育児休業給付金を受け取っているけれど、税金はかかるの?年末調整や確定申告はどうすればいいの?こんな不安を抱えている方は多いですよね。結論から言うと、育児休業給付金は完全に非課税で、所得税も住民税も一切かかりません。さらに、この非課税という仕組みを正しく理解することで、配偶者控除が受けられたり、社会保険料免除と組み合わせて手取り10割相当の給付を実現できたりと、知らないと損するメリットがたくさんあります。この記事では、育児休業給付金の非課税制度について、年末調整・確定申告での具体的な扱い方から、活用すべき5つのメリットまで、2026年最新情報をもとに徹底解説します。
1. 育児休業給付金は非課税!まずは結論から
育児休業中の生活を支える育児休業給付金ですが、「給付金も収入だから税金がかかるのでは?」と心配される方がいます。しかし、安心してください。育児休業給付金には所得税も住民税も一切かかりません。
育児休業給付金に税金はかからない
育児休業給付金は、雇用保険法第12条により明確に「非課税所得」と定められています。これは法律で決まっていることなので、どれだけ高額な給付を受け取っても税金を支払う必要はありません。
具体的には次のような税金が一切かかりません。
| 税金の種類 | 課税の有無 | 理由 |
|---|---|---|
| 所得税 | かからない | 雇用保険法第12条で非課税と規定 |
| 復興特別所得税 | かからない | 所得税の課税対象外のため |
| 住民税 | かからない | 所得に含まれないため翌年度も影響なし |
雇用保険法第12条で明確に規定
育児休業給付金が非課税である根拠は、雇用保険法第12条にあります。この条文では、「失業等給付として支給された金銭は、租税その他の公課を課することができない」と明記されています。
育児休業給付金は雇用保険法第10条に規定する「失業等給付」に該当するため、この非課税規定が適用されます。つまり、育児休業給付金を受け取っても、それを理由に税金を徴収されることは法律上あり得ないのです。
所得税も住民税も0円
育児休業給付金が非課税ということは、以下のようなメリットがあります。
まず、受け取った給付金はそのまま全額が手元に残ります。例えば、育児休業給付金として月20万円を受け取った場合、この20万円に対して所得税が引かれることはありません。給与と違って源泉徴収もされないため、振り込まれる金額がそのまま使えるお金になります。
また、育児休業給付金は所得に含まれないため、翌年の住民税の計算にも影響しません。育休明けの住民税負担を心配される方もいますが、育児休業給付金自体が住民税の計算対象にならないため、その点は安心です(ただし、育休前に働いていた分の住民税は翌年支払う必要があります)。
2. なぜ育児休業給付金は非課税なのか?法的根拠を解説
育児休業給付金がなぜ非課税とされているのか、その背景と法的根拠を詳しく見ていきましょう。
雇用保険法における失業等給付の位置づけ
育児休業給付金は、雇用保険制度における「失業等給付」の一種として位置づけられています。雇用保険法では、失業手当(基本手当)や就職促進給付、教育訓練給付などとともに、育児休業給付も同じカテゴリーに分類されています。
雇用保険法第10条では、失業等給付として以下が定められています。
- 求職者給付(失業手当など)
- 就職促進給付
- 教育訓練給付
- 雇用継続給付(育児休業給付、介護休業給付、高年齢雇用継続給付など)
そして、雇用保険法第12条で「失業等給付として支給された金銭は、租税その他の公課を課することができない」と規定されているため、育児休業給付金も非課税となるのです。
非課税とされた背景と目的
育児休業給付金が非課税とされた背景には、働く人が安心して育児休業を取得できる環境を整備するという政策目的があります。
育児休業中は基本的に給与が支給されず、収入が途絶えてしまいます。そこで雇用保険から育児休業給付金が支給されるわけですが、この給付金にまで税金を課してしまうと、実質的な手取り額がさらに減ってしまい、育児休業を取得しにくくなってしまいます。
非課税とすることで、給付金を最大限活用でき、安心して育児に専念できる環境を作ることが目的なのです。
出生時育児休業給付金も同様に非課税
2022年10月に創設された「出生時育児休業給付金(産後パパ育休給付金)」も、育児休業給付金と同様に非課税です。
