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育児休業給付金はいつの給料で計算される?賃金日額の決まり方と注意点

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コラム

育児休業給付金は「育休開始日から遡った6ヶ月」の給料で計算される

「育児休業給付金って、いつの給料をもとに計算されるの?」——これ、育休を控えた方からよく聞かれる質問です。

結論からお伝えすると、育児休業給付金は「育休開始日」から遡った直近6ヶ月間の給料を基準に計算されます

ポイントは「産休開始日」ではなく「育休開始日」という点。ここを勘違いしていると、自分の給付額を見誤ってしまうことがあります。

産休開始日ではなく「育休開始日」が起点になる

女性の場合、出産後8週間は「産後休業」として労働基準法で就業が禁止されています。その後に続くのが育児休業です。

つまり、タイムラインとしては以下のようになります。

【例】2026年4月1日に出産した場合

  • 産前休業:2026年2月19日〜3月31日(出産予定日の6週間前から)
  • 出産日:2026年4月1日
  • 産後休業:2026年4月2日〜5月27日(出産翌日から8週間)
  • 育休開始日:2026年5月28日 ← ここが起点!

育児休業給付金の賃金日額は、この「育休開始日(2026年5月28日)」から遡って計算されます。

「産休に入る前の給料で計算されるんじゃないの?」と思っていた方もいるかもしれませんが、正確には育休開始日を基準に、その前の賃金支払い対象期間6ヶ月分が計算対象です。

賃金日額の計算式をシンプルに解説

育児休業給付金の金額を決める「賃金日額」は、次の計算式で求められます。

賃金日額 = 育休開始前6ヶ月間の賃金総額 ÷ 180日

この賃金日額に支給率(最初の180日間は67%、それ以降は50%)を掛けたものが、1日あたりの給付額になります。

なお、2025年4月からは夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合、最大28日間は給付率80%(手取り10割相当)に引き上げられています。詳しくは以下の記事で解説しています。

▶ あわせて読みたい:育児休業給付金80%引き上げはどうなった?2025年4月実施の全詳細

計算対象になる月・ならない月の見分け方

「6ヶ月分の給料」と聞くと単純に思えますが、実はすべての月がカウントされるわけではありません。ここを理解しておかないと、「思っていたより給付額が少ない…」という事態になりかねません。

「11日以上働いた月」だけがカウントされる

育児休業給付金の賃金日額を計算する際、対象となるのは「賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月」です。

言い換えると、出勤日数(有給含む)が11日未満だった月は計算から除外され、さらに前の月が繰り上げて対象になります。

【具体例】育休開始日が2026年6月1日の場合

出勤日数 計算対象?
2025年12月 20日 ○ 対象
2026年1月 18日 ○ 対象
2026年2月 5日(つわりで欠勤) ✕ 除外
2026年3月 22日 ○ 対象
2026年4月 0日(産休中) ✕ 除外
2026年5月 0日(産休中) ✕ 除外

→ この場合、2月・4月・5月は除外され、さらに前の2025年11月・10月・9月が繰り上げて対象になります。

このルールがあるため、産休期間中は自動的に除外されます。「産休中の給料ゼロが反映されて給付金が減るのでは?」という心配は不要です。

つわり休暇・有給消化・欠勤月はどうなる?

妊娠初期につわりがひどく、1ヶ月近く休んでしまった…というケースは珍しくありません。このような月はどう扱われるのでしょうか?

出勤日数が11日未満の月 → 計算から除外される

つわりで欠勤した月、傷病手当金を受給していた月、有給消化で出勤日数が少なかった月などは、11日未満であれば計算対象から外れます。その分、さらに前の月が繰り上げて6ヶ月分になります。

つまり、つわりで休んだ月があっても、その月は「なかったこと」として扱われ、代わりに元気に働いていた時期の給料が計算に使われます。これは多くの方にとって有利に働くルールです。

ただし、傷病手当金を受給していた期間が長い場合、給付金への影響が気になる方もいるでしょう。詳しくは以下の記事で解説しています。

▶ あわせて読みたい:つわり傷病手当で育児休業給付金が減る?支給額への影響と対処法を完全解説

残業が少なかった月も対象になる?

