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育児休業給付金と扶養の関係|受給しながら配偶者控除を受ける方法

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コラム







育児休業給付金と扶養の関係を完全解説|受給しながら配偶者控除を受ける方法

育児休業給付金を受給していると「配偶者の扶養に入れないのでは?」と不安になりますよね。産休・育休中は収入が減るため、税制上の配偶者控除や社会保険の扶養制度を活用できれば、家計の負担を大きく軽減できます。

結論から言うと、育児休業給付金は非課税のため、扶養の判定には一切影響しません。つまり、給付金を受給しながら配偶者の扶養に入ることが可能なのです。

この記事では、育児休業給付金と扶養の関係について、税制上の扶養と社会保険上の扶養の違い、具体的な年収条件、手続き方法まで、2026年1月時点の最新情報をもとに徹底解説します。知らないと損する節税効果もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

育児休業給付金を受給していても扶養に入れる?【結論】

まず最初に、多くの方が気になる疑問にお答えします。

育児休業給付金を受給していても、配偶者の扶養に入ることは可能です。

なぜなら、育児休業給付金は所得税法上「非課税所得」として扱われるため、年収の計算に含まれないからです。同様に、出産手当金や出産育児一時金といった出産・育児関連の給付金も非課税となります。

つまり、育休中に月20万円の育児休業給付金を受け取っていたとしても、扶養判定上の年収はゼロ円として計算されます。このため、産休・育休前の給与収入が一定額以下であれば、配偶者控除や配偶者特別控除の対象となり、配偶者の税金を軽減できるのです。

実際に、厚生労働省の資料でも「育児休業給付金は非課税であり、配偶者控除等の所得計算には含まれない」と明記されています。安心して扶養に入る手続きを進めましょう。

「扶養」とは?税制上と社会保険上の2つの違い

「扶養に入る」と一言で言っても、実は「税制上の扶養」「社会保険上の扶養」という2つの制度があります。この違いを理解しておかないと、手続きで混乱してしまう可能性があります。

税制上の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)

税制上の扶養とは、配偶者の年収が一定額以下の場合に、納税者(主に夫または妻)が所得控除を受けられる制度です。

具体的には以下の2つの控除があります:

  • 配偶者控除:配偶者の年収が103万円以下の場合
  • 配偶者特別控除:配偶者の年収が103万円超201.6万円以下の場合

これらの控除を受けることで、納税者の所得税や住民税が軽減されます。控除額は最大38万円(70歳以上の場合は48万円)で、年間5~7万円程度の節税効果が期待できます。

重要なポイント:育児休業給付金は非課税のため、年収計算に含まれません。産休・育休前の給与収入のみで判定します。

社会保険上の扶養(健康保険・年金)

社会保険上の扶養とは、配偶者が加入している健康保険や厚生年金保険の被扶養者になることで、自分で保険料を支払わずに保険給付を受けられる制度です。

社会保険上の扶養に入る条件は、年収130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)です。

ただし、育休中は通常、自分自身が勤務先の社会保険に加入したままの状態です。育休中は社会保険料の支払いが免除されるため、わざわざ配偶者の社会保険の扶養に切り替える必要はありません。

一方、パート勤務で社会保険に加入していない方が育休を取る場合は、配偶者の社会保険の扶養に入ることで保険料負担を避けられます。

種類 年収基準 メリット 育児休業給付金の扱い
税制上の扶養 103万円以下(配偶者控除)
201.6万円以下(配偶者特別控除)
配偶者の所得税・住民税が軽減 非課税のため含まれない
社会保険上の扶養 130万円未満 健康保険料・年金保険料の負担なし 非課税のため含まれない

育児休業給付金は扶養の判定に含まれない【非課税】

何度も繰り返しになりますが、育児休業給付金は非課税所得です。これは非常に重要なポイントなので、詳しく説明します。

育児休業給付金が非課税である理由

育児休業給付金が非課税とされている理由は、育児休業を取得しやすい環境を整えるためです。給付金に課税してしまうと、手取り額が減り、育休取得をためらう人が増えてしまいます。

