まず結論|計算式はシンプルです
「子ども・子育て拠出金、どうやって計算するんだっけ?」と焦っている方、安心してください。計算式そのものは非常にシンプルです。
基本の計算式(これだけ覚えればOK)
子ども・子育て拠出金 = 標準報酬月額 × 料率
(賞与の場合:標準賞与額 × 料率)
難しい独自の計算式はなく、厚生年金保険と同じ「標準報酬月額」をベースに、定められた料率を掛けるだけです。給与計算に慣れている方なら、「あ、それだけか」と思うはず。
ただし、料率は毎年4月に改定される可能性があり、最新の数字を常に確認する必要があります。ここが実務の落とし穴になりやすいので、後ほど詳しく説明します。「今すぐ自分の会社の金額を出したい」という方は、次の自動計算ツールにジャンプしてください。
2026年度の料率は?
2026年(令和8年)度に適用されている子ども・子育て拠出金の料率は1,000分の3.6(0.36%)です。2020年度(令和2年度)以降ずっと0.36%が続いており、2026年度も据え置きとなっています。
最新料率は必ず公式で確認を
料率は政令改正により変更されることがあります。この記事は2026年7月時点の情報をもとに執筆しています。実際の業務では日本年金機構の公式サイトや、管轄の年金事務所の通知で最新情報を確認してください。
料率の推移としては、少子化対策の強化に伴い引き上げられてきた歴史があり、2020年度に0.36%になって以降は横ばいです。あわせて押さえておきたいのが法定上限の動き。子ども・子育て支援法の改正により、2025年度(令和7年度)から法定上限が1,000分の4.5(0.45%)→1,000分の4.0(0.40%)へ引き下げられました。実際の料率(0.36%)はこの上限の範囲内で政令により定められます。つまり「料率が上がる余地は0.40%まで」という枠が縮小した形です。油断していると年度初めに変わっているケースもあるので、4月のチェックは習慣にしておきましょう。
※2020年度より前の年度別の料率推移は改定履歴の確認が必要です(要確認)。実務では「現行0.36%・上限0.40%」を押さえておけば計算に支障はありません。
「標準報酬月額」って何?という方へ
「標準報酬月額」は、社会保険(健康保険・厚生年金)の保険料を計算するために使う、報酬を一定の等級に当てはめた金額のことです。実際の給与そのものとは少し異なります。
具体的には、毎年4〜6月の給与を平均した「報酬月額」をもとに、1等級(5万8千円)〜32等級(65万円)の表に当てはめて決定されます。この作業が「算定基礎届」で、毎年7月に提出します。
標準報酬月額は健康保険・厚生年金・子ども・子育て拠出金の3つ全てで共通して使うので、「一度覚えれば全部に使える」と覚えておくと便利ですよ。
自動計算ツール|あなたの会社の拠出金額をその場で試算
「計算式はわかったけど、うちの会社だと結局いくら?」という方のために、その場で試算できるツールを用意しました。標準報酬月額と従業員数を入れて「計算する」を押すだけです。
子ども・子育て拠出金 かんたん計算ツール
料率0.36%で概算します。全員が同じ標準報酬月額と仮定した簡易試算です。
試算結果(事業所全体・事業主負担)
月額拠出金:– 円
年額拠出金:– 円
参考:従業員1人あたり、給与から天引きされる「こども・子育て支援金(本人負担0.115%)」の月額は約 – 円です(2026年度・被用者保険の料率0.23%の労使折半分)。
※あくまで概算です。実際は各従業員の標準報酬月額・標準賞与額を合算し、最後に1円未満を切り捨てて算出します。賞与月は別途加算されます。正式な金額は給与ソフトや年金事務所の通知でご確認ください。
子ども・子育て拠出金の対象者は?
