【結論】2025年4月から変わる育児休業給付金、3つのポイント
「育児休業給付金が4月から変わるらしい」と聞いて、このページにたどり着いた方。
結論から言うと、2025年4月の改正は「良いニュース」と「厳しいニュース」がセットになっています。
まずは3つの変更点を押さえておきましょう。
2025年4月からの3大変更点
① 手取り10割(給付率80%)の新制度がスタート
→ 夫婦で育休を取れば、最大28日間は収入がほぼ減らない!
② 延長申請の審査が厳格化
→ 「落選狙い」はNG。書類が増え、ハローワークのチェックが厳しくなる
③ 時短勤務にも給付金が新設
→ 育休復帰後に時短勤務をすると、賃金の10%が上乗せ支給される
「自分は対象になるの?」「延長できなくなるの?」という疑問を順番に解消していきます。
① 手取り10割(給付率80%)の「出生後休業支援給付金」が新設
これまで育児休業給付金は、休業開始から180日目までは給料の67%が支給されていました。
2025年4月からは、一定の条件を満たすと67% + 13% = 80%が支給されます。
「80%って、手取り10割じゃないじゃん」と思いますよね。実はこういうカラクリがあります。
なぜ80%で「手取り10割」になるのか?
育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除され、給付金は非課税です。
普段の給料からは約20%が社会保険料と税金で引かれているので、額面80%の給付金 ≒ 手取り100%相当という計算になります。
② 延長申請の審査が厳格化(落選狙いNG)
育児休業給付金は原則「子どもが1歳になるまで」ですが、保育園に入れない場合は最長2歳まで延長できます。
ただし、2025年4月からは「本当に保育園に入りたかったのか」をハローワークが厳しくチェックするようになりました。
背景には、育休を延長するためにわざと倍率の高い保育園だけに申し込む「落選狙い」が横行していたことがあります。
延長厳格化で追加された書類
- 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書(新設)
- 保育所等の利用申込書の写し(新設)
- 入所保留通知書(従来どおり)
詳しい審査ポイントは後ほど解説しますが、「職場復帰のために本気で保活していた」ことを証明できないと延長は認められません。
③ 時短勤務にも新給付「育児時短就業給付」スタート
育休から復帰して時短勤務をすると、どうしても給料が減ります。この負担を軽くするため、2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をする人に、賃金の10%を給付する制度も始まりました。
たとえば時短勤務で月給が20万円になった場合、2万円が上乗せで支給されます。
「育休を切り上げて早く復帰したい」という方には嬉しい制度ですね。
出生後休業支援給付金とは?手取り10割の条件を詳しく解説
ここからは「手取り10割」の新制度について、詳しく見ていきます。
支給対象となる3つの条件
出生後休業支援給付金を受け取るには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
出生後休業支援給付金の3つの条件
条件① 雇用保険の被保険者であること
条件② 育児休業給付金の受給資格があること(過去2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上)
条件③ 夫婦ともに14日以上の育児休業を取得すること
ポイントは「夫婦で」という点。パートナーが育休を取ってくれないと、この給付金は受け取れません。
「夫婦で14日以上」のカウント方法
14日は連続でなくてもOKです。ただし、対象となる期間が決まっています。
| 対象者 | 対象期間 | 最大支給日数 |
|---|---|---|
| 父親(パパ) | 子の出生後8週間以内 | 28日間 |
| 母親(ママ) | 産後休業後8週間以内(育休開始後8週間以内) | 28日間 |
つまり、パパは「産後パパ育休」の期間、ママは「育休開始直後」が対象になります。
夫婦それぞれが14日以上取得すれば、それぞれ最大28日間が手取り10割相当になるわけです。
専業主婦・ひとり親・フリーランス配偶者の場合はどうなる?