「妊娠が分かってから残業を減らしたので、直近の給料が少ない…」という不安を持つ方もいます。

残念ながら、出勤日数が11日以上あれば、残業が少なくてもその月は計算対象になります

ただし、以下のような場合は結果的に有利になることもあります。

  • 残業が減った月が産休直前の1〜2ヶ月だけで、それ以前は残業込みの給料だった場合
  • 6ヶ月のうち残業が少ない月の割合が小さい場合

「残業代が多かった時期をできるだけ計算対象に入れたい」という場合、育休開始日を調整できるか会社に相談してみるのも一つの手です(ただし、あまり現実的ではないケースが多いです)。

賞与・手当は含まれる?計算対象になる賃金の範囲

「ボーナスも含めて計算されるなら、けっこうもらえるのでは?」と期待する方もいますが、実はそう単純ではありません。

賞与(ボーナス)は含まれない

育児休業給付金の賃金日額には、賞与(ボーナス)は含まれません。

これは雇用保険法の規定で、「臨時に支払われる賃金」や「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」は除外されると定められているためです。

年俸制で賞与が毎月の給与に組み込まれている場合は計算対象になりますが、一般的な「夏・冬のボーナス」は含まれないと考えてください。

含まれる手当・含まれない手当の一覧

では、毎月の給与に含まれる各種手当はどう扱われるのでしょうか?

含まれる手当 含まれない手当
・基本給
・残業手当(時間外手当)
・通勤手当
・住宅手当
・家族手当
・役職手当
・資格手当
・皆勤手当
・賞与(ボーナス)
・退職金
・結婚祝い金など臨時の支給
・3ヶ月超の期間で支払われる手当

基本的に、毎月決まって支払われる賃金はほぼすべて計算対象になります。通勤手当も含まれる点は見落としがちなので覚えておきましょう。

2人目・連続育休の場合は「4年遡り」の特例がある

「1人目の育休から復帰して、すぐに2人目を妊娠した」「復帰後まだ数ヶ月しか働いていない」——そんなケースでは、計算対象となる給料が足りなくなる可能性があります。

しかし、ご安心ください。育児休業給付金には「4年遡り」の特例があります。

4年遡りが適用される条件

通常、賃金日額の計算は育休開始前2年間から6ヶ月分を取りますが、以下の理由で2年間に十分な賃金支払い期間がない場合は、最大4年間まで遡ることができます

4年遡りが認められる理由

  • 前回の育児休業を取得していた
  • 産前産後休業を取得していた
  • 傷病により30日以上賃金の支払いを受けられなかった

つまり、1人目の育休→復帰→すぐに2人目の産休・育休という流れでも、1人目の育休前(最大4年前)の給料を基準に計算してもらえるのです。

1人目と2人目で給付額が変わるケース

4年遡りが適用されると、以下のような違いが生まれることがあります。

【ケース1】復帰後に時短勤務をしていた場合

1人目の育休後、時短勤務で復帰していた方は、時短中の給料より4年前のフルタイム時代の給料のほうが高いケースが多いです。この場合、4年遡りにより給付額が増える可能性があります。

【ケース2】復帰後に昇給・昇格していた場合

逆に、復帰後にキャリアアップして給料が上がっていた場合は、直近の給料を使ったほうが有利です。ただし、復帰期間が短く11日以上働いた月が6ヶ月に満たない場合は、やはり4年遡りが適用されます。

2人目以降の育児休業給付金については、以下の記事で詳しく解説しています。

▶ あわせて読みたい:〖2025年最新版〗育児休業給付金は2人目2歳差でももらえる?計算方法と減額を防ぐ3つのポイント

▶ あわせて読みたい:育児休業給付金2人目で復帰一年未満でも受給可能?条件・手続き・注意点を完全解説

自分の賃金日額を確認する方法

「結局、自分はいくらもらえるの?」——これが一番知りたいところですよね。ここでは、自分で概算を計算する方法と、正式な金額を確認する方法を紹介します。

給与明細を使った概算シミュレーション

まずは手元の給与明細を使って、ざっくりとした金額を計算してみましょう。

【概算シミュレーションの手順】

  1. 育休開始予定日を確認する(産後休業終了日の翌日)
  2. 育休開始日から遡って、11日以上働いた月を6ヶ月分ピックアップする
  3. 各月の「総支給額」から「賞与」を引いた金額を合計する
  4. 合計額を180で割る → これが賃金日額の概算
  5. 賃金日額 × 0.67(最初の180日)または × 0.5(181日目以降)× 30日 → 1ヶ月の給付額概算

【計算例】

6ヶ月間の賃金総額が180万円だった場合:

  • 賃金日額:180万円 ÷ 180日 = 10,000円
  • 1日あたりの給付額(67%):10,000円 × 0.67 = 6,700円
  • 1ヶ月(30日)の給付額:6,700円 × 30日 = 約20万円

