育児休業給付金支給申請書(2回目以降)の書き方完全ガイド|記入例付き
育児休業給付金の申請、初回は無事に終わったけれど、2回目以降の申請ってどうすればいいの?そんな疑問をお持ちのあなたへ。
この記事では、育児休業給付金支給申請書(2回目以降)の書き方を、記入例付きで徹底的に解説します。会社の人事担当者の方も、ご自身で申請される方も、この記事を読めば安心して手続きを進められます。
初回との違いや、つまずきやすいポイント、期限を過ぎてしまった場合の対処法まで、実務経験に基づいた情報をお届けします。最後まで読んでいただければ、スムーズに給付金を受け取れるはずです。
【結論】2回目以降の申請で押さえるべき3つのポイント
まず結論から。2回目以降の育児休業給付金申請で、絶対に押さえておきたいポイントは以下の3つです。
- ハローワークから送られてくる申請書を使う(初回とは別の様式)
- 申請期限は「次回支給申請日指定通知書」に記載(原則2ヶ月ごと)
- 就業した場合は必ず日数・時間・賃金を正確に記入(給付金額に影響)
この3つを守れば、大きなトラブルは避けられます。それでは、詳しく見ていきましょう。
目次
- 育児休業給付金の2回目以降の申請とは?初回との違い
- 2回目以降の申請書はどこから入手する?
- 2回目以降の申請に必要な書類一覧
- 【画像付き】育児休業給付金支給申請書(2回目以降)の書き方
- 申請期限はいつまで?遅れたらどうなる?
- 2回目以降の申請の流れ(会社経由と本人申請)
- 就業した場合の記入方法を詳しく解説
- よくある記入ミスと対処法
- 育児休業を延長する場合の申請方法
- 電子申請はできる?メリットとデメリット
- 【Q&A】2回目以降の申請でよくある質問
- まとめ:安心して申請を進めるために
1. 育児休業給付金の2回目以降の申請とは?初回との違い
育児休業給付金は2ヶ月ごとの継続申請が必要
育児休業給付金は、一度申請すれば自動的に振り込まれるわけではありません。原則として2ヶ月ごとに継続して申請する必要があります。
たとえば、8月1日から育児休業を開始した場合、初回申請は8月1日〜9月30日分の2ヶ月分を申請します。その後、10月1日〜11月30日分、12月1日〜1月31日分…というように、育児休業が終了するまで定期的に申請を続けます。
この2回目以降の申請で使用するのが、「育児休業給付金支給申請書(2回目以降)」です。
初回申請との主な違い
初回と2回目以降では、使用する申請書の様式が異なります。主な違いをまとめました。
| 項目 | 初回申請 | 2回目以降の申請 |
|---|---|---|
| 申請書の名称 | 育児休業給付受給資格確認票・ (初回)育児休業給付金支給申請書 |
育児休業給付金支給申請書 (2回目以降) |
| 同時に行う手続き | 受給資格確認+初回支給申請 | 支給申請のみ |
| 記入項目 | 多い(受給資格情報も含む) | 少ない(支給情報のみ) |
| 添付書類 | 母子健康手帳の写し 通帳の写し 賃金台帳・出勤簿など |
賃金台帳・出勤簿など (母子手帳・通帳は不要) |
| 申請書の入手方法 | ハローワークから取り寄せ またはダウンロード |
ハローワークから自動的に送付 |
初回申請では受給資格の確認も同時に行うため、提出書類が多く、記入項目も複雑です。一方、2回目以降はすでに受給資格が確認されているため、手続きがシンプルになります。
2回目以降は申請書が印字済みで届く
2回目以降の申請書は、初回申請が承認された後、ハローワークから会社宛に郵送されてきます。
この申請書には、以下の情報があらかじめ印字されています。
- 被保険者番号
- 被保険者氏名
- 事業所番号
- 支給単位期間(申請対象の期間)
つまり、2回目以降は「すでに情報が入った状態の申請書」が送られてくるので、記入する項目が大幅に減ります。これが初回との大きな違いですね。
【実務担当者の声】初回と2回目以降の手間の違い
「初回申請のときは、母子健康手帳のコピーを取ったり、口座情報を確認したり、けっこう時間がかかりました。でも2回目以降は、賃金台帳と出勤簿を確認して記入するだけなので、15分もあれば終わります。慣れてくると本当にスムーズですよ。」
(都内IT企業・人事担当Aさん)
2. 2回目以降の申請書はどこから入手する?
