育児介護休業法の時短勤務を完全解説!2025年新給付金も
「子育てしながら働き続けたいけれど、フルタイムは難しい…」「親の介護が始まって、仕事との両立が不安」
そんな悩みを抱えている方、本当に多いですよね。
実は、育児介護休業法という法律で、働きながら育児や介護を両立できる「時短勤務制度」が企業に義務付けられているんです。さらに2025年4月からは、時短勤務で減った給与の一部を補填する「育児時短就業給付金」という新しい制度も始まりました。
この記事では、育児介護休業法における時短勤務制度について、基本的な仕組みから最新の給付金情報、給与計算の方法、社会保険への影響まで、あなたが知りたいすべてを網羅的に解説します。
実際に制度を利用する方はもちろん、企業の人事担当者の方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
- 1. 育児介護休業法における時短勤務制度とは?基礎知識
- 2. 【育児】時短勤務の対象者と利用要件
- 3. 【介護】時短勤務の対象者と利用要件
- 4. 時短勤務はいつまで利用できる?期間を詳しく解説
- 5. 【2025年新制度】育児時短就業給付金とは
- 6. 時短勤務中の給与はどうなる?計算方法を解説
- 7. 社会保険料と年金への影響
- 8. 時短勤務中の有給休暇・残業の扱い
- 9. 時短勤務の申請方法と手続きの流れ
- 10. 企業側の対応義務と就業規則への記載
- 11. 不利益な取り扱いの禁止と注意点
- 12. 時短勤務からフルタイム勤務への復帰
- 13. 専門家が語る!時短勤務活用のコツ
- 14. 時短勤務に関するよくある質問(Q&A)
- 15. まとめ:育児介護と仕事の両立を実現するために
1. 育児介護休業法における時短勤務制度とは?基礎知識
1-1. 短時間勤務制度(時短勤務)の定義
短時間勤務制度、通称「時短勤務」とは、育児や介護をする労働者が1日の所定労働時間を短縮して働ける制度のことです。正式名称は「所定労働時間の短縮措置」といいます。
育児介護休業法という法律によって、一定の条件を満たす労働者から申し出があった場合、企業は原則として時短勤務を認めなければなりません。
具体的には、1日の所定労働時間を原則6時間(正確には5時間45分から6時間まで)に短縮します。例えば、通常8時間勤務の方が時短勤務を利用すると、1日6時間勤務になるイメージです。
この制度、実は「育児か仕事か」「介護か仕事か」という二者択一ではなく、両立できる働き方を実現するために作られたんですよね。
1-2. 育児介護休業法が定める企業の義務
育児介護休業法は、正式には「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」という名称で、1991年に制定されました(当時は育児休業法)。その後、何度も改正を重ねながら、現在の形になっています。
企業には以下のような義務が課せられています:
- 3歳未満の子を養育する労働者が希望した場合、短時間勤務制度を設けなければならない
- 要介護状態の家族を介護する労働者のために、短時間勤務制度など一定の措置を講じなければならない
- 制度を利用したことを理由に不利益な取り扱いをしてはならない
- 就業規則に時短勤務制度について明記しなければならない
これらの義務に違反すると、労働基準監督署から是正勧告を受けることになります。是正勧告に応じなければ、企業名が公表されたり、過料(金銭的制裁)の対象になったりする可能性もあるんです。
【出典】厚生労働省「育児・介護休業法について」
【出典】e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
1-3. 時短勤務とフレックスタイムの違い
「時短勤務とフレックスタイム制度って、何が違うの?」という疑問、よく聞かれます。混同しやすいですよね。
実は、この2つは全く異なる制度なんです。比較してみましょう:
| 項目 | 時短勤務 | フレックスタイム制 |
|---|---|---|
| 労働時間 | 1日6時間(固定) | 一定期間内の総労働時間を満たせば自由 |
| 出退勤時刻 | 基本的に固定 | 自由(コアタイムがある場合も) |
| 目的 | 育児・介護との両立支援 | 柔軟な働き方の実現 |
| 法的義務 | 条件を満たせば企業に義務あり | 企業の任意導入 |
| 給与 | 短縮分は減額が一般的 | 総労働時間分支払われる |
| 併用 | フレックスタイムと併用可能 | 時短勤務と併用可能 |
注目すべきは、時短勤務とフレックスタイム制度は併用できるという点です。例えば、1日6時間の時短勤務をしながら、出勤時間を柔軟に調整することも可能なんですよ。
2. 【育児】時短勤務の対象者と利用要件
2-1. 3歳未満の子を養育する場合の要件
育児のための時短勤務、気になるのは「自分は対象になるの?」ということですよね。
育児介護休業法第23条により、以下の条件をすべて満たす労働者は、時短勤務を利用する権利があります:
- 3歳に満たない子を養育していること(3歳の誕生日の前日まで)
- 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
- 日々雇用される者でないこと
- 労使協定で適用除外とされていないこと
ここで重要なポイントがいくつかあります。
まず、性別は関係ありません。男性も女性も等しく利用できます。「時短勤務は女性のもの」というイメージがあるかもしれませんが、法律上は男女平等なんです。
次に、正社員だけでなく、契約社員や派遣社員も対象です。雇用形態は基本的に関係ありません。ただし、日々雇用(日雇い)の方は対象外となります。
そして、実子だけでなく養子も対象です。法律上の親子関係があれば、実子・養子の区別なく制度を利用できます。
実際に申請する際は、時短勤務を開始しようとする日の1ヶ月前までに書面で申し出る必要があります(企業によってはもっと早い時期を指定している場合もあります)。
2-2. 適用除外となるケース(労使協定)
原則として、3歳未満の子を養育する労働者の時短勤務の申し出は拒否できません。ただし、労使協定で定めた場合に限り、以下の労働者を適用除外にすることができます:
- 入社1年未満の労働者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
- 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
3番目の「困難と認められる業務」というのは、例えば以下のようなケースです:
- 国際路線の客室乗務員など、1日の業務時間が6時間を大幅に超え、短縮が現実的でない業務
- 流れ作業のライン作業で、代替要員の確保が極めて困難な業務
ただし、このような場合でも、企業は代替措置を講じる義務があります。例えば:
- 育児休業に準ずる措置(育児のための休業制度)
- フレックスタイム制度
- 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
- 事業所内保育施設の設置運営
- 育児に要する費用の援助措置
このうちいずれかの措置を講じなければなりません。「時短勤務は認めない、代替措置もない」というのは法律違反になります。