出生時育児休業給付金は、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日間)取得できる産後パパ育休を取得した場合に支給される給付金です。休業開始時賃金日額の67%相当額が支給されますが、この給付金も雇用保険法第12条の非課税規定が適用されます。
また、出生時育児休業期間中も社会保険料が免除されるため、実質的な手取り額は休業前の約8割程度を維持できます。
出生後休業支援給付金(2025年4月新設)も非課税
2025年4月1日から新たに創設された「出生後休業支援給付金」も非課税です。
この給付金は、夫婦がともに14日以上の育児休業を取得した場合に、休業開始前賃金の13%相当額が最大28日間上乗せで支給されるものです。育児休業給付金67%と合わせて給付率80%(手取りで10割相当)を実現する制度ですが、この上乗せ分も非課税となります。
さらに、2025年4月から創設された「育児時短就業給付金」(2歳未満の子を養育するために時短勤務をした場合に賃金の10%相当額が支給)も非課税です。
3. 年末調整での育児休業給付金の扱い方
育児休業給付金が非課税であることはわかりましたが、では年末調整ではどのように扱えばよいのでしょうか。具体的な手続きを見ていきましょう。
収入として申告する必要はない
年末調整において、育児休業給付金を収入として申告する必要は一切ありません。
年末調整では、その年に支払われた給与や賞与の総額をもとに所得税を精算しますが、育児休業給付金は「給与所得」ではなく「非課税所得」に分類されます。そのため、年末調整の対象となる収入には含めません。
会社から配布される「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」などの書類に、育児休業給付金の金額を記入する欄はありません。もし記入してしまうと、逆に誤った申告になってしまいます。
年末調整の対象外となる理由
育児休業給付金が年末調整の対象外となる理由は、そもそも所得税の課税対象ではないからです。
年末調整は「その年に支払った所得税の過不足を精算する手続き」です。しかし、育児休業給付金には所得税がかからないため、精算すべき税金が存在しません。つまり、年末調整で処理する必要がないのです。
これは失業手当(雇用保険の基本手当)や傷病手当金(健康保険)なども同様で、これらの給付金は年末調整の対象外です。
給与収入がある場合の年末調整方法
育休中であっても、年の途中まで働いていた場合や、年の途中で復職した場合など、その年に給与収入がある場合は年末調整が必要です。
ただし、年末調整で申告するのは「給与収入」の部分だけで、育児休業給付金は除外します。
具体的な手順は以下の通りです。
- 会社から配布される年末調整の書類(扶養控除等申告書、基礎控除申告書など)を受け取る
- 給与所得の欄には、その年に実際に支払われた給与のみを記入(育児休業給付金は含めない)
- 各種控除(生命保険料控除、地震保険料控除など)の証明書を添付して提出
- 会社が年末調整を実施し、源泉徴収票を受け取る
例えば、2026年1月から6月まで働き、7月から育休を取得した場合、1月から6月までの給与のみが年末調整の対象となります。7月以降に受け取った育児休業給付金は、年末調整の書類に一切記入しません。
給与収入がない場合の対応
年初から育休を取得しており、その年に給与収入が全くない場合はどうすればよいでしょうか。
この場合、年末調整は基本的に不要です。なぜなら、給与からの源泉徴収がなく、精算すべき所得税が存在しないためです。
ただし、会社によっては形式的に年末調整の書類提出を求められることがあります。その場合は、給与収入欄に「0円」と記入し、扶養控除等申告書のみ提出すればよいでしょう。
なお、給与収入がゼロでも、生命保険料や国民年金保険料などを自分で支払っている場合は、翌年に確定申告をすることで還付を受けられる可能性があります(配偶者の年末調整で控除を受けることも可能です)。
4. 確定申告は必要?不要?パターン別に解説
年末調整と並んで気になるのが確定申告です。育児休業給付金を受け取っている場合、確定申告は必要なのでしょうか?パターン別に見ていきましょう。
育児休業給付金のみの場合→確定申告不要
その年の収入が育児休業給付金のみで、他に収入がない場合は、確定申告は不要です。
確定申告は、1年間の所得を申告し、所得税を納付(または還付を受ける)ための手続きです。しかし、育児休業給付金は所得に該当せず、所得税もかからないため、申告すべき内容がありません。