基本:ハローワークから自動的に送付される
2回目以降の申請書は、初回申請の承認後、ハローワークから自動的に会社宛に郵送されます。自分でダウンロードしたり、取りに行ったりする必要はありません。
具体的には、初回申請が承認されると、以下の2つの書類が届きます。
- 育児休業給付金支給決定通知書(初回の給付金が決定したことを知らせる通知)
- 育児休業給付金支給申請書(2回目以降)(次回の申請に使用する申請書)
さらに、「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」という、次回の申請期限が記載された通知も同封されています。
電子申請の場合はシステム上で作成
近年、電子申請(e-Gov)を利用する企業も増えています。電子申請の場合、紙の申請書は送られてきません。代わりに、システム上で次回の申請書を作成します。
主な電子申請対応システム:
- e-Gov(政府の電子申請システム)
- freee人事労務
- SmartHR
- ジンジャー(jinjer)
- マネーフォワード クラウド給与
電子申請については、後ほど「10. 電子申請はできる?メリットとデメリット」で詳しく解説します。
申請書が届かない場合の対処法
「初回申請をしたのに、2回目の申請書が届かない…」こんなときは、以下の原因が考えられます。
- 初回申請がまだ承認されていない
初回申請の審査には通常2〜3週間かかります。申請から間もない場合は、もう少し待ちましょう。
- 会社の住所が変更になっている
ハローワークに届け出ている事業所住所と、実際の住所が異なる場合、郵便物が届きません。ハローワークに確認して、住所変更の届出を行いましょう。
- 郵送中または紛失
まれに郵便事故で届かないこともあります。管轄のハローワークに連絡して、再発行を依頼しましょう。
申請書が届かなくても、申請期限は延びません。届かない場合は、早めにハローワークに相談することが大切です。
【注意】初回申請で「1ヶ月ごと」を選択した場合
通常、育児休業給付金は2ヶ月ごとの申請ですが、希望すれば1ヶ月ごとの申請も可能です。
1ヶ月ごとを選択した場合は、毎月申請書が送られてきます。この場合、申請回数は増えますが、給付金を早く受け取れるメリットがあります。
ただし、会社の事務負担が増えるため、会社と相談して決めることをおすすめします。
3. 2回目以降の申請に必要な書類一覧
必須書類
2回目以降の申請に必要な書類は、初回よりもシンプルです。
| 番号 | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 育児休業給付金支給申請書 (2回目以降) |
ハローワークから送付されたもの |
| 2 | 賃金台帳 | 申請対象期間の賃金支払状況が わかるもの |
| 3 | 出勤簿またはタイムカード | 就業日数・時間が確認できるもの |
基本的には、この3点があれば申請できます。
初回申請時に必要だった書類は不要
以下の書類は、初回申請時のみ必要で、2回目以降は提出不要です。
- 母子健康手帳の写し(出生を証明するページ)
- 育児給付金の振込先口座の通帳の写し
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 育児休業給付受給資格確認票
ただし、口座情報を変更したい場合は、「育児休業給付金支給申請書」に新しい口座情報を記入し、通帳の写しを添付する必要があります。
状況によって必要な追加書類
以下のような特別なケースでは、追加書類が必要になることがあります。
| ケース | 必要な追加書類 |
|---|---|
| 育児休業を延長する場合 (1歳以降も継続) |
・保育所の入所不承諾通知書 ・入所保留通知書 ・配偶者の死亡証明書(該当する場合) ・配偶者の病気・ケガの診断書(該当する場合) |
| 職場復帰した場合 | 特になし (申請書に職場復帰年月日を記入) |
| 振込口座を変更する場合 | ・新しい口座の通帳の写し (金融機関名・支店名・口座番号・名義が わかるページ) |
【チェックリスト】申請前に確認しよう
申請書を提出する前に、以下の項目をチェックしましょう。
- □ 申請書に支給単位期間が印字されているか
- □ 就業した日がある場合、日数・時間・賃金が正確に記入されているか
- □ 事業主の証明欄に押印されているか
- □ 賃金台帳と出勤簿の写しが添付されているか
- □ 申請期限内に提出できるか
不備があると、給付金の支給が遅れる可能性があります。提出前に必ず確認しましょう。
4. 【画像付き】育児休業給付金支給申請書(2回目以降)の書き方
それでは、実際の申請書を見ながら、記入方法を詳しく解説します。
申請書の全体構造
2回目以降の申請書は、表面と裏面があります。
- 表面:被保険者情報、支給単位期間、就業状況などを記入
- 裏面:事業主の証明欄
表面には、最大3回分の申請内容を記入できる欄があります(5・9・13番、6・10・14番…というように3セット)。ただし、通常は1回の申請で1セット分(2ヶ月分)のみ記入します。
