育児休業給付金の申請は「会社」が行うのが原則
結論からお伝えすると、育児休業給付金の申請は、原則として会社(事業主)がハローワークに行います。あなた自身がハローワークに出向く必要は基本的にありません。
「え、じゃあ私は何もしなくていいの?」と思うかもしれませんが、それは大きな誤解です。会社に任せきりにしていると、思わぬトラブルで給付金の振込が遅れたり、最悪の場合は申請漏れで受給できなくなるケースもあります。
この記事では、会社での申請手続きの流れと、あなた自身がやるべきこと、そして「会社任せ」のリスクと対策まで、2026年1月時点の最新情報でお伝えします。
なぜ会社が代わりに申請するの?
育児休業給付金の申請には、あなたの賃金情報や出勤記録など、会社が管理している情報が必要になります。そのため、会社が書類を作成してハローワークに提出する方がスムーズなんですね。
具体的には、以下のような会社でしか作成できない書類があります。
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(あなたの賃金情報を証明する書類)
- 賃金台帳、出勤簿、タイムカードの写し
これらは会社の人事・総務部門が保管しているものなので、あなたが自分で用意するのは現実的ではありません。
自分で申請することも可能(ただし現実的には難しい)
法律上は、あなた自身がハローワークに直接申請することも認められています。ただし、その場合でも会社に書類作成や証明をお願いする必要があるため、完全に一人で手続きを完結させることはできません。
「会社が対応してくれない」「人事担当者がいない」といった特殊な事情がある場合は、自分で申請する選択肢もありますが、基本的には会社にお願いするのがベストです。
💡 ポイント
育児休業給付金の申請は会社がやってくれますが、「丸投げ」は禁物。自分でも手続きの流れを把握して、必要な書類を期限内に提出することが大切です。
会社での申請手続きの流れ|全体スケジュールを把握しよう
「会社がやってくれる」とは言っても、いつ、何が行われるのか把握しておかないと不安ですよね。ここでは、申請の全体像をタイムラインで解説します。
【初回】育休開始〜4ヶ月以内にやること
育児休業がスタートしたら、会社は以下の手続きを行います。
📋 初回申請で会社が行うこと
| 手続き | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 受給資格確認 | あなたが給付金を受け取る資格があるかをハローワークに確認 | 育休開始日から4ヶ月を経過する日の属する月の末日まで |
| 初回支給申請 | 最初の2ヶ月分の給付金を申請 | 受給資格確認と同時に行うのが一般的 |
たとえば、5月15日に育休が始まった場合、初回申請の期限は9月末日になります。
初回申請が完了すると、ハローワークから「育児休業給付金支給決定通知書」が届きます。これには次回の申請期限も記載されているので、届いたら必ず確認してください。
【2回目以降】2ヶ月ごとの継続申請
初回の申請が終わったら、その後は2ヶ月ごとに継続申請を行います。これも原則として会社が行います。
2回目以降の申請で必要な書類は以下の2つです。
- 育児休業給付金支給申請書(ハローワークから届く)
- 賃金台帳、出勤簿などの写し(会社が用意)
申請のたびにハローワークから「次回支給申請日指定通知書」が届くので、会社はそれに従って手続きを進めます。
⚠️ 要注意
2回目以降の申請も期限があります。指定された期限に間に合わなくても「支給対象期間の初日から4ヶ月を経過する日の属する月の末日まで」であれば申請可能ですが、遅れると給付金の振込も遅れます。
2025年4月からの新制度「出生後休業支援給付金」も会社経由で申請
2025年4月から、新たに「出生後休業支援給付金」がスタートしています。これは夫婦ともに14日以上の育休を取得すると、最大28日間、給付率が67%から80%(手取り10割相当)にアップする制度です。
この出生後休業支援給付金も、育児休業給付金と同様に会社経由でハローワークに申請します。申請の際には「配偶者の被保険者番号」などの情報が必要になるので、夫婦で情報を共有しておきましょう。
詳しくは以下の記事で解説しています。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金80%引き上げはどうなった?2025年4月実施の全詳細
自分で準備すべき書類と会社に任せる書類