2-3. 3歳以降の時短勤務(企業の任意制度)
「3歳を過ぎたら、もう時短勤務は使えないの?」と不安になる方も多いですよね。
法律上の義務は3歳未満までですが、実は多くの企業が独自に制度を延長しているんです。
育児介護休業法では、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者について、企業に努力義務を課しています。つまり、「できるだけ制度を続けてください」という位置づけです。
実際には:
- 小学校入学前まで延長している企業:約40%
- 小学校3年生まで延長している企業:約25%
- 小学校卒業まで延長している企業:約15%
- 中学校入学まで延長している企業:約5%
※企業規模や業種によって割合は異なります
さらに、2025年10月からの法改正により、3歳から小学校就学前の子を育てる労働者に対して、企業は以下の5つの措置のうち2つ以上を選択して提供する義務が新たに課されました:
- 短時間勤務制度
- 始業時刻等の変更(時差出勤)
- テレワーク
- 保育施設の設置運営
- 新たな休暇の付与
つまり、3歳以降も時短勤務を選択肢として提供する企業が増えることが予想されます。お勤めの会社の就業規則をぜひ確認してみてください。
3. 【介護】時短勤務の対象者と利用要件
3-1. 介護のための短時間勤務制度
「親の介護が始まったけれど、仕事は続けたい」という方も増えていますよね。
介護のための時短勤務も、育児介護休業法で定められています。ただし、育児の場合とは少し仕組みが異なるので注意が必要です。
介護のための時短勤務の対象者は:
- 要介護状態にある対象家族を介護する労働者
- 日々雇用される者でないこと
- 労使協定で適用除外とされていないこと
ここで「要介護状態」とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。介護保険の要介護認定とは異なる定義なので注意してください。
また、「対象家族」とは以下の方を指します:
- 配偶者(事実婚を含む)
- 父母
- 子
- 配偶者の父母
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
3-2. 利用期間と回数制限
介護のための時短勤務、実は育児の場合とかなり違うんです。
育児の場合:3歳になるまで継続して利用可能
介護の場合:利用開始日から3年間で2回以上の利用が可能
つまり、介護の場合は連続して利用する必要はなく、断続的に利用できるのが特徴です。例えば:
- 1回目:6ヶ月間時短勤務を利用
- 一旦フルタイムに戻る
- 2回目:親の状態が悪化したため、再び1年間時短勤務を利用
といった使い方ができます。
ただし、企業によっては法律を上回る制度(例えば「回数制限なし」など)を設けている場合もあるので、就業規則を確認してみてください。
3-3. 介護休業との違い
「介護休業と時短勤務、どっちを使えばいいの?」と迷う方も多いですよね。
この2つは目的が異なります:
| 項目 | 介護休業 | 介護のための時短勤務 |
|---|---|---|
| 目的 | 介護体制を整えるための休業 | 働きながら介護を続けるための措置 |
| 期間 | 対象家族1人につき通算93日まで | 3年間(回数制限あり) |
| 分割 | 3回まで分割可能 | 2回以上利用可能 |
| 給与 | 無給が一般的(企業による) | 勤務時間分は支給 |
| 給付金 | 介護休業給付金(休業開始時賃金の67%) | なし(育児の場合は2025年から給付金あり) |
一般的には:
- 介護休業:介護施設を探したり、在宅介護の体制を整えたりする「準備期間」として利用
- 時短勤務:介護体制が整った後、長期的に仕事と介護を両立するために利用
という使い分けが推奨されています。
4. 時短勤務はいつまで利用できる?期間を詳しく解説
4-1. 育児の場合:3歳の誕生日前日まで
「いつまで時短勤務できるの?」これ、多くの方が最も気になるポイントですよね。
育児のための時短勤務は、法律上子どもが3歳になる日の前日まで利用できます。
「3歳になる日の前日」というのがちょっとわかりにくいですよね。具体的に説明しますと:
- 子どもの誕生日:2022年5月15日
- 3歳になる日:2025年5月15日
- 時短勤務終了日:2025年5月14日
つまり、3歳の誕生日の前日が時短勤務を利用できる最終日になります。
ここで注意したいのが、複数の子どもがいる場合です。
例えば、5歳の長女と2歳の次女がいる場合:
- 長女が3歳になった時点では、まだ次女が2歳なので時短勤務は継続可能
- 次女が3歳になるまで時短勤務を利用できる
つまり、3歳未満の子が1人でもいれば、時短勤務の権利は継続するんです。上の子が3歳を超えたからといって、一律に時短勤務を打ち切るのは間違いですので、企業の人事担当者の方は特に注意してください。
4-2. 2025年10月改正:3歳〜小学校就学前の柔軟な働き方
2025年10月に施行された育児介護休業法の改正、ご存知でしょうか?
この改正で、3歳から小学校就学前の子を育てる労働者に対する企業の義務が大きく変わりました。
具体的には、企業は以下の5つの措置のうち2つ以上を選択して提供しなければなりません:
- 短時間勤務制度(所定労働時間の短縮)
- 始業時刻等の変更(時差出勤、フレックスタイムなど)
- テレワーク
- 保育施設の設置運営
- 新たな休暇の付与(年次有給休暇とは別の育児目的休暇)
そして、労働者は提供された措置の中から1つを選択して利用できます。
これまでは「3歳以降の時短勤務は努力義務」でしたが、改正後は「何らかの柔軟な働き方の措置を2つ以上提供することが義務」になったんですね。
つまり、3歳以降も時短勤務を続けられる可能性が高まったわけです。特に、従業員からの要望が多い企業では、引き続き時短勤務を選択肢の1つとして提供するケースが増えると予想されています。
お勤めの会社がどの措置を選択したかは、2025年9月までに社内で周知されているはずですので、確認してみてください。
4-3. 介護の場合:明確な期限なし
介護のための時短勤務、実は子どもの年齢のような明確な終了時期がありません。
前述したとおり、利用開始日から3年間で2回以上という利用制限はありますが、介護が必要な期間が3年を超える場合は、原則として引き続き利用できます。
ただし、企業によっては独自の上限を設けている場合もあるので、就業規則を確認することをお勧めします。
また、介護の場合は状態が変動することも多いため、フルタイムに戻ったり、再び時短勤務に切り替えたりといった柔軟な対応が可能です。状況に応じて、上司や人事部門と相談しながら働き方を調整していくのが良いでしょう。
5. 【2025年新制度】育児時短就業給付金とは
5-1. 育児時短就業給付金の概要
2025年4月から、時短勤務をする方にとって朗報となる新制度が始まりました。それが「育児時短就業給付金」です。
これまで、時短勤務を選ぶと給与が減ってしまうため、経済的な理由で利用を諦める方が少なくありませんでした。「育休は給付金があるのに、時短勤務には何もない」という不公平感もありましたよね。
そこで、雇用保険法が改正され、時短勤務による賃金低下を一部補填する給付金制度が創設されたんです。
