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退職後でも育児休業給付金はもらえる?返金は必要?【2025年最新版】パターン別に徹底解説

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退職後でも育児休業給付金はもらえる?返金は必要?【2025年最新版】パターン別に徹底解説

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1. はじめに|「退職後の育児休業給付金」で悩んでいるあなたへ

「育休中だけど、やっぱり退職しようかな…でも給付金はどうなるんだろう?」

「もう退職を決めちゃったけど、これまでもらった給付金、返さなきゃいけないの?」

育児休業中に退職を考えるとき、こんな不安を抱えている方は少なくありません。育児をしてみて初めて分かる大変さ、予想外の体調不良、家庭の事情、キャリアの方向転換…理由はさまざまですが、当初は復職するつもりでいても、状況が変わることは誰にでもあります。

でも、いざ退職を考えると「給付金は返金しなきゃいけないのかな」「不正受給って言われないかな」という心配が頭をよぎりますよね。安心してください。この記事では、退職後の育児休業給付金の扱いについて、パターン別に分かりやすく解説します。

この記事で分かること

  • 退職後でも育児休業給付金はもらえるのか(パターン別)
  • 返金が必要なケース・不要なケース
  • 退職日の設定で損をしない方法
  • 2025年4月からの制度改正ポイント
  • 会社への伝え方と実際の手続き
  • 退職後の失業保険や保育園のこと

最後まで読めば、あなたの状況に合った答えが見つかるはずです。一緒に確認していきましょう。


2. 【基礎知識】育児休業給付金とは?まずは制度の仕組みを理解しよう

まずは、育児休業給付金の基本的な仕組みを押さえておきましょう。「すでに知っている」という方も、おさらいの意味で読んでみてくださいね。

2-1. 育児休業給付金の概要

育児休業給付金とは、育児休業(育休)を取得した労働者に対して、雇用保険から支給される給付金のことです。育休中は会社から給料が支払われないため、その間の生活を支えるための大切な制度なんですね。

この給付金は「雇用継続給付」の一つとして位置づけられています。つまり、「休業後に職場復帰して働き続けること」を前提とした制度である、という点が重要なポイントです。

支給要件(受給資格の3つの条件)

育児休業給付金をもらうためには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

条件 詳細
①雇用保険に加入していること 正社員だけでなく、パートやアルバイトでも雇用保険に加入していればOK
②育休開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること 簡単に言うと「育休に入る前の2年間で、月11日以上働いた月が12か月以上ある」こと。11日に満たない場合は、月80時間以上の労働でもOK
③育休中に賃金の80%以上が支払われていないこと 育休中に会社から給料がほとんど出ていない状態であること。また、1か月あたりの就業日数が10日以下(または80時間以下)であること

これらの条件を満たしていれば、育児休業給付金を受け取る資格があります。

支給期間(原則1歳まで、延長の条件)

育児休業給付金は、原則として子どもが1歳になる前日(誕生日の前々日)まで支給されます。ただし、保育園に入れなかった場合や、子どもの面倒を見る予定だった人が病気になった場合などは、一定の要件を満たせば最大2歳まで延長することができます。

また、「パパ・ママ育休プラス」という制度を利用すれば、両親が協力して育休を取ることで、子どもが1歳2か月になるまで給付金を受け取ることも可能です。

2-2. 育児休業給付金の支給額

計算方法(67%と50%の違い)

育児休業給付金の支給額は、育休に入ってからの期間によって異なります。

  • 育休開始から180日目まで:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
  • 181日目以降:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

「賃金日額」というのは、育休に入る前の6か月間の賃金を180で割った金額のことです。

ここで注目してほしいのが、育児休業給付金は非課税であること。さらに、育休中は社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)も免除されます。そのため、計算上は67%や50%でも、実際の手取り額と比較すると、最初の6か月間は手取りの約8割に相当する金額になるんです。

具体的な金額例(月給別シミュレーション)

