育児休業給付金の支給額には上限(限度額)と下限が設定されています。「自分の給与だと上限に引っかかるの?」「引っかかると、いくら損するの?」と不安な方も多いですよね。
結論からお伝えすると、賃金日額16,110円(月収でおおよそ48万円以上)の方は上限額が適用され、給与がいくら高くても支給額は一定額で頭打ちになります。この記事では、厚生労働省の最新パンフレット(令和7年8月1日改訂版)をもとに、2026年時点の限度額・下限額、そして「自分が上限に引っかかるか」を自分で判定する手順まで、まとめて確認できます。
【重要】2026年8月1日に限度額が改定される見込みです
育児休業給付金の限度額は毎年8月1日に見直されます。本記事に記載の金額は2025年8月1日改定分(2026年7月31日まで適用)です。2026年8月1日以降の新しい金額は、例年どおり7月末〜8月頭に厚生労働省の告示で公表される見込みで、本記事執筆時点では未公表(要確認)です。8月以降に育休を開始する方は、必ず厚生労働省の公式ページで最新額をご確認ください。
育児休業給付金の限度額〖2026年最新〗
まずは、限度額の全体像を数字で押さえておきましょう。育児休業給付金は「育休開始〜180日目までは賃金の67%」「181日目以降は50%」が支給されますが、そのどちらにも上限額・下限額があります。
支給上限額と下限額の一覧表
2025年8月1日に改定された最新の限度額は以下のとおりです(2026年7月31日まで適用/出典:厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続」令和7年8月1日改訂版)。
| 区分 | 支給上限額(月額) | 支給下限額(月額) |
|---|---|---|
| 育休開始〜180日目(給付率67%) | 323,811円 | 60,581円 |
| 181日目以降(給付率50%) | 241,650円 | 45,210円 |
収入が高い方は上限額で頭打ちになり、逆に収入が少ない方や短時間勤務だった方は下限額が保証されます。つまり「賃金がいくらであっても、支給額はこの範囲内に収まる」という仕組みです。
賃金日額の上限・下限とは?
育児休業給付金の計算の基礎になるのが「休業開始時賃金日額」です。これは育休開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180日で計算され、この賃金日額にも上限・下限が設けられています。
・上限額:16,110円(月額換算 483,300円)
・下限額:3,014円(月額換算 90,420円)
賃金日額が16,110円を超える場合は、一律16,110円として計算されます。上限額の内訳を見ると、次のようになります。
賃金日額 16,110円 × 30日 × 67% = 323,811円(67%時の支給上限額)
限度額は毎年8月に改定される
限度額は「毎月勤労統計」の平均定期給与額をもとに、毎年8月1日に見直されます。近年は物価・賃金水準の上昇に伴って上限額が引き上げ傾向にあり、実際に直近の推移は次のとおりです。
| 適用期間 | 賃金日額の上限 | 67%時の支給上限 | 50%時の支給上限 |
|---|---|---|---|
| 2024年8月〜2025年7月 | 15,690円 | 315,369円 | 235,350円 |
| 2025年8月〜2026年7月 | 16,110円 | 323,811円 | 241,650円 |
| 2026年8月〜(改定予定) | 要確認 | 要確認 | 要確認 |
2025年8月の改定では、67%時の上限額が315,369円から323,811円へと約8,400円アップしました。適用される限度額は「育休を開始した時期」で決まるため、8月をまたいで育休に入る方は特に注意が必要です。
金額改定とは別に、2026年8月1日から育児休業等給付の申請手続きが一部見直されます。給付額や支給要件そのものが変わるわけではなく、事務手続きの簡素化・早期化が目的です。詳細は勤務先の担当部署または厚生労働省の案内をご確認ください。
【給与別】育児休業給付金の支給額早見表
「結局、自分はいくらもらえるの?」という疑問に答えるため、給与別の支給額の目安をまとめました。
月収20万〜50万円の支給額シミュレーション
以下は月収(額面)ごとの育児休業給付金の目安です。残業代や手当を含めた「総支給額」で確認してください。
| 月収(額面) | 育休180日目まで(67%) | 181日目以降(50%) |
|---|---|---|
| 20万円 | 134,000円 | 100,000円 |
| 25万円 | 167,500円 | 125,000円 |
| 30万円 | 201,000円 | 150,000円 |
| 35万円 | 234,500円 | 175,000円 |
| 40万円 | 268,000円 | 200,000円 |
| 45万円 | 301,500円 | 225,000円 |
| 48万円以上 | 323,811円(上限) | 241,650円(上限) |
| 50万円 | 323,811円(上限適用) | 241,650円(上限適用) |