この制度のポイントは:
- 2歳未満の子を養育するために時短勤務をする場合に支給
- 時短勤務中に支払われた賃金の約10%が給付される
- 雇用保険から支給される(企業負担ではない)
- 男性も女性も対象
例えば、時短勤務で月給が25万円になった場合、約2.5万円(10%)の給付金が追加で受け取れるイメージです。
この制度、実は「休業よりも時短勤務を、時短勤務よりもフルタイムを推進する」という政府の方針が反映されています。育児休業給付金の給付率が67%(181日目以降は50%)であることと比較すると、時短勤務の方が手取り収入は多くなる設計になっているんですよ。
5-2. 支給対象者と要件
「自分は給付金をもらえるの?」気になりますよね。
育児時短就業給付金の支給対象者は、以下の条件をすべて満たす雇用保険の被保険者です:
【基本要件】
- 2歳に満たない子を養育していること(2歳の誕生日の前日まで)
- 週の所定労働時間を短縮して働いていること
- 月の初日から末日まで継続して被保険者であること
- 時短勤務中に支払われた賃金が時短前の賃金より低いこと
【雇用保険の加入要件】
以下のいずれかに該当すること:
- 時短勤務開始前の原則2年間に、雇用保険の被保険者期間(みなし被保険者期間)が12ヶ月以上ある
- 育児休業給付金または出生時育児休業給付金を受けていた場合で、その給付金に係る休業終了後、引き続き時短勤務をしている
2番目のパターンは、例えば「育休から復帰してすぐに時短勤務を開始した」というケースですね。この場合、育休前の雇用保険加入期間が引き継がれるイメージです。
【給付金が支給されないケース】
以下の場合は給付金が支給されません:
- 支給対象月に支払われた賃金が、時短勤務開始時の賃金の100%以上の場合
- 支給額が最低限度額(2,411円)以下の場合
- 月の途中で離職し、被保険者資格を喪失した場合
- 週所定労働時間が20時間未満になった場合(小学校就学前まで20時間以上に戻る前提の場合は例外)
- 初日から末日まで継続して、育児休業給付または介護休業給付を受給している月
- 高年齢雇用継続給付の受給対象となっている月
5-3. 給付金額の計算方法(具体例付き)
「実際にいくらもらえるの?」これが一番気になるポイントですよね。
給付金額は、時短勤務前後の賃金の比較によって決まります。計算式は少し複雑なので、具体例で説明しますね。
【基本の計算式】
時短勤務中に支払われた賃金が、時短勤務開始時の賃金の90%以下の場合:
給付金 = 支給対象月の賃金 × 10%
【具体例1:基本給30万円の場合】
- 時短勤務前の基本給:30万円(1日8時間勤務)
- 時短勤務後の基本給:22.5万円(1日6時間勤務、25%減)
22.5万円は30万円の75%なので、90%以下です。したがって:
給付金 = 22.5万円 × 10% = 2.25万円
つまり、月の手取り(給与+給付金)= 22.5万円 + 2.25万円 = 24.75万円
時短前の30万円と比べると、約82.5%の収入を維持できることになります。
【具体例2:基本給25万円の場合】
- 時短勤務前の基本給:25万円
- 時短勤務後の基本給:20万円(20%減)
20万円は25万円の80%なので、90%以下です:
給付金 = 20万円 × 10% = 2万円
月の手取り = 20万円 + 2万円 = 22万円(時短前の88%)
【調整が入るケース】
時短勤務中の賃金が、時短前の賃金の90%超〜100%未満の場合は、給付率が調整されます。
具体例:
- 時短勤務前の基本給:30万円
- 時短勤務後の賃金:28万円(30万円の93.3%)
この場合、90%を超えているため、給付率は10%よりも低く調整されます。具体的には、以下の調整式で計算されます:
給付額 = 育児時短就業開始時賃金月額 – 支給対象月の賃金額
つまり:30万円 – 28万円 = 2万円
(この場合、給付率は約7.14%になります)
【支給限度額と最低限度額】
- 支給限度額:471,393円(2025年8月1日以降)
- 最低限度額:2,411円(2025年8月1日以降)
※これらの金額は毎年8月1日に改定されます
時短勤務後の賃金と給付額の合計が支給限度額を超える場合は、その分が減額されます。また、計算した給付額が最低限度額以下の場合は支給されません。
5-4. 申請方法と手続きの流れ
「給付金をもらうには、どうすればいいの?」という疑問にお答えしますね。
育児時短就業給付金の申請手続きは、原則として事業主を経由して行います。つまり、会社の人事・労務担当者が手続きをしてくれるのが一般的です。
【申請の流れ】
- 時短勤務開始前:会社に時短勤務の申し出をする
- 時短勤務開始後:毎月の給与支払い後、会社が給付金の支給申請をハローワークに提出
- 審査:ハローワークが要件を確認
- 支給決定:給付金が労働者の口座に振り込まれる(会社の口座ではありません)
【申請に必要な書類(会社が準備)】
- 育児時短就業給付金支給申請書
- 育児時短就業給付金支給申請書(初回)※初回のみ
- 賃金台帳
- 出勤簿またはタイムカード
- 母子健康手帳など(子の生年月日が確認できる書類)
- 雇用契約書や就業規則(週所定労働時間の短縮が確認できる書類)
【本人が希望すれば個人で申請も可能】
「会社に手続きをお願いするのが難しい」という場合は、労働者本人が直接ハローワークに申請することも可能です。その場合は、上記の書類を自分で揃えて提出する必要があります。
【2025年4月より前から時短勤務をしている場合】
育児時短就業給付金は2025年4月1日から開始された制度ですが、それより前から時短勤務をしている方も対象になります。
具体的には、2025年4月1日時点で2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合、2025年4月1日を育児時短就業開始日とみなして、2025年4月以降の各月を支給対象として扱います。
つまり、遡って給付金をもらえるわけではありませんが、2025年4月分からは給付対象になるんです。
6. 時短勤務中の給与はどうなる?計算方法を解説
6-1. 基本給の計算方法
「時短勤務にすると、給料はどれくらい減るの?」これ、多くの方が最も気になる点ですよね。
実は、育児介護休業法では、時短勤務中の賃金について具体的な定めはありません。つまり、企業が自由に決めることができます。
ただし、一般的には勤務時間に応じた比例計算で給与を減額する企業がほとんどです。
【基本的な計算式】
時短勤務後の基本給 = 時短前の基本給 × (時短後の労働時間 ÷ 時短前の労働時間)
【具体例】
- 時短前:1日8時間勤務、基本給30万円
- 時短後:1日6時間勤務
時短勤務後の基本給 = 30万円 × (6時間 ÷ 8時間) = 22.5万円
つまり、勤務時間が75%になると、基本給も75%になるという計算です。
ただし、注意点があります。勤務しない時間数を超えて不当に給与を減額するなど、時短勤務を利用する従業員に不利益を与える行為は禁止されています。
例えば、勤務時間が25%減(8時間→6時間)なのに、給与を40%減らすといった対応は違法になる可能性があります。
6-2. 諸手当の扱い
基本給以外の諸手当はどうなるのでしょうか?