「そもそもうちの会社(従業員)は対象なの?」という疑問はとても多いです。判断基準はシンプルで、「厚生年金保険に加入しているかどうか」の一点だけ。ここを整理しておきます。
対象になる人・ならない人
| 区分 | 対象になる? |
|---|---|
| 正社員(厚生年金加入) | 対象になる |
| 要件を満たすパート・アルバイト | 対象になる(厚生年金加入者のみ) |
| 役員(厚生年金加入) | 対象になる |
| 産休・育休中の社員 | 対象になる(事業主負担は免除なし) |
| 国民年金のみのパート | 対象外 |
| 従業員を雇わない個人事業主本人 | 原則対象外 |
ポイントは「加入者本人が払うかどうか」ではなく「厚生年金の適用事業所に、加入者がいるかどうか」です。厚生年金に加入している従業員が1人でもいれば、事業主は拠出金を納める義務があります。
パート社員の適用拡大に注意(2024年10月〜)
2024年10月の社会保険適用拡大により、従業員51人以上の企業では「週20時間以上・月収8.8万円以上・2ヶ月超の雇用見込み・学生でない」を満たすパート・アルバイトも厚生年金加入が義務化されました。これらのパート社員も厚生年金に入るため、子ども・子育て拠出金の対象に含まれます。「うちはパートが多いから関係ない」と思っていた会社でも、対象者が増えているケースがあるので確認しておきましょう。
大事な前提|事業主だけが負担する制度です
ここ、本当に間違えやすいポイントなので強調させてください。
子ども・子育て拠出金は、全額事業主(会社側)の負担です。従業員の給与から天引きされる保険料ではありません。
給与明細に出てこないのはなぜ?
健康保険料や厚生年金保険料は従業員と会社が折半(労使折半)するため、給与明細の「控除」欄に記載されますよね。でも子ども・子育て拠出金は違います。
従業員の負担はゼロ。会社が全額を払う仕組みなので、従業員の給与明細には一切記載されません。
実務でよくあるのが、新任の経理担当者が「給与ソフトに拠出金の項目が出てきたけど、これって社員に説明しなきゃいけない?」と焦るケース。答えは「しなくていい(というか説明できない、明細に出ないので)」です。会社の経費として処理するだけでOKです。
よくある誤解
- 「子育て支援のために給与から引かれる」→ 誤り。引かれるのは会社側のみ
- 「扶養に入っている家族がいると金額が変わる」→ 誤り。扶養人数は関係ありません
- 「産休・育休中の社員は免除される」→ 誤り。事業主負担なので免除規定はありません(後述)
厚生年金に加入していれば必ず対象になる
納付方法は厚生年金保険料と合算して、毎月年金事務所(または健康保険組合)へ納めます。別途手続きが必要なわけではなく、厚生年金の納付書に含まれているので、「拠出金だけ払い忘れた」というケースは通常起きません。
実際にいくら払う?標準報酬月額別シミュレーション
「計算式はわかった。でも実際の金額感がわからない」という方のために、標準報酬月額ごとの拠出金額をまとめました。
※以下は料率0.36%で試算した目安です。実際の料率は年度ごとに確認してください。
従業員1人あたりの月額・年額の目安
| 標準報酬月額 | 月額拠出金(概算) | 年額拠出金(概算) | おおよその給与レンジ |
|---|---|---|---|
| 15万8,000円 | 568円 | 6,816円 | 月収15〜17万円台 |
| 22万円 | 792円 | 9,504円 | 月収20〜23万円台 |
| 28万円 | 1,008円 | 12,096円 | 月収26〜29万円台 |
| 36万円 | 1,296円 | 15,552円 | 月収34〜37万円台 |
| 44万円 | 1,584円 | 19,008円 | 月収41〜45万円台 |
| 56万円 | 2,016円 | 24,192円 | 月収53〜59万円台 |
| 65万円(上限) | 2,340円 | 28,080円 | 月収63.5万円超 |
一人あたりの金額は月数百円〜2,000円台と、それほど大きな金額ではありません。ただし従業員数が増えると当然積み上がっていきます。
事業所全体で計算するときの「合算と端数処理」
ここが競合記事でもよく解説されている実務の肝です。事業所全体の拠出金は、従業員一人ずつを四捨五入して足すのではなく、全員の金額を合算してから最後に端数処理します。
事業所合計の計算手順
- 全従業員の「標準報酬月額」を合算する
- 賞与月は「標準賞与額」も合算する
- 合算額 × 0.36% を計算する
- 最後に1円未満(1円未満の端数)を切り捨てる
例)従業員3名の標準報酬月額が36万・26万・24万の場合
(360,000+260,000+240,000)× 0.36% = 860,000 × 0.36% = 3,096.0円 → 3,096円
「1人ずつ計算して合計」と「合算してから計算」では、端数の出方で数円ズレることがあります。正式には後者(合算後に端数処理)です。給与ソフトは自動でこの処理をしますが、手計算で検算するときは覚えておくと安心です。
従業員10人規模の会社で試算すると?