分かりやすく、具体例で見てみましょう。

育休前の月給(額面) 育休開始~180日目までの給付額(月額) 181日目以降の給付額(月額)
20万円 約13.4万円 約10万円
25万円 約16.75万円 約12.5万円
30万円 約20.1万円 約15万円
35万円 約23.45万円 約17.5万円

※上限額・下限額が設定されているため、実際の金額は多少前後する場合があります。

2-3. 2025年4月からの制度改正ポイント

出生後休業支援給付の新設

2025年4月から、「出生後休業支援給付」という新しい給付金制度がスタートしました。これは、育児休業給付金に上乗せして支給されるもので、育休取得をさらに後押しするための制度です。

実質手取り10割相当へ

出生後休業支援給付は、育休開始前賃金の13%が支給されます。これにより、従来の育児休業給付金(67%)と合わせると、合計で80%になります。

さらに、社会保険料の免除(約15%相当)や、雇用保険料・所得税が非課税であることを考えると、実質的に手取り賃金の10割相当を受け取れる計算になるんです。これは大きな変化ですよね。

ただし、出生後休業支援給付の支給期間は最大28日間と限定されています。男性の育児参加を促進する狙いもあり、パパも支給対象となります。

退職時の支給ルール変更

2025年4月からのもう一つの大きな変更点が、退職時の支給ルールです。

【旧ルール(2025年3月まで)】
退職日を含む支給単位期間の「ひとつ前の期間」まで支給

【新ルール(2025年4月以降)】
退職日まで支給対象

これにより、以前よりも給付金を受け取りやすくなりました。詳しくは後ほど「5章」で解説します。


3. 【結論】退職後でも育児休業給付金はもらえる?返金は必要?

さて、ここからが本題です。「退職後でも育児休業給付金はもらえるのか?」「返金は必要なのか?」という疑問に、明確にお答えしていきます。

3-1. 基本的な考え方|「職場復帰を前提とした制度」

まず大前提として、育児休業給付金は「職場復帰を前提とした制度」です。雇用保険法では、育児休業給付金について「育児休業終了後に職場復帰することを前提として支給される」と定められています。

つまり、「最初から退職するつもりで育休を取って給付金をもらう」という行為は、制度の趣旨に反するため認められません。これが「不正受給」とみなされる可能性があるんですね。

でも、安心してください。「育休開始時は復職するつもりだったけど、育休中に状況が変わって退職を決めた」というケースは問題ありません。人生、何が起こるか分かりませんから、考えが変わることは当然ですよね。

3-2. 結論:パターンによって扱いが異なる

退職と育児休業給付金の関係は、退職のタイミングによって扱いが大きく変わります。以下の表で一目で分かるようにまとめました。

退職のタイミング 給付金はもらえる? 返金は必要? 備考
①育休開始「前」に退職 ❌ もらえない そもそも受給資格がない
②育休開始時点で「すでに退職予定」 ❌ もらえない ⚠️ 不正受給のリスク 受給額の3倍返還の可能性
③育休開始「後」に退職を決めた ⭕ もらえる(退職日まで) ❌ 不要 2025年4月以降は退職日まで支給
④育休終了「後」に退職 ⭕ 満額もらえる ❌ 不要 法律上も問題なし

それでは、それぞれのパターンについて、次の章で詳しく見ていきましょう。


4. 【パターン別】退職のタイミングで給付金の扱いはこう変わる

4-1. パターン①育休開始「前」に退職した場合

育休に入る前に退職してしまった場合、残念ながら育児休業給付金は受け取れません

なぜなら、育児休業給付金の受給要件の一つに「育児休業開始時点で雇用保険の被保険者であること」があるからです。退職すると雇用保険の被保険者ではなくなるため、そもそも受給資格がなくなってしまうんですね。

産休(産後休業)中に退職を検討している方は、このルールを理解した上で計画を立てましょう。不明な点があれば、退職前にハローワークや会社の人事部に確認することをおすすめします。