これも企業によって異なりますが、一般的には以下のような対応が多いです:
| 手当の種類 | 一般的な扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 通勤手当 | 減額しない | 実際の通勤費用は変わらないため |
| 住宅手当 | 減額しない | 住居費用は勤務時間に関係ないため |
| 家族手当 | 減額しない | 扶養家族の状況は変わらないため |
| 役職手当 | 企業により異なる | 役職の責任をどう評価するかによる |
| 時間外手当 | 実際の残業時間に応じて支給 | 実際の労働に対する対価のため |
| 皆勤手当 | 減額しない | 出勤状況に対する評価のため |
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、各手当の目的や性質に照らして判断されます。お勤めの会社の就業規則や賃金規程を確認することをお勧めします。
6-3. 具体的な給与計算例(表形式)
実際の給与がどうなるか、具体例で見てみましょう。
【ケース1:基本給のみのシンプルなケース】
| 項目 | 時短前 | 時短後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 所定労働時間 | 1日8時間 | 1日6時間 | -2時間 |
| 基本給 | 300,000円 | 225,000円 | -75,000円 |
| 育児時短就業給付金 | – | 22,500円 | +22,500円 |
| 合計収入 | 300,000円 | 247,500円 | -52,500円(82.5%) |
【ケース2:諸手当がある場合】
| 項目 | 時短前 | 時短後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 基本給 | 250,000円 | 187,500円 | -62,500円 |
| 通勤手当 | 15,000円 | 15,000円 | ±0円 |
| 住宅手当 | 20,000円 | 20,000円 | ±0円 |
| 家族手当 | 10,000円 | 10,000円 | ±0円 |
| 役職手当 | 30,000円 | 15,000円 | -15,000円 |
| 給与合計 | 325,000円 | 247,500円 | -77,500円 |
| 育児時短就業給付金 | – | 24,750円 | +24,750円 |
| 合計収入 | 325,000円 | 272,250円 | -52,750円(83.8%) |
※このケースでは役職手当を50%減としていますが、企業によって対応は異なります
このように、諸手当の扱い次第で実際の減収額は変わってきます。また、育児時短就業給付金があることで、手取り収入は時短前の80%台を維持できるケースが多いことがわかります。
7. 社会保険料と年金への影響
7-1. 標準報酬月額の改定
「時短勤務で給料が減ったら、社会保険料も変わるの?」という疑問、当然出てきますよね。
答えは「はい、変わります」です。ただし、これは実はメリットなんですよ。
社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)は、「標準報酬月額」という基準額に応じて決まります。時短勤務で給与が下がると、この標準報酬月額も下がり、結果として社会保険料の負担も軽くなります。
【標準報酬月額の改定手続き】
時短勤務によって給与が変動した場合、「育児休業等終了時改定」または「月額変更届」という手続きを行います。
- 育児休業等終了時改定:育児休業から復帰して時短勤務を開始した場合
- 月額変更届(随時改定):時短勤務の開始により、固定的賃金が変動し、3ヶ月間の平均報酬額が2等級以上変わった場合
これらの手続きは事業主(会社)が日本年金機構に書類を提出して行います。労働者自身が手続きをする必要はありません。
【具体例】
- 時短前の月給:30万円 → 標準報酬月額:30万円 → 月額保険料:約4.4万円(本人負担)
- 時短後の月給:22.5万円 → 標準報酬月額:22万円 → 月額保険料:約3.2万円(本人負担)
※保険料率は協会けんぽ東京支部の2025年度料率(健康保険10.00%、厚生年金18.3%)で計算
つまり、月に約1.2万円の社会保険料が軽減されるわけです。
7-2. 養育期間の従前標準報酬月額みなし措置
「社会保険料が安くなるのは嬉しいけど、将来もらえる年金が減るのは困る…」と思いますよね。
実は、ここに非常に重要な救済措置があるんです。それが「養育期間の従前標準報酬月額みなし措置」です。
この制度、簡単に言うと:「時短勤務で給料が下がっても、将来の年金計算では時短前の高い給料で計算してもらえる」というものなんです。
つまり:
- 現在:下がった給料に応じた低い保険料を支払う
- 将来:下がる前の高い給料を基準に年金を受け取れる
これ、すごくお得ですよね!
【対象者】
- 3歳未満の子を養育している厚生年金の被保険者
- 養育開始月の前月と比較して、標準報酬月額が低下したこと
【申請方法】
この制度を利用するには、事業主が日本年金機構に申請する必要があります。具体的には「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を提出します。
労働者本人からも申請できますが、事業主の証明が必要になりますので、通常は会社の人事・労務部門に依頼するのがスムーズです。
【重要な注意点】
この制度、自動的には適用されません。申請しないと、時短後の低い給料で将来の年金が計算されてしまいます。
ですから、時短勤務を開始したら、必ず会社に「養育期間の特例申請をしてください」と依頼してください。これを忘れると、数十万円〜数百万円単位で将来の年金額が変わってくる可能性があります。
7-3. 将来の年金額への影響を最小化する方法
時短勤務を利用しても、将来の年金をできるだけ減らさないためのポイントをまとめます:
【ポイント1:養育期間の特例申請を必ず行う】
前述の「養育期間の従前標準報酬月額みなし措置」の申請を忘れずに。これが最も重要です。
【ポイント2:3歳以降は慎重に判断】
養育期間の特例は3歳未満の期間のみ適用されます。3歳以降も時短勤務を続ける場合は、低い給料で年金が計算されますので、家計と将来の年金のバランスを考えて判断しましょう。
【ポイント3:iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用】
時短勤務で減った収入の一部を、将来のためにiDeCoで積み立てるのも一つの方法です。所得控除のメリットもあります。
【ポイント4:できるだけ早めにフルタイムに戻る】
子どもの成長や家庭の状況に応じて、可能であれば早めにフルタイム勤務に戻ることで、年金額への影響を最小限に抑えられます。
8. 時短勤務中の有給休暇・残業の扱い
8-1. 年次有給休暇の付与日数
「時短勤務になると、有給休暇の日数も減るの?」と心配される方が多いですが、安心してください。減りません!