例えば、標準報酬月額が平均28万円の従業員が10人いる会社を想定してみましょう。
試算例(従業員10人・標準報酬月額平均28万円)
- 月額:28万円 × 10人 × 0.36% = 10,080円/月
- 年額:10,080円 × 12ヶ月 = 120,960円/年
※賞与がある場合は標準賞与額分が別途加算されます
年間で約12万円ほどになります。標準報酬月額が高い社員が多い会社(ITエンジニア中心の会社など)では、同じ10人でも年間負担が20万円を超えることもあります。「うちの会社はどのくらい?」と気になった方は、上の計算ツールで自社の平均値を入れてみてください。
【2026年最新】こども・子育て支援金との違いを整理
2026年、「子ども・子育て拠出金」と混同されがちな制度が実際にスタートしました。それが「こども・子育て支援金」です。名前が似ていて、実務担当者の方が「どっちの話?」と混乱するのも当然です。2026年4月分の保険料(多くの会社で5月納付分)から徴収が始まっています。
ここで一度、両者の違いをスッキリ整理しましょう。
子ども・子育て拠出金とは別の話です
| 項目 | 子ども・子育て拠出金 | こども・子育て支援金 |
|---|---|---|
| 誰が負担 | 事業主のみ(全額) | 労使折半(本人も給与天引き) |
| 2026年度の率 | 0.36%(据え置き) | 0.23%(本人負担は0.115%) |
| 目的 | 保育所等の施設整備・児童手当等 | 児童手当拡充・育休給付充実等の財源 |
| 徴収方法 | 厚生年金保険料と合算 | 健康保険料等に上乗せ徴収 |
| いつから | 2015年〜(継続中) | 2026年4月分〜(開始済み) |
| 育休・産休中 | 免除なし | 免除あり |
一番重要な違いは「誰が払うか」です。
- 子ども・子育て拠出金:会社(事業主)だけが払う → 従業員の手取りに影響なし
- こども・子育て支援金:健康保険料に上乗せで労使折半 → 従業員の給与からも天引きされる
つまり、「あれ、2026年から明細に新しい項目が増えた」と従業員から聞かれたら、それは「こども・子育て支援金」です。「子ども・子育て拠出金は明細に載らない」という大前提を覚えておくだけで、問い合わせ対応がかなり楽になりますよ。
支援金は具体的にいくら?(2026年度)
被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済など、会社員が入る保険)の2026年度(令和8年度)の支援金率は全国一律0.23%で、健康保険料と同じく労使折半です。したがって給与から天引きされる本人負担分は0.115%相当になります。
支援金の計算例(標準報酬月額30万円の場合)
- 支援金の全体額:300,000円 × 0.23% = 690円/月
- 本人負担(給与天引き):690円 × 1/2 = 345円/月
※0.23%は導入初年度(2026年度)の率です。段階的に引き上げられ、健保連の試算等では2028年度に約0.4%程度まで上がる見込みとされています(最新は加入保険者の通知で要確認)。
なお、拠出金と支援金は目的が近いため、将来的に拠出金は段階的に支援金へ統合・移行していく方向とされています。ただし当面は両方が並行して徴収される(会社目線では“ダブル徴収”)状態が続きます。加入している医療保険によって細部が異なるため、詳細は各保険者からの通知や厚生労働省の公式発表を確認してください。
この記事の対象はあくまで「子ども・子育て拠出金(事業主負担)」の計算方法です
こども・子育て支援金の詳細な計算・金額については、厚生労働省・加入保険者の情報もあわせてご確認ください。
計算するときの実務上の注意点3つ
「計算式はわかった!」で終わると、後から「しまった!」となりやすい落とし穴があります。実務でよく引っかかるポイントを3つ解説します。
①料率・法定上限は年度ごとに改定される可能性がある
これが一番やらかしやすいです。給与ソフトの自動更新に頼っているとうっかり見逃すことがあります。