記入項目の詳細解説
(1)被保険者番号・氏名・事業所番号【印字済み】
これらの項目は、ハローワークから送られてきた時点ですでに印字されています。記入する必要はありません。
もし印字内容に誤りがある場合は、二重線で訂正し、正しい内容を記入してください。ただし、そのようなケースはまれです。
(2)5・9・13番「支給単位期間」【印字済み】
支給単位期間とは、今回の申請で給付金を受け取る対象期間のことです。
例:令和7年10月1日〜令和7年11月30日
この欄も印字済みなので、記入する必要はありません。印字された期間が正しいかどうか確認しましょう。
(3)6・10・14番「就業日数」
支給単位期間中に就業した日数を記入します。
就業日数のカウント方法:
- 1日でも働いた日は「1日」とカウント
- 半日勤務も「1日」とカウント
- 数時間の勤務も「1日」とカウント
たとえば、2ヶ月の支給単位期間中に、4日間出勤した場合は「4日」と記入します。
【重要】就業していない場合
就業していない場合は「0日」または「-」と記入します。空欄のまま提出しないようにしましょう。
(4)7・11・15番「就業時間」
支給単位期間中に就業した総時間数を記入します。
記入例:
- 8時間×4日働いた場合 → 「32時間」
- 4時間×5日働いた場合 → 「20時間」
- 6時間30分×2日働いた場合 → 「13時間」(30分単位で切り捨て)
端数の扱い:
30分未満は切り捨て、30分以上1時間未満は1時間に切り上げます。
たとえば:
- 3時間20分 → 3時間
- 3時間40分 → 4時間
【注意】就業時間が月80時間を超えると支給停止
育児休業給付金は、就業時間が支給単位期間(1ヶ月)あたり80時間を超えると、その期間の給付金は支給されません。
たとえば、10月1日〜10月31日の期間に85時間働いた場合、その月の給付金は支給停止となります。
ただし、次の月(11月分)は就業時間が80時間以下であれば、通常通り支給されます。
(5)8・12・16番「支払われた賃金額」
支給単位期間中に実際に支払われた賃金の総額を記入します。
記入のポイント:
- 税金や社会保険料が引かれる前の総支給額を記入
- 通勤手当や残業手当も含む
- 支給期間中に「支払われた」金額(働いた期間ではなく、支払われた期間)
たとえば、10月に働いた賃金が11月25日に支払われた場合、「11月分」の申請書に記入します。
【重要】賃金額が多いと給付金が減額される
育児休業給付金は、休業前の賃金の一定割合が支給されますが、休業中に賃金を受け取った場合、給付金が減額されることがあります。
具体的には、以下のルールがあります。
| 休業中に受け取った賃金 | 給付金の支給状況 |
|---|---|
| 休業前賃金の13%以下 | 満額支給 |
| 休業前賃金の13%超〜80%未満 | 減額して支給 (休業前賃金の67%または50%から 受け取った賃金を差し引いた額) |
| 休業前賃金の80%以上 | 支給なし |
つまり、少しだけ働くのは問題ありませんが、働きすぎると給付金が減ったり、もらえなくなったりします。
(6)17番「職場復帰年月日」
支給期間の途中で職場に復帰した場合のみ記入します。
たとえば、10月1日〜11月30日が支給単位期間で、11月15日に職場復帰した場合は、「令和7年11月15日」と記入します。
職場復帰していない場合は、空欄のままで構いません。
(7)裏面:事業主の証明欄
裏面には、事業主(会社)の証明欄があります。
会社の担当者が以下の項目を記入・押印します。
- 事業所の名称・所在地
- 事業主の氏名または名称
- 押印(会社印または代表者印)
- 証明日
この証明がないと申請が受理されません。本人が申請する場合でも、必ず会社に証明してもらう必要があります。
【記入例】実際の申請書を見てみよう
ここでは、具体的な記入例を示します。
【ケース例】
- 被保険者:山田花子さん
- 支給単位期間:令和7年10月1日〜令和7年11月30日
- 就業状況:10月に2日間(計8時間)就業、賃金20,000円支払い
- 11月は就業なし
記入内容:
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 5. 支給単位期間 | 令和7年10月1日〜令和7年10月31日 (印字済み) |
| 6. 就業日数 | 2日 |
| 7. 就業時間 | 8時間 |
| 8. 支払われた賃金額 | 20,000円 |
| 9. 支給単位期間 | 令和7年11月1日〜令和7年11月30日 (印字済み) |
| 10. 就業日数 | 0日 |
| 11. 就業時間 | 0時間 |
| 12. 支払われた賃金額 | 0円 |
| 17. 職場復帰年月日 | (空欄) |
このように、実際に就業した月と就業していない月で、それぞれ記入します。
5. 申請期限はいつまで?遅れたらどうなる?