時短勤務労働者であっても、全労働日の8割以上出勤していれば、通常の労働者と同じ日数の年次有給休暇が付与されます。
例えば:
- 勤続6年6ヶ月以上:年20日の有給休暇
これは、1日8時間勤務でも、1日6時間の時短勤務でも変わりません。
【出勤率の計算】
出勤率 = 出勤日数 ÷ 全労働日 × 100
ここで注意したいのが、以下の日は「出勤したものとみなす」という点です:
- 年次有給休暇を取得した日
- 産前産後休業の期間
- 育児休業・介護休業の期間
- 業務上の傷病による休業期間
つまり、育休から復帰して時短勤務を始めた場合でも、育休期間は「出勤したもの」として計算されるので、有給休暇の付与に不利になることはありません。
8-2. 有給取得時の賃金計算
「時短勤務中に有給休暇を取ったら、給料はどうなるの?」という疑問にお答えしますね。
時短勤務労働者が年次有給休暇を取得した場合、短縮された後の労働時間分が有給として計算されます。
具体例で説明しますと:
- 時短前:1日8時間勤務、1日分の有給 = 8時間分の賃金
- 時短後:1日6時間勤務、1日分の有給 = 6時間分の賃金
つまり、有給休暇を取得した場合でも、時短勤務の時間に応じた賃金が支払われるということです。
【具体的な計算例】
時短勤務後の月給が22.5万円、月の所定労働日数が20日の場合:
1日分の有給休暇の賃金 = 22.5万円 ÷ 20日 = 11,250円
ただし、注意点があります。有給休暇を付与された時点ではなく、労働者が取得を申請したときの労働時間が基準となります。
例えば:
- 4月1日:フルタイム勤務時に有給休暇20日付与
- 6月1日:時短勤務開始(1日6時間)
- 7月10日:有給休暇1日取得 → 6時間分の賃金が支給される
8-3. 残業・所定外労働の制限
「時短勤務中でも残業させられるの?」という不安、ありますよね。
法律的には、時短勤務労働者に残業をさせること自体は禁止されていません。ただし、毎日のように残業させてしまっては、短時間勤務を利用している意味がなくなってしまいますよね。
そこで、育児・介護中の労働者を支援するために、「所定外労働の制限」という制度があります。
【所定外労働の制限とは】
育児・介護をしている労働者が請求した場合、企業は所定労働時間を超える労働(残業)をさせてはいけないという制度です。
【対象者】
- 育児の場合:3歳に満たない子を養育する労働者
- 介護の場合:要介護状態の家族を介護する労働者
【適用除外】
ただし、以下の労働者は対象外です:
- 日々雇用される者
- 入社1年未満の者(労使協定で定めた場合)
- 1週間の所定労働日数が2日以下の者(労使協定で定めた場合)
【請求方法】
制限の開始予定日の1ヶ月前までに、書面で事業主に請求します。1回の請求につき、1ヶ月以上1年以内の期間について制限を受けることができます。
【重要なポイント】
この制度、実は時短勤務とは別の制度なんです。つまり:
- 時短勤務を利用しているだけでは、自動的に残業が免除されるわけではない
- 残業を免除してもらうには、別途「所定外労働の制限」を請求する必要がある
ですから、時短勤務を申請する際に、同時に所定外労働の制限も請求することをお勧めします。
【法定労働時間を超える残業】
また、時短勤務中であっても、本人が希望し、かつ法定労働時間(1日8時間、週40時間)以内であれば、延長勤務は可能です。
例えば、1日6時間の時短勤務をしている方が、特定の日だけ7時間勤務する(1時間延長)ということは、本人が同意すれば問題ありません。
9. 時短勤務の申請方法と手続きの流れ
9-1. 申請のタイミング
「いつ申請すればいいの?」というのは、初めて時短勤務を利用する方にとって重要なポイントですよね。
育児介護休業法では、時短勤務を開始しようとする日の1ヶ月前までに申し出ることとされています。
ただし、企業によっては:
- 「2ヶ月前までに申請」
- 「3ヶ月前までに申請」
など、より早い時期を指定している場合もあります。就業規則を確認するか、人事部門に問い合わせてみてください。
【理想的な申請のタイミング】
- 妊娠がわかった段階(育児の場合):上司に妊娠を報告し、出産後の働き方について相談を始める
- 育休中(産休後8週目以降):具体的な復帰時期と時短勤務の利用について会社に相談
- 復帰予定日の2〜3ヶ月前:正式に時短勤務の申請書を提出
早めに相談しておくことで、会社側も業務の調整がしやすくなりますし、あなた自身も安心して準備ができます。
9-2. 必要な書類
時短勤務の申請に必要な書類は、基本的には以下のものです:
【育児のための時短勤務】
- 育児短時間勤務申出書(会社指定の様式、または厚生労働省の雛形を使用)
- 子の氏名・生年月日が確認できる書類(母子健康手帳、住民票など)
【介護のための時短勤務】
- 介護短時間勤務申出書(会社指定の様式)
- 対象家族の要介護状態を証明する書類(診断書、介護保険証など)
- 対象家族との続柄が確認できる書類(戸籍謄本、住民票など)
【記載内容の例】
申出書には、通常以下の内容を記載します:
- 氏名・所属部署
- 子(または介護対象家族)の氏名・生年月日・続柄
- 時短勤務の開始希望日と終了予定日
- 希望する勤務時間(例:9:00〜16:00、1時間休憩)
- その他の希望事項(始業・終業時刻の変更など)
9-3. 申請から承認までの期間
申請してから実際に時短勤務が始まるまで、どれくらいかかるのでしょうか?
法律上、要件を満たす労働者からの申し出は、企業は原則として拒否できません。ですから、申請すれば基本的には承認されます。
ただし、実務的には以下のようなプロセスを経ることが多いです:
- 申請書提出:人事部門に申請書と必要書類を提出
- 人事部門での確認:要件を満たしているか、書類に不備がないかを確認(通常1〜3営業日)
- 所属部署での調整:業務の引き継ぎや担当範囲の見直しなどを検討(1〜2週間)
- 正式承認:人事部門から承認通知(書面またはメール)
全体として、申請から承認まで2〜4週間程度かかることが多いです。
ただし、繁忙期や組織の規模によってはもっと時間がかかる場合もありますので、余裕を持って早めに申請することをお勧めします。
【申請が遅れた場合】
やむを得ない事情で申請が遅れた場合(例えば、子どもの病気など)でも、企業は柔軟に対応する義務があります。状況を説明して、できるだけ早く申請しましょう。
10. 企業側の対応義務と就業規則への記載
10-1. 企業が講じるべき措置
ここからは、企業の人事・労務担当者の方にとって特に重要な内容です。(もちろん、労働者の方も「会社がちゃんと対応しているか」を確認するために読んでいただけると良いと思います)
育児介護休業法により、企業には以下の措置を講じる義務があります:
【1. 短時間勤務制度の導入(育児)】
- 3歳未満の子を養育する労働者が希望する場合、1日の所定労働時間を原則6時間(5時間45分〜6時間)とする制度を設けなければならない
【2. 短時間勤務制度等の措置(介護)】
- 要介護状態の家族を介護する労働者のために、以下のいずれかの措置を講じなければならない:
- 短時間勤務制度
- フレックスタイム制度
- 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
- 介護サービスの費用助成
【3. 不利益取扱いの禁止】
- 時短勤務の申し出や利用を理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
【4. ハラスメント防止措置】
- 時短勤務の申し出や利用に関するハラスメント(マタニティハラスメント、パタニティハラスメント)を防止するための措置を講じなければならない
【5. 周知・情報提供】
- 妊娠・出産の申し出があった労働者、または家族の介護を行う労働者に対して、個別に制度の周知と意向確認を行わなければならない(2022年4月から義務化)
【6. 2025年10月以降の新たな義務】
- 3歳から小学校就学前の子を育てる労働者に対して、柔軟な働き方を実現するための措置(5つのうち2つ以上)を講じなければならない
10-2. 就業規則への記載事項
時短勤務制度は、就業規則への記載が義務付けられています。
労働基準法第89条により、「賃金」に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項です。時短勤務中の賃金の取扱いもこれに該当するため、必ず就業規則に明記しなければなりません。
【就業規則に記載すべき内容】
- 制度の対象者
- 「3歳に満たない子を養育する労働者」
- 「要介護状態の家族を介護する労働者」
- 短縮後の所定労働時間
- 「1日の所定労働時間を6時間とする」
- 申請方法と期限
- 「開始希望日の1ヶ月前までに、所定の申請書を人事部に提出すること」
- 賃金の取扱い
- 「短縮された時間に応じて、基本給を比例計算により減額する」
- 「諸手当の取扱いは別に定める通りとする」
- 利用期間
- 育児:「子が3歳に達する日の前日まで」
- 介護:「利用開始日から3年間で2回まで」
- 適用除外者(労使協定がある場合)
- 「入社1年未満の者」など
【記載例(育児の場合)】
第○条(育児短時間勤務)
1. 3歳に満たない子を養育する労働者は、申し出ることにより、子が3歳に達する日の前日まで、所定労働時間を短縮して勤務することができる。
2. 短縮後の所定労働時間は、1日6時間とする。
3. 前項の申し出は、短縮勤務を開始しようとする日の1ヶ月前までに、所定の申出書を人事部に提出することにより行うものとする。
4. 短時間勤務期間中の賃金は、短縮された時間に応じて基本給を比例計算により減額する。
5. 諸手当については、別に定める賃金規程による。
10-3. 拒否できるケース・できないケース
「どんな場合でも時短勤務を認めなければならないの?」という疑問に答えます。
【原則:拒否できない】
育児介護休業法の要件を満たす労働者からの時短勤務の申し出は、原則として拒否できません。
【例外的に拒否できるケース】
以下の場合に限り、労使協定で定めることにより、適用を除外できます:
- 入社1年未満の労働者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
- 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
ただし、3番目のケースでも、企業は代替措置を講じる義務があります。
【拒否できないケース(よくある誤解)】
以下の理由では拒否できません:
- ✗「人手不足だから」
- ✗「業務が回らなくなるから」
- ✗「代わりの人員を確保できないから」
- ✗「他の社員が時短勤務を利用していないから」
- ✗「就業規則に時短勤務の規定がないから」
これらは全て違法な拒否理由です。就業規則に規定がなくても、法律で義務付けられているため、申し出があれば認めなければなりません。
【違反した場合】
企業が正当な理由なく時短勤務を拒否した場合:
- 労働者から労働基準監督署に申告される
- 労働局から是正勧告を受ける
- 是正勧告に従わない場合、企業名が公表される
- さらに従わない場合、20万円以下の過料に処せられる可能性がある
また、民事上の損害賠償請求を受けるリスクもあります。
11. 不利益な取り扱いの禁止と注意点
11-1. 禁止されている不利益な取り扱いとは
「時短勤務を利用したら、評価が下がった」「昇進から外された」…こういった話、聞いたことありませんか?
