「妊娠したらどんなお金がもらえる?」「出産でどんな制度が使える?」「申請漏れが怖い」――妊娠・出産にまつわる給付金・補助・控除は種類が多く、制度名を知らなければ申請もできません。
このページでは、妊娠中〜出産直後に使える主な制度を一覧で整理し、各制度の概要・申請のタイミング・申請漏れチェックリストまで解説します。
妊娠・出産でもらえるお金の全体像
妊娠・出産に関係する給付金・補助・控除は複数あります。まず全体像を把握してから、自分が対象になるものを確認しましょう。
💡 結論:妊娠・出産でもらえる主なお金は「出産育児一時金(50万円)」「出産手当金(産休中の給与補填)」「妊婦健診の費用助成」「医療費控除」「高額療養費制度」です。どれも申請しないと受け取れないため、時期ごとに確認が必要です。
制度一覧(妊娠〜出産直後)
| 制度名 | 対象時期 | 対象者 | 金額・内容 |
|---|---|---|---|
| 出産育児一時金 | 出産時 | 健康保険加入者・国保加入者 | 原則50万円 |
| 出産手当金 | 産休中 | 健康保険の被保険者(ママ) | 給与の約2/3(最大98日) |
| 妊婦健診費用助成 | 妊娠中 | 妊婦全員 | 自治体によって異なる(健診受診票で補助) |
| 医療費控除 | 確定申告時 | 年間医療費が10万円超の人 | 所得税・住民税の還付・軽減 |
| 高額療養費制度 | 入院・手術時 | 健康保険・国保加入者 | 自己負担額の上限を超えた分を払い戻し |
| 児童手当 | 出生後〜18歳まで | 子どもを養育する保護者 | 月1万〜3万円(年齢・子の数による) |
📌 注意:制度の内容・支給条件・申請期限は、加入している健康保険・勤務先・自治体・法改正によって変わる場合があります。実際に申請する際は、勤務先・自治体・健康保険組合の最新情報も確認してください。
出産育児一時金
出産育児一時金は、健康保険(社会保険・国民健康保険)に加入している方が出産した場合に支給される給付金です。2023年4月以降、支給額は原則50万円に引き上げられました。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給額 | 原則50万円(産科医療補償制度に加入していない施設での出産は48.8万円) |
| 対象者 | 健康保険(社保・国保)の被保険者・被扶養者 |
| 受け取り方 | 直接支払制度(病院が保険者から直接受け取る)または申請払い |
| 差額申請 | 出産費用が50万円未満の場合、差額を申請して受け取れる |
| 申請期限 | 出産翌日から2年以内 |
詳しくは → 出産育児一時金とは|50万円の内訳・直接支払制度・差額申請まで解説
出産手当金
出産手当金は、産休中に給与が支払われない期間について、健康保険から支給される給付金です。給与のおよそ3分の2が最大98日分(産前42日+産後56日)支給されます。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給額 | 標準報酬日額の2/3 × 支給日数 |
| 支給期間 | 産前42日(多胎は98日)+産後56日(最大98日) |
| 対象者 | 健康保険の被保険者本人(会社員・公務員など) |
| 課税 | 非課税 |
| 対象外 | 自営業・フリーランス・夫の扶養に入っている方 |
詳しくは → 出産手当金とは|いくらもらえる?計算方法・申請方法を解説
支給額を計算したい場合は → 出産手当金計算ツール
妊婦健診費用助成
妊婦健診の費用は自治体が交付する受診票(補助券)を使うことで、一定額が助成されます。受診票は母子健康手帳と一緒に交付されます。
主なポイント
- 受診票は14回分程度が交付される自治体が多い(妊娠週数に応じた回数)
- 助成額・助成回数は自治体によって異なる
- 受診票の有効期間内に使わないと助成が受けられない
- 受診票を忘れると全額自己負担になるため必ず持参する
- 受診票の対象外となる検査(4D超音波・追加血液検査など)は自費になる場合がある
💡 補足:妊婦健診の自己負担分(受診票で助成されなかった分)は医療費控除の対象になる場合があります。領収書は必ず保管しておきましょう。
医療費控除
医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合に、確定申告によって所得税・住民税が還付・軽減される制度です。妊娠・出産に関連する費用の多くが対象になります。
妊娠・出産で医療費控除の対象になる主な費用
| 対象になるもの | 対象外になるもの |
|---|---|
|
・妊婦健診費用(受診票の助成後の自己負担分) ・入院・分娩費用(自己負担分) ・通院交通費(公共交通機関) ・切迫流産・切迫早産など保険診療分 ・入院中の食事代(一部) |
・入院時の差額ベッド代 ・里帰り出産のための帰省交通費 ・入院時の衣類・日用品代 ・マタニティ用品の購入費 ・出産育児一時金で補填された分 |
詳しくは → 医療費控除|妊娠・出産で対象になる費用・確定申告の流れを解説
高額療養費制度
