【結論】フリーランスに育児休業給付金はない。ただし2026年から年金免除が始まる
「フリーランスでも育児休業給付金はもらえるの?」「いつから制度が変わるの?」と気になって検索された方、まず結論からお伝えします。
残念ながら、フリーランス(個人事業主)は育児休業給付金の対象外です。
ただし、完全にゼロではありません。2026年10月から、子どもが1歳になるまで国民年金保険料が免除される新制度がスタートします。また、出産育児一時金や児童手当など、今すぐ使える支援制度もあります。
この記事では、フリーランスの方が「結局どうすればいいのか」を具体的に解説します。
なぜフリーランスは育児休業給付金をもらえないのか
育児休業給付金は「雇用保険」の制度です。雇用保険は、会社などに「雇用されている人」が加入するもの。フリーランスや個人事業主は雇用関係がないため、そもそも雇用保険に加入できません。
つまり、フリーランスは育児休業給付金の対象外というわけです。
- 雇用保険に加入していること
- 育休開始前2年間に、11日以上働いた月が12ヶ月以上あること
- 育休中の就業日数が月10日以下(または80時間以下)であること
会社員の場合、育休中は給与の67%(6ヶ月経過後は50%)が支給され、社会保険料も免除されるため、実質的に手取りの約8割が保障されます。さらに2025年4月からは「出生後休業支援給付金」が加わり、最大28日間は手取り10割相当が支給される仕組みも始まりました。
「会社員の友人は育休中もお金がもらえるのに、なんでフリーランスの私はゼロなの…」と不公平に感じる気持ち、よくわかります。
2026年10月スタート!国民年金保険料の育児期間免除とは
こうした不公平を解消するため、2026年10月から新制度がスタートします。
フリーランスや自営業者など「国民年金第1号被保険者」を対象に、子どもが1歳になるまで国民年金保険料が免除されるようになります。
- 対象者:国民年金第1号被保険者(フリーランス・自営業・無職など)で、子を養育する父母
- 免除期間:子どもが生まれた日から1歳になるまで(母親は産後免除期間に続く9ヶ月間)
- 免除額:月額17,510円(2026年度見込み)× 最大12ヶ月 = 最大約21万円
- 所得制限:なし(収入に関係なく全員が対象)
- 休業要件:なし(働きながらでもOK)
注目すべきは「所得制限なし」「休業要件なし」という点。フリーランスは完全に仕事を休むことが難しい方も多いと思いますが、働きながらでも保険料免除を受けられます。しかも、免除期間中も年金の受給額は減りません(保険料を納めたものとして計算されます)。
育児休業給付金ほどの金額ではありませんが、年間約21万円の負担軽減は大きいですよね。
例外あり!フリーランスでも育児休業給付金がもらえる3つのケース
「フリーランスは対象外」と書きましたが、実は例外があります。以下のケースに該当する方は、育児休業給付金を受給できる可能性があります。
ケース①:会社員から独立して1年以内の場合
以前会社員として働いていて、フリーランスになってから間もない方は要チェックです。
育児休業給付金の受給要件である「育休開始前2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上」は、前職での雇用保険加入期間も合算できます。
ただし、これが適用されるのは「雇用保険の被保険者資格を喪失していない場合」に限られます。退職後に一度でも失業手当を受給したり、1年以上経過していると、前職の加入期間はリセットされます。
フリーランスとして独立した時点で雇用保険の被保険者資格を喪失するため、実際にこのケースで受給できる方は限られます。「会社員時代に妊娠→育休取得→育休中にフリーランスへ転向」といった特殊なパターンでのみ可能性があります。詳しくはハローワークにご相談ください。
ケース②:副業でパート・アルバイトをしている場合(2028年以降は週10時間でもOK)
メインはフリーランスでも、副業としてパートやアルバイトで雇用されている方は、そちらの雇用保険から育児休業給付金を受給できる可能性があります。
現在の受給要件は「週20時間以上の勤務」ですが、2028年10月からは「週10時間以上」に緩和されます。
- 加入要件:週20時間以上 → 週10時間以上に変更
- 約500万人が新たに雇用保険の対象に
- 育児休業給付金・失業手当・教育訓練給付の対象になる
たとえば、フリーランスのWebデザイナーとして活動しながら、週2日(計10時間)だけ企業でパートとして働いている方。2028年10月以降は雇用保険に加入でき、育児休業給付金の対象になります。
「フリーランス一本だと保障が不安…」という方は、副業として短時間の雇用契約を持つことも選択肢のひとつです。
ケース③:配偶者が会社員なら「手取り10割」制度を活用
あなた自身がフリーランスでも、配偶者(夫・妻)が会社員なら、配偶者が育休を取得することで給付金を受け取れます。
2025年4月からスタートした「出生後休業支援給付金」により、夫婦で14日以上の育休を取得すると、最大28日間は手取り10割相当が支給されます。
出生後休業支援給付金は原則「夫婦ともに育休を取得」が条件ですが、配偶者がフリーランス・自営業・専業主婦(夫)の場合は、この要件が免除されます。つまり、会社員の配偶者だけが育休を取得しても、13%の上乗せ給付を受けられます。
「私はフリーランスだから…」と諦めず、配偶者の制度をフル活用することを検討してみてください。
あわせて読みたい:育児休業給付金と出生時育児休業給付金の違いを徹底解説【2025年最新】
育児休業給付金の代わりに使える6つの支援制度
フリーランスは育児休業給付金をもらえなくても、他にも使える支援制度があります。「知らなかった!」とならないよう、しっかりチェックしておきましょう。
①出産育児一時金(50万円)
健康保険に加入していれば、出産時に50万円が支給されます。フリーランスの方は国民健康保険から支給されます。