実は、これらは法律違反なんです。
育児介護休業法第23条の2により、時短勤務の申し出や利用を理由とした不利益な取扱いは禁止されています。
【禁止されている不利益な取扱いの例】
- 解雇
- 雇止め(契約社員の契約更新拒否)
- 契約内容の変更強要(正社員からパート社員への変更など)
- 降格
- 減給(勤務時間の短縮に応じた減額を除く)
- 賞与等における不利益な算定
- 不利益な配置変更
- 就業環境を害する行為(嫌がらせなど)
【具体的な違法事例】
ケース1:降格
係長として働いていた女性が、育休から復帰して時短勤務を開始したところ、「時短勤務では管理職は難しい」として一般社員に降格された。
→ 違法。時短勤務を理由とした降格は、明確に禁止されています。
ケース2:賞与の減額
時短勤務を利用している社員の賞与を、勤務時間の短縮以上に大幅に減額した。
→ 違法の可能性が高い。勤務時間に応じた比例計算を超える減額は、不利益な取扱いに該当する可能性があります。
ケース3:昇進・昇格からの除外
「時短勤務者は昇進の対象外」という内部ルールを設けている。
→ 違法。時短勤務を理由として、一律に昇進・昇格の対象から外すことは禁止されています。
【許容される対応】
一方で、以下のような対応は違法ではありません:
- 勤務時間の短縮に応じた賃金の減額
- 勤務時間の短縮に応じた賞与の減額(ただし、比例計算の範囲内)
- 実際の勤務実績に基づく公正な人事評価
- 業務上の必要性に基づく配置転換(時短勤務を理由としない場合)
11-2. マタニティハラスメント・パタニティハラスメント
最近、「マタハラ」「パタハラ」という言葉を聞くことが増えましたよね。
マタニティハラスメント(マタハラ)とは、妊娠・出産・育児休業・時短勤務などの制度利用に関するハラスメントのことです。
パタニティハラスメント(パタハラ)とは、男性が育児のために休業や時短勤務を利用することに関するハラスメントです。
2017年1月から、企業にはマタハラ・パタハラの防止措置を講じることが義務付けられています。
【ハラスメントの具体例】
- 「時短勤務を取るなら、辞めてもらうしかない」(制度利用への嫌がらせ型)
- 「時短なのに、この仕事は無理だよね」(状態への嫌がらせ型)
- 「男のくせに時短勤務なんて」(性別による嫌がらせ型)
- 「時短の人は戦力外だから」(能力の否定)
- 「子どもができたら会社辞めるのが普通でしょ」(制度利用の妨害)
【企業が講じるべき防止措置】
- 方針の明確化と周知・啓発
- 就業規則にハラスメント禁止を明記
- 研修の実施
- 相談体制の整備
- 相談窓口の設置
- 相談担当者の配置
- 事後の迅速・適切な対応
- 事実関係の迅速な確認
- 被害者への適切な配慮
- 行為者への適正な措置
- プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
- 相談者・行為者のプライバシー保護
- 相談したことを理由とした不利益取扱いの禁止
11-3. トラブル時の相談先
「時短勤務を申請したら拒否された」「時短勤務を理由に降格された」…そんなときはどうすればいいのでしょうか?
【社内での対応】
まずは社内で解決を図りましょう:
- 直属の上司に相談(上司が問題の場合は次へ)
- 人事部門に相談
- 社内のハラスメント相談窓口に相談
- 労働組合に相談(ある場合)
【社外の相談先】
社内で解決しない場合は、以下の機関に相談できます:
1. 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)
- 育児介護休業法に関する相談・助言
- 紛争解決の援助
- 調停
- 無料
全国の労働局に設置されています。まずはここに相談するのがお勧めです。
2. 労働基準監督署
- 労働基準法違反(賃金未払いなど)に関する相談
- 申告に基づく調査・是正勧告
- 無料
3. 労働条件相談「ほっとライン」
- 電話相談:0120-811-610(フリーダイヤル)
- 平日夜間・土日も相談可能
- 無料
4. 弁護士
- 法的措置(労働審判、訴訟など)を検討する場合
- 法律相談は初回30分5,000円程度が相場
- 法テラス(日本司法支援センター)で無料相談も可能(所得制限あり)
【相談する際に準備しておくとよいもの】
- 時短勤務申請書のコピー
- 会社とのやり取りの記録(メール、メモなど)
- 就業規則のコピー
- 給与明細
- 雇用契約書
証拠があると、相談がスムーズに進みます。
12. 時短勤務からフルタイム勤務への復帰
12-1. 復帰のタイミングの見極め方
「いつフルタイムに戻るべき?」これ、悩みますよね。
時短勤務からフルタイムへの復帰には、「正解」はありません。家庭の状況、子どもの成長、キャリアプラン、経済的事情など、さまざまな要素を総合的に考えて決める必要があります。
【復帰を検討するタイミング】
- 子どもが3歳になるタイミング
- 法律上の義務期間が終了
- 幼稚園・保育園に慣れてきた頃
- 小学校入学のタイミング
- 子どもの生活リズムが安定
- 学童保育の利用が可能に
- 下の子が保育園に入園したタイミング
- 複数の子どもの送迎が一カ所で可能に
- 配偶者の働き方が変わったタイミング
- 配偶者が在宅勤務になった
- 配偶者も時短勤務を開始した
- キャリアアップの機会が訪れたタイミング
- 昇進のチャンス
- 重要なプロジェクトへの参画
【復帰前にチェックすべきポイント】
- ✓ 保育園の延長保育は利用できるか
- ✓ 病児保育やファミリーサポートなど、サポート体制は整っているか
- ✓ 配偶者や家族のサポートは得られるか
- ✓ 家事の分担や外部サービス(家事代行など)の活用は可能か
- ✓ 自分自身の体力・メンタルは十分か
- ✓ 経済的には問題ないか(時短継続 vs フルタイム復帰)
12-2. 段階的な復帰方法
「いきなりフルタイムに戻るのは不安…」という方には、段階的な復帰をお勧めします。
【段階的復帰のパターン例】
パターン1:労働時間を段階的に延長
- 1日6時間(9:00〜16:00)の時短勤務 ← 現在
- 1日7時間(9:00〜17:00)に延長 ← 3ヶ月後
- 1日8時間(9:00〜18:00)のフルタイムに復帰 ← さらに3ヶ月後
パターン2:週の勤務日数を段階的に増やす
- 週4日勤務(月〜木)← 現在
- 週5日勤務に変更 ← 3ヶ月後
- フルタイム勤務に復帰 ← さらに3ヶ月後
パターン3:繁忙期を避けて復帰
- 比較的余裕のある時期にフルタイム復帰
- 繁忙期前に体制を整える
【企業との調整】
段階的復帰を希望する場合は、早めに上司や人事部門に相談しましょう。企業側も業務の調整がしやすくなります。