子ども・子育て拠出金の料率は「子ども・子育て支援法施行令」の改正によって変更されます。改正は毎年4月に適用されることが多く、官報掲載や厚労省・年金機構からの通知で発表されます。前述のとおり、2025年度には法定上限が0.45%→0.40%へ引き下げられました。
対策として有効なのは:
- 毎年3月末〜4月頭に日本年金機構のWebサイトで確認する習慣をつける
- 給与ソフトのアップデートリリースノートを確認する(多くは自動更新対応)
- 社会保険労務士と顧問契約がある場合は通知を依頼しておく
「去年のままでいいだろ」という油断が、誤納付・追徴につながります。面倒ですが、年度替わりには必ずチェックしてください。
②算定基礎届後は標準報酬月額が変わる
標準報酬月額は「固定」ではなく、毎年7月の算定基礎届(定時決定)や、給与が大幅に変動した場合の随時改定によって変わります。
つまり、9月以降は新しい標準報酬月額で計算しなければなりません。特に4〜6月に残業が多かった月があると、標準報酬月額が上がり、拠出金を含む社会保険料全体が増加します。
「あれ、9月から社会保険料が上がった気がする」という社員からの問い合わせがあったとき、原因のひとつが算定基礎届による等級変更です。子ども・子育て拠出金も自動的に金額が変わっているので、担当者は認識しておきましょう。
③賞与(標準賞与額)も対象になる
月給だけでなく、賞与(ボーナス)にも子ども・子育て拠出金がかかります。これを知らずに月次分だけ計算している会社が意外と多いです。
賞与の場合は「標準賞与額(賞与から1,000円未満を切り捨てた額。上限150万円/月)」に同じ料率を掛けます。事業所単位では、月次分と同じく全員の標準賞与額を合算してから拠出金率を掛け、最後に1円未満を切り捨てます。
賞与時の計算例(1人分)
- 支給賞与:350,500円 → 標準賞与額:350,000円(千円未満切捨て)
- 拠出金:350,000円 × 0.36% = 1,260円
※賞与が同一月に複数回支給される場合は合算して上限を判定します
年2回ボーナスがある会社なら、その都度拠出金が発生します。年間の社会保険料総額を試算するときは、賞与分も忘れずに含めてください。
よくある質問(Q&A)
実務の現場でよく聞かれる疑問をまとめました。「あ、それ私も知りたかった」というものがあるはずです。
Q. パートタイム社員も対象になる?
A. 厚生年金保険に加入しているパートタイム社員は対象です。
2024年10月の社会保険適用拡大により、従業員51人以上の企業では「週20時間以上・月収8.8万円以上・2ヶ月超の雇用見込み・学生でない」を満たすパート・アルバイトも厚生年金加入が義務化されています。これらのパート社員は、子ども・子育て拠出金の対象にもなります。
逆に、厚生年金に加入していない(国民年金のみの)パートタイム社員は対象外です。「加入しているかどうか」が判断基準です。
Q. 産休・育休中の社員にも拠出金はかかる?
A. 事業主の拠出金は免除されません。(※支援金は免除される点に注意)
産前産後休業中・育児休業中は、本人と事業主の健康保険料・厚生年金保険料が免除(申請が必要)されますが、子ども・子育て拠出金には免除規定がありません。事業主が全額負担しているためです。
一方で、2026年4月に始まった「こども・子育て支援金」は、育休・産休中の社会保険料免除期間中は支援金も免除されます。同じ「子育て」関連でも、拠出金=免除なし/支援金=免除あり、と扱いが逆なので混同しないよう注意しましょう。
なお産休・育休中は無給や大幅減給になることが多く、随時改定(月変)で標準報酬月額が下がれば拠出金額も下がりますが、これは「金額が変わる」だけで「免除される」わけではありません。
Q. 個人事業主(フリーランス)は払わなくていい?
A. 個人事業主は基本的に対象外です。
子ども・子育て拠出金は「厚生年金保険の適用事業所の事業主」が対象です。個人事業主で従業員を雇わず、国民年金・国民健康保険に加入している場合は、拠出金の納付義務はありません。
ただし、個人事業主でも従業員5人以上いる「強制適用事業所」に該当する業種(製造業、建設業等)であれば厚生年金加入義務が生じ、事業主として拠出金も納める必要があります。また、5人未満でも任意で厚生年金に加入している場合も同様です。