「夫婦で14日以上」という条件を見て、「うちは夫が自営業だから無理…」と思った方、ご安心ください。
配偶者の育休が不要なケース
- 配偶者が専業主婦(主夫)の場合
- ひとり親家庭の場合
- 配偶者が自営業・フリーランスで雇用保険に加入していない場合
- 配偶者が産後8週間以内に出産した場合(母親本人)
これらのケースでは、配偶者が育休を取らなくても給付率80%が適用されます。
【具体例】実際にいくら増える?シミュレーション
「結局いくら増えるの?」という疑問に、具体的な数字でお答えします。
【シミュレーション例】月給30万円の場合
■ 従来制度(67%)
30万円 × 67% = 約20.1万円/月
■ 新制度(80%)※最大28日間
30万円 × 80% = 約24万円/月
→ 差額:約3.9万円/月(28日間で約3.6万円アップ)
「たった4万円弱?」と感じるかもしれませんが、これは夫婦それぞれに適用されるので、世帯で見ると大きいです。
ただし、休業開始時賃金日額には上限(2025年4月時点で15,690円/日)があるため、高収入の方は80%に届かない場合もあります。
給付金の計算方法をもっと詳しく知りたい方は、〖2026年最新版〗育児休業給付金の計算方法を完全解説をご覧ください。
延長申請の厳格化で何が変わる?落選狙いが通用しない理由
ここからは「厳しいニュース」のほうを詳しく解説します。
新たに必要になる2つの書類
2025年4月以降、保育所に入れないことを理由に延長する場合、従来の入所保留通知書に加えて、2つの書類が新たに必要になりました。
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書【新設】 | 本人が記入する申告書。どの保育所に申し込んだか、なぜ入れなかったかを詳しく記載 |
| 保育所等の利用申込書の写し【新設】 | 市区町村に提出した申込書のコピー。電子申請の場合は申込画面の印刷でもOK |
| 入所保留通知書(従来どおり) | 市区町村が発行する「入れませんでした」の通知書 |
申込書の写しを取り忘れると延長申請ができなくなるので、保活を始める際は必ずコピーを保管してください。
申告書の書き方は、育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書の書き方完全ガイドで詳しく解説しています。
ハローワークがチェックする3つのポイント
提出された書類をもとに、ハローワークは以下の点を厳しくチェックします。
ハローワークの審査ポイント
① 通える範囲の保育所に申し込んでいるか
→ 自宅または勤務先から片道30分以内で通える保育所が基準
② 入所保留を希望していないか
→ 申込書に「落選希望」と書いていたらアウト
③ 内定を辞退していないか
→ 入園が決まったのに断っていたら延長は認められない
「速やかな職場復帰のために保育所等の利用を希望していた」と認められなければ、延長は許可されません。
【要注意】延長NGになる具体的ケース
以下のようなケースでは、たとえ保育所に入れなかったとしても延長が認められない可能性が高いです。
延長NGになりやすいケース
- 自宅や職場から遠い保育所(片道30分超)にしか申し込んでいない
- 人気園・認可園にしか申し込んでいない(小規模保育や認可外を検討していない)
- 申込時に「保留希望」「入所辞退予定」などと記載・口頭で伝えた
- 入園内定が出たのに辞退した
- 申込期限に間に合わなかった(うっかり忘れも含む)
- 市区町村に「入所困難」と言われて、申込自体を諦めた
特に最後の「申し込みを諦めた」ケースは要注意。たとえ入所が難しくても、申し込み自体をしていないと延長は認められません。
延長ができなくなった場合の対処法は、育児休業給付金が延長できなかった!原因と対処法を徹底解説で詳しく紹介しています。
2025年4月改正で「得する人」「損する人」を整理
この改正で、状況によって明暗が分かれます。
得する人:夫婦で育休を取る家庭
今回の改正で最も恩恵を受けるのは、夫婦そろって育休を取る家庭です。
- パパが産後パパ育休を取れば、手取り10割で収入減の不安が軽減
- ママの育休初期も手取り10割になるので、生活費の心配が減る
- 「収入が減るから育休は取れない」という言い訳が通用しなくなる
男性の育児休業給付金について詳しく知りたい方は、男性の育児休業給付金完全ガイド|手取り10割の新制度・計算方法を徹底解説をご覧ください。
損する人:延長前提で保活をサボっていた人
残念ながら、これまで「落選狙い」で育休延長を計画していた方にとっては厳しい改正です。
- 「とりあえず人気園に申し込んで落選すればいい」は通用しない
- 本気で復帰する気がないことが書類でバレる
- 虚偽申請と判断されると、給付金の返還を求められる可能性も
これから出産を迎える方は、「延長できなかったらどうするか」も含めて計画を立てる必要があります。
影響なしの人:すでに育休中・2025年3月以前に出産
以下のケースでは、今回の改正の影響をほとんど受けません。