同様に、出産育児一時金や出産手当金も非課税所得なので、これらの給付金のみを受け取った年は確定申告不要です。
育休中に副業収入がある場合→確定申告が必要
育児休業中であっても、副業で収入を得ている場合は確定申告が必要になるケースがあります。
具体的には、以下の場合に確定申告が必要です。
- 給与収入が年間20万円を超える(パートやアルバイトなど)
- 事業所得や雑所得が年間20万円を超える(フリーランス、ブログ収入、アフィリエイト収入など)
- 給与以外の所得が年間20万円を超える
ただし、育児休業給付金自体は所得に含まれないため、副業収入の部分だけが確定申告の対象となります。
例えば、2026年に育児休業給付金200万円とブログ収入30万円があった場合、ブログ収入の30万円だけが確定申告の対象です。
医療費控除を受けたい場合→確定申告でお得に
出産や育児に関する医療費が多くかかった年は、確定申告で医療費控除を受けることで税金の還付を受けられる可能性があります。
医療費控除は年末調整では適用できず、確定申告でのみ適用可能な控除です。
出産に関して医療費控除の対象となる主な費用は以下の通りです。
- 妊婦検診の費用(補助券を超えた自己負担分)
- 分娩・入院費用(出産育児一時金を超えた自己負担分)
- 通院のための交通費(タクシー代も、やむを得ない場合は対象)
- 産後の治療費
- 不妊治療費
世帯全体で年間10万円(または所得の5%)を超える医療費を支払った場合、超えた部分について所得控除を受けられます。
育休中で本人の所得がゼロでも、配偶者の確定申告で医療費控除を適用すれば、配偶者の税金が還付されます。
年末調整を逃した場合→確定申告で対応可能
育児休業中で会社との連絡が取りにくく、年末調整の書類提出期限に間に合わなかったという場合でも、確定申告で対応できます。
年末調整を受けられなかった場合、翌年の2月16日から3月15日までの確定申告期間に、自分で確定申告を行えば、控除の適用や税金の還付を受けることができます。
また、配偶者控除や配偶者特別控除も、年末調整で間に合わなかった場合は、配偶者が確定申告を行うことで適用を受けられます。
5. 知らないと損する!非課税の5つのメリット
育児休業給付金が非課税であることで得られるメリットは、単に税金がかからないだけではありません。ここでは知らないと損する5つの重要なメリットを詳しく解説します。
メリット1:配偶者控除・配偶者特別控除が受けられる
育児休業給付金が非課税であることの最大のメリットの一つが、配偶者控除や配偶者特別控除を受けられる可能性があることです。
合計所得金額に含まれない
配偶者控除や配偶者特別控除を受けるためには、配偶者の「合計所得金額」が一定額以下である必要があります。
ここで重要なのが、育児休業給付金は「合計所得金額」に含まれないということです。これは国税庁の公式見解でも明確にされています。
雇用保険法第61条の4の規定に基づき支給される育児休業基本給付金は、同法第10条に規定する失業等給付に該当し、同法第12条の規定により課税されず、控除対象配偶者の判定上の合計所得金額にも含まれません。
年収103万円・201万円の壁の判定方法
配偶者控除・配偶者特別控除の判定では、いわゆる「103万円の壁」「201万円の壁」がよく言われますが、これは給与収入の話です。
育児休業給付金は収入に含まれないため、例えば以下のようなケースでも配偶者控除の対象になります。
| ケース | 給与収入 | 育児休業給付金 | 配偶者控除 |
|---|---|---|---|
| 1月~3月勤務、4月~育休 | 60万円 | 180万円 | ○ 受けられる |
| 年初から育休 | 0円 | 200万円 | ○ 受けられる |
| 1月~6月勤務、7月~育休 | 120万円 | 100万円 | × 受けられない(給与が103万円超) |
判定のポイントは、育児休業給付金の金額に関係なく、給与収入が103万円以下かどうかです。
配偶者控除で最大38万円の所得控除
配偶者控除が適用されると、配偶者の所得から最大38万円(配偶者が70歳以上の場合は48万円)が控除されます。
例えば、夫の年収が500万円で妻が育休を取得し、妻の給与収入が103万円以下だった場合、夫の年末調整で配偶者控除38万円を適用できます。これにより、夫の所得税・住民税が合わせて約5~6万円程度軽減されます。
