育児休業給付金の算定期間は「育休開始前6ヶ月」が基本
「育児休業給付金っていくらもらえるんだろう?」と調べていると、算定期間という言葉に出会いますよね。
結論から言うと、育児休業給付金の算定期間は「育休開始日の前日から遡った6ヶ月間」です。この期間にもらっていた給与をもとに、あなたの給付額が決まります。
算定期間とは?賃金日額を決める給与の期間
育児休業給付金の支給額は、次の計算式で決まります。
支給額 = 賃金日額 × 支給日数 × 67%(または50%)
この「賃金日額」を計算するために使われるのが算定期間です。具体的には、育休開始前の6ヶ月間に支払われた給与の総額を180で割って算出します。
つまり、算定期間に含まれる月の給与が高ければ給付金も増え、低ければ給付金も減るということ。だからこそ「どの月が算定に入るの?」が気になりますよね。
なぜ「6ヶ月」なのか?制度の仕組みを簡単に
雇用保険の給付金は、基本的に「直近の給与実績」をもとに計算されます。失業手当も同じ考え方ですね。
育児休業給付金の場合、育休に入る直前の働いていた時期の給与を使うことで、「育休前にどのくらい稼いでいたか」を反映した金額が支給される仕組みになっています。
ただし、すべての月が単純に算定に入るわけではありません。次の章で「除外されるケース」を見ていきましょう。
算定期間から除外されるケース一覧
「育休前6ヶ月」と言っても、すべての月がそのまま算定に使われるわけではありません。以下のケースに該当する月は、算定期間から除外され、さらに前の月に遡って計算されます。
賃金支払基礎日数が11日未満の月
その月の「賃金支払基礎日数」が11日未満の場合、算定期間には含まれません。
賃金支払基礎日数とは、簡単に言えば「給与計算の対象になった日数」のこと。欠勤や遅刻早退で日数が減ると、11日を下回ることがあります。
💡 ポイント
11日未満の月は算定から外れるため、その月の低い給与が計算に使われることはありません。逆に言えば「給与が低かった月がスキップされる」可能性もあるということです。
11日未満の月がある場合の詳しい計算方法は、こちらの記事で解説しています。
▶ 育児休業給付金で11日未満の月がある場合の計算方法を完全解説|賃金日額の算定ルールと注意点〖2026年最新版〗
産前産後休業中の月
産休(産前6週間・産後8週間)の期間は、当然ながら働いていないので給与が発生しません。そのため、産休期間は算定期間から自動的に除外されます。
つまり、「育休開始前6ヶ月」と言っても、産休期間を飛ばしてさらに前に遡ることになります。
📌 具体例
産後8週間の産休を経て育休に入る場合、算定期間は「産休に入る前の6ヶ月間」になります。出産直前まで働いていた月の給与が計算に使われるイメージです。
傷病手当金を受給していた月
つわりや切迫流産などで休職し、傷病手当金を受給していた期間がある場合、その月も算定から除外される可能性があります。
傷病手当金を受給しているということは、その期間は給与が出ていない(または大幅に減っている)状態。賃金支払基礎日数が11日未満になっていれば、算定対象外となります。
「つわりで休んでいた月が算定に入ると、給付金が減っちゃう?」と心配される方も多いですが、11日未満であれば除外されるので、必要以上に不安にならなくて大丈夫です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
▶ つわり傷病手当で育児休業給付金が減る?支給額への影響と対処法を完全解説
育休取得中の月(2人目以降の場合)
1人目の育休中に2人目を妊娠・出産した場合、1人目の育休期間は算定から除外されます。
この場合、さらに前(1人目の産休前)まで遡って算定期間を探すことになります。最大で4年間まで遡れる制度があるので、「1人目の育休中ずっと働いていないから給付金がもらえない」ということにはなりません。
▶ 育児休業給付金の4年遡り申請の条件とは?過去分の給付金を受け取る方法を完全解説
よくある「困った!」パターン別の算定期間
ここからは、実際によくある「私の場合はどうなるの?」というパターン別に解説します。
つわりで欠勤が多かった場合
妊娠初期につわりがひどく、欠勤や遅刻早退が多かった方は「その月の給与が低いから、給付金も減る?」と心配されることが多いです。
結論:11日未満なら算定から外れるので、給付金には影響しません。
ただし、11日以上出勤していた場合は算定に含まれます。その場合でも、残りの5ヶ月分の給与と平均化されるので、1ヶ月だけ低くても大きな影響は出にくい傾向です。
転職して1年未満の場合
「転職してまだ8ヶ月しか経っていないけど、6ヶ月分の給与がない…」というケースもありますよね。