- 2025年3月31日以前に育休を開始している(延長厳格化は4月以降の延長申請から適用)
- 子どもが1歳になる日が2025年3月31日以前(旧ルールで延長可能)
- そもそも延長を予定していない
ただし、出生後休業支援給付金(手取り10割)は2025年4月以降に育休を開始した人が対象なので、すでに育休中の方は対象外です。
今からやるべき5つの行動チェックリスト
最後に、これから育休を取る予定の方がやるべきことをまとめます。
① 出産予定日から対象期間を計算する
出生後休業支援給付金の対象期間を確認しましょう。
- パパ:出産予定日(または実際の出生日の早い方)から8週間以内
- ママ:産後休業(8週間)終了後の8週間以内
産休・育休の期間を自動で計算できるツールは、産休育休自動計算ツールで提供しています。
② 夫婦で「14日以上」の育休スケジュールを組む
パートナーに育休を取ってもらえるか、早めに相談してください。
「14日」はハードルが高く感じるかもしれませんが、土日を含めて2週間、分割取得でもOKです。
「収入が減るのが心配」という方も、今回の改正で手取り10割になるので説得材料になります。
③ 保活の申込書は必ずコピーを取る
延長の可能性がある方は、保育所の利用申込書を提出する前に必ずコピー(または印刷)を取りましょう。
電子申請の場合は、申込完了画面をスクリーンショットまたは印刷して保管してください。
後から「コピーがない」となっても、市区町村は再発行してくれないことが多いです。
④ 会社の人事に確認すべき3つの質問
会社によって育休の手続き方法は異なります。以下の点を確認しておきましょう。
人事に確認すべきこと
① 出生後休業支援給付金の申請は会社がやってくれるのか、自分でやるのか
② 延長申請に必要な書類の提出期限はいつか
③ パートナー(配偶者)の育休取得状況をどう証明すればよいか
申請手続きの流れは、育児休業給付金の申請を会社で行う完全ガイドで詳しく解説しています。
⑤ 延長可能性がある人は申告書の書き方を確認
延長を視野に入れている方は、新設された「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」の書き方を事前に確認しておきましょう。
記入例は、〖2025年最新版〗育児休業給付金延長申請の記入例を完全解説!新制度対応版で公開しています。
よくある質問(Q&A)
Q. 2025年4月以降に出産予定です。手取り10割は自動的に適用されますか?
A. いいえ、自動適用ではありません。夫婦ともに14日以上の育休取得など条件を満たし、出生後休業支援給付金の申請が必要です。申請は育児休業給付金と一緒に行うことができます。
Q. 夫が会社員、妻がパートの場合も対象になりますか?
A. 妻がパートでも、雇用保険に加入していて育児休業給付金の受給資格があれば対象です。週20時間以上働いていれば雇用保険に加入している可能性が高いので、確認してみてください。パートの方の受給条件は、育児休業給付金はパートでももらえる!受給条件・計算方法・申請手続きを完全解説で詳しく解説しています。
Q. 現在育休中で、2025年4月以降に延長予定です。延長厳格化の対象になりますか?
A. はい、対象になります。子どもが1歳になる日(または1歳6ヶ月になる日)が2025年4月1日以降の場合、新しいルールで延長審査が行われます。
Q. 認可外保育所にしか申し込んでいない場合、延長は認められますか?
A. 認められません。延長の要件は「認可保育所等」に申し込んでいることです。認可外のみの申し込みでは延長は認められないので注意してください。
Q. 延長できなかった場合、どうすればいいですか?
A. 育休が終了して復帰するか、退職するかの選択になります。認可外保育所やベビーシッターの利用、育児時短就業給付の活用なども検討してみてください。詳しくは、育児休業給付金が延長できなかった!原因と対処法を徹底解説をご覧ください。
まとめ
2025年4月からの育児休業給付金の改正ポイントをおさらいします。
この記事のまとめ
- 出生後休業支援給付金が新設され、夫婦で育休を取れば最大28日間は手取り10割相当に
- 延長審査が厳格化され、新たに2種類の書類提出が必要。「落選狙い」は通用しない
- 育児時短就業給付も新設。復帰後の時短勤務で賃金の10%が上乗せ支給される
- 今から準備すべきは、保活の申込書コピー保管と、夫婦の育休スケジュール調整
制度は複雑ですが、きちんと理解して活用すれば家計の助けになります。
不明点があれば、管轄のハローワークに問い合わせるのが確実です。問い合わせ方法は、育児休業給付金のハローワーク問い合わせ完全ガイドで詳しく解説しています。
この記事が、これから育休を取る皆さんのお役に立てれば幸いです。
※この記事は2026年1月時点の情報をもとに執筆しています。最新の制度内容は厚生労働省の公式ページでご確認ください。


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