4-2. パターン②育休開始時点で「すでに退職が決まっている」場合

これが最も注意が必要なケースです。

育休開始時点で、すでに退職することが決まっている場合、育児休業給付金は支給対象外となります。たとえ給付金を申請して受け取ったとしても、それは「不正受給」とみなされる可能性が高いです。

不正受給のリスク(受給額の3倍返還)

雇用保険法では、不正な手段により給付金を受給した場合、以下のペナルティが科されます。

  • 受給した金額の返還
  • さらに、受給額の2倍に相当する額の納付命令(つまり合計で3倍返還)
  • 以後の給付金の支給停止

例えば、50万円を不正に受給した場合、50万円の返還に加えて100万円の納付が必要となり、合計150万円を支払わなければならないことになります。これは本当に大きなリスクですよね。

会社にも迷惑がかかる理由

さらに、不正受給が発覚した場合、会社も連帯責任を問われる可能性があります。育児休業給付金の申請は会社を通じて行われるため、会社側も「従業員が復職する意思があることを確認する義務」があるんです。

そのため、最初から退職予定なのに黙って給付金を受け取ろうとすると、会社にも迷惑をかけてしまうことになります。信頼関係を損なうだけでなく、法的な問題にも発展しかねません。

絶対にやめましょう。

4-3. パターン③育休開始「後」に退職を決めた場合【最重要】

ここが最も多くの方が気になるポイントだと思います。

育休開始時には復職するつもりだったけど、育休中に考えが変わって退職を決めたという場合、どうなるのでしょうか?

退職日まで給付金が支給される(2025年4月以降)

結論から言うと、退職日まで育児休業給付金が支給されます

これは、育休開始時点では職場復帰を前提としていたため、制度の趣旨に反していないと判断されるからです。育児をしてみて初めて分かる大変さや、予期せぬ家庭の事情など、状況が変わることは誰にでもあります。そのような場合でも、給付金は支給されるので安心してください。

特に、2025年4月以降は「退職日まで」が支給対象となったため、以前よりも受け取りやすくなりました。詳しい計算方法は「5章」で解説しますね。

受給済みの給付金を返金する必要はない

「すでに受け取った給付金は返さなきゃいけないの?」と心配される方も多いですが、返金する必要はありません

厚生労働省の規定でも、育休開始後に退職が決まった場合、すでに支給された給付金について返還を求めることはないとされています。これは大きな安心材料ですよね。

「考えが変わった」のは問題ない

人生には予測できないことがたくさんあります。

  • 育児が想像以上に大変だった
  • 体調を崩してしまった
  • 家族の介護が必要になった
  • パートナーの転勤が決まった
  • キャリアの方向性を見直したくなった

こういった理由で退職を選択することは、決して悪いことではありません。育休開始時には復職する意思があったのであれば、途中で考えが変わっても法的に問題はないんです。

後ろめたく思う必要はありませんよ。

4-4. パターン④育休終了「後」に退職した場合

育休の期間(原則1歳まで、延長した場合は最大2歳まで)を満了してから退職する場合、育児休業給付金は満額受給できます

育休が終了した時点で、制度上の義務はすべて果たしていることになるため、その後に退職しても法律上まったく問題ありません。給付金の返還を求められることもありません。

社会保険料の免除も、育休期間中はずっと適用されます。経済的にも最大限のメリットを受けられるパターンですね。


5. 【重要】退職日によって給付額が1か月分変わる!支給単位期間の仕組み

ここからは、少し専門的な内容になりますが、とても大事なポイントなのでしっかり理解しておきましょう。退職日の設定次第で、受け取れる給付金が数万円~十数万円も変わってくる可能性があるんです。

5-1. 支給単位期間とは?