高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担額が一定の上限(自己負担限度額)を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。帝王切開など保険診療になるケースで特に活用できます。
出産で使えるケース・使えないケース
| 対象になるケース | 対象にならないケース |
|---|---|
|
・帝王切開(保険診療扱い) ・切迫流産・切迫早産の入院 ・妊娠高血圧症候群など合併症の治療 ・無痛分娩の一部(保険診療部分) |
・正常分娩(自由診療のため対象外) ・差額ベッド代 ・食事代 |
限度額適用認定証を活用しよう
入院前に健康保険から「限度額適用認定証」を取得しておくと、窓口での支払いが自己負担限度額までで済み、後から払い戻しを待つ必要がありません。帝王切開が予定されている場合は事前に申請しておきましょう。
詳しくは → 高額療養費制度|出産・帝王切開で使える?限度額認定証の活用法を解説
自治体独自の支援
国の制度に加えて、自治体が独自に設けている支援・給付金があります。お住まいの自治体の子育て支援ページや保健センターで確認してみましょう。
自治体独自支援の例
- 出産祝い金・お祝い品:第2子・第3子以降の出産に対して現金や商品券を支給する自治体がある
- 産後ケア事業:産後の母親が宿泊・日帰りで助産師・保健師のケアを受けられる(自治体により費用助成あり)
- 育児パッケージ・赤ちゃんグッズの支給:おむつ・粉ミルクなどのベビー用品を現物支給する自治体もある
- ファミリーサポート補助:地域の子育て支援サービスを安価で利用できる制度
💡 補足:自治体独自の支援は、転入のタイミングや申請期限がある場合があります。妊娠届を出した際に保健センター・子育て支援窓口で案内を受けることで、申請漏れを防げます。
申請漏れを防ぐチェックリスト
申請が必要なものは多く、時期を逃すと受け取れなくなる制度もあります。チェックリストとして活用してください。
妊娠中にやること
- 妊娠届を市区町村に提出し、母子健康手帳・妊婦健診受診票を受け取る
- 会社に妊娠を報告し、産休・育休の意向を伝える
- 健康保険の種類(社保・国保)と出産育児一時金の受け取り方(直接支払制度等)を確認する
- 入院時に備えて限度額適用認定証の申請を検討する(帝王切開予定の場合は特に)
- 医療費の領収書をすべて保管しておく(医療費控除・確定申告に使用)
出産直後にやること
- 退院時に出産費用の領収書・明細書・直接支払制度の合意文書コピーを受け取る
- 出産育児一時金の差額がある場合は、健康保険に差額申請を行う
- 出生届を出生から14日以内に市区町村に提出する
- 児童手当を出生翌日から15日以内に申請する
- 赤ちゃんの健康保険加入手続きを行う
- 出産手当金の申請書を会社に依頼する(産休終了後、2年以内に申請)
確定申告時にやること(翌年2〜3月)
- 年間の医療費合計が10万円を超えていれば医療費控除の申告をする
- 出産育児一時金を差し引いた後の医療費で計算する
- 通院交通費(公共交通機関)も合算できるため、記録しておく
よくある質問
Q. 専業主婦(夫の扶養に入っている)でももらえる給付金はありますか?
A. 出産育児一時金・妊婦健診費用助成・児童手当は対象になります。ただし出産手当金は健康保険の被保険者本人(就労して自分で社会保険に加入している方)のみ対象のため、扶養内の方は対象外です。
Q. 国民健康保険でも出産育児一時金はもらえますか?
A. もらえます。国民健康保険加入者も原則50万円の出産育児一時金の対象です。申請先は加入している国民健康保険(市区町村)になります。
Q. 自然分娩の場合、高額療養費制度は使えますか?
A. 正常な自然分娩は保険診療ではなく自由診療扱いのため、高額療養費制度の対象外です。ただし、帝王切開・切迫早産・妊娠高血圧症候群など異常分娩・合併症は保険診療になるため対象になります。
Q. 出産手当金と育児休業給付金は同時にもらえますか?
A. 同時にはもらえません。出産手当金は産休中(産前42日〜産後56日)、育児休業給付金は育休中(産後休業終了後〜)に支給されるため、支給期間が重複しない仕組みになっています。
まとめ:申請漏れをなくして、もらえるお金を確実に受け取ろう
- 出産育児一時金:原則50万円。直接支払制度を利用し、差額は申請する
- 出産手当金:産休中の給与補填(社保加入のママが対象)。給与の約2/3が最大98日分
- 妊婦健診費用助成:受診票を忘れずに持参する
- 医療費控除:年間10万円超で翌年の確定申告で還付。領収書は必ず保管
- 高額療養費制度:帝王切開など保険診療の入院で自己負担を軽減。限度額認定証を事前に申請
- 児童手当:出生翌日から15日以内に申請(遅れると損)
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※本ページの情報は2026年5月時点のものです。制度の内容・支給条件・申請期限は、加入している健康保険・勤務先・自治体・法改正によって変わる場合があります。実際に申請する際は、勤務先・自治体・健康保険組合の最新情報も確認してください。