※実際の支給額は、ハローワークに提出する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」に基づいて決定されます。上記はあくまで目安です。なお、賃金日額が下限(3,014円/月額90,420円)を下回る場合は、下限額(67%で月60,581円・50%で月45,210円)が保証されます。
より正確な金額を知りたい方は、こちらの自動計算ツールをご活用ください。
▶ 産休育休自動計算ツールで、ご自身の給付金額を簡単にシミュレーションできます。
自分が上限に引っかかるか、3ステップで判定する
年収だけでは正確に判断できません。上限に引っかかるかどうかは「賃金日額」で決まります。次の3ステップで、ご自身のケースを確認してみましょう。
ステップ1:育休開始前6か月間の「総支給額(残業代・各種手当を含む/賞与は除く)」を合計する。
ステップ2:その合計を180で割る(=休業開始時賃金日額)。
ステップ3:算出した賃金日額を16,110円と比べる。16,110円を超えていれば、上限が適用されます。
【計算例】直近6か月の総支給額が合計300万円だった場合
300万円 ÷ 180日 = 賃金日額 16,666円 → 16,110円を上回るため上限適用。
一方、合計270万円なら 270万円 ÷ 180日 = 15,000円 → 16,110円以下なので上限には達しません。
上限に引っかかる年収ラインは約580万円
賃金日額16,110円以上(月収おおよそ48万円以上)で上限が適用されます。これを年収に換算すると、おおよそ年収580万円以上(賞与除く)が目安です。
ただし、育児休業給付金の計算に賞与(ボーナス)は含まれません。あくまで毎月の給与(残業代・各種手当込み)で判断されるため、賞与の比率が高い方は、年収が高くても上限に引っかからないケースがあります。年収の数字だけで判断せず、上記の3ステップで賃金日額を確認するのが確実です。
上限に引っかかる人が知っておくべき3つのこと
「上限に引っかかると損をする」と思いがちですが、実はそこまで悲観する必要はありません。知っておくと安心できるポイントを3つ紹介します。
上限で「損する」金額はどのくらい?
仮に月収60万円の方が育休を取得した場合を計算してみましょう。
・実際の支給額:323,811円(上限適用)
・差額:約78,000円/月
1年間の育休だと、単純計算で約94万円の差額になります。金額だけ見ると大きく感じますが、次に紹介する社会保険料の免除を考慮すると、実質的な負担は軽減されます。
社会保険料免除で実質の手取り率はアップする
育休中は申請により健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。また、育児休業給付金は非課税のため、所得税・住民税もかかりません。
これにより、額面上は67%でも、実質的な手取りベースでは約8割程度になるケースが多いです。
・通常勤務時の手取り:約32万円(社会保険料・税金控除後)
・育休中の給付金:約26.8万円(67%支給・非課税)
・実質の手取り率:約84%
育休中の家計対策のポイント
上限に引っかかる高収入世帯ほど、育休中の収入減に備えた準備が重要です。
・固定費の見直し(保険、サブスクリプション等)
・夫婦で育休を取得し、出生後休業支援給付金で手取り10割相当を活用する
育児休業給付金がもらえない、または足りないケースでお困りの方は、以下の記事も参考にしてください。
▶ 育児休業給付金がもらえない時の対処法|生活できない不安を解消する完全ガイド
手取り10割になる「出生後休業支援給付金」の上限額
2025年4月から始まった新制度により、条件を満たせば最大28日間、手取り10割相当の給付を受けられるようになりました。ここでは「限度額」に関わる要点だけを整理します。制度の詳しい条件や申請方法は、専用記事で解説しています。
出生後休業支援給付金とは?(要点)
出生後休業支援給付金は、育児休業給付金(67%)に上乗せして13%が支給される制度です。
・出生後休業支援給付金:13%
・合計:80%(額面ベース)
社会保険料の免除と非課税を合わせると、実質的に手取りの約10割相当を受け取れる計算になります。受給には原則として両親ともに14日以上の育児休業を取得することが条件で、支給対象は最大28日間です(配偶者が対象となる育休を取得できない場合やひとり親の場合は、単独取得でも支給される例外があります)。
手取り10割部分の上限額
この制度の上限額は以下のとおりです(2026年7月31日まで/賃金日額上限16,110円をもとに算出)。
| 区分 | 支給上限額(28日間) |
|---|---|
| 出生後休業支援給付金(13%) | 58,640円 |
| 出生時育児休業給付金(67%) | 302,223円 |
| 合計(80%) | 360,863円 |
この制度は夫婦で育休を取得することが前提です。パパが14日以上の育休を取ることで、ママも手取り10割相当の恩恵を受けられます。出産前に夫婦で育休取得の計画を立てておくことが、制度を最大限活かすカギになります。
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育児休業給付金の限度額に関するよくある質問
限度額は手取りベース?額面ベース?