申請期限の基本ルール
2回目以降の申請期限は、以下の通りです。
原則:「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」に記載された指定日まで
この通知書は、初回申請の承認後、ハローワークから会社宛に送られてきます。以降も、申請するたびに次回の指定日が記載された通知が届きます。
指定日は通常、支給単位期間の終了から約1〜2週間後に設定されています。
指定日に間に合わなかった場合
「指定日に間に合わなかった…もう給付金はもらえないの?」そんな心配は不要です。
指定日を過ぎても、「支給対象期間の初日から4ヶ月を経過する日の属する月の末日まで」なら申請可能です。
具体例:
支給単位期間が令和7年10月1日〜10月31日の場合、
- 4ヶ月経過する日:令和8年1月31日
- 申請期限:令和8年1月31日
つまり、10月分の給付金は、翌年1月末まで申請可能ということです。
2年の時効に注意
「4ヶ月の期限も過ぎてしまった…」という場合でも、まだ諦めないでください。
雇用保険の給付金には2年間の時効があります。つまり、支給単位期間の初日から2年以内であれば、申請が認められる可能性があります。
ただし、2年を過ぎると、その期間の給付金は永久に受け取れなくなります。
たとえば、令和7年10月分の給付金は、令和9年9月30日までに申請しないと、時効で消滅します。
申請が遅れた場合のデメリット
申請期限内に申請しても、遅れて申請しても、給付金の金額は変わりません。ただし、以下のデメリットがあります。
- 給付金の受け取りが遅れる
申請から給付金の振込までには、通常2〜3週間かかります。申請が遅れれば、その分振込も遅れます。
- 会社や本人の事務負担が増える
複数月分をまとめて申請することになり、書類の準備が大変になります。
- ハローワークから問い合わせが来ることがある
申請が大幅に遅れると、ハローワークから確認の連絡が入ることがあります。
できるだけ、指定日または4ヶ月以内に申請することをおすすめします。
【実例】申請を忘れていたケース
「育休中にバタバタしていて、会社への連絡を忘れていました。気づいたときには申請期限の1ヶ月後…。慌ててハローワークに相談したところ、4ヶ月以内なら大丈夫と言われ、無事に申請できました。ただ、給付金の振込は通常より1ヶ月遅れました。」
(神奈川県・会社員Bさん)
6. 2回目以降の申請の流れ(会社経由と本人申請)
原則:会社(事業主)が申請する
育児休業給付金の申請は、原則として会社(事業主)が行うことになっています。
会社経由の申請の流れ:
- ハローワークから会社宛に申請書が届く
- 会社の担当者が申請書に必要事項を記入
- 賃金台帳・出勤簿の写しを添付
- 事業主証明欄に記入・押印
- 会社が管轄のハローワークに提出(郵送または窓口持参)
- ハローワークで審査
- 給付金が本人の口座に振り込まれる
- 次回の申請書と通知書が会社に届く
このサイクルが、育児休業が終了するまで続きます。
本人申請も可能
「会社に手間をかけたくない」「自分で管理したい」という場合、本人が直接申請することも可能です。
ただし、本人申請の場合でも、事業主の証明は必須です。申請書の裏面にある「事業主証明欄」に、会社の担当者に記入・押印してもらう必要があります。
本人申請の流れ:
- ハローワークから会社宛に届いた申請書を受け取る
- 自分で申請書に必要事項を記入
- 会社から賃金台帳・出勤簿の写しをもらう
- 会社に事業主証明欄への記入・押印を依頼
- 会社の管轄ハローワークに自分で提出
- 給付金が自分の口座に振り込まれる
- 次回の申請書が会社に届く(または自宅に届くよう変更可能)
会社経由 vs 本人申請:どちらがおすすめ?