そのため、雇用保険法では育児休業給付金を非課税とし、所得税も住民税も一切かからないようになっています。

国税庁のホームページでも、以下のように明記されています:

「雇用保険法の規定に基づき支給される育児休業給付金は、非課税所得とされ、課税されません。また、配偶者控除や配偶者特別控除の判定における合計所得金額には含まれません。」

出典:国税庁「タックスアンサー」

他の給付金(出産手当金・出産育児一時金)も同様

育児休業給付金だけでなく、以下の給付金も非課税です:

  • 出産手当金:健康保険から支給される、産休中の所得補償(給与の約3分の2)
  • 出産育児一時金:出産時に一律50万円支給される給付金
  • 出生時育児休業給付金:産後パパ育休(出生時育児休業)取得時の給付金

これらの給付金をいくら受け取っても、扶養判定上の年収には一切影響しません。

例えば、1月から5月まで働いて給与収入が100万円、6月から12月まで育休で育児休業給付金を120万円受け取った場合、扶養判定における年収は100万円のみとなります。

育休中に扶養に入る条件【年収別】

それでは、具体的にどのような条件で扶養に入れるのかを見ていきましょう。

配偶者控除:年収103万円以下

配偶者控除は、配偶者の年収が103万円以下の場合に受けられる所得控除です。

控除額は以下の通りです:

納税者の合計所得金額 一般の控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
(70歳以上)
900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円
1,000万円超 対象外 対象外

注意点:納税者本人(配偶者控除を受ける側)の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除は適用されません。

配偶者特別控除:年収103万円超201.6万円以下

配偶者特別控除は、配偶者の年収が103万円超201.6万円以下の場合に受けられる所得控除です。

配偶者の年収が103万円を少し超えてしまっても、段階的に控除が受けられるため、「103万円の壁」を意識しすぎる必要はありません。

配偶者の年収 納税者の所得900万円以下 納税者の所得900万円超950万円以下 納税者の所得950万円超1,000万円以下
103万円超150万円以下 38万円 26万円 13万円
150万円超155万円以下 36万円 24万円 12万円
155万円超160万円以下 31万円 21万円 11万円
160万円超166.8万円以下 26万円 18万円 9万円
166.8万円超175.2万円以下 21万円 14万円 7万円
175.2万円超183.2万円以下 16万円 11万円 6万円
183.2万円超190.4万円以下 11万円 8万円 4万円
190.4万円超197.2万円以下 6万円 4万円 2万円
197.2万円超201.6万円以下 3万円 2万円 1万円
201.6万円超 対象外 対象外 対象外

※年収は給与所得者の場合。自営業の方は所得金額で判定します。

社会保険の扶養:年収130万円未満

社会保険上の扶養に入るには、年収130万円未満(月収108,333円未満)という条件があります。

ただし、前述の通り、育休中は通常、自分の勤務先の社会保険に加入したまま保険料免除を受けるため、配偶者の社会保険の扶養に入る必要性は低いです。

社会保険の扶養が関係するのは、主に以下のケースです:

  • パート勤務で社会保険に未加入の方が育休を取る場合
  • 育休後に退職し、すぐに再就職しない場合

扶養に入るメリット【節税効果】

育休中に扶養に入ることで、どれくらいの節税効果があるのでしょうか?