育児休業給付金の限度額は「額面ベース」で設定されています。ただし、給付金は非課税で社会保険料も免除されるため、実際に受け取る金額は額面どおりです。働いていた時の「手取り」と比較する場合は、この点を考慮して計算してください。
ボーナス(賞与)は計算に含まれる?
含まれません。育児休業給付金の計算基礎となる「休業開始時賃金日額」は、毎月の給与のみで計算されます。賞与や一時金、退職金は対象外です。ただし、年俸制でボーナスが毎月の給与に含まれている場合は計算に含まれることがあります。詳しくはハローワークに確認してください。
2人目の育休でも限度額は同じ?
はい、限度額の仕組みは同じです。ただし、計算の基礎となる「休業開始時賃金日額」は、2人目の育休開始前の給与で再計算されます。1人目の育休から時短勤務で復帰した場合、時短中の給与が計算基礎となるため、給付額が下がる可能性があります。
「支給限度額 471,393円」という数字を見たけど、これは何?
それは育児休業給付金の限度額ではなく、「育児時短就業給付」の支給限度額(2025年8月1日改定・471,393円)です。育児時短就業給付は、2歳未満の子を育てるために時短勤務を選んだ人が、減った賃金の一部(最大10%)の補償を受けられる別制度で、育児休業給付金とは仕組みが異なります。「育休中の給付」を調べている場合は、本記事の上限額(323,811円/241,650円)が該当します。混同しないようご注意ください。
2026年8月から金額が変わると聞いたけど?
限度額は毎年8月1日に改定されるため、2026年8月1日以降は金額が変わる見込みです。新しい金額は例年7月末〜8月頭に厚生労働省の告示で公表されます(本記事執筆時点では未公表・要確認)。また、金額とは別に2026年8月1日から申請手続きの一部が見直されますが、こちらは給付額や支給要件が変わるものではありません。
まとめ:限度額を把握して育休中の家計を計画しよう
育児休業給付金の限度額について、改めてポイントを整理します。
・育休180日目まで(67%)の上限額:月323,811円
・181日目以降(50%)の上限額:月241,650円
・下限額:67%で月60,581円/50%で月45,210円
・上限が適用される目安:賃金日額16,110円以上(月収約48万円・年収約580万円以上)
・出生後休業支援給付金(13%)の上限額:28日間で58,640円
・2026年8月1日に改定予定(新額は要確認)
限度額を知っておくことで、育休中の家計計画を立てやすくなります。特に高収入の方は、事前に貯蓄や固定費の見直しを検討しておくと安心です。また、賃金日額を自分で計算すれば、上限に引っかかるかどうかを正確に判断できます。
2025年4月から始まった「出生後休業支援給付金」を活用すれば、最大28日間は手取り10割相当を受け取れます。夫婦で育休を取得する計画を立てて、新制度のメリットを最大限活かしましょう。
具体的な支給額のシミュレーションは、産休育休自動計算ツールをぜひご活用ください。
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※本記事の金額は厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続」(令和7年8月1日改訂版)をもとにした2026年7月31日まで適用分です。制度は改定されるため、育休開始時の最新額は厚生労働省の公式ページでご確認ください。個別の判断は所轄のハローワークにご相談ください。



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