| 項目 | 会社経由 | 本人申請 |
|---|---|---|
| 手間 | 本人の手間が少ない | 本人の手間が多い |
| スピード | 会社の処理タイミング次第 | 自分のペースで申請できる |
| 正確性 | 会社の担当者が慣れている | 自分で確認が必要 |
| おすすめの人 | ・会社の人事担当者との関係が良好 ・育児に専念したい ・手続きに不安がある |
・自分で管理したい ・会社に負担をかけたくない ・早く申請したい |
一般的には、会社経由のほうがスムーズです。会社の人事担当者は育児休業給付金の手続きに慣れているため、ミスが少なく、安心です。
ただし、「会社の対応が遅い」「自分でスケジュール管理したい」という場合は、本人申請を検討しても良いでしょう。
【注意】本人申請の場合でも会社の協力は必須
本人申請を選んだ場合でも、以下の点で会社の協力が必要です。
- 事業主証明欄への記入・押印
- 賃金台帳・出勤簿の写しの提供
- 申請書の受け取り(ハローワークから会社宛に送られてくるため)
事前に会社の担当者に相談し、協力してもらえるか確認しておきましょう。
7. 就業した場合の記入方法を詳しく解説
育休中に働いても給付金はもらえる?
「育休中だけど、少しだけ働いても大丈夫?給付金はどうなるの?」こんな疑問、ありますよね。
結論から言うと、育休中に働いても、一定の条件を満たせば給付金はもらえます。
ただし、働きすぎると給付金が減額されたり、支給停止になったりするので、注意が必要です。
給付金がもらえる「就業の条件」
育休中に就業する場合、以下の条件を満たす必要があります。
- 就業日数が支給単位期間(1ヶ月)ごとに10日以下(10日を超える場合は就業時間80時間以下)
- 休業中に受け取る賃金が、休業前賃金の80%未満
この2つの条件を満たせば、給付金は支給されます(減額される場合あり)。
就業日数・就業時間のカウント方法
就業日数のカウント:
- 1日のうち、1時間でも働いた日は「1日」とカウント
- 半日勤務も「1日」
- 在宅勤務も「1日」
就業時間のカウント:
- 実際に働いた時間の合計
- 休憩時間は含まない
- 30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げ
具体例:
| 就業内容 | 就業日数 | 就業時間 |
|---|---|---|
| 月曜日に8時間勤務 | 1日 | 8時間 |
| 火曜日に4時間勤務 | 1日 | 4時間 |
| 水曜日に2時間勤務 | 1日 | 2時間 |
| 合計 | 3日 | 14時間 |
賃金額の記入ポイント
「支払われた賃金額」欄には、支給単位期間中に実際に支払われた賃金を記入します。
【重要】「働いた期間」ではなく「支払われた期間」
たとえば、10月に働いた分の給料が11月25日に振り込まれた場合、「11月分」の申請書に記入します。
月末締め・翌月払いの会社の場合、タイムラグが発生するので注意しましょう。
給付金の減額ルール
育休中に賃金を受け取った場合、以下のルールで給付金が減額されます。
| 受け取った賃金 | 給付金の支給額 |
|---|---|
| 休業前賃金の13%以下 | 満額支給 (休業前賃金の67%または50%) |
| 休業前賃金の13%超〜80%未満 | 減額支給 (休業前賃金の67%または50% − 受け取った賃金) |
| 休業前賃金の80%以上 | 支給なし |
具体例:
休業前の賃金月額が30万円の場合、
- 育休中に3万円(10%)受け取った → 給付金は満額(約20万円)
- 育休中に10万円(33%)受け取った → 給付金は約10万円(20万円−10万円)
- 育休中に25万円(83%)受け取った → 給付金は0円
在宅勤務やリモートワークの場合
近年増えている在宅勤務やリモートワークも、「就業」にカウントされます。
自宅で仕事をした場合も、以下のように記入します。
- 就業日数:働いた日数をカウント
- 就業時間:実際に働いた時間の合計
- 賃金額:在宅勤務で支払われた賃金
【Q&A】就業に関するよくある質問
Q1. 10日を超えて働いたら、絶対に給付金はもらえないの?
A. いいえ、10日を超えても、就業時間が80時間以下なら給付金はもらえます。たとえば、11日働いても、1日あたり7時間(計77時間)なら大丈夫です。
Q2. 複数の会社で働いた場合はどうなる?
A. 育児休業を取得している会社以外での就業も、就業日数・時間にカウントされます。すべての就業を合計して記入します。
Q3. ボーナスをもらった場合は?
