育児休業給付金の雇用保険条件|結論から言うと「12ヶ月」がカギ
「育児休業給付金をもらうには、雇用保険にどのくらい入っていればいいの?」
結論から言うと、育休開始前2年間で、雇用保険に加入していた月が12ヶ月以上あれば受給できます。ただし「12ヶ月」のカウント方法にはルールがあるので、この記事で詳しく解説しますね。
3つの条件を満たせば受給できる
育児休業給付金を受け取るには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
【育児休業給付金の受給条件】
- 雇用保険に加入している(被保険者である)
- 育休開始前2年間で、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある
- 育休中に働く場合、月10日以下かつ月80時間以下である
「賃金支払基礎日数が11日以上」というのは、簡単に言うと「月に11日以上働いて給料が発生した月」のこと。フルタイムで働いていれば、ほぼ毎月これを満たしていることになります。
【自己診断】あなたは条件を満たしている?簡単チェックリスト
まずは以下のチェックリストで、ざっくり自分が条件を満たしているか確認してみましょう。
✅ 簡易チェックリスト
- □ 現在、雇用保険に加入している(給与明細で「雇用保険料」が引かれている)
- □ 今の会社に1年以上勤務している、または前職と合わせて1年以上ある
- □ 月に11日以上働いている(または80時間以上働いている)
- □ 育休中は月10日・80時間以内しか働かない予定
→ 全てチェックが付けば、基本的に受給できる可能性が高いです。
「チェックできない項目がある…」という方も、まだ諦めないでください。この後詳しく解説するので、読み進めてみてくださいね。
より詳しい受給条件を確認したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▶ 育児休業給付金の支給要件を完全解説|雇用保険・勤務期間・受給条件チェックリスト付き〖2026年最新版〗
「雇用保険に12ヶ月加入」の正しいカウント方法
「12ヶ月」と聞くと単純に思えますが、実はカウント方法がちょっと複雑なんです。ここを理解しておかないと、「思っていたより足りなかった…」となりかねません。
育休開始前2年間で「賃金支払基礎日数11日以上」の月を数える
正確なルールは以下のとおりです。
【12ヶ月のカウントルール】
- 育休開始日から過去2年間を遡る
- その期間内で、賃金支払基礎日数が11日以上ある「完全月」をカウント
- 11日未満でも80時間以上働いた月はカウントできる(2020年〜)
ここで注意したいのが「完全月」という考え方。たとえば、4月15日に入社した場合、4月は「完全月」にはなりません。5月からカウントが始まります。
具体的にはこんなイメージです。
| 入社日 | カウント開始月 |
|---|---|
| 4月1日 | 4月から(4月も完全月になる) |
| 4月15日 | 5月から(4月は完全月にならない) |
産休期間は「2年間」に含まれない(最大4年まで遡れる)
「産休で働いていない期間があるから、12ヶ月に足りないかも…」と心配する方も多いですが、安心してください。
産休・病気・ケガなどで30日以上賃金が支払われなかった期間がある場合、「2年間」という期間を最大4年まで延長できます。
【例】産休を取った場合
- 育休開始日:2026年6月1日
- 産休期間:2026年4月〜5月(約2ヶ月)
- → 遡れる期間は「2年+2ヶ月」になる
- → 2024年4月頃まで遡って12ヶ月をカウントできる
つまり、産休で働けなかった期間があっても、その分だけ遡れる期間が延びるので、12ヶ月のハードルはクリアしやすくなるんです。
【具体例】転職した場合のカウント方法
「最近転職したばかりで、今の会社には1年いない…」という方も多いですよね。
大丈夫です。前職の雇用保険加入期間も通算できます。
具体例を見てみましょう。
【例】転職して6ヶ月の場合
- 前職:A社に2年勤務(雇用保険加入)
- 2025年6月末:A社を退職
- 2025年7月:B社に転職(空白期間なし)
- 2026年1月:育休開始予定(B社で6ヶ月)
→ A社の加入期間とB社の加入期間を通算できるので、12ヶ月は余裕でクリア!