ただし、法律上は段階的復帰の義務はないため、企業の理解と協力が必要です。丁寧にコミュニケーションを取ることが大切です。
12-3. 家庭環境との調整ポイント
フルタイムに戻る際に最も重要なのが、家庭環境との調整です。
【配偶者との話し合い】
フルタイム復帰の前に、配偶者としっかり話し合いましょう:
- 家事・育児の分担をどうするか
- 緊急時(子どもの病気など)の対応をどうするか
- それぞれのキャリアプランをどう考えるか
「私がフルタイムに戻ったら、あなたも○○をお願いできる?」と具体的に確認しておくことが大切です。
【サポート体制の構築】
- 保育園の延長保育:利用可能か、費用は?
- 学童保育:小学生の場合、利用時間は十分か?
- 病児保育:子どもが病気のときに頼れる施設はあるか?
- ファミリーサポート:地域のサポート制度を把握しているか?
- 祖父母:緊急時に頼れるか?
- 家事代行サービス:必要に応じて利用を検討
【自分自身のケア】
忘れがちですが、自分自身の体力とメンタルのケアも重要です:
- 十分な睡眠時間を確保できるか
- ストレス解消の時間を持てるか
- 無理をしすぎていないか、定期的に自分に問いかける
完璧を目指す必要はありません。「できる範囲で」「周りの力を借りながら」続けることが大切です。
13. 専門家が語る!時短勤務活用のコツ
13-1. 社会保険労務士からのアドバイス
ここでは、育児介護休業法を専門とする社会保険労務士の視点から、時短勤務を上手に活用するコツをお伝えします。
【労働者の方へ】
1. 早めの相談が鍵
「妊娠がわかった」「親の介護が始まりそう」という段階で、早めに会社に相談しましょう。ギリギリになってからの申請は、会社側も対応が難しくなります。
2. 制度を正しく理解する
時短勤務は「お願いして認めてもらうもの」ではなく、「法律で認められた権利」です。ただし、権利を主張するだけでなく、会社側の事情も理解し、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。
3. 養育期間の特例申請を忘れずに
これを忘れると、将来の年金が数十万円〜数百万円減る可能性があります。時短勤務開始時に必ず申請してください。
4. 育児時短就業給付金の申請も忘れずに
2025年4月からの新制度です。会社に手続きをお願いするか、自分で申請しましょう。
【企業の人事担当者の方へ】
1. 就業規則の整備は必須
時短勤務制度について、就業規則に明記していない企業がまだあります。法律違反になりますので、早急に整備してください。
2. 個別周知・意向確認の義務を忘れずに
妊娠・出産の申し出があった労働者に対して、制度を個別に周知し、意向を確認することが義務です。「知らなかった」というトラブルを防げます。
3. ハラスメント防止措置を徹底
管理職向けの研修を実施し、マタハラ・パタハラを防止しましょう。「時短の人は戦力外」といった発言は、明確なハラスメントです。
4. 柔軟な対応が人材確保につながる
法律を「最低限守るもの」ではなく、「人材確保・定着のツール」と捉えてください。柔軟な働き方を提供する企業は、優秀な人材を惹きつけます。
13-2. 実際に利用した方の体験談
ここでは、実際に時短勤務を利用した方の声をご紹介します。
【体験談1:Aさん(32歳・会社員・1児の母)】
「育休から復帰するとき、正直不安でいっぱいでした。でも、時短勤務のおかげで、保育園のお迎えにも間に合うし、子どもとの時間も確保できています。
給料は減りましたが、2025年4月から育児時短就業給付金が始まったおかげで、以前よりも金銭的な不安が軽減されました。給付金で月に2万円ほど追加でもらえるので、助かっています。
最初は『時短なのに申し訳ない』という気持ちもありましたが、上司から『無理せず、できる範囲で』と言われて、気持ちが楽になりました。今は、限られた時間の中で効率よく仕事をすることを心がけています。」
【体験談2:Bさん(38歳・会社員・2児の父)】
「男性が時短勤務を取るのは、正直勇気が要りました。周りの目が気になったし、『キャリアに影響するのでは』という不安もありました。
でも、妻が仕事復帰するタイミングで、自分も時短勤務を申請しました。最初は上司に驚かれましたが、『法律で認められた権利だから』としっかり説明したら、理解してもらえました。
時短勤務にして、子どもの保育園の送りを担当しています。朝、子どもと一緒に過ごせる時間が増えて、本当に良かったと思っています。キャリアへの影響は、今のところ感じていません。むしろ、限られた時間で成果を出すことで、評価も上がったように感じます。」
【体験談3:Cさん(45歳・会社員・要介護の母を介護)】
「母の介護が必要になったとき、『仕事を辞めるしかない』と思っていました。でも、会社の人事部から介護のための時短勤務制度があることを教えてもらい、利用を決めました。
1日6時間勤務にして、午後3時には退社できるようにしました。そのおかげで、デイサービスのお迎えや、病院の付き添いもできるようになりました。
介護は先が見えないので不安もありますが、仕事を続けられているのは精神的にも大きいです。同僚にも理解してもらえて、感謝しています。」
13-3. よくある失敗例と対策
時短勤務を利用する際の「よくある失敗」と、その対策をご紹介します。
【失敗例1:養育期間の特例申請を忘れた】
失敗:時短勤務開始時に養育期間の特例申請をせず、将来の年金額が大幅に減ってしまった。
対策:時短勤務を申請する際に、必ず会社に「養育期間の特例申請もお願いします」と伝える。自分でも年金事務所に確認する。
【失敗例2:仕事を抱え込みすぎた】
失敗:「時短なのに迷惑をかけている」という罪悪感から、無理をして仕事を抱え込み、体調を崩してしまった。
対策:時短勤務は法律で認められた権利。罪悪感を持つ必要はありません。できる範囲で仕事をし、無理な場合は上司に相談しましょう。
【失敗例3:配偶者との分担を決めていなかった】
失敗:「なんとなく」時短勤務を始めたものの、家事・育児の分担を配偶者と決めていなかったため、結局自分だけが負担を抱えることに。
対策:時短勤務開始前に、配偶者と具体的に分担を決める。「誰が」「何を」「いつ」やるかを明確に。
【失敗例4:緊急時の対応策を用意していなかった】
失敗:子どもが急に熱を出したときの対応を決めていなかったため、職場に迷惑をかけてしまった。
対策:病児保育、ファミリーサポート、祖父母など、複数のバックアッププランを用意しておく。
【失敗例5:育児時短就業給付金の申請を忘れた】
失敗:2025年4月から始まった給付金制度を知らず、数ヶ月分の給付金を受け取り損ねた。
対策:会社の人事部門に確認し、確実に申請する。会社が手続きしてくれない場合は、自分でハローワークに申請する。
14. 時短勤務に関するよくある質問(Q&A)
14-1. 派遣社員やパートでも利用できる?