A. ボーナスも「賃金」に含まれます。支給単位期間中にボーナスが振り込まれた場合、その金額も記入します。
8. よくある記入ミスと対処法
実務担当者が語る「よくあるミス」
育児休業給付金の申請で、実際によく起こるミスをまとめました。
ミス1:就業時間の記入漏れ
ミスの内容:
就業日数は記入したが、就業時間を記入し忘れた。または、就業していないのに空欄のままにした。
対処法:
就業していない場合でも、「0時間」または「-」と記入しましょう。空欄は「記入漏れ」と判断され、書類が差し戻されることがあります。
ミス2:賃金の計上時期を間違える
ミスの内容:
「働いた月」に賃金を記入してしまう。たとえば、10月に働いた分を、10月分の申請書に記入。
対処法:
「支払われた月」に記入します。10月に働いた分が11月25日に支払われた場合、11月分の申請書に記入しましょう。
ミス3:事業主証明欄の押印忘れ
ミスの内容:
裏面の事業主証明欄に、押印していない。または、証明日を記入していない。
対処法:
提出前に、裏面も必ず確認しましょう。押印と証明日の記入は必須です。
ミス4:支給単位期間を勝手に訂正する
ミスの内容:
印字された支給単位期間が間違っていると思い、勝手に訂正した。
対処法:
支給単位期間は、ハローワークが計算して印字しています。基本的に間違いはありません。もし明らかに間違っている場合は、ハローワークに相談してから訂正しましょう。
ミス5:賃金台帳・出勤簿の添付忘れ
ミスの内容:
申請書だけ提出し、賃金台帳や出勤簿の写しを添付していない。
対処法:
提出前に、以下のチェックリストで確認しましょう。
- □ 申請書
- □ 賃金台帳の写し
- □ 出勤簿またはタイムカードの写し
書類が差し戻された場合の対処法
万が一、書類に不備があってハローワークから差し戻された場合、以下の手順で対応します。
- 差し戻しの理由を確認
ハローワークからの連絡文書に、不備の内容が記載されています。
- 不備を修正
指摘された箇所を正確に修正します。わからない場合は、ハローワークに電話で確認しましょう。
- 速やかに再提出
修正後、できるだけ早く再提出します。遅れると給付金の振込も遅れます。
【予防策】ダブルチェックのすすめ
ミスを防ぐために、以下の方法をおすすめします。
- 記入後、一晩置いてから再確認:すぐに提出せず、翌日もう一度見直すと、ミスに気づきやすくなります。
- 別の人に確認してもらう:会社の場合は、別の担当者にダブルチェックを依頼。本人申請の場合は、家族や友人に見てもらいましょう。
- チェックリストを使う:記入項目と添付書類のチェックリストを作り、一つずつ確認します。
9. 育児休業を延長する場合の申請方法
延長が認められるケース
育児休業給付金は、原則として子どもが1歳になるまでが対象です。しかし、以下のような特別な事情がある場合、最大で子どもが2歳になるまで延長できます。
| 延長理由 | 必要な証明書類 |
|---|---|
| 保育所に入所できない (待機児童) |
・入所申込書の写し ・入所不承諾通知書 ・保育所入所保留通知書 |
| 配偶者が死亡した | ・住民票の写し ・戸籍謄本 ・母子健康手帳の写し |
| 配偶者が負傷・疾病により 養育が困難 |
・医師の診断書 ・母子健康手帳の写し |
| 離婚等により配偶者が 子どもと同居しなくなった |
・住民票の写し ・母子健康手帳の写し |
| 6週間以内に出産予定 または産後8週間以内 |
・母子健康手帳の写し |
延長申請のタイミング
延長申請は、子どもが1歳の誕生日を迎えた後に行います。
具体的には、次回の支給申請(1歳の誕生日以降の支給単位期間)のタイミングで、通常の申請書と一緒に延長理由を証明する書類を提出します。
例:
子どもが令和7年10月15日に1歳の誕生日を迎える場合、
- 10月分の支給申請(10月1日〜10月31日)のときに、延長理由の証明書類を添付
- 申請書の備考欄に「1歳6ヶ月まで延長希望」と記入
延長申請の注意点
- 1歳6ヶ月への延長と、2歳への延長は別々の手続き
まず1歳6ヶ月まで延長し、その後さらに2歳まで延長する場合は、1歳6ヶ月時点で再度延長申請が必要です。
- 延長理由が解消されたら給付金は終了
たとえば、保育所入所待ちで延長していたが、途中で保育所に入所できた場合、その時点で育児休業給付金は終了します。
- 延長申請は子どもの誕生日前にはできない
「保育所に入れなさそうだから、事前に延長申請しておこう」というのはできません。必ず1歳の誕生日以降に申請します。
パパ・ママ育休プラスを利用する場合
夫婦が交代で育児休業を取得する「パパ・ママ育休プラス」を利用する場合、通常の1歳までの期間を1歳2ヶ月まで延長できます。