ただし、通算できない場合もあるので、次の章で詳しく説明しますね。
雇用保険に入っているか確認する3つの方法
「そもそも自分が雇用保険に入っているか分からない…」という方も、意外と多いんです。特にパートや契約社員の方は、確信が持てないこともありますよね。
確認方法は3つあります。
方法1:給与明細の「雇用保険料」をチェック
一番簡単で確実な方法がこれです。
毎月の給与明細を見て、「雇用保険料」という項目で天引きされていれば、あなたは雇用保険に加入しています。
給与明細のチェックポイント
- 「控除」や「天引き」の欄を確認
- 「雇用保険」「雇用保険料」という項目があるか探す
- 金額は給与の0.6%程度(月給25万円なら約1,500円)
雇用保険料が引かれていれば、加入している証拠です。逆に引かれていなければ、加入していない可能性があります。
方法2:雇用保険被保険者証を確認する
入社時に会社から「雇用保険被保険者証」をもらっているはずです。この書類があれば、雇用保険に加入していることが分かります。
ただ、会社が保管していることも多いので、手元にない場合は人事・総務に確認してみましょう。「育休の手続きで必要なので」と言えば、すぐに出してもらえます。
方法3:ハローワークで加入履歴を照会する
「給与明細もない、被保険者証も見つからない」という場合は、ハローワークで加入履歴を照会できます。
ハローワークでの照会方法
- 持ち物:本人確認書類(運転免許証など)
- 窓口:最寄りのハローワーク
- 所要時間:約15〜30分
過去の雇用保険加入履歴をすべて確認できるので、転職歴がある方も安心です。
ハローワークへの問い合わせについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
▶ 育児休業給付金のハローワーク問い合わせ完全ガイド|電話番号・窓口・相談内容を徹底解説〖2026年最新版〗
パート・契約社員・派遣社員は対象になる?雇用形態別の条件
「正社員じゃないけど、育児休業給付金はもらえるの?」というご質問も多いです。
結論から言うと、雇用形態は関係ありません。雇用保険に加入していて、条件を満たしていれば受給できます。
パート・アルバイトの場合
パート・アルバイトでも、以下の条件を満たしていれば雇用保険に加入しているはずです。
雇用保険の加入条件(パート・アルバイト)
- 週20時間以上働いている
- 31日以上の雇用見込みがある
この条件を満たしていれば、会社には雇用保険に加入させる義務があります。「週20時間以上」働いているのに雇用保険料が引かれていない場合は、会社に確認してみてください。
契約社員・有期雇用の場合
契約社員など有期雇用の方は、追加の条件があります。
有期雇用の方の追加条件
- 子どもが1歳6ヶ月になるまでに、労働契約が満了することが明らかでないこと
つまり、「契約期間が子どもの1歳6ヶ月の誕生日より前に終わる」ことが確定している場合は、受給できない可能性があります。ただし、更新の可能性がある場合は対象になります。
不安な場合は、契約書の更新条項を確認したり、上司に「契約更新の見込み」を聞いてみましょう。
派遣社員の場合
派遣社員の場合、雇用保険は派遣会社(派遣元)で加入しています。
育児休業給付金の申請も派遣会社を通じて行うので、まずは派遣会社の担当者に相談してみてください。
注意点としては、派遣先が変わっても派遣会社が同じなら加入期間は継続されます。派遣会社を変えた場合は、転職と同じ扱いになります。
転職したばかりで不安な人へ|前職との通算ルール
「転職して半年しか経っていない」「今の会社では12ヶ月に満たない」という方、多いですよね。でも、前職の期間と通算できれば大丈夫です。
通算できる条件:空白期間が1年以内
前職と今の会社の雇用保険加入期間を通算するには、以下の条件を満たす必要があります。
通算の条件
- 空白期間が1年以内であること
- 空白期間中に失業給付(基本手当)を受けていないこと
たとえば、前職を退職してから1ヶ月後に転職した場合、空白期間は1ヶ月なので問題なく通算できます。
【注意】失業給付を受けると通算できなくなる
ここ、本当に重要です。
失業給付(いわゆる失業保険)を受け取ると、それ以前の雇用保険加入期間はリセットされます。
⚠️ 要注意ケース
- 前職を辞めた後、失業給付を受けながら転職活動をした