給与収入が103万円を超えても201万円未満であれば、配偶者特別控除(最大38万円から段階的に減額)を受けられます。
メリット2:社会保険料免除と合わせて手取り10割相当に
育児休業給付金の非課税メリットは、社会保険料免除と組み合わせることで、さらに大きな効果を発揮します。
健康保険料・厚生年金保険料が免除
育児休業期間中は、本人負担分の健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。これは育児・介護休業法に基づく制度で、会社を通じて申出を行うことで適用されます。
免除される金額は人によって異なりますが、例えば標準報酬月額が30万円の場合、月額約4万4千円(健康保険料約1万5千円+厚生年金保険料約2万7千円)が免除されます。
重要なのは、保険料が免除されても、将来の年金額は減らないということです。免除期間も年金の加入期間として計算されるため、老齢年金が減ることはありません。
2025年4月改正で給付率80%(手取り10割相当)実現
2025年4月1日から、育児休業給付金の制度が大きく拡充されました。
従来は育児休業開始から180日までが給付率67%、それ以降が50%でしたが、新制度では夫婦がともに14日以上の育児休業を取得した場合、「出生後休業支援給付金」として最大28日間、給付率が13%上乗せされます。
つまり、67%+13%=80%の給付率となり、社会保険料免除と組み合わせることで、手取りで約10割相当の給付を受けられるようになりました。
実質的な手取り額のシミュレーション
具体的な数字で見てみましょう。
【例】月給30万円(額面)の場合
| 項目 | 通常勤務時 | 育休中(給付率80%) |
|---|---|---|
| 給与(額面)または給付金 | 30万円 | 24万円(30万円×80%) |
| 健康保険料 | -15,000円 | 0円(免除) |
| 厚生年金保険料 | -27,000円 | 0円(免除) |
| 雇用保険料 | -1,800円 | 0円 |
| 所得税 | -6,000円 | 0円(非課税) |
| 手取り額 | 約25万円 | 24万円 |
このように、給付率80%でも、社会保険料免除と非課税のメリットにより、通常の手取り額とほぼ同等の収入を維持できます。
※住民税は前年の所得に対して課税されるため、育休中も支払いが必要です。
メリット3:住民税の計算にも影響しない
育児休業給付金は所得税だけでなく、住民税の計算にも影響しません。
翌年度の住民税が下がる可能性
住民税は前年の所得に対して課税されるため、育休を取得した年は所得が減り、翌年度の住民税が下がります。
例えば、2026年1月~6月まで働き(給与収入300万円)、7月~12月は育休(育児休業給付金100万円)だった場合、2026年の所得は給与収入300万円のみとなります。育児休業給付金100万円は所得に含まれないため、翌年2027年度の住民税は給与収入300万円に対してのみ課税されます。
所得割の計算から除外
住民税は「所得割」と「均等割」の2つから構成されていますが、育児休業給付金はどちらの計算からも除外されます。
所得割は所得金額に応じて税率(10%)がかかる部分ですが、育児休業給付金は所得に含まれないため、この部分の税額が増えることはありません。
育休前後の住民税の違い
育休前後で住民税がどう変わるか、具体例で見てみましょう。
| 年 | 給与収入 | 育児休業給付金 | 翌年の住民税(概算) |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 400万円 | 0円 | 約20万円 |
| 2026年 | 100万円 | 200万円 | 約5万円(給与100万円に対してのみ) |
| 2027年 | 400万円 | 0円 | 約20万円 |
このように、育休を取得した年は所得が減るため、翌年の住民税も大幅に減額されます。
メリット4:扶養に入りやすくなる
育児休業給付金が非課税であることで、税制上の扶養に入りやすくなります。
税制上の扶養の条件
税制上の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)を受けるためには、配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)である必要があります。
育児休業給付金は合計所得金額に含まれないため、例えば育児休業給付金を200万円受け取っていても、給与収入が103万円以下であれば配偶者控除の対象になります。