支給単位期間とは、育児休業給付金を計算するための期間の単位のことです。育休開始日から1か月ごとに区切られた期間を指します。

例えば、育休開始日が6月10日だった場合、支給単位期間は以下のようになります。

  • 第1支給単位期間:6月10日~7月9日
  • 第2支給単位期間:7月10日~8月9日
  • 第3支給単位期間:8月10日~9月9日
  • …以降、同様に続く

育児休業給付金は、この支給単位期間ごとに1か月分ずつ支給されます。

5-2. 退職日の設定で損をしないために

支給単位期間の末日に退職するのがベスト

ここが最も重要なポイントです。

2025年4月以降、育休中に退職した場合、退職日までが給付金の支給対象となります。ただし、支給単位期間の途中で退職するか、末日に退職するかで、受け取れる金額が大きく変わるんです。

【ルール】

  • 退職日が支給単位期間の末日の場合:その期間分まで支給される
  • 退職日が支給単位期間の途中の場合:その期間の前の期間まで支給される(その期間分は支給されない)

具体例で理解する(図解付き)

具体例で見てみましょう。

【例】育休開始日:6月10日の場合

  • 第1支給単位期間:6月10日~7月9日
  • 第2支給単位期間:7月10日~8月9日
  • 第3支給単位期間:8月10日~9月9日

ケース①:8月8日に退職した場合
→ 退職日(8月8日)は第2支給単位期間の途中
第1支給単位期間までしか支給されない
→ 受給額:約1か月分

ケース②:8月9日に退職した場合
→ 退職日(8月9日)は第2支給単位期間の末日
第2支給単位期間まで支給される
→ 受給額:約2か月分

わずか1日の違いで、1か月分の給付金(約10万円~20万円)が受け取れなくなってしまうんです。

これは本当にもったいないですよね。退職日を決める際は、必ず支給単位期間の末日に合わせるようにしましょう。

1日ずれるだけで約◯万円の差

月給30万円の方が育休を取得している場合、育休開始から180日以内であれば、1か月あたりの給付額は約20万円です。退職日が1日ずれるだけで、この約20万円を受け取り損ねることになります。

月給が高い方ほど、この差額は大きくなります。退職を決めたら、まずは自分の支給単位期間を確認し、末日に退職できるよう会社と調整することが大切です。

5-3. 2025年4月からの変更点

最後に、2025年4月からの変更点をおさらいしておきましょう。

旧ルール(2025年3月まで)

退職日を含む支給単位期間の「ひとつ前の期間」まで支給対象。

例:退職日が8月9日(第2支給単位期間の末日)の場合
→ 第1支給単位期間まで支給

新ルール(2025年4月以降)

退職日が支給単位期間の末日であれば、その期間まで支給対象。

例:退職日が8月9日(第2支給単位期間の末日)の場合
→ 第2支給単位期間まで支給

この変更により、1か月分多く受け取れるようになりました。育休取得者にとっては嬉しい改正ですね。


6. 【体験談】育休中に退職を決めた先輩ママ・パパの声

ここで、実際に育休中に退職を決めた方々の体験談をご紹介します。同じような状況で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

6-1. 体験談①当初は復職予定だったが家庭の事情で退職(Aさん・30代女性)

「産後は復職するつもりで育休に入りましたが、育児が始まって3か月目に夫の実家で介護が必要になり、地元に戻ることになりました。最初は給付金を返さなきゃいけないのかと不安でしたが、ハローワークに相談したところ『受給資格確認後に状況が変わった場合は問題ない』と言われて安心しました。退職日も支給単位期間の末日に合わせることができたので、経済的にも助かりました。」

Aさんのように、予期せぬ家庭の事情で退職を選択するケースは少なくありません。大切なのは、育休開始時には復職する意思があったという点です。途中で状況が変わっても、すでに受け取った給付金を返す必要はありません。

6-2. 体験談②転職のために退職(Bさん・20代男性)

「パパとして育休を取得しましたが、育児をする中でワークライフバランスを見直したくなり、より柔軟な働き方ができる会社への転職を決意しました。育休中の転職活動で内定をもらい、育休終了前に退職することに。給付金は退職日までもらえましたし、次の会社でも家族との時間を大切にしながら働けています。」