「会社に任せる」と言っても、あなた自身が用意しなければならない書類もあります。ここをしっかり押さえておかないと、手続きが滞る原因になります。
あなたが用意するもの一覧
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 母子健康手帳のコピー | 表紙と出生届出済証明のページ |
| 振込先口座の通帳コピー | 金融機関名・支店名・口座番号・名義が分かるページ |
| マイナンバー関連書類 | 会社によって対応が異なる場合あり |
これらの書類は、産休に入る前に会社に渡しておくのがベストです。産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、書類の準備に時間を取れないことが多いからです。
会社が用意・作成するもの一覧
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 | あなたの休業前6ヶ月間の賃金情報を証明 |
| 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書 | 会社がハローワークから取り寄せ、必要事項を記入 |
| 賃金台帳・出勤簿・タイムカードの写し | 賃金や勤務状況を証明するため |
【要注意】同意書への署名が必要になるケース
2回目以降の申請では、本来あなたの署名が必要な「育児休業給付金支給申請書」を会社が代行して提出することがあります。
この場合、事前に「記載内容に関する確認書・申請等に関する同意書」に署名しておくことで、毎回の署名を省略できます。会社からこの同意書への署名を求められたら、内容を確認の上、対応しましょう。
詳しい記入例は以下の記事で解説しています。
▶ あわせて読みたい:【2025年最新】育児休業給付金の同意書とは?書き方・記入例から提出方法まで徹底解説
会社への確認ポイント|産休前にこれだけは聞いておこう
会社に任せるとは言っても、事前に確認しておくべきことがあります。特に「うちの会社、育休取得の前例がない…」という方は要チェックです。
確認すべき5つの質問
産休に入る前に、人事・総務担当者に以下の質問をしておきましょう。
✅ 会社に確認しておくべき5つの質問
- 「育児休業給付金の申請は会社でやっていただけますか?」
→原則として会社が行いますが、念のため確認 - 「私が用意すべき書類は何ですか?いつまでに渡せばいいですか?」
→母子手帳コピー、通帳コピーなど。期限も確認 - 「申請のスケジュール(いつ申請していつ振り込まれるか)を教えてください」
→初回の振込目安を把握しておくと安心 - 「申請書類への署名が必要な場合、どのように連絡いただけますか?」
→郵送?メール?連絡方法を決めておく - 「申請が完了したら、通知書のコピーをいただけますか?」
→支給決定通知書で進捗を確認できる
これらを産休前にクリアにしておくと、育休中に「あれ、どうなってるんだろう…」と不安になることを防げます。
小規模企業・育休取得実績がない会社の場合
従業員が少ない会社や、育休取得の前例がない会社では、人事担当者も手続きに慣れていない可能性があります。
そんな場合は、以下のような対応をおすすめします。
- 厚生労働省のパンフレットを一緒に確認する
- 「困ったらハローワークに聞いてください」と伝えておく
- 申請期限を自分でも把握し、リマインドする
会社の担当者も初めてで不安なはず。「一緒に確認しましょう」というスタンスで協力すると、スムーズに進むことが多いです。
「会社任せ」のリスクと自分でできる対策
ここまで読んで「会社がやってくれるなら安心」と思った方、ちょっと待ってください。会社に任せきりにすることで起こりうるトラブルも知っておきましょう。
申請が遅れると給付金の振込も遅れる
育児休業給付金は、申請してから約2週間〜1ヶ月程度で振り込まれます。逆に言えば、会社の申請が遅れれば、その分だけ振込も遅くなります。
「育休に入ったのに、3ヶ月経っても給付金が振り込まれない…」というケースの多くは、会社の申請が遅れていることが原因です。
初回の給付金がもらえるのは、早くても育休開始から3ヶ月後くらいが目安。それまでの生活費は貯金でカバーする必要があるので、心の準備をしておきましょう。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金の初回が遅すぎる!いつもらえる?遅れる理由と対処法を完全解説
最悪のケース:申請忘れで給付金がもらえない?