社会保険上の扶養との違い
注意が必要なのは、税制上の扶養と社会保険上の扶養は別の制度だということです。
| 項目 | 税制上の扶養 | 社会保険上の扶養 |
|---|---|---|
| 対象 | 配偶者控除・配偶者特別控除 | 健康保険・年金の被扶養者 |
| 収入基準 | 年間合計所得48万円以下(給与収入103万円以下) | 年間収入130万円未満(見込み) |
| 育児休業給付金の扱い | 収入に含まない | 収入に含まない(一般的) |
| メリット | 配偶者の税金が減る | 自分の健康保険料・年金保険料が免除 |
育児休業中は、会社の健康保険・厚生年金に加入したまま保険料が免除されるため、通常は社会保険上の扶養に入る必要はありません。ただし、育休終了後に退職した場合などは、配偶者の社会保険の扶養に入ることができます。
一時的に扶養に入るメリット
育休を取得した年に配偶者の扶養に入ることで、世帯全体の税負担を減らすことができます。
例えば、夫の年収が600万円、妻が育休を取得して給与収入が80万円だった場合、夫の年末調整で配偶者控除38万円を適用できます。これにより、夫の所得税と住民税が合わせて約7万円程度軽減されます。
育休明けに復職すれば、翌年からは通常通り共働きの税制に戻りますが、育休を取得した年だけでも扶養控除を活用することで、家計の負担を軽くできます。
メリット5:次年度の保育料に影響しない
育児休業給付金が非課税であることは、次年度の保育料にも影響します。
保育料の算定基準
認可保育園の保育料は、世帯の「市町村民税の所得割額」を基準に決定されます。所得割額は前年の所得に応じて計算されるため、育休を取得した年は所得が減り、翌年の保育料も下がる可能性があります。
育児休業給付金は所得に含まれない
育児休業給付金は所得に含まれないため、保育料の計算にも影響しません。
例えば、2026年に育休を取得して給与収入が100万円、育児休業給付金が200万円だった場合、2027年度の保育料は給与収入100万円に対する所得割額で計算されます。育児休業給付金200万円は計算に含まれません。
自治体によって異なる可能性
ただし、保育料の算定方法は自治体によって細かい部分が異なる場合があります。また、認可外保育園の場合は独自の料金体系を採用していることもあります。
詳しくは、お住まいの市区町村の保育課または子育て支援課に確認することをおすすめします。
6. 育児休業給付金以外で非課税の給付金一覧
育児休業給付金以外にも、出産・育児に関連する非課税の給付金がいくつかあります。まとめて確認しておきましょう。
出産手当金(健康保険)
出産手当金は、産前産後休業中に健康保険から支給される給付金です。
出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以後56日までの間で、給与が支払われなかった期間について、標準報酬日額の3分の2相当額が支給されます。
健康保険法第62条により非課税とされており、所得税も住民税もかかりません。年末調整や確定申告での申告も不要です。
出産育児一時金(健康保険)
出産育児一時金は、出産時に健康保険から支給される一時金です。
2023年4月以降、1児につき50万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産の場合は48.8万円)が支給されます。
健康保険法第62条により非課税とされており、年末調整や確定申告での申告は不要です。
出生時育児休業給付金(雇用保険)
出生時育児休業給付金(産後パパ育休給付金)は、2022年10月に創設された給付金です。
子の出生後8週間以内に最大4週間(28日間)の産後パパ育休を取得した場合、休業開始時賃金日額の67%相当額が支給されます。
育児休業給付金と同様に雇用保険法第12条により非課税で、所得税も住民税もかかりません。
出生後休業支援給付金(雇用保険)
出生後休業支援給付金は、2025年4月1日に創設された新しい給付金です。
夫婦がともに14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額が育児休業給付金に上乗せで支給されます。
この給付金も非課税で、所得税・住民税はかかりません。
育児時短就業給付金(雇用保険・2025年4月新設)
育児時短就業給付金は、2025年4月1日に創設された給付金です。