この場合、配偶者の育児休業取得証明書などを添付する必要があります。詳しくは、ハローワークに確認しましょう。
10. 電子申請はできる?メリットとデメリット
電子申請とは
電子申請とは、インターネットを通じてハローワークに申請書類を提出する方法です。政府が運営する「e-Gov(イーガブ)」というシステムや、民間の労務管理ソフトを使って申請できます。
電子申請に対応しているシステム
2回目以降の育児休業給付金申請に対応している主なシステム:
- e-Gov(政府の電子申請システム)
- freee人事労務
- SmartHR
- ジンジャー(jinjer)
- マネーフォワード クラウド給与
これらのシステムを導入している会社であれば、電子申請が可能です。
電子申請のメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 郵送・持参の手間が不要 | オンラインで完結するため、 ハローワークに行く必要がない |
| 24時間申請可能 | 営業時間を気にせず、 いつでも申請できる |
| 処理が早い | 紙の申請より審査が早く、 給付金の振込も早い傾向 |
| 書類の保管が不要 | データで管理できるため、 紙の書類を保管する必要がない |
| 記入ミスが減る | システムがチェックしてくれるため、 不備が少ない |
電子申請のデメリット
| デメリット | 詳細 |
|---|---|
| 初期設定が必要 | 電子証明書の取得や、 システムへの登録が必要 |
| 利用料がかかることがある | 民間のシステムは有料 (e-Govは無料だが操作が複雑) |
| ITスキルが必要 | パソコン操作に慣れていないと 難しい |
| すべての会社が対応していない | 会社がシステムを導入していないと 利用できない |
電子申請をおすすめするケース
以下のような会社・担当者には、電子申請がおすすめです。
- すでに労務管理ソフトを導入している
- 育休取得者が多く、申請頻度が高い
- リモートワークが主体で、紙の書類管理が難しい
- 業務効率化を進めたい
紙の申請と電子申請、どちらがいい?
結論:会社の状況に合わせて選びましょう
- 紙の申請がおすすめ:
- 育休取得者が少ない(年に1〜2人程度)
- すでに紙での申請に慣れている
- システム導入のコストをかけたくない
- 電子申請がおすすめ:
- 育休取得者が多い
- 労務管理ソフトをすでに導入している
- 業務効率化を進めたい
個人で本人申請する場合は、紙の申請のほうが簡単です。e-Govは操作が複雑なため、慣れていないとかえって時間がかかります。
11. 【Q&A】2回目以降の申請でよくある質問
Q1. 2回目以降の申請書が届かないのですが、どうすればいいですか?
A. まず、初回申請から2〜3週間経過しているか確認しましょう。初回申請の審査中であれば、もう少し待つ必要があります。
それでも届かない場合は、管轄のハローワークに連絡して、以下を確認してください。
- 初回申請が承認されているか
- 会社の住所が正しく登録されているか
- 郵送中または紛失の可能性
申請書が届いていなくても、申請期限は延びません。早めに連絡することが大切です。
Q2. 申請期限を過ぎてしまいました。もう給付金はもらえませんか?
A. まだ諦めないでください。指定日を過ぎても、「支給対象期間の初日から4ヶ月を経過する日の属する月の末日まで」であれば申請可能です。
さらに、4ヶ月を過ぎても、2年以内であれば申請できる可能性があります。すぐにハローワークに相談しましょう。
Q3. 就業日数が10日を超えたら、給付金はもらえませんか?
A. 10日を超えても、就業時間が80時間以下であれば給付金はもらえます。
たとえば、11日働いても、1日7時間勤務(計77時間)なら問題ありません。
Q4. 複数の会社で働いています。どちらの就業も記入するのですか?
A. はい、育児休業を取得している会社以外での就業も、すべて記入する必要があります。
就業日数・就業時間・賃金額は、すべての就業を合計して記入してください。
Q5. 賃金台帳や出勤簿がない場合はどうすればいいですか?
A. 小さな会社などで、賃金台帳や出勤簿がない場合は、以下の書類で代用できます。
- 給与明細書
- 銀行の振込記録
- 勤務時間のメモ(事業主の証明があれば可)
ハローワークに相談して、どの書類で代用できるか確認しましょう。
Q6. 育児休業を途中でやめて職場復帰しました。手続きは必要ですか?
A. はい、申請書の「職場復帰年月日」欄に、復帰した日を記入して提出してください。
復帰した日の前日までが給付金の対象期間となります。それ以降の申請は不要です。
Q7. 引っ越しをしました。何か手続きは必要ですか?