この場合、今の会社での勤務期間分の給与で算定されます。例えば転職後8ヶ月であれば、その8ヶ月の中で11日以上働いた月の給与が対象になります。
なお、育児休業給付金を受給するには「育休開始前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間」が必要ですが、これは前職の期間も通算できます。算定期間と受給資格は別の話なので、混同しないように注意してください。
▶ 転職1年未満でも育児休業給付金はもらえる!条件と手続きを完全解説
パート勤務で月によって出勤日数がバラバラな場合
パートやアルバイトの方で、月によって出勤日数が大きく異なる場合、「11日以上」の月だけが算定に使われます。
例えば、6ヶ月間のうち3ヶ月が11日以上、3ヶ月が11日未満だった場合、11日以上の3ヶ月分の給与をもとに計算されます。
⚠️ 注意
パートの方でも雇用保険に加入していれば育児休業給付金の対象になります。「パートだからもらえない」と諦めずに、まずは受給条件を確認してみてください。
▶ 育児休業給付金はパートでももらえる!受給条件・計算方法・申請手続きを完全解説〖2026年最新版〗
算定期間を自分で確認する方法
「自分の算定期間がいつからいつまでか知りたい」という方のために、確認手順を3ステップで紹介します。
ステップ①:育休開始日を特定する
まず、あなたの育休開始日を確認しましょう。一般的には、出産日から8週間後(産後休業終了の翌日)が育休開始日になります。
出産予定日をもとに計算したい場合は、こちらのツールが便利です。
ステップ②:6ヶ月分の給与明細を遡る
育休開始日の前日から、月単位で6ヶ月分を遡ります。この期間に受け取った給与明細を用意してください。
ただし、産休期間は飛ばして計算する必要があります。例えば産休が約3ヶ月間あった場合、実質的には「産休に入る前の6ヶ月分」を確認することになります。
ステップ③:除外月がないかチェックする
用意した6ヶ月分の給与明細を見て、以下に該当する月がないか確認します。
- 賃金支払基礎日数が11日未満の月
- 傷病手当金を受給していた月(給与がゼロまたは大幅減の月)
- その他、欠勤等で給与が通常より大幅に少ない月
該当月があれば、さらに前の月に遡って「11日以上働いた月」を6ヶ月分揃えるイメージです。
正確な算定期間は最終的にハローワークが判断しますが、自分である程度の見通しを立てておくと、「思っていた金額と違う!」という事態を防げます。
算定期間が足りない場合はどうなる?
最低12ヶ月の被保険者期間は別の話
よく混同されるのが「算定期間」と「受給資格に必要な被保険者期間」です。
- 算定期間:給付額を計算するための6ヶ月間
- 被保険者期間:受給資格を得るために必要な12ヶ月間
受給資格のための12ヶ月は、育休開始前2年間(最大4年間まで延長可能)の中で「11日以上働いた月が12ヶ月以上」あれば満たされます。前職の期間も通算可能です。
一方、算定期間はあくまで「直近の給与で賃金日額を計算するための期間」なので、6ヶ月に満たなくても計算自体は行われます。
算定対象月が6ヶ月に満たないケースの扱い
転職直後などで算定対象となる月が6ヶ月に満たない場合、その期間分の給与で賃金日額が計算されます。
例えば、転職後4ヶ月で産休に入った場合、その4ヶ月分の給与をもとに計算されます。「6ヶ月分ないから計算できない」ということにはなりません。
ただし、月数が少ないと1ヶ月あたりの給与の変動が賃金日額に大きく影響しやすいので、残業が多かった月・少なかった月のバラつきが反映されやすい点は知っておきましょう。
まとめ:算定期間を把握して給付額の見通しを立てよう
育児休業給付金の算定期間について、ポイントをおさらいします。
- 算定期間は「育休開始前の6ヶ月間」(産休期間は除外して遡る)
- 11日未満の月は算定から除外される
- つわり・傷病手当金の期間も、11日未満なら除外
- 転職直後で6ヶ月分なくても、その期間分で計算される
- 「算定期間」と「受給資格の被保険者期間」は別物
自分の給付額がいくらになるか気になる方は、まず給与明細を用意して算定対象になる月を確認してみてください。
育児休業給付金の計算方法や、具体的なシミュレーションについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 〖2026年最新版〗育児休業給付金の計算方法を完全解説|給与別シミュレーションと受給額早見表
制度の詳細や最新情報については、ハローワーク公式サイトや厚生労働省の育児休業給付ページもあわせてご確認ください。



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