Q:派遣社員ですが、時短勤務は利用できますか?
A:はい、利用できます。育児介護休業法の時短勤務制度は、雇用形態に関係なく適用されます。正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど、雇用保険に加入している労働者であれば、要件を満たせば時短勤務を利用できます。
ただし、派遣社員の場合、申請先は派遣先企業ではなく、派遣元企業になりますので注意してください。派遣元企業に時短勤務の申し出をします。
また、「1週間の所定労働日数が2日以下」の方は、労使協定で適用除外とされている場合があります。
Q:現在パートで週3日勤務です。時短勤務を利用できますか?
A:利用できる可能性がありますが、現在の勤務時間によります。時短勤務は「1日の所定労働時間を6時間に短縮する」制度ですので、現在の勤務時間が1日6時間以下の場合は、そもそも短縮の余地がないため対象外となります。
また、週の所定労働日数が2日以下の場合は、労使協定により適用除外とされている可能性があります。会社の就業規則を確認するか、人事部門に問い合わせてみてください。
14-2. 複数の子供がいる場合は?
Q:5歳の長男と2歳の次男がいます。長男が3歳を過ぎても、次男が3歳になるまで時短勤務を続けられますか?
A:はい、続けられます。時短勤務の対象は「3歳未満の子」ですので、複数の子どもがいる場合、3歳未満の子が1人でもいれば、時短勤務を利用できます。
つまり、長男が3歳を過ぎても、次男が3歳になるまでは時短勤務を続けられるということです。上の子が3歳になったからといって、一律に時短勤務を終了させる必要はありません。
Q:双子を出産しました。時短勤務の期間は2倍になりますか?
A:いいえ、2倍にはなりません。時短勤務は「3歳未満の子を養育していること」が要件ですので、子どもの人数に関係なく、一番下の子が3歳になるまで利用できます。
双子の場合は、2人とも同じ誕生日ですので、その誕生日の前日まで時短勤務を利用できることになります。
14-3. 育休から復帰せず時短勤務だけ利用できる?
Q:育児休業を取らずに、産休明けから直接時短勤務で復帰できますか?
A:はい、できます。時短勤務は育児休業とは別の制度ですので、育児休業を取得していなくても利用できます。
ただし、その場合は育児休業給付金は受け取れませんので、経済的な面をよく検討してください。育児休業給付金は、休業開始時賃金の67%(181日目以降は50%)が支給されますので、場合によっては育児休業を取得してから時短勤務に移行する方が、トータルの収入が多くなる可能性があります。
Q:育休を1年間取得した後、さらに時短勤務を利用できますか?
A:はい、利用できます。育児休業と時短勤務は別の制度ですので、育休終了後に時短勤務に移行することが可能です。
むしろ、多くの方が「育休 → 時短勤務 → フルタイム」という流れで職場復帰しています。
また、2025年4月から始まった育児時短就業給付金は、育児休業給付金から引き続き時短勤務を開始した場合も対象になります。この場合、育休前の雇用保険加入期間が引き継がれるため、給付金の要件を満たしやすくなります。
15. まとめ:育児介護と仕事の両立を実現するために
ここまで、育児介護休業法における時短勤務制度について、詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
【時短勤務制度の基本】
- 時短勤務は、育児や介護をする労働者が1日の所定労働時間を原則6時間に短縮できる制度
- 3歳未満の子を養育する労働者が希望すれば、企業は原則として認めなければならない(法的義務)
- 介護の場合は、要介護状態の家族を介護する労働者が対象
【2025年からの新制度】
- 2025年4月から「育児時短就業給付金」がスタート
- 2歳未満の子を養育するために時短勤務をする場合、時短勤務中の賃金の約10%が支給される
- 時短勤務による収入減を補填し、働きながら育児をしやすくする制度
【給与と社会保険】
- 時短勤務中の給与は、勤務時間に応じて減額されるのが一般的
- 社会保険料も下がるため、手取り収入の減少は給与減額分よりも少ない
- 「養育期間の従前標準報酬月額みなし措置」を申請すれば、将来の年金は時短前の水準で計算される(3歳未満のみ)
【不利益な取扱いの禁止】
- 時短勤務の申し出や利用を理由とした降格、減給、解雇などは法律で禁止されている
- マタハラ・パタハラは違法
- トラブルがあれば、労働局雇用環境・均等部(室)に相談を
【上手な活用のコツ】
- 早めに会社に相談し、円滑なコミュニケーションを心がける
- 養育期間の特例申請と育児時短就業給付金の申請を忘れずに
- 配偶者や家族と家事・育児の分担を具体的に決める
- 複数のサポート体制(病児保育、ファミリーサポートなど)を用意しておく
- 無理をせず、「できる範囲で」続けることが大切
育児や介護をしながら働くことは、決して楽ではありません。でも、あなたは一人じゃありません。
時短勤務という制度があり、育児時短就業給付金という経済的支援があり、そして何より、同じように頑張っている仲間がたくさんいます。
「こんなに大変だと思わなかった」「もう無理かもしれない」と思う日もあるかもしれません。でも、そんなときこそ、周りの力を借りてください。会社に相談してください。配偶者や家族に助けを求めてください。
そして、自分を責めないでください。「時短なのに申し訳ない」と思う必要はありません。あなたは、法律で認められた権利を使っているだけです。そして、限られた時間の中で、精一杯働いているんです。
育児や介護は、一時的なものです。子どもは成長し、やがて手が離れていきます。介護も、いずれは一段落する時が来ます。
その時が来たとき、「仕事を続けていて良かった」と思えるように。今、無理のない範囲で、できることを続けていきましょう。
あなたの挑戦を、心から応援しています。
【参考資料・出典】
- 厚生労働省「育児・介護休業法について」
- 厚生労働省「育児休業等給付の概要」
- e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
- 日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」
※本記事の情報は2025年10月時点のものです。法改正等により内容が変更される可能性がありますので、最新情報は厚生労働省や都道府県労働局のウェブサイトでご確認ください。