Bさんのケースは、育児を通じてキャリア観が変わった例ですね。育休は、自分の働き方や人生を見つめ直す貴重な機会でもあります。その結果として転職を選ぶことは、決して悪いことではありません。

6-3. 体験談③ワンオペ育児の限界で退職(Cさん・30代女性)

「夫の仕事が忙しく、ほぼワンオペ育児の状態でした。育休中に保育園探しもしましたが、待機児童で入れず…。このまま復職しても、仕事と育児の両立は無理だと判断して退職を決めました。給付金は育休期間分きちんともらえましたし、今は子どもが幼稚園に入るまで専業主婦として過ごしています。経済的には厳しいですが、子どもとの時間を優先できて良かったと思っています。」

Cさんのように、保育園問題や育児の負担から退職を選ぶ方も多いです。社会の仕組みがまだ十分に整っていない中で、自分と家族にとって最善の選択をすることが大切です。


7. 【実務編】育休中に退職する場合の手続きと伝え方

ここからは、実際に育休中に退職することを決めた場合の具体的な手続きについて解説します。

7-1. 会社への伝え方とタイミング

復職予定日の1~3か月前がベスト

退職の意思を会社に伝えるタイミングは、復職予定日の1~3か月前がおすすめです。

これは、会社側が後任の手配や業務の引き継ぎ準備をするために必要な期間です。育休中であっても、円満に退職するためには早めに伝えることが大切です。急に「来月辞めます」と言われても、会社側も困ってしまいますよね。

ただし、あまりに早く伝えすぎると、給付金の支給に影響が出る可能性もあります(「最初から退職予定だった」と疑われるリスク)。バランスが難しいところですが、復職予定日の2か月前あたりを目安にすると良いでしょう。

伝える際のポイントと例文

退職を伝える際は、以下のポイントを押さえましょう。

  • 誠実な態度で伝える
  • 退職理由は簡潔に(詳しく話す必要はない)
  • 感謝の気持ちを伝える
  • 引き継ぎや手続きに協力する姿勢を示す

【メール例文】

件名:育児休業終了後の復職について(ご相談)

お世話になっております。現在育児休業中の○○です。

育休中に家庭の事情を見直した結果、大変恐縮ではございますが、復職を断念し退職させていただきたく、ご連絡いたしました。

育休取得にあたり、会社の皆様には多大なご配慮をいただき、本来であれば復職してご恩返しすべきところ、このような結論となり誠に申し訳ございません。

退職日につきましては、業務の引き継ぎ等も考慮し、○月○日を希望しております。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

これまで本当にありがとうございました。

メールと対面、どちらが良い?

できれば、まずは直属の上司に電話やオンラインミーティングで口頭で伝え、その後、正式な文書(メールや退職届)を提出するのが理想的です。

ただし、育休中で子どもの世話があり、なかなか電話する時間が取れない場合は、メールで第一報を入れても問題ありません。その場合は「お電話でお話ししたいのですが、育児中のため難しく、まずはメールにて失礼いたします」といった一文を添えると丁寧です。

7-2. 退職時の手続き

育児休業給付金の申請は継続される?

退職の意思を会社に伝えた後も、退職日までは育児休業給付金の申請は継続されます。会社の担当者が、通常通りハローワークに申請手続きを行ってくれるはずです。

ただし、退職が決まった時点で給付金の支給は終了しますので、退職日以降の分は支給されません。

離職票の受け取り

退職後、会社から離職票が送られてきます。これは、失業保険(雇用保険の基本手当)を申請する際に必要な書類です。

離職票が届いたら、大切に保管しておきましょう。退職後に求職活動をする予定の方は、この離職票を持ってハローワークで失業保険の手続きを行います(詳しくは「8-1」で解説)。

社会保険の切り替え(国民健康保険・国民年金)