なお、賃金日額には上限額(2026年2月時点で約15,430円)と下限額(約2,746円)があります。高収入の方は上限に達する可能性があるので注意してください。

より正確なシミュレーションをしたい方は、以下のツールもご活用ください。

▶ あわせて読みたい:産休育休自動計算ツール

支給決定通知書のチェックポイント

育児休業給付金の申請後、ハローワークから「育児休業給付金支給決定通知書」が届きます(会社経由で届くケースがほとんどです)。

この通知書には、あなたの給付金計算に使われた正式な数字が記載されています。

通知書で確認すべき項目

  • 賃金日額:計算の基礎となった1日あたりの賃金
  • 支給日数:対象期間の日数
  • 支給金額:実際に振り込まれる金額
  • 支給対象期間:今回の給付がカバーする期間

「思っていた金額と違う…」という場合は、まず賃金日額を確認してみてください。ここが想定と違っていれば、計算対象となった月に何か問題があった可能性があります。

通知書の詳しい見方については、以下の記事で解説しています。

▶ あわせて読みたい:育児休業給付金支給決定通知書の見方を完全解説!記載内容から手続きまで徹底ガイド

よくある疑問Q&A

ここでは、「いつの給料で計算されるか」に関連してよく寄せられる疑問にお答えします。

Q. 転職して1年未満の場合はどうなる?

A. 前職の雇用保険加入期間が通算できれば、前職の給料も計算対象になる可能性があります。

転職前後で雇用保険の空白期間が1年以内であれば、被保険者期間は通算されます。ただし、賃金日額の計算に使われるのは原則として現在の会社での賃金です。

前職を退職してから1年以上のブランクがある場合や、失業手当を受給していた場合は、加入期間がリセットされている可能性があるので、ハローワークに確認しましょう。

▶ あわせて読みたい:転職1年未満でも育児休業給付金はもらえる!条件と手続きを完全解説

Q. 時短勤務中に妊娠した場合は?

A. 原則として時短勤務中の給料が計算対象になりますが、連続育休の場合は4年遡りが適用される可能性があります。

1人目の育休から復帰して時短勤務をしていた場合、2人目の育休では4年遡りにより、時短前のフルタイム時代の給料で計算してもらえることがあります。

ただし、復帰後にある程度の期間(11日以上働いた月が6ヶ月以上)働いていた場合は、その期間の給料が優先されます。

Q. 会社の計算ミスが疑われる場合はどうすればいい?

A. まずは会社の人事・総務部門に確認し、解決しなければハローワークに相談してください。

支給決定通知書の賃金日額が、自分の計算と大きく異なる場合は、会社が提出した「賃金台帳」や「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」に誤りがある可能性があります。

給与明細を持参してハローワークの窓口で相談すると、計算根拠を詳しく説明してもらえます。

▶ あわせて読みたい:育児休業給付金で会社のミス発覚!対処法と請求方法を完全解説〖2025年最新版〗

Q. 産休中に有給休暇を使った場合、給付金は増える?

A. 産休中に有給を使っても、その期間は賃金日額の計算対象にはなりません。

産前産後休業期間は、賃金の支払いがあっても「賃金支払いの基礎となった日数」にはカウントされません。そのため、有給を使って給料が発生しても、給付金の金額には影響しません。

むしろ産休中に有給を使うと、出産手当金が減額される可能性があるので注意が必要です。

Q. パート・アルバイトでも同じ計算方法?

A. はい、雇用保険に加入していれば計算方法は同じです。

パート・アルバイトの方も、育休開始前2年間(条件により4年間)に11日以上働いた月が12ヶ月以上あれば受給資格があります。賃金日額の計算方法も正社員と同じです。

ただし、勤務日数が少ない月が多いと計算対象月が少なくなる可能性があるので、注意が必要です。

▶ あわせて読みたい:育児休業給付金はパートでももらえる!受給条件・計算方法・申請手続きを完全解説〖2026年最新版〗

まとめ:給付金の計算基準を理解して、安心して育休に入ろう

この記事のポイントをおさらいします。

育児休業給付金の計算基準まとめ

  • 「いつの給料」 → 育休開始日から遡った6ヶ月間の賃金が基準
  • 「産休中の給料は?」 → 計算対象外。さらに前の月が繰り上げられる
  • 「つわりで休んだ月は?」 → 11日未満なら除外され、前の月が繰り上げ
  • 「ボーナスは?」 → 含まれない。毎月支払われる賃金のみが対象
  • 「2人目は?」 → 4年遡りの特例あり。1人目前の給料で計算される可能性

育児休業給付金の計算ルールは複雑に見えますが、基本を押さえれば自分のケースがどうなるか予測できるようになります。

「自分の場合はどうなるんだろう…」と不安な方は、まず給与明細を6ヶ月分集めて概算を出してみてください。それでも分からないことがあれば、会社の人事部門やハローワークに遠慮なく相談しましょう。

育休は大切なお子さんとの時間です。お金の不安を減らして、安心して育休に入れるよう、この記事がお役に立てば幸いです。

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