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して時短勤務をした場合、賃金が低下するなど一定の要件を満たすと、賃金の10%相当額が支給されます。
この給付金も非課税で、所得税・住民税はかかりません。
失業手当(雇用保険)
失業手当(雇用保険の基本手当)も非課税です。
育児休業終了後に退職し、失業手当を受給する場合でも、所得税や住民税はかかりません。雇用保険法第12条により、失業等給付はすべて非課税とされています。
ただし、育児休業給付金と失業手当は同時に受給できません。育児休業給付金を受給した後に退職し、求職活動を行う場合に失業手当を受給できます。
7. よくある誤解と正しい理解
育児休業給付金の非課税制度については、いくつかよくある誤解があります。正しい理解を確認しておきましょう。
「育児休業給付金も給料だから課税される」→誤解
育児休業給付金は給与ではなく、雇用保険からの給付金です。給与であれば課税対象となりますが、育児休業給付金は雇用保険法第12条により明確に非課税と規定されています。
見た目上は会社から振り込まれることもありますが(会社が代理で手続きを行う場合)、実際は雇用保険から支給されているため、給与所得には該当しません。
「非課税だから申告しなくていい」→正解
これは正解です。育児休業給付金は非課税所得のため、年末調整や確定申告で申告する必要はありません。
逆に、誤って申告してしまうと、課税所得として扱われてしまう可能性があるため、申告しないことが正しい対応です。
「配偶者控除は使えない」→誤解
「育児休業給付金を受け取っているから配偶者控除は使えない」という誤解がありますが、これは間違いです。
育児休業給付金は合計所得金額に含まれないため、給与収入が103万円以下であれば、配偶者控除の対象になります。育児休業給付金の金額に関係なく、給与収入だけで判定します。
「年末調整は不要」→ケースによる
「育休中だから年末調整は不要」というのは、ケースによります。
年初から育休で給与収入がゼロの場合は年末調整不要ですが、年の途中まで働いていた場合や、年の途中で復職した場合は年末調整が必要です。
正確には「育児休業給付金は年末調整の対象外だが、給与収入がある場合は年末調整が必要」ということになります。
8. 【実例】育休中の年末調整・確定申告パターン別ガイド
実際の状況に応じて、年末調整や確定申告がどのように変わるか、パターン別に見ていきましょう。
パターン1:1月から育休で給与収入ゼロの場合
【状況】2025年12月から育休を開始し、2026年1月~12月まで育休継続。給与収入ゼロ、育児休業給付金のみ受給。
【年末調整】不要(給与収入がないため)
【確定申告】原則不要
【配偶者控除】配偶者(夫または妻)の年末調整で配偶者控除38万円を適用可能
【注意点】
- 会社から形式的に年末調整の書類提出を求められる場合があるが、給与収入欄は「0円」と記入
- 生命保険料や地震保険料を自分で支払っている場合は、配偶者の年末調整で控除を受けることも可能
- 医療費控除を受けたい場合は、配偶者が確定申告を行う
パターン2:年の途中から育休で給与収入ありの場合
【状況】2026年1月~6月まで勤務(給与収入300万円)、7月~12月は育休(育児休業給付金100万円)
【年末調整】必要(1月~6月の給与収入に対して)
【確定申告】原則不要(年末調整で完結)
【配偶者控除】給与収入が103万円を超えているため、配偶者控除は受けられない。ただし、201万円未満であれば配偶者特別控除の対象
【注意点】
- 年末調整では給与収入300万円のみを申告し、育児休業給付金100万円は含めない
- 扶養控除等申告書、保険料控除申告書などの必要書類を会社に提出
- 育休中で会社との連絡が取りにくい場合は、早めに書類を提出しておく
パターン3:年の途中で復職した場合
【状況】2026年1月~9月まで育休(育児休業給付金150万円)、10月~12月復職(給与収入90万円)
【年末調整】必要(10月~12月の給与収入に対して)
【確定申告】原則不要(年末調整で完結)
【配偶者控除】給与収入が103万円以下のため、配偶者(夫または妻)の年末調整で配偶者控除38万円を適用可能
【注意点】
- 復職後の給与収入90万円のみが年末調整の対象で、育児休業給付金150万円は含めない
- 配偶者控除を受けるためには、配偶者の年末調整で「給与収入90万円」と申告