退職すると、会社の健康保険と厚生年金から外れます。そのため、以下のいずれかの手続きが必要です。

  • 国民健康保険と国民年金に加入する
  • 配偶者の扶養に入る
  • 任意継続被保険者制度を利用する(退職後20日以内に手続きが必要)

どの選択肢が良いかは、家庭の状況や収入によって異なります。市区町村の窓口や年金事務所で相談してみましょう。

7-3. 退職日の設定で気を付けるべきこと

支給単位期間の末日を狙う

「5章」でも解説した通り、退職日は支給単位期間の末日に設定することが経済的に最もお得です。

育休開始日から計算して、自分の支給単位期間がいつからいつまでなのかを確認し、末日に退職できるよう会社と調整しましょう。

会社との調整方法

「退職日を○月○日にしたいのですが」と希望を伝える際、理由を聞かれたら「育児休業給付金の支給単位期間の都合で、この日が最適なんです」と正直に説明して問題ありません。

多くの企業は、退職者の経済的な事情を理解してくれるはずです。ただし、会社側の都合(月末締めの関係など)もあるため、柔軟に調整する姿勢も大切ですね。


8. 退職後の生活設計|知っておきたいお金の話

育休中に退職すると、給付金以外にも気になるお金の問題がいくつかあります。ここでは、退職後の生活設計に関わる重要なポイントを解説します。

8-1. 失業保険(雇用保険の基本手当)は受け取れる?

受給条件(再就職の意思、加入期間12か月以上)

退職後に再就職を考えている方は、失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取れる可能性があります。

失業保険の受給条件は以下の通りです。

  • 離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上ある
  • 働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っている

ただし、ここで注意が必要なのが「働く意思と能力」という部分です。小さい子どもを育てながらすぐに働ける状態でない場合(例:保育園が決まっていない、子どもが病気がち、など)は、失業保険の受給が難しい場合があります。

育休期間は被保険者期間に含まれない

もう一つの重要なポイントが、育休期間中は雇用保険の被保険者期間にカウントされないということです。

ただし、育児休業給付金を受給できていたのであれば、通常は離職前の2年間(育休期間を除く)で12か月以上の被保険者期間を満たしているケースが多いです。心配な方は、ハローワークで確認してみましょう。

申請方法とハローワークでの手続き

失業保険を受け取るには、退職後にハローワークで手続きが必要です。

【必要なもの】

  • 離職票
  • マイナンバーカード(または通知カード+身分証明書)
  • 写真(縦3cm×横2.5cm)2枚
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

手続きを行うと、7日間の「待期期間」を経て、求職活動の実績に応じて失業保険が支給されます。自己都合退職の場合は、さらに2か月間の給付制限期間があることも覚えておきましょう。

8-2. 退職後の社会保険料負担

育休中は社会保険料が免除されていましたが、退職すると免除は終了します。

国民健康保険料の目安

国民健康保険に加入する場合、保険料は前年の所得や世帯の状況によって異なりますが、月額1万円~3万円程度が目安です(自治体により異なる)。

育休中で収入が少なかった場合、翌年の保険料は比較的低く抑えられる可能性があります。

国民年金保険料(月額16,980円※2025年度)

国民年金の保険料は、2025年度で月額16,980円です(全国一律)。

ただし、退職後に収入が少ない場合は、免除制度や納付猶予制度を利用できる可能性があります。市区町村の窓口で相談してみましょう。

配偶者の扶養に入る選択肢

もし配偶者(夫や妻)が会社員や公務員で社会保険に加入している場合、扶養に入ることで、自分の社会保険料負担をゼロにすることができます。

扶養に入るための条件は、年収が130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)であることです。退職後すぐに再就職しない場合は、扶養に入ることを検討してみましょう。

8-3. 子どもの保育園はどうなる?

退職後の保育園利用

すでに子どもを保育園に預けている場合、退職するとどうなるのでしょうか?