「自分の事業所が対象か?」が不安な場合は、最寄りの年金事務所に確認するのが確実です。
Q. 子ども・子育て拠出金は税務上どう処理する?
A. 全額損金(法人)または必要経費(個人事業主)として算入できます。
子ども・子育て拠出金は法定福利費として処理します。社会保険料(健康保険・厚生年金の会社負担分)と同じ勘定科目でOKです。全額を費用として計上できるため、節税効果もあります。
給与ソフトによっては「子ども・子育て拠出金」と別項目で表示されますが、仕訳上は厚生年金保険料の会社負担分と合算して「法定福利費」で処理することが多いです。税理士と相談のうえ自社の処理方法を確認してください。
Q. 拠出金を払い忘れた・納付が遅れた場合は?
A. 延滞金が発生します。早めに年金事務所に連絡を。
子ども・子育て拠出金は厚生年金保険料と合算で納付するため、基本的に単独で払い忘れるケースは少ないです。ただし厚生年金保険料全体の納付が遅れた場合は、延滞金が発生します(延滞金の率は納付遅延の期間等により異なるため要確認)。
「払えない」「払い忘れた」場合は放置せず、すぐに年金事務所に連絡して分割納付や猶予の相談をするのが最善です。無視すると財産差押えに発展するケースもあるため、早期対処が重要です。
制度の目的を知ると、なぜ事業主負担なのか腑に落ちる
ここまで計算方法に特化して解説してきましたが、「なぜ会社だけが払うの?」と疑問に思った方のために、少し背景もお伝えしておきます。
子ども・子育て拠出金は、2015年に始まった「子ども・子育て支援新制度」を財政的に支える仕組みとして創設されました。財源の用途は主に以下のとおりです。
- 認定こども園・幼稚園・保育所の運営支援
- 小規模保育、家庭的保育(保育ママ)等の地域型保育への補助
- 放課後児童クラブ(学童保育)の拡充
- 企業主導型保育事業への助成
「事業主が払う」という構造には、「子どもを育てながら働く社員をサポートする社会的インフラを、雇用主側も一緒に支えてほしい」という考え方があります。
結果として「保育所が整備される → 子育て中の人材が離職しにくくなる → 優秀な人材を確保しやすくなる」という循環につながります。短期的な負担ではありますが、中長期では採用コスト削減にも貢献する制度とも言えます。
計算の流れをおさらい|ステップで確認
最後に、実際の計算の流れを一気通貫でまとめておきます。「今すぐ計算したい」という方はここだけ見れば大丈夫です。
子ども・子育て拠出金の計算ステップ
STEP 1|標準報酬月額を確認する
算定基礎届の控え、または給与ソフトの社員マスタで確認。
9月改定後は新しい等級の金額を使うこと。
STEP 2|現行の料率を確認する
日本年金機構Webサイト、または年度改定通知で最新料率をチェック。
2026年度の料率:0.36%(1,000分の3.6/法定上限0.40%)
STEP 3|掛け算する
標準報酬月額 × 0.36% = 月額拠出金(1人分の目安)
例:28万円 × 0.36% = 1,008円
STEP 4|事業所全体は合算してから端数処理
全従業員の標準報酬月額(+賞与月は標準賞与額)を合算 → 0.36%を掛ける → 最後に1円未満を切り捨て。
STEP 5|厚生年金保険料と合算して納付
毎月の納付書に拠出金が含まれているので、最終的に合算して納付。
まとめ|計算自体は簡単。料率の最新確認だけ忘れずに
長くなりましたが、最後に全体を3行でまとめておきます。
- 計算式は「標準報酬月額(または標準賞与額)× 料率0.36%」のみ。事業所合計は合算後に1円未満切捨て
- 全額事業主負担。従業員の給与明細には出てこない
- 料率・法定上限は毎年変わる可能性があるため、年度初めに必ず確認を
「計算が複雑で大変」というよりも、「料率の最新情報を都度確認する手間がある」制度です。一度仕組みを理解してしまえば、後は年度替わりのチェックを怠らないようにするだけ。
また、2026年4月からは「こども・子育て支援金」の徴収も始まりました。当面は拠出金と支援金の両方が徴収される形になります。この2つの制度を混同しないように、名前と仕組みの違いを頭の片隅に入れておくと、社員からの問い合わせにも慌てず対応できるはずです。
もし「育休中の従業員がいて、給付金の計算も必要」という担当者の方は、下記の記事もあわせてご覧ください。標準報酬月額つながりで、制度全体への理解が深まります。
※本記事は2026年7月時点の情報をもとに執筆しています。子ども・子育て拠出金の料率・法定上限、こども・子育て支援金の料率は政令改正等により変更される場合があります。最新情報は日本年金機構公式サイトおよび加入する医療保険者の通知でご確認ください。



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