。」

9-2. 男性育休取得の実例と体験談

【実例1】IT企業勤務・佐藤さん(30歳・男性)の場合

「第一子の時(2023年)は、1週間しか育休を取りませんでした。正直、給与が減るのが不安で…。でも妻の大変さを見ていて、第二子(2025年5月生まれ)の時は『新制度があるなら絶対に取ろう』と決めました。

実際に3週間の育休を取得してみて、本当に良かったです。上の子(2歳)の世話もあり、妻一人では絶対に無理だったと思います。給付金は月給とほぼ同額だったので、経済的な不安はありませんでした。

会社も理解があり、『新制度で手取りが変わらないなら、むしろ積極的に取ってほしい』と言ってくれました。同僚も『佐藤さんが取ったなら、自分も取りやすい』と言っていて、職場全体で育休を取りやすい雰囲気になってきています。」

【実例2】公務員・鈴木さん(28歳・女性)の場合

「夫が自営業なので、『夫婦両方14日以上』という条件は満たせないと思っていました。でも調べてみたら、配偶者が雇用保険の被保険者でない場合は、私だけが14日以上取得すればいいと分かって安心しました。

実際、産後休業が終わってすぐに4週間の育休を取得し、その期間について80%の給付を受けることができました。夫は自営業なので育休はありませんが、仕事の合間に育児を手伝ってくれて、とても助かりました。

ひとり親や配偶者が自営業の方も対象になるというのは、本当にありがたい制度だと思います。」

9-3. 会社への相談で気をつけること

育休を取得する際、会社への相談は避けて通れません。スムーズに手続きを進めるためのポイントをまとめます。

【相談のタイミング】

  • 妊娠が分かったらなるべく早く報告:法律上は育休開始の1か月前までに申し出ればOKですが、業務の引継ぎなどを考えると、早めの報告が望ましいです
  • 出産予定日の3か月前までには具体的な育休期間を相談:会社も人員配置の調整が必要なので、早めに具体的な期間を伝えましょう

【相談時に伝えるべきこと】

  1. 育休の開始予定日と終了予定日
  2. 出生後休業支援給付金を申請したい旨
    • 「夫婦ともに14日以上取得する予定なので、新しい給付金制度を利用したいです」と明確に伝えましょう
  3. 配偶者の育休取得状況
    • 配偶者も育休を取る場合は、その期間も伝えます
    • 配偶者が別の会社で働いている場合、育休取得証明書の発行が必要になることも伝えましょう
  4. 業務の引継ぎ計画
    • 誰に何を引き継ぐか、具体的な計画を提示すると、会社も安心します

【相談時のNGワード】

  • 「給付金がもらえるから育休取ります」← 動機が金銭面だけに聞こえてしまう
  • 「法律で認められているので取ります」← 権利主張だけでは円滑な関係が築けない

【相談時のOKワード】

  • 「妻(夫)のサポートと育児に専念したいので、育休を取得させてください」
  • 「業務の引継ぎはしっかり行いますので、ご迷惑をおかけしないよう準備します」
  • 「新しい制度で経済的な不安が軽減されるので、安心して育休を取得できます」

会社との関係を良好に保ちながら、スムーズに育休を取得できるよう、コミュニケーションを大切にしましょう。

10. まとめ:育児休業給付金80%引き上げを最大活用しよう

長い記事をここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。

【この記事のまとめ】

  1. 育児休業給付金の80%引き上げは、2025年4月1日から正式に実施されています
    • 「出生後休業支援給付金」という新しい給付金が創設されました
    • 従来の67% + 新設の13% = 80%(手取り実質10割相当)
  2. 受給するための条件:
    • 夫婦ともに14日以上の育児休業を取得すること
    • 子の出生後8週間以内に取得すること
    • 最大28日間が対象
    • ひとり親や配偶者が自営業の場合は、単独で14日以上取得すればOK
  3. 手取り実質10割になる理由:
    • 育児休業給付金は非課税
    • 社会保険料が免除される
    • 将来の年金額は減らない
  4. 申請は会社経由が基本
    • 育休開始の1か月前までに会社に申し出る
    • 必要書類は会社と本人で分担して準備
    • 給付金は申請後1~4週間で振込
  5. 注意点:
    • 育休中に給与が80%以上支払われると給付金は不支給
    • 就労日数・時間が多すぎると給付金に影響
    • 上限額があるため、高収入の方は実質給付率が下がる可能性

【最後に:この制度を活用して、家族との時間を大切にしましょう】

赤ちゃんが生まれてすぐの時期は、人生の中でも特別な時間です。子どもの成長はあっという間で、この時期は二度と戻ってきません。

「経済的な不安で育休を諦める」――そんな時代は終わりを迎えようとしています。新しい制度を最大限に活用して、パートナーと協力しながら、かけがえのない育児の時間を過ごしてください。

育休を取得することは、決して「仕事から逃げる」ことではありません。むしろ、家族としての責任を果たし、人として成長する貴重な機会です。

育休から復帰した多くの方が「育休を取って本当に良かった」「子どもとの絆が深まった」「パートナーへの理解が深まった」と語っています。

この記事が、あなたとあなたの家族にとって、より良い選択をするための一助となれば幸いです。

育児は社会全体で支えるもの。あなたの育休取得が、次の誰かの背中を押すきっかけになるかもしれません。

何か不明な点があれば、まずは会社の人事部門やハローワークに相談してみてください。厚生労働省の公式サイトにも詳しい情報が掲載されています。

あなたと家族に、幸せな育児の時間が訪れますように。


【参考情報・出典】

  • 厚生労働省「育児休業等給付について」
  • こども家庭庁「こどもまんなか実行計画 2024」
  • 厚生労働省「出生後休業支援給付金リーフレット」
  • 雇用保険法(2025年4月改正)

※この記事の情報は2025年10月時点のものです。制度の詳細や申請方法は変更される可能性がありますので、最新情報は厚生労働省の公式サイトやハローワークでご確認ください。

※給付金の金額は個々の状況により異なります。具体的な金額についてはハローワークにお問い合わせください。

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