- 復職が年末近くの場合、年末調整の期限に間に合うよう早めに書類を準備
パターン4:育休中に副業収入があった場合
【状況】2026年1月~12月まで育休(育児休業給付金200万円)、在宅ワークで事業所得30万円
【年末調整】不要(給与収入がないため)
【確定申告】必要(事業所得30万円に対して)
【配偶者控除】事業所得30万円があるため、配偶者控除は受けられない(所得金額が48万円以下という要件を満たさない)
【注意点】
- 育児休業給付金200万円は確定申告の対象外だが、事業所得30万円は申告が必要
- 事業所得の必要経費を適切に計上することで、課税所得を減らすことができる
- 青色申告承認申請書を事前に提出していれば、青色申告特別控除(最大65万円)を受けられる
9. 配偶者が配偶者控除を受ける手続き方法
育休を取得した本人の給与収入が103万円以下の場合、配偶者が配偶者控除を受けることができます。具体的な手続き方法を見ていきましょう。
配偶者控除の要件確認
配偶者控除を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 民法の規定による配偶者であること(内縁関係は不可)
- 配偶者と生計を一にしていること
- 配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)であること
- 配偶者が青色申告者の事業専従者として給与を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
- 控除を受ける本人(納税者本人)の合計所得金額が1,000万円以下であること
育児休業給付金は合計所得金額に含まれないため、例えば育児休業給付金200万円と給与収入80万円がある場合、合計所得金額は給与所得25万円(給与収入80万円-給与所得控除55万円)となり、48万円以下の要件を満たします。
年末調整での申告方法
配偶者が会社員で年末調整を受ける場合、以下の手順で配偶者控除を申告します。
- 会社から「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を受け取る
- 「配偶者控除等申告書」の欄に、育休を取得した配偶者の情報を記入する
- 配偶者の給与収入(育児休業給付金は含めない)を記入し、所得金額を計算
- 配偶者控除額(38万円)が自動的に計算される
- 必要書類を添付して会社に提出
【記入例】
- 配偶者の氏名:山田 花子
- 個人番号(マイナンバー):000000000000
- 生年月日:平成2年4月15日
- 令和8年中の合計所得金額の見積額:25万円(給与収入80万円-給与所得控除55万円)
- 配偶者控除の額:38万円
確定申告での申告方法
年末調整で配偶者控除の申告ができなかった場合や、配偶者が自営業などで確定申告を行う場合は、確定申告で配偶者控除を申告できます。
確定申告の手順は以下の通りです。
- 確定申告書を作成(国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が便利)
- 「所得から差し引かれる金額」の欄の「配偶者控除」に38万円を記入
- 配偶者の情報(氏名、マイナンバー、生年月日、所得金額)を記入
- 必要書類を添付して税務署に提出(e-Taxでの電子申告も可能)
確定申告の期間は、翌年2月16日から3月15日までです。
必要書類と記入例
配偶者控除を受けるために必要な書類は以下の通りです。
【年末調整の場合】
- 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
- 配偶者のマイナンバーがわかる書類(マイナンバーカード、通知カードなど)
【確定申告の場合】
- 確定申告書
- 配偶者の源泉徴収票(給与収入がある場合)
- 配偶者のマイナンバーがわかる書類
なお、配偶者の所得を証明する書類(源泉徴収票など)は、提出不要ですが、配偶者の所得金額を正確に計算するために手元に準備しておくとよいでしょう。
10. 育児休業給付金が非課税でも支払う必要がある税金・保険料
育児休業給付金は非課税ですが、だからといってすべての税金や保険料が免除されるわけではありません。育休中でも支払う必要があるものを確認しておきましょう。
住民税は前年分を支払う
育休中でも、住民税は支払う必要があります。
住民税は前年の所得に対して課税されるため、たとえ今年の収入がゼロでも、前年に所得があれば住民税の納付義務が発生します。