- → 失業給付を受けた時点で、前職の加入期間はリセット
- → 今の会社だけで12ヶ月を満たす必要がある
「退職してしばらく失業給付をもらっていた」という方は、今の会社での加入期間だけで12ヶ月あるか、改めて確認してみてください。
雇用保険と育児休業給付金の関係について、さらに詳しく知りたい方はこちら。
▶ 育児休業給付金と雇用保険の関係を完全解説【2026年最新版】|加入要件・受給条件・よくある疑問を徹底ガイド
条件を満たしていない場合の対処法
「計算してみたら、12ヶ月に足りなかった…」という方、まだ諦めないでください。対処法はあります。
育休開始日をずらして12ヶ月を確保する
もし12ヶ月まであと少しという状況なら、育休の開始日を遅らせることで条件を満たせる可能性があります。
たとえば、出産後すぐに育休を開始するのではなく、産休が終わってから1〜2ヶ月は有給休暇や欠勤で対応し、その後に育休を開始するという方法です。
ただし、これは会社との調整が必要になるので、人事担当者や上司に相談してみてください。
会社独自の育休手当がないか確認する
大企業や一部の中小企業では、雇用保険の条件を満たさない社員向けに、会社独自の育休手当を用意しているところもあります。
就業規則や福利厚生の案内を確認するか、人事部に聞いてみましょう。
自治体の支援制度を調べる
育児休業給付金がもらえない場合でも、お住まいの自治体独自の支援制度があるかもしれません。
- 出産・育児に関する給付金
- 子育て世帯向けの貸付制度
- ひとり親支援(該当する場合)
市区町村の窓口やホームページで、利用できる制度がないか調べてみてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 育休中に退職したら給付金はどうなる?
A. 退職日の前日までは受給できます。
育休中に退職しても、すでに受け取った給付金を返す必要はありません。ただし、退職日以降の給付金は受け取れなくなります。
「復帰するつもりで育休を取ったけど、事情が変わって退職することになった」という場合も、それまでの分は問題なく受け取れるので安心してください。
Q. 2人目の育休でも条件は同じ?
A. 基本的に同じ条件ですが、1人目の育休期間があるとカウント方法が変わります。
1人目の育休中は「賃金支払基礎日数11日以上」の月がないため、そのままだと12ヶ月に足りなくなる可能性があります。
ただし、育休で働けなかった期間は、前述のとおり最大4年まで遡れる期間が延長されます。1人目の育休前の勤務実績も合わせてカウントできるので、多くの場合は条件を満たせます。
Q. 男性も同じ条件で受給できる?
A. はい、男性も全く同じ条件です。
育児休業給付金に性別による違いはありません。雇用保険に加入していて、12ヶ月の条件を満たしていれば、男性も同額を受給できます。
最近は「パパ育休」を取る男性も増えています。男性の育休について詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
▶ 男性の育児休業給付金完全ガイド|受給条件・手取り10割の新制度・計算方法を徹底解説〖2026年最新版〗
まとめ|まずは給与明細で雇用保険加入を確認しよう
育児休業給付金をもらうための雇用保険の条件、整理するとこうなります。
【この記事のポイント】
- 12ヶ月の加入期間があれば受給できる(前職との通算も可能)
- 産休・病気で働けなかった期間があれば、最大4年まで遡れる
- パート・契約社員・派遣社員でも雇用保険に入っていればOK
- 失業給付を受けると前職の期間はリセットされるので注意
まずやるべきことは、給与明細を見て「雇用保険料」が引かれているか確認すること。これが確認できれば、第一関門はクリアです。
条件を満たしているか不安な場合は、ハローワークで加入履歴を照会してもらうのが確実です。「育児休業給付金の条件を満たしているか確認したい」と伝えれば、親身に対応してもらえますよ。
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※この記事の情報は2026年1月時点のものです。制度の詳細は変更される可能性があるため、最新情報は厚生労働省の公式サイトやハローワークでご確認ください。



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