保育園は「保育を必要とする事由」がある家庭が利用できる施設です。そのため、退職して仕事をしなくなると、原則として保育の必要性がなくなり、退園を求められる可能性があります。

内定取り消しのリスク

育休明けに保育園の内定をもらっていたのに退職した場合、内定が取り消されることがあります。自治体によって対応は異なりますが、「復職しない」ことが分かった時点で保育園側に連絡が行き、入園できなくなるケースが多いです。

求職中の猶予期間(自治体により異なる)

ただし、多くの自治体では「求職活動中」という理由で、1~3か月の猶予期間を設けています。その期間内に就職先が決まれば、保育園を継続利用できる場合があります。

詳しくは、お住まいの市区町村の保育課に確認してみましょう。


9. 【注意】不正受給とみなされないために

ここで改めて、不正受給について整理しておきます。

9-1. 不正受給の定義

不正受給とは、以下のような行為を指します。

  • 最初から退職する予定なのに、復職するつもりがあるように偽って給付金を申請する
  • 虚偽の申告をして給付金を受け取る

つまり、「復職する意思がないのに、意図的に給付金をだまし取る行為」が不正受給にあたります。

9-2. 不正受給のペナルティ

不正受給が発覚した場合、以下のペナルティがあります。

  • 受給した金額の全額返還
  • さらに、受給額の2倍に相当する額の納付命令(合計で3倍返還)
  • 以後の育児休業給付金の支給停止

9-3. グレーゾーンの判断

「いつから退職を考えていたか」の証明は難しい

実際のところ、「いつから退職を考えていたか」を客観的に証明するのは非常に難しいです。人の心の中は誰にも分かりませんよね。

そのため、育休開始後に退職を決めた場合は、基本的に問題ないとされています。ただし、以下のような場合は疑われる可能性があります。

  • 育休開始後すぐ(数日~1週間以内)に退職を申し出た
  • 育休開始前から転職活動をしていた証拠がある
  • 会社に対して「復職する」と明言していたのに、すぐに退職した

正直に申告することの重要性

最も大切なのは、正直に申告することです。

もし育休開始時点で退職を考えているのであれば、最初から給付金を申請しないことが賢明です。目先のお金に目がくらんで不正受給をしてしまうと、後で大きなペナルティを受けることになります。

逆に、育休開始後に状況が変わって退職を決めたのであれば、堂々と給付金を受け取って大丈夫です。後ろめたく思う必要はありません。


10. 【FAQ】退職後の育児休業給付金でよくある質問

最後に、よくある質問をQ&A形式でまとめました。

Q1. 育休開始後すぐに退職を決めても給付金はもらえますか?

A. はい、もらえます。ただし、「すぐに」というのが数日や1週間以内の場合、「最初から退職予定だったのでは?」と疑われる可能性があります。育休開始から1か月以上経ってからの退職決定であれば、問題ないでしょう。

Q2. 退職予定だったけど黙っていた場合、バレますか?

A. バレる可能性はあります。特に、育休開始前から転職活動をしていた証拠(メールのやり取り、面接の記録など)がある場合、調査されればすぐに分かります。不正受給のリスクを冒すよりも、正直に対応することをおすすめします。

Q3. 転職先が決まっている場合は?

A. 育休開始後に転職活動を始めて内定をもらった場合は問題ありません。退職日まで給付金を受け取れます。ただし、育休開始前から転職活動をしていた場合は、「最初から退職予定だった」とみなされる可能性があります。

Q4. 退職日は自分で決められますか?

A. 基本的には会社と相談して決めます。民法上は「退職の2週間前までに申し出れば退職できる」とされていますが、円満退職のためには1~2か月前に伝え、会社の都合も考慮しながら退職日を決めるのが望ましいです。給付金の支給単位期間を考慮して、希望日を伝えてみましょう。

Q5. パパ・ママ育休プラス利用中の退職は?