A. 本人(従業員)の住所が変わっても、特別な手続きは不要です。ただし、会社の所在地が変わった場合は、ハローワークに届出が必要です。
Q8. 給付金が振り込まれる時期はいつですか?
A. 申請から給付金の振込までは、通常2〜3週間かかります。
ただし、ハローワークの混雑状況や、書類に不備があった場合は、さらに時間がかかることがあります。
Q9. 会社を退職した場合、給付金はどうなりますか?
A. 育児休業中に会社を退職した場合、その時点で育児休業給付金の受給資格を失います。
ただし、退職日の前日までの期間については、給付金を受け取ることができます。
Q10. 本人申請に切り替えることはできますか?
A. はい、可能です。会社経由から本人申請に変更したい場合は、ハローワークに連絡して、申請書の送付先を自宅に変更してもらいましょう。
ただし、事業主の証明は引き続き必要なので、会社の協力は不可欠です。
12. まとめ:安心して申請を進めるために
お疲れさまでした!ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
育児休業給付金の2回目以降の申請について、たくさんの情報をお伝えしましたが、実はポイントを押さえれば、それほど難しくありません。
最後にもう一度、重要ポイントをおさらい
- ハローワークから送られてくる申請書を使う
2回目以降の申請書は、初回申請後にハローワークから自動的に送られてきます。自分でダウンロードする必要はありません。
- 申請期限を守る
原則は「次回支給申請日指定通知書」に記載された日。遅れても4ヶ月以内なら申請可能。最終的には2年の時効があります。
- 就業した場合は正確に記入
就業日数・就業時間・賃金額を正確に記入しましょう。働きすぎると給付金が減額されたり、支給停止になったりします。
- 必要書類を忘れずに添付
賃金台帳と出勤簿(またはタイムカード)の写しを添付しましょう。
- 事業主証明欄の記入・押印を忘れずに
裏面の事業主証明欄は、本人申請の場合でも必須です。
困ったときはハローワークに相談を
この記事では、一般的なケースについて解説しましたが、個々の状況によっては、特別な対応が必要な場合もあります。
不明な点や不安なことがあれば、遠慮せずに管轄のハローワークに相談しましょう。ハローワークの職員は、親切に教えてくれます。
ハローワークの検索は、厚生労働省のサイトから行えます。
育児も、仕事も、そして給付金の手続きも
育児休業中は、赤ちゃんのお世話で毎日が大変ですよね。夜中の授乳、おむつ替え、泣き止まない赤ちゃんをあやしながら、「こんなに大変だとは思わなかった…」と感じることもあるかもしれません。
でも、あなたは本当によく頑張っています。
育児休業給付金は、そんなあなたを経済面からサポートする大切な制度です。この記事が、スムーズな申請のお役に立てれば嬉しいです。
2回目以降の申請は、初回よりもずっと簡単です。慣れてくれば、15分程度で記入できるようになります。
焦らず、確実に、一つずつ進めていきましょう。
会社の担当者の方へ
この記事を読んでくださった人事・労務担当者の皆さま、日々の業務、本当にお疲れさまです。
育児休業給付金の申請は、従業員の生活を支える重要な手続きです。この記事が、スムーズな申請業務の一助となれば幸いです。
不明な点があれば、ぜひハローワークや社会保険労務士に相談してください。正確な手続きが、従業員の安心につながります。
最後に:この記事があなたの「困った」を解決できますように
育児休業給付金の申請、不安だったかもしれませんが、大丈夫です。
この記事の内容を参考に、一つずつ確認しながら進めれば、必ず申請できます。
あなたの育児休業が、安心して子どもと向き合える時間になりますように。
心から応援しています。
【参考】関連する制度や手続き
育児休業給付金以外にも、育児に関連する制度がありますので、参考までにご紹介します。
- 出産手当金:産休中に健康保険から支給される手当
- 出生時育児休業給付金(産後パパ育休):男性が取得できる産後すぐの育児休業の給付金
- 出生後休業支援給付金:2025年4月から開始された新しい給付金制度
- 育児時短就業給付金:2025年4月から開始された、時短勤務時の給付金
- 社会保険料の免除:育児休業中は、健康保険料・厚生年金保険料が免除されます
これらの制度についても、勤務先やハローワークに確認してみてください。
※この記事の情報は、2025年10月時点のものです。制度は変更されることがありますので、最新の情報は厚生労働省のサイトやハローワークでご確認ください。
【参考サイト】