多くの場合、病院が直接受け取る「直接支払制度」を利用できるので、出産費用から50万円を差し引いた金額だけ支払えばOKです。
②国民年金保険料の産前産後免除(4ヶ月分)
すでに実施されている制度として、出産予定月の前月から4ヶ月間(多胎の場合は6ヶ月間)、国民年金保険料が免除されます。
2026年度の保険料で計算すると、約7万円の負担軽減になります。出産予定日の6ヶ月前から申請可能なので、早めに手続きしましょう。
③国民健康保険料の減額
自治体によっては、産前産後期間の国民健康保険料が減額される制度があります。お住まいの市区町村に確認してみてください。
④児童手当(月1万〜3万円)
子どもが生まれたら、0〜2歳は月1万5,000円、3歳〜中学生は月1万円(第3子以降は3万円)が支給されます。
2024年10月の制度改正で所得制限が撤廃され、高収入のフリーランスでも受給できるようになりました。
⑤医療費控除・出産費用の確定申告
妊娠・出産にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象になります。出産育児一時金を差し引いた自己負担額が10万円を超える場合、所得税・住民税が軽減されます。
フリーランスなら確定申告は毎年行っているはず。出産関連の領収書は必ず保管しておきましょう。
⑥自治体独自の出産・育児支援金
最近は、独自の出産祝い金や育児支援金を設けている自治体が増えています。たとえば東京都では「018サポート」として、18歳以下の子どもに月5,000円(年6万円)が支給されています。
お住まいの自治体の制度を必ずチェックしてください。
あわせて読みたい:育児休業給付金がもらえない!代わりに使える6つの支援制度と生活費対策
フリーランスの育児支援、今後の制度改正予定
「フリーランスは育児支援が薄い」という状況は、少しずつ改善されつつあります。今後の制度改正予定を押さえておきましょう。
2026年10月〜:国民年金の育児期間免除がスタート
前述のとおり、子どもが1歳になるまで国民年金保険料が免除される制度がスタートします。
これにより、フリーランスの方も年間約21万円の負担軽減を受けられるようになります。父親も対象なので、夫婦ともにフリーランスの場合は合計約42万円の免除になります。
2028年10月〜:雇用保険の適用拡大(週10時間以上)
雇用保険の加入要件が「週20時間以上」から「週10時間以上」に緩和されます。
完全なフリーランスには直接関係ありませんが、副業でパート・アルバイトをしている方は、これまで対象外だった方も雇用保険に加入できるようになります。育児休業給付金・失業手当・教育訓練給付の対象になるため、選択肢が広がります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年4月〜 | 出生後休業支援給付金スタート(会社員向け・手取り10割) |
| 2026年10月〜 | 国民年金の育児期間免除スタート(フリーランス向け) |
| 2028年10月〜 | 雇用保険の適用拡大(週10時間以上) |
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よくある質問(FAQ)
Q. 個人事業主でも育児休業給付金はもらえる?
A. 基本的にはもらえません。
育児休業給付金は雇用保険の制度であり、個人事業主(フリーランス)は雇用保険に加入できないため対象外です。ただし、副業でパート・アルバイトとして雇用されていて雇用保険に加入している場合は、そちらから受給できる可能性があります。
Q. フリーランスの夫・妻が育休を取ると給付金は出る?
A. フリーランスの方自身には出ません。
フリーランスには「育休」という概念がなく(休むかどうかは自分で決められる)、雇用保険にも加入していないため、給付金の対象外です。
ただし、配偶者が会社員の場合は、配偶者が育休を取得することで給付金を受け取れます。2025年4月からは「出生後休業支援給付金」により、配偶者がフリーランスでも夫婦ともに育休取得の要件が免除され、13%の上乗せ給付を受けられます。
Q. 出産を機にフリーランスをやめたら失業手当はもらえる?
A. フリーランスをやめただけでは、失業手当はもらえません。
失業手当(雇用保険の基本手当)は、雇用保険に加入していた方が失業した場合に支給されます。フリーランスは雇用保険に加入していないため、いくら仕事をやめても対象外です。
ただし、フリーランスになる前に会社員として雇用保険に加入していた期間があり、かつその後1年以内であれば、失業手当を受給できる可能性があります。詳しくはハローワークにご相談ください。
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まとめ:フリーランスの育児は「制度の組み合わせ」で乗り切る
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- フリーランスは育児休業給付金の対象外(雇用保険に加入できないため)
- 2026年10月から国民年金の育児期間免除がスタート(子どもが1歳になるまで、年間約21万円の負担軽減)
- 副業で週10時間以上働いていれば、2028年10月以降は雇用保険の対象に
- 配偶者が会社員なら、配偶者の育休制度を活用(手取り10割も可能)
- 出産育児一時金50万円、児童手当、国民年金の産前産後免除など他の制度も併用
フリーランスだから育児支援がゼロというわけではありません。「使える制度を知らなかった」というのが一番もったいないこと。この記事を参考に、受けられる支援をしっかり受け取ってください。
制度は今後も改正される可能性があります。最新情報は厚生労働省や日本年金機構の公式サイトで確認することをおすすめします。
産休・育休のスケジュールを知りたい方は、こちらの計算ツールもご活用ください。



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