配偶者の所得税・住民税が軽減

配偶者控除や配偶者特別控除を受けることで、納税者(配偶者)の所得税と住民税が軽減されます。

具体的な節税額を見てみましょう。

控除額の詳細(配偶者の年収別)

【シミュレーション例】

ケース1:配偶者控除(38万円)を受ける場合

  • 妻の年収:90万円(1~4月勤務、5~12月育休)
  • 夫の年収:600万円(所得税率20%、住民税率10%)
  • 節税額:所得税 38万円×20%=76,000円、住民税 33万円×10%=33,000円
  • 合計節税額:約109,000円

ケース2:配偶者特別控除(26万円)を受ける場合

  • 妻の年収:160万円(1~6月勤務、7~12月育休)
  • 夫の年収:600万円(所得税率20%、住民税率10%)
  • 節税額:所得税 26万円×20%=52,000円、住民税 26万円×10%=26,000円
  • 合計節税額:約78,000円

年間5~7万円の節税効果

一般的に、配偶者控除や配偶者特別控除を受けることで、年間5~7万円程度の節税効果が期待できます。

育休中は収入が減って不安な時期だからこそ、使える制度はしっかり活用して、家計の負担を軽減しましょう。

また、扶養に入ることで保育料が安くなる自治体もあります。保育料は世帯の住民税額で決まるため、配偶者控除で住民税が下がれば、保育料も下がる可能性があるのです。

育休中に扶養に入る手続き方法

それでは、実際に扶養に入るための手続き方法を見ていきましょう。手続きは主に2つの方法があります。

年末調整での申請(会社員の場合)

配偶者が会社員の場合、年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除の申請ができます。

手続きの流れ:

  1. 必要書類の準備(10~11月)
    配偶者の勤務先から「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」が配布されます。
  2. 申告書への記入
    配偶者の氏名、生年月日、マイナンバー、年収見込み額などを記入します。
    注意:育児休業給付金は年収に含めず、給与収入のみを記載してください。
  3. 勤務先への提出(11月下旬~12月上旬)
    記入した申告書を配偶者の勤務先に提出します。提出期限は会社によって異なりますが、通常11月末~12月上旬です。
  4. 年末調整の完了(12月の給与)
    12月の給与で年末調整が行われ、控除が適用されます。還付金がある場合は12月または1月の給与に上乗せされます。

よくある失敗:育児休業給付金を年収に含めてしまうと、控除を受けられなくなる可能性があります。必ず給与収入のみで計算しましょう。

確定申告での申請(自営業・年末調整できない場合)

以下の場合は、確定申告で配偶者控除・配偶者特別控除を申請します:

  • 配偶者が自営業者の場合
  • 年末調整で申告を忘れた場合
  • 年末調整後に育休に入った場合

手続きの流れ:

  1. 確定申告書の準備(1~2月)
    税務署で確定申告書を入手するか、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でオンライン作成します。
  2. 配偶者控除額の計算
    あなたの年収と配偶者の年収をもとに、控除額を計算します。
  3. 確定申告書の提出(2月16日~3月15日)
    税務署に直接提出するか、e-Taxでオンライン提出します。
  4. 還付金の受け取り(1~2ヶ月後)
    確定申告で控除を受けた場合、還付金が指定口座に振り込まれます。

必要書類と提出期限

年末調整の場合:

  • 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
  • 提出期限:11月末~12月上旬(会社により異なる)

確定申告の場合:

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(給与所得がある場合)
  • 配偶者のマイナンバーがわかるもの
  • 提出期限:2月16日~3月15日

重要:過去に申告を忘れていた場合でも、5年以内であれば「更正の請求」で還付を受けられます。諦めずに手続きしましょう。

扶養手当(家族手当)ももらえる可能性

税制上の扶養とは別に、扶養手当(家族手当)という制度もあります。

会社員の扶養手当

民間企業の場合、扶養手当は法定外の福利厚生です。つまり、会社が独自に設けている制度なので、すべての会社にあるわけではありません。

扶養手当の相場は、配偶者1人あたり月5,000円~20,000円程度です。子どもがいる場合は、さらに1人あたり3,000円~10,000円が加算されることが多いです。

育休中でも扶養手当を受け取れるかどうかは、会社の規定によります。年収制限が設けられている場合もあるので、人事部や総務部に確認しましょう。

公務員の扶養手当(年収130万円未満)

公務員の場合、扶養手当は制度として存在します。

国家公務員の扶養手当(2026年1月時点):

  • 配偶者:月6,500円
  • 子(1人目):月10,000円
  • 子(2人目以降):月5,000円

ただし、配偶者の年収が130万円以上の場合、扶養手当の対象外となります。育児休業給付金は年収に含まれないため、給与収入が130万円未満であれば、扶養手当を受け取れます。

地方公務員の場合は、自治体ごとに金額や条件が異なるため、所属する自治体の規定を確認してください。

育休中の扶養に関するよくある質問

育休中の扶養について、よく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 育児休業給付金を受給すると扶養から外れる?