信じたくないですが、会社が申請を忘れていたというケースも実際に起こっています。
育児休業給付金には申請期限があり、原則として期限を過ぎると受給できなくなります。ただし、2年間の時効期間内であれば遡って申請可能なので、気づいた時点ですぐに対処すれば間に合う可能性があります。
とはいえ、「会社のミスで給付金がもらえなかった」となれば、精神的にも経済的にも大きなダメージ。そうならないためにも、自分でも進捗を確認することが大切です。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金で会社のミス発覚!対処法と請求方法を完全解説〖2025年最新版〗
自分でできる進捗確認チェックリスト
📋 育休中に確認すべきチェックリスト
| タイミング | 確認すること |
|---|---|
| 育休開始から2ヶ月後 | 「初回申請は完了しましたか?」と会社に確認 |
| 初回振込予定日 | 口座に振り込まれているか確認 |
| 支給決定通知書が届いたら | 支給額と次回申請期限を確認 |
| 2ヶ月ごと | 継続申請の進捗を確認 |
「催促しているみたいで気が引ける…」と思うかもしれませんが、あなたの生活に関わる大切なお金です。遠慮せずに確認しましょう。
会社が申請してくれない・対応が遅い場合の対処法
残念ながら、「会社に頼んでいるのに、なかなか動いてくれない」というケースもあります。そんな時の対処法を解説します。
まずは人事・総務に状況確認
まずは冷静に、人事・総務担当者に状況を確認しましょう。
📧 問い合わせメール例
お忙しいところ恐れ入ります。
育児休業給付金の申請について確認させてください。
育休開始日:○月○日
初回申請期限:○月末日
申請手続きの進捗状況を教えていただけますでしょうか。
また、私の方で追加で必要な書類等があればお知らせください。
このように、期限を明記して連絡すると、担当者も優先度を把握しやすくなります。
それでも動かない場合はハローワークに相談
何度連絡しても会社が動いてくれない場合は、管轄のハローワークに相談しましょう。
ハローワークでは、以下のような相談ができます。
- 申請手続きの進め方についてのアドバイス
- 会社への働きかけ(必要に応じて)
- 自分で申請する場合の方法
ハローワークの窓口で「育児休業給付金の申請について相談したい」と伝えれば、担当者が対応してくれます。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金のハローワーク問い合わせ完全ガイド|電話番号・窓口・相談内容を徹底解説〖2026年最新版〗
自分で直接申請する方法
会社がどうしても対応してくれない場合、あなた自身がハローワークに直接申請することも可能です。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 賃金月額証明書など、会社でないと作成できない書類がある
- 会社の協力が完全にゼロだと手続きは困難
- まずはハローワークに相談し、必要な書類と手順を確認する
「会社が非協力的で困っている」という状況をハローワークに伝えれば、具体的な対処法をアドバイスしてもらえます。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金の申請書が会社から来ない時の対処法完全ガイド〖2025年最新版〗
よくある質問
申請期限を過ぎたらどうなる?
原則として、申請期限を過ぎると給付金は受け取れません。ただし、2年間の時効期間内であれば、遡って申請することが可能です。
たとえば、2024年6月分の給付金の申請を忘れていた場合、2026年6月末までなら申請できます。期限を過ぎていることに気づいたら、すぐに会社またはハローワークに相談しましょう。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金の申請期限はいつまで?過ぎたらどうなる?完全ガイド
会社を退職したら給付金は返還が必要?
育休中に退職することになっても、すでに受け取った給付金を返還する必要はありません。ただし、退職日以降は給付金を受け取ることができなくなります。
なお、育児休業給付金はあくまで「職場復帰を前提とした制度」なので、育休開始時点で退職が決まっている場合は受給できません。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金は退職後どうなる?返還義務や失業保険を徹底解説〖2025年最新版〗
延長申請も会社経由?
はい、延長申請も原則として会社経由で行います。
ただし、2025年4月から延長手続きが厳格化されており、以下の書類が必要になりました。
- 入所保留通知書(市区町村が発行)
- 保育所等の利用申込書の写し
- 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書
保育所の申し込みをする際は、必ず申込書のコピーを保管しておいてください。これがないと延長が認められない可能性があります。
▶ あわせて読みたい:育児休業給付金の延長申請はいつまで?2025年新ルールと手続き完全ガイド
まとめ|会社と連携しながら確実に受給しよう
育児休業給付金の申請は原則として会社が行いますが、「会社任せ」にしていると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
📝 この記事のポイント
- 申請は原則会社がハローワークに行う(自分で行くことも可能だが現実的には難しい)
- 自分で用意する書類(母子手帳コピー、通帳コピー等)は産休前に渡しておく
- 産休前に会社に「5つの質問」をして、手続きの流れを確認しておく
- 会社任せにせず、申請の進捗は自分でも確認する
- 会社が動いてくれない場合はハローワークに相談
育休中は赤ちゃんのお世話で忙しく、なかなか事務手続きに気が回らないもの。だからこそ、産休前の準備と、会社との連携が大切です。
この記事が、あなたの育児休業給付金の申請がスムーズに進む助けになれば幸いです。
▶ 給付金の計算シミュレーションはこちら:産休育休自動計算ツール
▶ もっと詳しく知りたい方はこちら:〖2026年最新版〗育児休業給付金の申請完全ガイド|手続きの流れ・必要書類・記入例まで徹底解説


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