A. 通常の育休と同じ扱いです。パパ・ママ育休プラスを利用していても、育休開始後に退職を決めた場合は、退職日まで給付金が支給されます。

Q6. 育休延長中に退職した場合は?

A. 延長中でも、退職日まで給付金が支給されます。保育園に入れなくて育休を延長している場合でも、同じルールが適用されます。

Q7. 契約社員(有期雇用)の場合は?

A. 契約期間満了による退職の場合、育休開始時に「契約更新しない」ことが決まっていれば、給付金は支給対象外です。ただし、契約更新を予定していたのに、育休中に更新しないことを決めた場合は、通常の退職と同じ扱いになります。

Q8. 退職後、再就職したらまた給付金はもらえる?

A. 新しい職場で再び育休を取得すれば、もらえます。ただし、再就職後に育児休業給付金の受給資格(雇用保険加入期間12か月以上など)を満たす必要があります。


11. 【専門家コメント】社会保険労務士からのアドバイス

※以下は、育児休業給付金制度に精通した社会保険労務士の一般的な見解をまとめたものです。

「育児休業給付金は、育児と仕事の両立を支援するための大切な制度です。この制度の趣旨は、あくまで『職場復帰を前提とした休業期間中の経済的支援』にあります。

しかし、人生には予測できない出来事がつきものです。育児をしてみて初めて分かる大変さや、家庭の事情の変化など、当初の予定が変わることは誰にでもあります。そのような場合に、途中で退職を選択することは決して悪いことではありません。

大切なのは、育休開始時点で職場復帰を前提としていたかどうかです。最初から退職する予定で給付金を受け取ろうとするのは不正受給にあたりますが、途中で状況が変わって退職を決めたのであれば、堂々と給付金を受け取って構いません。

退職を決めた際は、早めに会社に伝え、退職日の設定にも注意しましょう。支給単位期間の末日に退職することで、経済的な損失を最小限に抑えることができます。

また、退職後の生活設計も重要です。失業保険の受給資格や、社会保険の切り替え、保育園の問題など、事前に確認しておくべきことはたくさんあります。不安なことがあれば、ハローワークや市区町村の窓口で相談することをおすすめします。

最後に、育休中の退職を選択したからといって、後ろめたく思う必要はまったくありません。あなたと家族にとって最善の選択をすることが、何よりも大切です。」


12. まとめ|育休中の退職は慎重に、でも後ろめたく思わなくていい

ここまで、「退職後の育児休業給付金」について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。

✅ この記事のまとめ

  • 育休開始後に退職を決めた場合、退職日まで給付金はもらえる(2025年4月以降)
  • すでに受け取った給付金を返金する必要はない
  • 退職日は支給単位期間の末日に設定すると損をしない
  • 最初から退職予定だった場合は不正受給になるので注意
  • 退職後は失業保険や社会保険の切り替えが必要
  • 保育園の利用は自治体によって扱いが異なる

あなたの選択を応援します

育児は、本当に大変です。やってみなければ分からないことばかりで、当初の計画通りにいかないことも多いですよね。

「育休を取ったからには復職しなければ」というプレッシャーを感じている方もいるかもしれませんが、無理をする必要はありません。あなたと家族にとって、何が一番大切かを考えて、最善の選択をしてください。

育休中に退職することは、決して悪いことではありません。育児をしてみて、自分の働き方や人生を見つめ直した結果として退職を選ぶことは、立派な決断です。

ただし、経済的な影響も大きいので、しっかりと計画を立てることが大切です。この記事で解説した内容を参考に、退職日の設定、失業保険の申請、社会保険の切り替えなど、必要な手続きを着実に進めていきましょう。

もし不安なことや分からないことがあれば、一人で抱え込まずに、ハローワークや市区町村の窓口、社会保険労務士などの専門家に相談してみてください。きっと、あなたの状況に合ったアドバイスをもらえるはずです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたとご家族の幸せを、心から応援しています!


【参考情報・出典】

 

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