A. いいえ、外れません。

育児休業給付金は非課税所得のため、扶養判定には一切影響しません。月20万円の給付金を受け取っていても、扶養判定上の収入はゼロ円です。

ただし、育休中に会社から給与が支払われた場合は、その給与は年収に含まれます。給与と給付金を合わせて受け取っている場合は、給与部分のみで扶養判定を行います。

Q2. 産休中と育休中で扶養の条件は違う?

A. 条件は同じです。

産休中に受け取る出産手当金も、育休中に受け取る育児休業給付金も、どちらも非課税所得です。扶養判定の条件に違いはありません。

産休・育休を通して、給与収入が103万円以下(または201.6万円以下)であれば、配偶者控除・配偶者特別控除の対象となります。

Q3. 復帰した年はどうなる?

A. 復帰した年の年収次第で判定されます。

例えば、2026年10月に職場復帰した場合、2026年1月~12月の給与収入(育児休業給付金を除く)で扶養判定が行われます。

復帰後の給与が多く、年収が103万円や201.6万円を超える場合は、その年の配偶者控除・配偶者特別控除は受けられません。

ただし、時短勤務で復帰する場合は、年収が基準内に収まる可能性があります。復帰時期と勤務形態を考慮して、計画的に扶養を活用しましょう。

Q4. 年の途中で育休に入った場合の計算方法は?

A. その年の1月~12月の給与収入で計算します。

【計算例】

2026年5月末に育休に入った場合:

  • 1月~5月の給与収入:90万円
  • 6月~12月の育児休業給付金:100万円(非課税のため計算に含めない)
  • 扶養判定上の年収:90万円
  • →103万円以下のため、配偶者控除(38万円)の対象

このように、育休に入った月や給付金の額に関わらず、その年の給与収入のみで判定します。

まとめ:育児休業給付金を受給しながら扶養に入って節税しよう

育児休業給付金と扶養の関係について、重要なポイントをまとめます。

【この記事の重要ポイント】

  • 育児休業給付金は非課税のため、扶養判定には一切影響しない
  • 給付金を受給しながら配偶者の扶養に入ることが可能
  • 配偶者控除・配偶者特別控除で年間5~7万円程度の節税効果
  • 年収103万円以下で配偶者控除、201.6万円以下で配偶者特別控除
  • 手続きは年末調整または確定申告で簡単にできる
  • 会社の扶養手当や公務員の扶養手当も受け取れる可能性がある

育休中は収入が減って不安な時期ですが、使える制度をしっかり活用することで、家計の負担を軽減できます。

特に、育児休業給付金が非課税であることを知らずに、扶養に入らないまま過ごしてしまうのは非常にもったいないです。年末調整の時期になったら、配偶者の年収を確認し、該当する場合は必ず申告しましょう。

また、過去5年以内であれば、確定申告(更正の請求)で遡って還付を受けることも可能です。「去年は申告し忘れた…」という方も、諦めずに手続きしてください。

育児は経済的にも精神的にも大変な時期です。でも、あなたは一人ではありません。こうした制度を上手に活用しながら、子育てと仕事を両立していきましょう。

この記事が、あなたの育休生活を少しでも楽にするお役に立てれば幸いです。


参考文献・出典:

  • 厚生労働省「育児休業給付について」
  • 国税庁「タックスアンサー No.1191 配偶者控除」
  • 国税庁「タックスアンサー No.1195 配偶者特別控除」
  • 厚生労働省「雇用保険法」

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