例えば、2026年7月から育休を開始した場合、2026年6月から納付が始まる住民税は、2025年の所得に対して課税されたものです。育休を取得しても、この住民税は支払わなければなりません。
住民税の支払い方法(特別徴収→普通徴収)
住民税の支払い方法は、育休開始時期によって変わります。
| 育休開始時期 | 住民税の支払い方法 |
|---|---|
| 1月~5月に育休開始 | 育休開始前の最後の給与から、その年の5月までの住民税が一括徴収される。6月以降は自宅に納付書が届き、普通徴収(自分で納付)となる |
| 6月~12月に育休開始 | 特別徴収(給与天引き)を継続するか、普通徴収に切り替えるかを会社と相談。普通徴収に切り替える場合は、自宅に納付書が届く |
普通徴収に切り替えた場合、住民税は年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納付します。一括払いも可能です。
支払いが困難な場合の猶予制度
育休中で収入が減り、住民税の支払いが困難な場合は、市区町村の窓口に相談しましょう。
一時的に納税が困難と認められた場合、以下のような対応が可能です。
- 納税の猶予(最長1年間)
- 分割納付
- 減免措置(自治体によっては適用される場合がある)
ただし、猶予が認められた場合でも、延滞金が発生する可能性があります。また、無断で滞納すると督促状が届き、最悪の場合は財産の差し押さえが行われます。
支払いが難しいと感じたら、早めに市区町村の税務課に相談することが大切です。
国民年金保険料(第3号被保険者になれる場合は免除)
会社員が育休を取得する場合、通常は厚生年金保険に加入したまま保険料が免除されるため、国民年金保険料を支払う必要はありません。
ただし、以下のケースでは注意が必要です。
【育休終了後に退職した場合】
退職後、配偶者の扶養に入れば「第3号被保険者」となり、国民年金保険料の負担はありません。扶養に入らない場合は、「第1号被保険者」となり、自分で国民年金保険料(月額16,980円、2026年度)を納付する必要があります。
【自営業者が育休を取得した場合】
自営業者は厚生年金ではなく国民年金に加入しているため、育休中でも国民年金保険料の納付義務があります。ただし、収入が減った場合は、保険料の免除・納付猶予制度を利用できる可能性があります。
11. まとめ:非課税のメリットを最大限活用しよう
育児休業給付金の非課税制度について、重要なポイントをまとめます。
育児休業給付金は完全非課税
育児休業給付金は、雇用保険法第12条により明確に非課税と規定されています。所得税も住民税も一切かからず、受け取った金額がそのまま手元に残ります。
同様に、出生時育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金、出産手当金、出産育児一時金もすべて非課税です。
年末調整・確定申告での注意点
育児休業給付金は年末調整や確定申告で申告する必要はありません。むしろ、誤って申告してしまうと課税対象として扱われる可能性があるため、申告しないことが正しい対応です。
ただし、年の途中まで働いていた場合や復職した場合など、給与収入がある場合は、その給与部分について年末調整または確定申告が必要です。
配偶者控除の活用で世帯の税負担を軽減
育児休業給付金は合計所得金額に含まれないため、給与収入が103万円以下であれば配偶者控除の対象になります。
配偶者が配偶者控除(最大38万円)を適用することで、世帯全体の税負担を軽減できます。育休を取得した年だけでも活用する価値があります。
安心して育児に専念できる制度設計
育児休業給付金が非課税であることに加えて、社会保険料免除、2025年4月からの給付率引き上げ(手取り10割相当)など、働く人が安心して育児休業を取得できる制度が整備されています。
これらの制度を正しく理解し、最大限活用することで、経済的な不安を軽減し、安心して育児に専念できる環境を作ることができます。
育児休業給付金の非課税制度は、単に税金がかからないだけでなく、配偶者控除が受けられる、保育料が上がらない、住民税の計算に影響しないなど、さまざまなメリットがあります。これらのメリットを知らずに損をしないよう、ぜひこの記事の内容を活用してください。
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